その日、冬木市に以下略。
運命の夜以下略。
あ、ぶっちゃけFateです。
そこ! 「またFate?」とか言わない!
お題:サーヴァントは全員日本の男子学生縛り。
「フン、貴様贋作者ですらない、存在自体が偽物か。度し難い。疾く消えよ!」
「ふ、ふひ、そ、そんな金ぴかな格好してて、はは恥ずかしくないのかよっ? 英雄王は羞恥心がないのが条件だったり?」
ギルガメッシュの殺気をうけ、盛大にテンパリつつも煽る少年。手にした青い剣は切っ先がぶるぶる震えている。
英雄王の目から、感情が消えた。
「……よく言った。その類稀な傲岸不遜に免じ、跡形もなく消し去ってくれる」
その後の展開は実にあっさりしたものだった。
最強の宝具である乖離剣により、少年はあっさりと跡形もなく消し飛んだ。
だが。
「ふ、フヒヒ、なんだ。エラそうにしといて、結局効果はミンチより酷いことになる「程度」かよ……!」
「貴様……確かに直撃を受けた筈」
「受けたさ。受けたけど……この程度は、僕が体験した死の中では全く優しいほうなんだよ。……皮肉じゃなく」
セイバー:西條 拓巳
出展:CHAOS;HEAD
スキル
リアルブート:A++
自身の妄想を周囲の人間に認識させることにより、現実のものにする力。
このサーヴァントの場合宝具のディソードを使わずとも妄想を現実にでき、一から人間を妄想から作り出すことも不可能ではない。
周囲の認識が必要なため、基本的に他人がいる時しか使えない。
また、怪我などを治すことも脳が痛みを認識してしまうため不可能。
このサーヴァントの妄想力は他のギガロマニアックスの比ではなく、脳がなくとも妄想ができ、妄想スピードも異様に早い。
無限補充:A
細胞が少しでもあれば瞬時に再生できる。リアルブートで怪我の治療はできないはずだが、このサーヴァントには当てはまらない。
宝具
虚数の海に咲く睡蓮(ディソード):A
あらゆるリアルブートのショートカットであり、ディラックの海に干渉するための端末。
リアルブート(この場合は剣の実体化)をすることにより、対象の硬さに関係せず触れたものは一瞬にして沸騰させ焼き切る。
ただ、それは本来の使い方とは言えない。
「……っ、ねーちゃん、中々やるな!」
「あなたも。しかし、ライダーである私程度に拮抗するようではランサーの名折れ。悪いことは言いません。ここで脱落しなさい」
ライダーは、いっそ優しさを感じる声音で少年に語りかける。
そして少しの苦痛も与えないよう、宝具を発動させた。
「ペガサス!?」
「そう。せめて苦痛無きよう、逝きなさい!」
だが。
「……ヘッ、天馬なんざ、よーろっぱ辺りに出向いたときにゃあ飽きるほど狩ったモンだがよ」
「何者!?」
「へ……おせーぞ……」
「とらァ!」
「知るかよ、うしおーっ!」
少年、潮は、自分の宝具であるにもかかわらず、自由に出し入れすることもかなわない金の妖(バケモノ)の背に跨った。
ライダーは慌てて空に逃れるが、とらは一瞬でペガサスに肉薄する。
「おせーぞ、馬ァ」
「!!」
「反撃開始だ!」
潮ととらの猛攻に、ライダーとペガサスは防戦一方になる。真の力を解放する暇も無い。
「どーした女ァ! 騎乗状態で槍兵に後れを取るなんざ、「らいだー」の名折れだぜ!」
「けっ、えっらそーに」
「クッ!」
ランサー:蒼月 潮
出展:うしおととら
スキル
太陽:E〜EX(理論上)
実際に潮が一定以上関わった人物の数だけサーヴァントの力が増す。
単純なスペックの増加以外にも、様々な効果が発生する場合もある。
これらの効果は後述のとらにも適用される。
宝具
二体で一体の妖(バケモノ)A+
雷獣とらを呼び出す。ただし、かなりの自由意志を持ち、サーヴァントの意思通りに行動するとは限らない。
だが、ひとたび意思を同じくすれば、その連携はまさしく「二体で一体」である。
獣の槍:A
邪を裂き鬼を突く、退魔の霊槍。人外に強力な特効効果を持ち、使用者の身体能力・治癒力を著しく向上させる。
人間に対してはただの古ぼけた鉄の槍である。
振るう度にその魂は削られ、果ては妖怪に成り果てるという。
「道に迷ったなぁ」
「あら、どうしたのぼうや?」
「ああ、お姉さん。ちょっと道に迷っちゃって……ってあれ何!?」
道に迷った小学生くらいの少年に声を掛けたキャスターは、ぎょっ、と目を剥いた。
大量の黒犬が、周囲を囲んでいるのである。
黒犬とは言っても、明らかに自然の動物のそれではない。魔術か、それに準ずる物で作られたモノだろう。
(夜中とはいえ、こんなに堂々と仕掛けてくるなんてね……)
必要とあらば手段は選ばないとはいえ、キャスターとて無闇に神秘の発覚は避けたいところである。
かと言って、この少年を見捨てるのは寝覚めが悪い。速攻で片付け、記憶をいじらねばなるまい。
問題は、敵がどれほどの強さでどれほどの数がいるかだ。
しかし少年は、この状況で面倒臭そうに頭を掻いた。
「しょうがないなぁ……。早速頼ることになっちゃうじゃないか」
少年は、お腹の部分にある大きめの白いポケットから小さな筒を二個取り出して、左右の人差し指に装着する。
その瞬間、
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱん。
周囲の黒犬が、一斉に爆ぜた。
「はぁ、もうドラえもんに頼らないって決めてたのに。空気ピストルをさっそく使っちゃったよ」
少年、のびたは、周囲の塀、電柱、道路などを利用し、一瞬の早撃ちと跳弾で、死角にいたものも含め、黒犬全てを撃ち抜いた。
言うまでもなく、とんでもない神業である。
「あ、お姉さん大丈夫だった?」
「坊や……サーヴァント……?」
「そうだけど。あ、そうか。面倒に巻き込まれたくなかったから道具で誤魔化してたんだった」
「……!」
キャスターはとっさに身構えた。サーヴァントならば、場合によっては殺さなくてはならない。
「あ、別に僕は聖杯には興味ないよ」
「なぜ?」
「願いが叶うのって、以前は結構日常的なことだったからね」
アーチャー:野比 のびた
出展:ドラえもん
宝具
四次元ポケット:EX
正確にはスペアポケット。22世紀の未来の秘密道具が詰まっている。
その道具の前では、現代の魔法使いは、全て普通の魔術師に成り下がるだろう。
※こののびたは、ドラえもんと共に過ごしていた時期の姿ですが、実際は寿命で死亡するまでの経験を持っています。
ただ、のびた以外もそうですが、性格はある程度肉体年齢に引っ張られています。
「へっ、サーヴァントを召喚するサーヴァントとはな。だが、女の後ろに隠れて恥ずかしくねーのか?」
「僕に戦闘能力は無いんでね。前にしゃしゃり出るほど馬鹿じゃない」
ランサーが挑発するように声を掛けるが、高校生ほどの眼鏡の少年は、どこ吹く風と全く相手にしない。
少年の前には、頭上に輪、背中に翼をそなえた少女が、少年を守るように立ちはだかっていた。
「あんたはいいのかい。できれば女は殺したくないんだがね」
「問題ありません。あなたがどんな能力を持っているかは知りませんが、桂木さんを失うわけにはいかないのです」
「能力ったって、大方必中だとか心臓を必ず貫くだとかそこら辺だと思うぞ。ゲームじゃよくある、ありふれた能力だよ」
「いやそれ大丈夫じゃないのでは!? 私はともかく、体は天理のものなんですよ!?」
「……テメエ。仮にそれが正しいとして、それでも女を矢面に立たせるのかよ」
「勝算もなしにそんなことするもんか。それに、その槍と今までの会話でお前の正体は大体分かった。
当てて見せよう。アイルランドの英雄、クランの猛犬と呼ばれた男。だろう?
ま、僕の知ってるゲームじゃ、お前の名前を受け継いだ、小さな妖精族の女の子もいたけどな」
「そこまで解って、なお女を盾にするか。おいあんた。こいつは最低の屑だ。あんたが守る価値はねぇよ。……どきな」
「……」
「……確かに、桂木さんは最低です」
「……」
「最低で、無神経で、デリカシーがなくて、唐変木で、二次元に現を抜かす、無神経で、健気な天理を蔑ろにする類稀なる最低男です」
「なんで味方のお前が敵より僕を罵ってるんだよ」
しかも無神経と最低を二回言っている。
「ですが、桂木さんは一度やると宣言したことは必ずやり遂げます。やり遂げる強さを持っています。
……私はそれを知っているんです。残念ですが、あなたの提案は聞けません」
「イイ女だな、あんた」
「それはどうも」
「それだけに惜しい。どんなに崇高な理念を持とうと、気高い誓いを立てようと、この槍は例外なくそれらを貫いてきた」
「あなたの実績より、桂木さんを信じていますので」
「本当に、惜しい」
ランサーは腰を落とし、穂先を下げ、構えた。
今から放たれる突きが、この男の言う必殺の突きであると、二人は言われずとも感じた。
「刺し穿つ(ゲイ)……死棘の槍(ボルク)!!
「マルス」
決まった。槍を突き出した瞬間、ランサーは思った。相手も何かをしたようだが、何をしようと関係ない。
発動した瞬間、相手の心臓を貫くことが決定している必死の一刺し。もう逃れる術はない。
「!?」
殺気に体が反応した。反応した瞬間、脇腹に激痛が走る。
(誰だ!?)
見ると、そこには凛々しい眼差しの金髪の少女が。彼女が手に持つ剣で斬りつけられたのだろう。
仕留め損ねたと悟ったのか、少女は口惜しそうな表情を浮かべ、桂馬の方へ跳ねた。
「だが甘ぇ! 例え俺が死んだとしても無駄だってのに、この程度の痛みで……!?」
そこには、誰もいない。槍は、誰もいない空間を貫いた。
「さしものゲイボルグも、いない相手を突くことは出来ないだろう」
「新手ではなく、この女も貴様のサーヴァント……!?」
「誰も一人だけとは言っていない」
桂馬は、自分の中であれだけ覚悟を決めたのにこんな単純な手かと騒ぐディアナを無視し、クールに言い放った。
キャスター:桂木 桂馬
出展:神のみぞ知るセカイ
宝具
神のみぞ知るセカイ(ワールドゴッドオンリーノウズ)E〜A
彼のプレイしたことのあるギャルゲーのヒロインをサーヴァントとして召喚する、宝具の域に達した魔術。
召喚したヒロインのスペックは、彼のヒロインに対する愛に依存する(そのキャラの最も得意なことがA、それ以外はBが限界)。
技術などはゲームの設定準拠。
召喚した彼女らは基本的に彼の言うことを聞くが、彼女らにとってあまりに酷い命令などをすると、言う事を聞かないばかりか
パラメーターが著しくダウンする。しかも再召喚時にも、パラメーターと好感度は下がったままである。
回復するには彼女らの好感度を再び上げなければならないが、彼がパラメーターを下げる命令をする事はほぼ有り得ない。
同時に召喚できるのは二人まで。別のヒロインを呼び出すには、先に召喚していたヒロインを戻さなければならない。
ユピテルの姉妹:C〜S+
ユピテルの六姉妹を心に宿した少女達を召喚する魔術。
基本的には「神のみぞ知るセカイ」と同じだが、スペックは彼女らの彼に対する愛に依存する(ランクS+が限界)。
また、一度に呼び出せる人数は一人だけである。
内に宿した女神のスペックは、「神のみぞ知るセカイ」で召喚できるヒロインたちとは一線を画する。
神のみぞ知る全く新しいセカイ(ホールニューワールドゴッドオンリーノウズ)
彼の所有する固有結界。
その心象世界は、抜けるような青空に美しい草原、そして彼の攻略したヒロインが存在する、彼の理想のセカイである。
この結界内では、彼女らのスペックに限界はない。敵は瞬く間にぼろ雑巾と化すだろう。
種類としては、サーヴァントの連続召喚に分類される。
固有結界を展開するときのスペルは、彼の自作の歌、「集積回路の夢旅人」である。
※原作の彼に戦闘能力はありません。
ライダー:横島 忠夫
アサシン:高町 恭也
省略。
「おいちょっと待て!」
「いーだろもう。前作に出番があったんだし」
ちなみに、横島の宝具はコンメリアです。
「……なんか、俺が一番弱くないか?」
「他作品と比べるのはナンセンスやで」
そして。
「お前らみたいなのがいる限り……」
森の奥から現れた少年は、異様な雰囲気を纏っていた。
「俺は何処にでも現れる」
格好は極普通の私服だが、格好以外が異常すぎた。
右手に日本刀、左手に土偶のような小さな像、そして背中には二丁の旧式の猟銃を背負っている。
耳にあるウォークマンのイヤホンが、むしろ浮いているようにすら感じる。
「全部……消してやる!」
バーサーカー:須田 恭也
出展:SIREN(サイレン)
某微笑み動画のSIRENプレイ動画では、彼の出番が来るたびに、「SDK! SDK!」と、
コメントでSDKコールが巻き起こる(本当)。
恐らくエンディングでの無双っぷりに対する賞賛と思われる。
ちなみに、SDKとは彼のネット等でのハンドルネームである。
スキル
赤い水の祝福:A
傷を負っても短時間で再生する一種の自動治癒。身体の一部や内臓の欠損も、多少の時間はかかるが問題なく再生する。実質、このサーヴァントを殺しきることは不可能。
ある条件下で屍人になってしまうデメリットがあるが、このサーヴァントの宝具の効果によりそのデメリットは打ち消されている。
※屍人とは、とある神の祝福を受け、不老不死になった者のこと。種類として、思考能力を著しく欠いたゾンビ的化け物のような半屍人、より神に近づいたとされる状態として、犬屍人、蜘蛛屍人、羽屍人等が存在する。半屍人以降は人としての意識は完全に失っているようで、人間大の虫のような印象を受ける。その異常な在り方は、生きとし生けるものを冒涜するかのようである。
屍人化が進行するに伴い自我が薄れ、姿形が人とはかけ離れていく様を見ると、異形の神とは言え祝福されているとはとても思えない。ただ、祝福云々はあくまで人間による解釈なので、実際は祝福などではない可能性は高い。
また、人間的思考能力のない犬屍人等を統括する者として、頭脳屍人(ブレイン)という固体も存在する。こちらは半屍人同様、ある程度の自我は残っているようだ。
異界ジェノサイダー:A
異界の存在を狩る力と宿命。特定の種族に対するダメージに大きなプラス補正がかかる。
サーヴァントに対するプラス補正のランクはB程度だが、十分な効果といえる。
幻視:C
他人の視界を盗み見る能力。ピントさえ合えば見える映像はそれなりに明瞭で幻視先の音も聞こえるが、このランクでは幻視しつつ行動することはできない。通称、視界ジャック。
宝具
神代の呪い:A
かじろののろい。対象者の生命(精神)を不死にする呪い。神代の呪いを受けし者は神に見放され、祝福された存在とされる屍人にはなれない。肉体的には不死ではないので、寿命や事故で体が朽ち果てれば、後は精神のみが永遠に苦しみ続けるだけとなる。死にたくても死ねない、まさしく最悪の「呪い」である。
だがこのサーヴァントの場合、赤い水の呪いの肉体再生により、結果的に真の不老不死になっている。
神代の呪いを受けた人物の血を、何らかの手段で他者の血中に混入させれば、混入の程度により差はあるものの、その者も神代の呪いを受け魂を不死にすることが出来る。が、それはあまりに罪深い行為であろう。
焔薙:A
ほむらなぎ。隕鉄から精錬されたと言われる刀。刀自体は良質の刀以上でも以下でもないが、木る伝(ケルヴィム)の力が宿っており、その一振りは神の首をも切り落とす力を秘めている。敵の神性が高いほど威力を発揮し、防御系技能を無効化する。
宇理炎:B〜EX
うりえん(ウリエル)。盾の文様が刻まれた土偶。不死の屍人や異形の神さえ完全に焼き尽くし消滅させることができる神の武器。
ある程度威力の強弱をつけることが可能で、高威力で使用するほど次の使用までに時間がかかる。最低威力(ランクB相当)ならタイムラグ無しで使用可能。
最大威力なら威力A++で、範囲は大きな村落全てをカバーするほど。威力B〜A++は純粋な威力であり、対象によってはEXまで威力が跳ね上がる。
神ならぬ者には、命を代償にしなければ使用することは叶わないが、このサーヴァントは神代の呪いにより不死のため、この宝具を制限無しに使用できる。
このランクの宝具を代償なしでいくらでも使えるのは、強力を通り越して凶悪といっても差し支えない。
最後の神代: ?
須田恭也と心を通わせた、神代美耶子その人。彼女自身、神代の呪いを持つため、肉体を失った今も変わらず寄り添い続けている。
このサーヴァントにその存在を感じることはできないが、特殊な目を持つ者の視界を「幻視」で盗み見れば、自分に寄り添う彼女の姿を確認することが出来るだろう。
詳細不明。
※最終決戦の没展開
「行くぞ衛宮、準備はいいか!?」
「いいぞ、忠夫!」
『同』『期』
「シロウとタダオが……」
「合体したぁ!?」
あっけに取られる一同。そして二人の力をあわせることで発動する固有結界。
「無限の煩悩(アンリミテッドパッションワークス)」。
発動したそのとき……。
「ちょw」←拓巳
「!? な、なんてもの出すんだよ兄ちゃん達!!」←潮
「うわっ、すごいなァ」←のび太
「ほう……」←桂馬
「なんと不健全な」←恭也
「なんか今すごい蹴られてる気がする!」←SDK
そのとき彼らが見たものは、とにかく無数の全裸の女性だった。
「なんてことしてんのよあんたらーッ!!」
「これだから男は……」
凛が、美神もかくやという迫力で横島らに突っ込みを入れる。キャスターの視線は、まさしく虫けらを見るが如しである。
他の女性陣は、羞恥か呆れか、いずれにせよ言葉も無い。
「いや、違うって遠坂! なんか俺のやつはもっとこう、剣っぽい気がするんだが!」
「本来剣があるはずが、横島の影響で変わりに裸の女性になったということか?」
「確かにこれでタダオの力は無尽蔵でしょうが、これはあまりにも……」
全員の白い目が横島に集中する。が、当の横島は少し難しい顔をしていた。
「なあ衛宮。ここの女の人、全員見覚えあるか?」
「え? えーと」
「見るんじゃないわよ!」
「あ、すまん遠坂。ん、ぱっと見た限りは全員顔見知りっぽいけど」
「あー」
「どうしたんだよ」
「確かに裸のねーちゃんが出てきたのは俺の影響だろうけど、今現れてる裸のねーちゃんたちは、衛宮の煩悩を刺激する女やな」
「えっ」
「いや、さすがのワイもイリヤに欲情せんわ。セイバーもギリで無理やし」
そう。現在展開されている固有結界には、裸のセイバーやイリヤも存在していた。
「何より、衛宮は全員見覚えあるって言ったけど、俺の見たこと無いねーちゃんもチラホラおるし」
「あっ」
「士郎、あんた……」
「シロウ……」
「先輩……」
「やーん♪ さっすがシロウってば女を見る目あるぅー!」
今度は士郎が白い目に晒される番だった。
「衛宮士郎……」
ゆらりとアーチャー(赤いほう)が前に立ったかと思うと、士郎(と言うか横島)の頭をがっと掴み、地底湖の水面に突っ込んだ。
「がぼっ!?」
「 溺 死 し ろ 」
「ちょ、がばっ、アーチャー、その単語の前に『理想に溺れて』って言葉ががぼっ抜けてないかっ!?」
「 溺 死 し ろ 」
「赤アーチャー、血の涙まで流して!」
「落ち着け! いくら衛宮がペドで横島以上に節操の無い男だったとしても、お前がそこまで怒る必要は無い!」
「ぐはぁ!?」
「なぜ吐血まで!?」
「恭也、言わないであげてよぉ!」
もちろん没です。
タッキーが強すぎるw
ナデシコの仲間を、大切な人を救うため、横島は跳んだ。
しかし、やはり制御に無理があったのか、横島は元の時代ではない、未知の場所に流れ着いた。
このままでは仲間が死ぬ。早く元の時代に帰らなければ。もし出来るなら、この世界で封印してもいい。
横島の戦いが、再び始まる……!
――――――――――――――――――――
〜ここまでテンプレ〜
横島は、現代日本に無事辿り着いていた。
否、無事に、と言うには語弊がある。なぜならここは、同じ地球の日本でも、ゴーストスイーパーが存在していなかったからである。
これは地味に厄介な展開であった。
現代日本である以上、戸籍がないと出来ることに限りがある。しかも横島は、身分証明しようにも自動車免許は持っていない。
GS免許は言うまでもなく役に立たないし。
横島は途方に暮れた。
「焔。誰と一緒に行くか決まったか?」
くすんだ金髪の若い男が、少年に尋ねた。焔はしばらく思案し、
「なら聖二郎さん、お願いします」
「わかった。なら東館に行くのは俺、焔、未亜ちゃん、西館は里奏、桔平、八千花ちゃんだな」
焔は頷き、改めて経緯を思い返していた。
そもそも父である山之辺教授が、ここ綾小路邸を調査するのに必要な鍵を家に忘れた事から始まった。
父から電話で届けて欲しいと頼まれたので、休日の予定を変更し、友人らと綾小路邸に訪れたのだ。
だがエントランスに着くと、父が向かったであろう本館への扉は鍵がかかっており行方が分からなかったため、
遅刻してきた父の調査チームのメンバーである聖次郎と里奏とともに、焔が届けに来た二つの鍵で、西館、東館を調査する事になったのだ。
そしてメンバーも決まり、いざ調査開始しようと思ったところで、
「っだー! 遅れたー!」
駆け込んできたのは、横島だった。
「よ、横島さん!?」
「ん? 焔じゃん。なんでこんなトコに? って未亜ちゃんたちも?」
この横島という人物、どこかで父が見つけてきた男で、父曰く、妙に馬が合う見所のある人物……らしい。
自分や友人らも何度か顔を合わせており、共通の印象としては女好きだが憎めない人物と言ったところか。
「あれ、聖二郎と里奏さんも?」
「横島も呼ばれてたのかよ。俺らはただの遅刻だ。だがなんで横島が? お前さん、こういうとこの調査とかやった事あんのかよ?」
「一応何度かあるけど「あんのかよ」、山之辺のおっさんが俺を呼んだのは調査の為じゃないと思うぜ……」
「? どういうことですか?」
「…………」
幼馴染の未亜が不思議そうに尋ねるも、横島さんはいつになく真剣な顔で黙り込んだ。いつもこの表情ならナンパも成功するかもしれない。
「この館は、良くない。早く出たほうがいい。早く山之辺のおっさん達を見つけて撤収しよう」
今になって、思う。
この横島さんの提案を受け入れるべきだった。調査なんてことはせず、本館への扉をこじ開けてでも、父さんたちと一刻も早く合流して離れるべきだった。
そうしたら、この絶対的恐怖と狂気、そして絶望と出会わずに済んだかも知れないのに……………………。
「う、うわああ!」
「あ、あの女、腰から下が千切れてるのに、なんで生きてるのよぉ!」
「……ふーむ」
「横島君、ぼさっとしてないで逃げるのよ!」
「いや、あの程度なら、っておわっ」
急な地震で床が抜け階下に落下した横島だが、何とか這い上がることに成功した。
桔平、八千花、里奏の西館チームと合流した横島だが、チームは始めて遭遇する怪異に恐慌状態に陥る。
(ヤバイな。パニックになったら生き残れるものも生き残れんぞ)
里奏に引っ張られながら呑気に考える横島。幸い、敵は二本の腕で這っているせいか、スピードは遅い。
だが、
「行き止まり!?」
「そんな!」
「やるしか、やるしかないってのかよ……!」
恐怖に引きつる面々を余所に、横島は、
「……なぁ桔平。さっきレトロゲームの話で盛り上がったよな?」
「横島君、いきなり何を!?」
「おかしくなるならせめて玉砕してきなさいよ!」
「た、確かにしたけど」
「その中に、スウィートホームの話題が出たよな?」
スウィートホームとは、ファミコンで発売されたホラーRPGで、古びた洋館に閉じ込められたTVスタッフが、
跋扈する幽霊や怪物を時に退治し、時にやり過ごし、館の謎を解き脱出するゲームである。
「で、出たけどさ、いくらシチュエーションが似てるからって、実際にあんなの退治しろって言われても無理だって!」
「いや、俺が言いたいのはさ」
そう言って、横島はおもむろに這いずり女に歩み寄る。
「危ない、横島君!」
「素人でも撃退できる程度の強さなら、」
横島は、霊波刀を伸ばし、無造作に女の額に突き刺した。
「えっ」
「専門家にとっては取るに足らねーってことだよな」
横島は、手に付いた水を払うように霊波刀を一振りした。
西館チームは、無事に東館チームと再会した。ただ、間に大穴が横たわりとても合流できそうにない。
東館チーム、焔、未亜、聖二郎は、身体的、精神的疲労が色濃く見える。
「くそ、せっかく合流できると思ったのに」
焔は無念そうに顔をしかめた。
「八千花ちゃん、そっちも大変だと思うんだけど、出来たら武器と食料を少しでいいから譲ってくれないかな?」
未亜は、自分たちも大変であろうに心底すまなそうに西館チームに願い出た。
「横島、いいわよね?」
「こっちは横島君が無双してるおかげで、物資には余裕があるからね……」
「しかも、俺のやつよりでかいリュックに目一杯詰め込んでまだ元気に歩き回れるんだもんなー」
「勿論いいけど」
横島は、少し思案し、
「里奏さん、神通棍を渡しておきます」
里奏は、西館チームで唯一神通棍を使用できる人物だった。霊能力の才能があるのかもしれない。
「え? ええ」
「桔平、俺のリュックをやるからお前のリュックをよこせ。武器類は全部出すからお前でも持てるはずだ」
「いーけど……」
「どうするつもり?」
八千花の問いかけに、横島は桔平のリュックを背負い、自分のリュックから出した武器を三本拾って、朗らかに答えた。
「ちょっとだけ向こう手伝ってくるわ!」
『跳』
横島は、間を隔てる大穴を、文珠の力で飛び越えた。
「…………は?」
それは誰が発した言葉なのだろう。ポカンとする一行を余所に、横島はズザーと対岸に無事着地する。
「未亜ちゃん、食料と武器、お待ち!」
「あ、ありがとうございます……こんなにたくさん……」
聖二郎は、対岸と横島へ何度も視線を往復させ、畏怖するように声を絞り出した。
「おめー、何モンだよ……」
「ただのGS見習いだよ……っと。
おーい、神通棍とそれだけの物資があったら大丈夫だと思うから、また後で合流しようぜー!」
「んぎゃー! こっちくんな!」
「ちょっと! アイツのジンツーコンとか何とか貰ったんでしょ!? さっさと片付けてよ!」
「無茶を言わないで! いくら一撃で倒せるからって、こうも立て続けにこられちゃ……。野犬や虫には意味ないし」
「あ、アイツがいないのがこんなに不安だなんて……」
「横島君、はやく戻ってきて……」
何気に、大きな精神的支柱となっている横島だった。
襲い来る異形、失われる退路、深まる狂気……。
二つのチームを行き来する横島は、館の闇を振り払えるのか!?
「この化け物、焔の名前を知っている? もしかして元は人間? ……俺なら、元に戻せる……か?」
腐海に踊る横島とアバドーン(仮)
そして横島は、腐海の主と対面する……。
「こーなったら仕方ない……コンメリアの力を見さらせ!!」
「きょ、巨大ロボットー!!?」←全員(真ラスボス含む)
「凄いけどなんかもー色々台無しだー!」←焔
いうまでもなく全没です。
クロス元:腐海に眠る王女のアバドーン
同人18禁ホラーRPG。18禁要素を除いても名作なので、18歳以上でRPG好きな人にお勧め!
ただし一周目にクリアするのは結構難しいです。
回復アイテムは有限、持ち歩けるアイテムの数は少なく、回復ポイントの使用回数も有限。
私は終盤エンカウントは全逃げでなんとかクリアしました。
グラフィックは(敢えて)ファミコンレベルですが、イベントシーンでは今風のグラフィックにも変更可能。
キャラ紹介
ほむら(焔)
主人公。基本的に落ち着いた雰囲気のイケメン。ただ若干猫目。ストーリー展開によってはダークな性格になる。
個人的に、猫目すぎなCGより、ドット絵のほうがイケメン。
専用アイテム:ペットボトル
味方の恐怖値(他ゲームで言うHP)を全回復し、好感度+5。三回まで使える。
みあ(未亜)
ほむらの幼馴染。裏表のない優しい性格でほむらのことが好き。おっとり系美少女でかなりの巨乳。エンディングなどから察するにメインヒロイン。
自分よりほむらを優先する傾向にありものすごくラブラブオーラを放っているが、ゲームの仕様上、プレイヤーが仕向けることであっさり他キャラとカップル成立する(笑)。
ダークエンド(?)はむしろ感動した。
専用アイテム:くすりばこ
代替アイテムは「しょうどくやく」「ほうたい」。二種類の状態異常に対応し、治療時、恐怖値を微量ながら回復する。アイテム欄2枠相当だが、攻略必須アイテムではないためやや微妙。
やちか(八千花)
ほむら(と言うよりみあ)の友人。みあに対して、親友以上の感情を抱いている。なので、みあが好きなほむらには当たりが厳しい。
自分の安全が第一なため、場合によっては自分の体を使ってでも他人に自分を守らせようとする。
また、思ったことをすぐ口にし、さらに歯に衣着せないのでトラブルを起こすことも多い。りかなとは性格的に合わない。
専用アイテム:ヘアピン
代替アイテムは「ちいさなかぎ」。鍵がかかった扉や箱を開く。ちいさなかぎは鍵箱を開けられるため攻略が有利になることも多く、開錠は攻略に必須なため、そのアイテム枠が開くことからかなり有用。
きっぺい(桔平)
ほむらの友人でサッカー少年。年齢の割には子供っぽいムードメーカー。テレビゲームも得意。
やちかのことが好きだが、そういう方面ではあまり相手にされていない。やちかのことを、「ヤッチ」、せいじろうのことを「せーさん」と呼ぶ。
専用アイテム:リュック
アイテム枠が3つ増える。アイテム枠がカツカツのこのゲームではかなり使える専用品。本人も弱くないため、3人目枠として採用率がとても高い。
※このゲームでは最初に同行者に選んだ人物がメインパートナーとなり、会話によく絡む。3人目はあんまり絡まない。
せいじろう(聖二郎)
最年長で口が悪い。しかしビビリでヘタレなため、恐怖からくる疑心暗鬼で勝手な行動をとってしまうこともある。だが悪い人間ではない。
女性経験が豊富で、りかなと良い仲になろうと密かに狙っており、近藤さんも持参している(笑)。でも状況が状況なだけに、プレイヤーが仕向けない限りそのような行動に出ることはない。
ヘビースモーカーであり、彼専用の回復アイテムに「タバコ」がある。
専用アイテム:ライター
代替アイテムは「マッチ」。暗い場所を照らすことができ、攻略ではとても役に立つ。が、地形を覚えてしまえば無用の長物との意見もある。動物形の敵にダメージを与えることが可能。
りかな(里奏)
クールで知的でスタイルも抜群な美女。ほむらの父のやまのべを敬愛している。なにかとほむらを試すような質問をしてくるのがちょっと面倒臭い。
基本的に冷静で頼りになるが、やや悲観的で、精神的に追い詰められたときの危なさは一番と専らの噂。じぼうじき状態でのみ起こるとあるイベントは、かなり衝撃的。
やちかとは性格的に合わない。
専用アイテム;じしょ
代替アイテムは「かみのたば1〜3」。敵の苦手なアイテムを調べることができ、解読が必要な本や張り紙などを翻訳することができる。ヒントを得ることもあるが、基本的に館の謎やバックストーリーを読み解く物が殆どなので、特に一週目では有益とは言い難い。
細かいところまで作りこまれており、様々な小イベント、隠しアイテム、状況によるキャラの反応の変化等がある。
例として、専用アイテムを捨てようとした時のセリフも本人の状態によって変化する。
通常時
みあ「ほむらくん… きっとやくにたつと おもうから すてずに とっておきましょう」
じぼうじき(自暴自棄)時
みあ「すてるなんて いわないで…!」
みあ「…ぁっ… わたしいま… ひどいコト かんがえちゃった でも ほむらくんに きらわれちゃうから ぜったいに いえないな… ウフフ…」
感想代理人プロフィール
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代理人の感想
よし殺れ、アーチャーw
というか、「無数」なのに「全員見覚えがある」ってのも凄いなおいw
たぶん美綴や三人娘どころか、穂群原のモブ生徒全員とか、音子さんの酒屋に来た女性客全員とか、そのレベルw
まあ無限の剣製が「一度見た剣は全て記憶できる」わけだし、それが横島版になったらそうなるのも当然かw
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