【神々の干渉】

 

第1話 遭遇



 「ここは…何処だ……。」


 気が付くと俺は、見知らぬ場所に居た。


 たしか俺はナデシコから逃げる為にラピスにジャンプするよう命じたが

 ルリちゃんのエステバリスのアンカーを打ち込まれてシステムが暴走して……


 「ルリ!!!ラピス!!!」


 俺は素早く周囲を見渡した。

 いくら俺がランダムジャンプに成功したからといって

 彼女達が無事という保証は何処にも無い……





 あたりを見渡すが……彼女達はいなかった。


 くそ!!俺はまた守れなかったのか大切な人を……


 俺は悔しさと悲しみのあまり拳を地面に叩きつけようとした…が


 そこには俺の守りたかった人がいた。


 ほっとした俺は優しく彼女達を起こした。


 「ルリ…ラピス…起きろ。」


 しばらくすると二人が目を覚ました。


 「…アキト……さん。」


 「アキト。」


 「二人とも怪我はないようだな。」


 「ええ、特に気になるところは……ところでアキトさん。

  ここは一体………。」


 ルリちゃんも気が付いたようだな、この場所の異常さに…。

 今、俺達がいる場所は空も陸も海も光すらない空間にいる。

 普通なら姿が見えない筈なのに、なぜだかお互いの存在が

 ハッキリ分かる。本当にここは一体………。


 しばらく現在の状況の確認とこの空間の脱出を考えるが

 ある気配を察知したアキトは二人を自分の背に移動させる。


 突然のアキトの反応に驚く二人。


 「ドウシタノ、アキト。」


 「二人とも気を付けろ。誰かいる。」


 アキトは緊張した声で答えると腰に携えてある

 ブラスターを素早く身につけ、周囲の気配を探る。


 アキトは焦っていた。


 くそ、なんでもっと早く気が付かなかったんだ。

 人数は一人。しかし俺より断然強い。

 何とか二人だけでも助けなければ……。 


 しばらくすると目の前に美しい女性が現れた。


 「ようこそ我が主の城へ、テンカワアキト様、ホシノルリ様、ラピス・ラズリ様。」


 優雅に一礼した彼女に驚くアキトとルリ。


 「何故、俺達の事を知っている!!!」


 アキトは自分達を知っていることに怪しさを感じ

 ありったけの殺気を込めて質問する。


 アキトの殺気に耐えられる人は殆どいない……。

 がしかし、彼女は笑みさえ浮かべながら質問に答える。 


 「それは後程答えます。それから自己紹介がまだでしたね。

  私の名は、リーフェと申します。怪しまれるのも無理はありませんが

  我が主の命によりあなた達を城に招待します、付いて来て下さい。」


 そう言うや否やリーフェはゆっくりと来た道を戻っていく。


 「どうします、アキトさん。」


 ルリがどういう対応をすればいいかアキトに質問する。


 暫く考えるが……


 「そうだな………彼女から敵意は感じないし

  いつまでもここにいても仕方ないしな。

  それに拒否しても無理やり連れて行かれるかもしれないからな。

  だけど警戒するにこしたことは無いだろう。

  ルリ、ラピス。俺の傍から離れるな。」


 「はい。」


 「ワカッタ、アキト。」


 そう言うとルリを左に、ラピスを右に着かせてリーフェの後を追った……。

 

 

 暫く歩くとどうやって開けるんだ?と考えさせられるような巨大な門が現れた。


 するとリーフェはそっと門に触れる…とゆっくりと音を立てて開いた。


 「どうぞお入りください。」


 と優雅に一礼し中に入るよう勧める。


 アキト達は警戒しながら門を潜る…と




 そこには〔ようこそ幻界へ〕と書かれた垂れ幕があり

 数人の女性がクラッカーを鳴らし紙ふぶきを投げている

 光景にアキト達は唖然とした。


 「みんなそこまでにしないか。」


 その一言で彼女達は騒ぐのを止め、その人物の横に着く。


 「済まなかった、驚かせてしまった様だな。」


 その一言で復帰するアキト一同。


 「…ああ。」


 そこには人間の美貌を超越した人がいた。


 人間の遺伝子上ありえない白金の髪と

 限りない威厳と優しさを宿す黄金の瞳を携える

 一人の男性がいた。


 「ようこそ、我が城へ……って、

  テンカワアキト君。君は

  何か言いたいみたいだね。」


 とアキトを優しい眼差しで見る。


 「そうだな。質問は三つ。

  まず一つ、ここは何処だ。

  次に二つ、あなたの名は?

  最後に三つ、何故俺達を呼んだか。

  というところか。」


 とさっきから疑問に思ったことを質問する。


 「そうだな、まず一つ目はここは

  さっき垂れ幕に書いてあったが

  ここは幻界だ。」


 「幻界?」


 「そう、幻界だ。分かりやすく言うと

  ここは神々が住んでいる世界だ。」

 

 

 

 

 

 

 「ハァ?」

 

 

 暫く思考停止のアキト達。


 「ということは、あなたは神様…ですか?」


 いち早くアッチから帰ってきたルリが確認を取る。


 「ああそうだよ。ついでに世界の構成について教えよう。」


 「構成ですか?」


 「そう、まず君達、人間が住む世界を人間界と呼ぶ。

  次に死んでしまった人や幻想の生き物が住む世界を天界と呼ぶ。

  最後に今、私達いる幻界と三つの世界で構成されているんだ。

  次に私の名前だな。私の名前は無いんだ。」


 「名前が……無い?」


 疑問を感じるアキト。


 「そうだ。私が生まれた時は何も無かった、何もな。

  もちろん産みの母もな。とても寂しい世界だった。

  そこで私は幻界、天界、人間界を作り、生命に

  命を与えたのだ。それはさておき名前が無いと不便だからな。

  名前か………そうだな、神の音読でシンにしよう。」


 という事で神の名はシンに決定。


 「最後に三つ目だな。これが一番重要だな。

  簡単にいうと修正の為だな。」


 「修正?何のだ。」


 「お前達の世界のだ。」


 「私達の世界の…。」


 「そうだ、まずこれを見ろ。」


 とシンが頭上に手を掲げるといくつものウィンドウが開く。


 「これは……。」


 開かれたウィンドウにはさまざまなアキト達の世界があった。

 ……がそのたくさんのウィンドウを見たアキト達は驚愕した。


 「なんだよ、これは……。」


 無限とも思わせるほどの世界があるのに

 なぜかアキトは悲惨な最後を遂げている。


 「どうなっているんだ、これは。」


 アキトは呆然とシンに尋ねる。


 「そうだ、この世界のキーパーソンの存在であるアキト君は

  何故か悲惨な最後を遂げている。私はそれを修正する為に 

  君の世界の根源に干渉し過去に精神を飛ばしてみた……が。」


 そう言うとシンはアキト達に、過去へと戻った自分達の物語を頭の中に入れる。




  過去への帰還




  ヤマダの救助




  火星の避難民の救助




  DFS




  西欧方面軍の配属




  新たな出会い




  メティの死




  北斗の出会い




  ブローディア




  昂気




  ブーステッドマン




  サツキミドリの消滅





  最終決戦





  ボソンジャンプ






 物語が終わると静かに瞳を開ける。


 「アキトさんはどうなったんですか!!!」


 「そうだよ、アキトはどうなったの!!!」


 ルリとラピスが必死の形相でシンに尋ねる。


 彼女達の目の前ではまさに今アキトが消えたばかりなのだ。


 しかしシンは首を横に振る。


 「そんな……。」


 「見てもらった通り、過去に戻しても結果は変わらなかった。

  どうも君達の世界そのものがアキト君を排除しようとしているみたいなんだ。」


 「そんな、アキトは何も悪くないのに……。」


 「そうだねラピスちゃん。そこで本来、神は世界に干渉しないようにしているのだが

  アキト君は余りにも不幸なので我々、神々が君の世界に干渉しようと思うのだが

  依存は無いか?」




  予想外の返事に戸惑っていたが、徐々に顔に希望に溢れてきた。


 「本当ですか。本当に未来を変えられるんですか?」


 「ああ、君達が努力すればね。もっとも君達がそんな事はしないと分かっているけどね。」






  「「やった〜」」





 ルリとラピスは喜びの余りアキトに抱きついた。


 「おいおい。」


 その光景を温かく見守る神々。





 そして気持ちが落ち着いたところで


 「そういえばまだ彼女達を紹介していなかったな。」


 彼女達とは最初に出てきた女神達のことだ。


 「主様〜、酷いですよ〜。」


 「そうですよ、普通、自己紹介は最初にするものでしょう。」


 と批判をあげる女神達。


 「ごめんごめん、今度何かおごるから機嫌を直してよ。」




 シンの慈愛の笑みに顔を真っ赤に染める女神達。


 これぞテンカワスマイルを超える


 ゴッドスマイルだ!!!



 「それより自己紹介だ。まずこの幻界の女神の中で一番力が強い【命】を司るリーフェ。」


 「リーフェです。これからどうぞよろしく。」


 「次に二番目に強い【生】を司るイヴ。」


 「イヴで〜す。どうぞよろしくね♪」


 「次にイヴと同等の力を宿す【死】を司るフィーネ。」


 「フィーネです。仲良くしましょうね。」


 「次に力を持つ【秩序】を司るコスモ。」


 「始めまして、コスモと申します。以後顔見知りを…。」


 「次にコスモと同等の力を宿す【混沌】を司るカオス。」


 「カオスだ。よろしく。」


 「次にコスモ達の次の実力を持つ【闘争】を司るアテナ。」


 「アテナです。よろしくお願いします。」


 「最後に【知恵】を司るミネル。」


 「ミネルです〜。よろしくです〜。」


 「やっと全員言い終わったな。それでは過去に跳ぶとするか。」


 「過去に跳ぶってどうやってですか?」


 「ああそれはな簡単な事だ。こうしてな。」


 パチン


 と指で音を立てると


 ヴォン


 と音が聞こえそうなかんじで人が一人入れるような穴が出現した。


 「この中に入ればいい。」


 「これで過去に行けるの?」


 「正確に言うと過去じゃないんだがな。まあ行ってみれば分かるよ。

  じゃあ、お先に。」


 そう言うとさっさとあの穴の中に入っていってしまった。


 「それじゃあ、私達も…。」

 
 と彼女達もさっさと言ってしまいました。


 取り残されたアキト、ルリ、ラピス。


 「アキトさん行きましょう。」


 「そうだよ、行こうアキト。」


 と二人はアキトの腕にしがみつきながら穴に向かう。


 「そうだな。行こう運命を変える為に!!!」


 そう言うとアキト達は幻界を後にした。


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 あとがき

 お久しぶりです。はっきりいって疲れました。

 疲労でぶっ倒れそうです、いやマジで…。

 やっとオリキャラが出ました。

 彼らの設定はいつかしたいと思います。

 出来れば感想やアドバイスのメールを下さると嬉しいです。

 じつはまだ一通ももらっていないんで(泣)。

 それではまた……。

 

 

 

 

代理人の感想

 

もらってないって・・・・無茶を言いなはんな(苦笑)。

そもそも前回はプロローグ、内容もまさに前振りのみ!

話も始まってないわキャラクターもアキルリラピ以外出てないわの状況で、どう感想書けっちゅーねん(爆)。

 

基本的に感想って言うのは物語が動かないと書けませんからね〜。

アドバイスにしてもある程度文章読まないと分析も出来ないんです。

と、ゆーわけで言えることは一つ。

 

感想が欲しけりゃとにかく書け(笑)!

 

以上。