私立ネルガル学園 〜青春は涙の味〜
第二話
<これって初恋ですか?>
ここはネルガル学園屋上。
ちょうど、お昼休み、複数のグループがお弁当を食べている。
(ちなみに作者は現役学生であるが、我が学園の屋上は閉鎖されていて、
学園での定番、屋上ラブ!!が実行できないのである。無念・・・・・・・)
「ね〜ルリルリ、どうしたの?朝からボーとして?」
金髪の、学生にしては、大人の雰囲気を持った感じの、女性。
抜群の美人で、これでもかというくらい、制服の胸元を開けている。
ハルカ ミナト 嬢は、心配そうに尋ねた。
「・・・・・」
「ね〜ルリルリってば〜!!」
「えっ、ミナトさん、何か言いましたか?」
ルリルリと呼ばれた少女は、まったく、周囲が目に入ってない。
どこか、心ここにあらずという、感じだ。
「ルリルリ、悩み事は一人で抱えるのはよくないよ」
「ルリさん!!相談でしたら、僕で、よければぜひ!!」
まだ、小学生らしい、少年が少女に食いつかんとするばかりの勢いで、少女に迫る!!
「うるさいですよ、ハーリー君、貴方には関係ありません」
少女が感情のこもってない声で、軽くあしらう。
「うう・・・そんな・・・」
ハリーと呼ばれた少年は、涙を流し、いじけてしまった。
「ハーリーなんかに、ルリが相談するわけないじゃん!!」
ピンク色の綺麗な髪をした、美少女が追い討ちをかける。
「ラピスに僕の気持ちが分かるもんか!!」
少年は無謀にもラピスという、少女に抵抗する。
「バッシ!!」
少年の頭に、目にもとらぬ速さで、ハリセンが落ちる。
「なんなんだよ、そのハリセンは!!」
「乙女の必需品よ!!」
「ラピスの何処が乙女なんだよ!!」
「お黙り!!、私はラピスじゃないわ!!ミレー○よ!!」
「いくら、髪の毛の色が一緒だからって、ラピスは、○レーヌ、とは違うよ!!」
「お黙り、私はファ○ヤーボン○ーのミ○ーヌよ!!」
「ラピス、最近マク○ス7に、はまり過ぎだよ!!」
「私、歌うわ!! 今、彼方の声が聞こ〜える・・・」
「それは○レーヌじゃなくてミン○イ、だよ!!」
ラピスとハーリーがマニアックな会話をしているのよそに、
ミナトとルリの会話は、続く・・・
「は〜、あの〜朝、ある人に、場所を尋ねられたんです、その人は、
私に声を掛けるとすぐに、黙ってしまって、私の顔をじっと見つめるんです」
「それで、ルリルリはどうしたの?」
「不思議に思って、私の顔になにか、と尋ねたんです・・・・」
「それで?」
「・・・・・・」
ルリは真っ赤なって、下を向いてしまっている。
ミナトは、話してくれないと分からない、とでも言いたそうにルリを見つめる。
「それで?」
ミナトの顔がルリにせまる。
「あ・・あの・・それで・・・」
「それで?」
「き・・綺麗って言われました・・・・」
「なんて、ハレンチな奴だ!!、そうでしょうルリさん!!」
「ハーリーうるさい」
いきなり、ハーリーが現れるが、ラピスのナイスデフェンスで、事無きをえる。
ナイス!!ラピス!!
ハーリー君撃沈・・・・
ルリの顔は、ますます真っ赤である・・・
ミナトはルリの悩みの正体が分かったが、
気が付かない、ふいをして尋ねる。
「それで、ルリルリどう思ったの?、いやだった?」
「私、どう反応していいか、分からなくて・・・・」
「でも、嫌じゃなかった?」
「ハイ・・・・」
ルリ、真っ赤・・・
「ルリさん、綺麗ですよ!!」
ハーリー君がすかさず、言う。
「・・・・・」
ルリの、表情が一気に冷める。
「これは嫌だった?」
ミナトはすかさずルリに尋ねる。
「ハイ」
ルリ、即答である。
「うわ〜ん!!」
ハーリー君はものすごい勢いで、駆け出した。
生徒が数人ハーリーに吹き飛ばされている!!
ココは屋上である!!
ハーリー君、フェンスを破壊した!!
ハーリー君、もう床が無いぞ!!
危ない、ハーリー君!!
「うわ〜ん!!」
ハーリー君、何事もなかったかのように、地面に着地、駆けて行く。
彼は何者だ?
いくら、ここが3階の屋上だからと言って、常人は良くて足を骨折だ。
すごすぎる・・・・
「さてと、邪魔者も居なくなったし、ルリ、それでどうしたの?」
ラピスが何事も無かったのかのように、続ける。
どうやら、別に、不思議な事ではないようだ。
他の生徒も、食事を続ける。
もし、誰かが、ハーリー君の才能に気が付いて、彼にスポーツを勧めたなら、
人類の歴史が変わっていたであろう。
しかし、彼の才能は永遠に発揮される事はなかった・・・・・
「それで、私が黙っていたら、その人は、入学式に出ないと、
いけないみたいで、逃げるように、去ってしまいました・・・・・」
「私、急に黙って変な子と、思われたんでしょうか?」
ルリは、迷った子猫のような目でミナトを見つめる。
「う〜ん、ルリルリ可愛い〜!!」
「きっと、その子はルリルリが可愛すぎて、目がくらんじゃったのね。」
「そうでしょうか?」
ルリはまだ不安そうな目でミナトを見る。
「う〜ん、ルリルリ、その子の何か顔とか手がかりになるもの、覚えてる?」
「それが、その人が走り去って行く時にこれを・・・」
ルリは、生徒手帳らしきものを、ミナトに差し出す。
「なになに、ネルガル学園高等学校、一学年、テンカワ アキト・・・」
「ルリルリ、この人なの?」
「はい・・・・」
「ルリルリ、この、アキト君と、もう一度ちゃんと、話したいでしょう?」
「はい・・・」
「だったら、簡単じゃない。この生徒手帳を口実に、アキト君のところに行けばいい
のよ」
「それは、そうですけど・・・、でも・・」
「大丈夫、私も付いて行ってあげるからねっ!」
「私も、一緒に行く!!」
どうやら、ラピスも興味があるようだ。
「僕も、いきます。ルリさんは、僕が守ります」
なぜか、戻ってきていたハーリー君が詰め寄る。
いつ戻ってきたんだ?
「ハリー君、うるさい。邪魔です。」
ルリが、冷たく、言う。
ハーリー君、君は学習能力はないのかい?
「うわ〜ん!!」
ハーリー君またまた、走り去る。
彼は、どうやら、ルリのストレス発散道具らしい。
良かったな、ハーリー君!!ルリの役に立てて本望だろう。
そんな訳で、ミナト、ラピス、ルリはアキトのいるだろう、教室に向かった・・・・
代理人の感想
それでも本望なのかハーリー(爆)。
思わず貰い泣きしちゃいましたよ。
・・・・しかし生徒手帳ってのは何故かよく落としものになるなぁ(核爆)。