幸いと言うかなんと言うか、明乃がセブンセンシズに目覚める事は無かった。まだちょっとむすっとした顔だが、怒ってはいないようだ。
しかし、その時のシロは、モモの“女の知り合いが多かった”という台詞を聞き、あることを思い出してしまったのである。
「・・・先生」
「うん?」
「北斗・・・・・・と言う名前に、聞き覚えは無いでござるか?」
「ぶっっっふぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!?」
「!?」
「忠夫。汚い」
思いもよらぬ名前にジンジャエールを噴出する横島。しかし、そんな横島を沈痛な表情で見つめるシロ。
「先生・・・残念でござる。その態度・・・彼奴の言葉に信憑性が出てきたではござらんか!!」
「な、ななななんで、シロがあいつの名前をッ!?」
「・・・実を言うと私も知ってます」
「明乃ちゃん!?」
勢いよく横島が振り返る。明乃は怒りよりも、何処となく悲しそうな表情だ。
「なんで2人が・・・って言うかあいつの言葉って・・・?」
「・・・訊きたいでござるか」
シロが暗い目で横島に問う。
「お、おう」
「そうでござるか・・・」
シロは一瞬顔を伏せ、言った。
「奴はこう言ったでござる。
『責任を取れ』、と」
しーーーん。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(全員)」
さっきまで賑やかで和やかだった室内は、一瞬で静寂と緊迫に支配された。
そしてすぐに、
「(ぼそぼそ)おい、それって・・・」
「(ぼそぼそ)ああ。間違いないなこりゃ」
そんな声がそこかしこから。
「へぇ・・・。面白いわね。シロ、他には何て?」
タマモのまとう雰囲気も気のせいか怖いような。
「他には・・・そう。『無理矢理部屋に』とか『術中にはまった』とか『認知しろ』とか」
認知しろとは言ってない。
部屋の雰囲気が悪くなる前に、横島は即座に大声で否定する。
「ち、ちがう!! 嘘だ誤解だデタラメだーーーっ!!
自慢じゃないが、俺は女の子に迫って桃色な展開になったことは一度も無いぞっ!!」
その言葉に、一部の人々の表情が僅かに暗く沈む。主にクルスクやバーチャル空間で横島の心の奥底を垣間見た人たちだ。
それを感じたのかどうかは定かではないが、他の人たちも少々冷静になったようである。
「私も横島くんが性犯罪者・・・普段もギリギリですけど・・・のようなことを本気でするような人とは思ってません」
ただしその兆候が僅かにでも見られると、脊髄反射で強烈な攻撃を叩き込むが。
「だから、彼女が誰なのか。横島くんとどういう関係なのか、聞かせてくれませんか?」
「できれば、説明はモモ殿に頼みたいでござる」
「なんでだよ」
「それは、木星にいた頃から先生のすぐ傍で過ごしていたモモ殿なら、天河殿達も知らない先生の知り合いのことも良く知っているのではないか、と思ったからでござる」
「・・・成る程」
横島は目線をモモのほうに下げる。モモは意外にあっさりと頷いた。
「別にいいけど。忠夫がいいって言うなら」
その「忠夫」という呼び方を聞いて、一瞬北斗のことを思い出してしまい、ちょっと顔をしかめてしまった明乃&シロだった。
――――――――――
「北斗は木星で知り合った二重人格者」
開口一番核心を突く。
「木星関係者・・・」
「二重人格?」
「そう・・・第二の人格を作って逃避するほどの調教をヨコシマから・・・」
「頼むからまぜっかえすなよタマモ!」
「ごめん」
「・・・続き。話していいの」
モモが無表情に問う。
「あ、ごめんごめん」
「それでは、二重人格というところを重点的に教えていただけませんか?」
「・・・・・・。
北斗は木星最強の実力を持ってる。木連内でも知る人は少ないけど。性格は良く言えば実直。悪く言えば戦い以外に能が無いバトルジャンキー」
真顔で言い切る。長い台詞になれてないせいかここでいったん言葉を切った。
「そうなの? 横島クン」
「・・・・・・・・・はは」
「もう一方は枝織って言う名前で、性格は良く言えば明るく無邪気。悪く言えば世間知らずで善悪の区別がつかない子ども。別れる直前には大分マシになってたけど」
北斗はマシになってないのだろうか。
「モモ、もしかして北斗と枝織ちゃんのこと、嫌い?」
「? 別に」
「あ、そ・・・」
「それで、それぞれ横島くんとはどう接していたんですか!?」
明乃が身を乗り出して訊ねるが、
「・・・・・・」
なぜか半眼になる。
(・・・な、なんで睨むの!?)
だがモモは黙って目をそらし、語り始めた。
「北斗は忠夫をライバル視してて、二日に一回くらいの割合で勝負を挑んでた。忠夫は毎回それから逃げてたけど、ご飯の時間まで逃げ切るか、捕まって結局勝負させられるか。好きなものはガチンコ勝負と忠夫の豆腐の味噌汁と肉じゃが。嫌いなものは退屈」
「・・・本当なんですか? 横島くん」
「・・・初対面の時、変にじたばたせずに殴られときゃよかったかも」
横島は遠い目で答えた。
「・・・」
「枝織はすごく忠夫になついてて、よく忠夫に一緒に遊ぶようにせがんでた。遊ぶことも多かったけど、精神構造が子どもだったから舞歌と一緒に一般常識について教えてることも多かった。好きなものは遊ぶことと忠夫のカレーとハンバーグ。嫌いなものは一人だけの時間」
「・・・本当なんですか? 横島くん」
「・・・なんでさっきより声が低くて目つきが険しいのでしょうか・・・」
(ヨコシマって人外と子どもに好かれやすいのは変わらないみたいね・・・)
タマモはあはは〜と苦笑いする。
「ともかく、形は違えどその2人は先生と仲が良かったということでござるか?」
「そう」
シロの確認に、モモはこくんと頷く。
「そうでござるか・・・
フッ、思ったとおり先生は潔白でござったか。拙者は先生を信じてたでござるよ!」
「嘘付けー!! お前全っ然俺のこと信用しとらんかったじゃねーか!」
「ヨコシマ。それはあんたの日ごろの行いよ」
タマモも突っ込みに、周囲はうんうんと同意の意を示す。
「うぐぅ・・・まあいい。で、こっちからも訊くけど、なんでシロと明乃ちゃんが北斗のこと知ってるんだ?」
「む・・・それは」
「私の友人2人が決闘してる所に乱入してきたんですけど。
なんでも、横島くんを探しに来たらしいんですが、面白そうだとか運がいいとか言ってました」
「・・・あいつらしいなー」
「そうだね」
「ちょ、ちょっと待ってよ!
ってことは、二週間前に既に木星の人間が地球圏に潜入してたって言うのかい!?」
「早い・・・有人ボソンジャンプは向こうの方が一歩先ってことね・・・」
ジュンが焦ったように問い、エリナが悔しそうに親指の爪を噛んだ。
「え〜? ナデシコだってそのボソンジャンプとか言うのしてるじゃないですか」
「問題はそこじゃないよユリカ。これからはもう無人兵器だけじゃない、いわば本隊が攻めて来るって事だからね」
(本当は俺が木星にいた頃には有人ボソンジャンプ、出来たんだけどなぁ)
そう思ったが口には出さない。ややこしくなるから。
「横島くんて枝織ちゃんって子とどんな風に付き合ってたんですか?」
明乃が何気ないタイミングでさらっと横島に問い掛ける。
「そうやなぁ・・・急に背中におぶさってきたり、腕に抱きついてきたり。人懐っこい子だったからなぁ」
横島もさらっと答えを返す。そこで終わっておけば痛い目にあわずにすんだのだが。
「んで、枝織ちゃんて見た目じゃ解らないけど意外といい体しててさ。しかも北斗の影響か下着を着けてなくて、なんかも〜直で・・・ってやばッ!!?」
手遅れになるまで周りの様子に気を配れないのも横島の特徴の一つか。
「・・・・・・」
だが、明乃は目を閉じていただけで何も言わない。周りは意外そうな目で明乃を見たが、明乃の心中は、
(落ち着いて、落ち着くのよアキノ! よく考えたら横島くんは別に悪いことしてないわけだし、それで殴るのはお門違いだし、まだ付き合ってるわけじゃないのに怒るのも変だし・・・!)
内心では嵐が吹き荒れていた。だが、今までのことを考えたら今葛藤するのは余り意味が無いような気がするのだが。
「付き合い方がどんな風かって言えば、いっしょに寝たり娘にしたり―――――」
「うわああッ!? だからっ、不用意にそんなこと言ったらセブンセンシズどころかエイトセンシズに目覚めかねないって・・・はッ!?」
危うい均衡を保っていた明乃の心の天秤は、このときあっさり傾いた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!!(←空気の重みが増した音)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ#」
もはや明乃に言葉無し。ただ己の気を高めるのみ。
「この気―――普通じゃないでござる! 一体なぜ!?」
「ふっふっふ。まさか私が冗談半分で伝授した「幻獣天狐招来」を発動させるとはね・・・」
「あほかああああああ!!!」
横島の魂の突っ込みも、明乃には届くはずも無い。
百鬼焦閃(素手バージョン)が横島に炸裂するのは、僅か0.7秒後だった。
このときの明乃がエイトセンシズに目覚めたかどうかは定かではないが、ナデシコ内で超絶的な小宇宙(コスモ)が爆発したのは確かだと言う。
「やっぱり見ているほうが楽しいですね」
「さすがはメグミさん。こうなることを予想したので?」
「ええ。あれほどの面子がそろって何も起きないわけがありませんから」
メグミとプロスは、しっかり食事を確保しつつ、完全に見物モードに入っていた。
って言うか、この状況でのほほんとしていられるのは、人類ではこの2人くらいであることは間違いない。
余談だが、この後明乃は、幻獣天狐招来をどうやって発動させたか憶えていなかった。
――――――――――
「あー、死ぬかと思った・・・」
「まったく!」
数十秒後にあっさり復活した横島には特に突っ込みは入らなかった。
とりあえずいつも通りな結果にクルーは安堵し、再び各々でこの場を楽しみ始める。
「狐白中佐」
リョーコが興味を抑えきれないようにタマモに向かって話し掛ける。
「あら、なに? えーと、スバルさん?」
「おう。じゃなくてはい」
「ふふっ。別にいつも通りでもいいのよ?」
「あ、じゃあえーと、中佐はシミュレーターの戦績は六百何勝一引き分けって聞いたんだけど」
「ええ」
正確には607勝0敗1引き分け。
「ああ、そういや俺も気になってたんだ。一体誰と引き分けたんだ? タマモ」
「そこのユリカ艦長よ」
間。
「「「「何ぃぃぃぃぃ!!?」」」」
他にも「えええっ!!」とか「嘘!?」とかいう声がそこかしこから聞こえる。
「ほんとなの? ユリカ」
話を振られたユリカは苦笑しつつ、
「ん〜・・・確かに引き分けたことはあったけど、あの時はジュンくんにも手伝ってもらってたし、ものすご〜く運が良かったからだし。
いまやったらたぶん勝てないよ」
「あら、そうかしら。あの時よりお互い大分違うと思うけど?
―――――良かったら、あとでもう一回・・・やってみる?」
「――――――――――ええ、いいですよ。別に無敗にこだわってるわけじゃありませんし」
「謙虚そうな台詞とは逆に、あなたの目、勝てないって言ってるようには見えないわね?」
あくまで楽しげなタマモと、緊張しつつも笑みを浮かべるユリカ。
「うわ・・・もう一回あの勝負を見られるなんて、なんか興奮してきた・・・」
「アオイさんは一番近くで勝負を見てたような物だからね」
と言うのはイツキ。あの時のシミュレーションをリアルタイムで見ていたのは参加者だけである。
「で、何時やるの? ユリカ艦長」
「明日の12時でどうでしょう」
「こっちは異存無いわ」
おおおお〜と周囲からどよめきが走る。
「ふ〜ん・・・ユリカの新たな一面って感じ」
「つーかさ、タマモっていつもめんどくさそうで、油揚げ食べつつゴロ寝してるようなイメージがあったから意外やなー」
「んなことバラすなっ!!」
うがー、とタマモがほえる。ちょっとだけ顔が赤い。
「でも中佐の600勝って、いくら強いって言ってもけた違いだよなぁ」
「・・・そうかしら」
「え? どういうこと、イズミちゃん」
「あら、あなたはわかってるの?」
タマモは面白そうに訊ねる。
「おいイズミ。お前の考えっての聞かせろよ」
イズミは少しばかり考えるしぐさを見せ、口を開いた。
「いまの戦艦はほとんどの機能をCPUで制御できる。それもシミュレーションなら、細かな作業はさらに機械任せになる」
「ふむ。それで?」
「艦長や艦長候補生が連合軍にどれだか居るかは知らないけど、実戦を経験していたとしても、敵はほぼ無人兵器。
と、いうことは、」
「動きのほとんどが、画一的なものとなっている・・・?」
イツキは気が付いたことをそのまま口に出していた。
イズミは頷き、タマモの方向を見る。
「・・・大っ正解っ!」
タマモは我が意を得たりとばかりに、うんうんと頷く。
「そーなのよう! もーほんとにどいつもこいつも同じことしかしないんだから。『これが一番勝率が高いー』とか言いながら、何の捻りも無く、もしくは捻ったつもりで以前の敗者の右へ習え!
うんざりして相手を断ったら、『負けるのが怖いのかー』とか言って。はッ!! 寝言言う前に記録でも見て予習してろってのよ!」
百面相のようにめまぐるしく表情を変えつつまくしたてる。よっぽどストレスがたまっていたのだろうか。
「あー確かに。バッタさんとかだったらそれでも通用するんでしょうけど」
「工夫してきたのは一割居たかしら? 工夫したやつの中で印象に残ったのは―――――ムネタケ提督かな」
「――――――――え!!?」
話を聞いていた人たちは、一言発しただけで沈黙する。ある意味先程より深い驚きを示しているのかもしれない。
「ちょ、ちょっと中佐! なんでアタシの名前出すのよ!」
むせたのか、ゲホゲホ咳き込みながら抗議する。
「え〜、だって印象に残ってたからなんだけど・・・」
「アタシは他の連中とあんまり変わらないタイムで瞬殺されたように記憶してるんだけど」
「あー、あはは。提督があまりにも私の意表をついてきたもんだから、本気出しちゃったのよ」
「・・・」
そんな会話を、本来興味を持っていない横島も身を乗り出して聞いていた。が、
「せんせ〜!、こんな女狐の自慢話なんかどうでもいいでござる。そんなことより拙者と散歩するでござるよ!」
シロが尻尾をパタパタ振らんばかりの勢いで、横島の袖を引っ張る。
「おいおい、何もいまからすること無いだろ? それに散歩する場所がなぁ・・・」
ナデシコは他の軍艦より多少殺風景ではないものの、やはり風景的にも散歩には適していないような気がする。
「良いではござらんか! 弟子の面倒見るのも師匠の仕事でござるよ」
「今のお前にゃ俺が逆立ちしても勝てんだろーがっ!」
「強さはどうあれ、先生はシロの先生でござるッ!
さっ、行くでござるよ!」
「だわっ!?」
「っ!」
シロに腕を引っ張られ、地面とほぼ水平になって急速にホールから遠ざかる横島。
・・・と、横島のすそを掴んだままのモモ。
「おおー。さすが大尉だねー」
「ってか、凄いガッツだよな。モモって」
「そんなにガッツかなくても横島君は逃げないわ・・・あ、逃げるか・・・く、くくくくくく・・・」
「青春ねー」
明らかに人間離れをした身体能力を見せつけたシロ。
しかし、仮にシロが人間ではないと知られていなくとも、
「まぁ横島の知り合いだし」
で終わったであろう事は想像に難くない。
「あの駄目犬・・・まー気持ちは解らんでもないけど・・・」
「へ?」
タマモが呟いた言葉を聞きとがめる明乃。
疑問の表情に気付いたのか、タマモは明乃にだけ語り始める。
「あいつはもう間違いなくヨコシマより強いわ。いくら末席とは言っても一応神族だからね。
まぁ人間が勝てる可能性があるとしたらヨコシマの文珠くらいの物だって事は確かだけど」
ちなみに、下っ端=戦闘力が低い、と言うわけではない。
「それでもヨコシマとの関係をいまだに強調しつづけるのは、証が欲しいからかもしれないわね」
「あかし?」
「そう。かつて私たちの前から姿を消し、150年後に再会した―――――されどいずれは元の時代に戻ろうとするであろうヨコシマ。
再び別離する前に、些細なことでも言いからつながりが欲しかったのかも」
タマモは愁いを帯びた表情で、シロらが走り去った方向を見つめながら呟く。だが、
「あの、タマモさん」
「?」
「タマモさんたちが神族になった理由を聞いた辺りから引っかかってたんですけど・・・」
「けど?」
「なんだか、タマモさん達の様子や言い方だったら―――――
・・・・・・その、まるで横島くんが元の時代に戻らなかったように聞こえるんですが・・・」
――――――――――
二日後。
格納庫。横島と明乃は、自分たちの専用機の修理の進行具合を見にきていた。
「なー明乃ちゃん。なんか苦労してるっぽいけど、ちゃんと直るかね?」
「・・・・・・」
明乃は、考え事でもしているのか反応を還さない。
「明乃ちゃん? おーい」
「・・・・・・」
やはり反応は無い。
「・・・・・・・・・。
って事は触り放題か!!?」
「んなわきゃ無いでしょうが!!!」
胸に手を伸ばす横島をフラッシングストレートで迎撃する。条件反射になるまでの明乃の横島察知能力。怖い。
「で、なんですか?」
「いや、さっきから反応が無いからちょっと気になって」
だばだば流れ落ちる鼻血を抑えつつ答える。
「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事を・・・」
「? ふーん」
横島はちょっと不思議に思ったが、再び機体のほうへ視線を戻した。鼻血は?
「う〜む・・・」
ウリバタケが、難しい顔でコンメリアの胸部をかちゃかちゃいじくりながら唸る。
「どースか?」
「あ〜〜〜〜〜駄目だなこりゃぁ。外面はともかく、内部の構造の修復は無理だな。材質から構造までさっぱり訳がわからん。
このまま直しても性能的にはノーマルエステと変わんねーぞ。あ、換装出来ないぶん汎用性では劣るか」
「うむぅ」
「こっちの赤いの(ヘリアンサス)は・・・。
ざっと見た感じなら十分修理できると思うぜ。んだが・・・」
「だが?」
「ボソンジャンプ関係の機構は手のつけようがねーな。ま、いまは無理でもいつかは直して見せるがな」
「そうですか・・・」
「あーあ、結局すぐに乗れないどころか修理の見通しもつかない、か」
「・・・・・・」
横島は大きく落胆したが、
「うわ〜〜〜〜〜〜〜っはっはっはっはっは!! この世紀の大天才、ヨーロッパの魔王、ドクターカオスが来たからにぶごはッ!!?」
突然格納庫に現れて馬鹿笑いをかますカオスに、横島が無言で木星で覚えた進掌(しんしょう)をぶちかます。
どうでもいいことだが、これは横島が突っ込み攻撃を入れた非常に稀有な例である。
「ふっ・・・腰の入った良い掌打じゃ・・・って言うかいきなりは酷いと思うぞ・・・」
「アホかッ! 俺は冗談抜きで死にかけたんやぞおい! これっぽっちも文珠でーへんやんけ!!」
がくがくと襟首を掴んでゆする。あれ以上の危機や怪我なら腐る程体験している横島だが、原因が男では我慢できないのかも知れない。そして全く止めようとしないマリア。
それを止めるのは明乃だった。
「ま、まあまあ。でも、どうしてナデシコに?」
「うむ。実は、コンメリアとヘリアンサスを修理するよう依頼がきてな。ちょっと厄介になることになったんじゃ」
マリアのほうを見ると、彼女も同意の意を示す。
「んで、どれくらいで修理がおわんだよ?」
「少なく見積もって、三ヶ月じゃ」
「「は!!?」」
思わず間抜けな声を上げてしまう横島と明乃。
「な、なんで?」
「うむ。まず小僧のコンメリアじゃが、ありゃ修理するより一から作るほうが早い。じゃが、オカルト技術を盛り込んである上に機構も複雑。材料の調達にも難儀するじゃろうしな」
「マジっスか・・・」
「で、嬢ちゃんのヘリアンサスじゃが」
「へ、ヘリアンサスもですか?」
「そうじゃ。本体の修理は次の戦闘が始まるまでには終わるじゃろうが、小僧を助けた時、背部からまともに岩盤に激突したじゃろ? あれでジャンプ関連の装置が完璧にオシャカ。これまた時間がかかる」
「がーん・・・あ、でも横島くんが助かった代償と考えたら・・・」
ぶつぶつとなにやら呟いている明乃。だが、
「ジャンプできないと・言っても・ヘリアンサスが・高性能なことに・変わりは・ありません。あれは・もともと・『コンメリア並に卑怯くさい機動兵器』・という・コンセプト・でしたから」
マリアからのフォローが入る。コンメリアにはフォローの入れ様が無かった。
って言うか、それをコンセプトと言ってもいいのだろうか。
「あーあ。せっかくのパワーアップも当分延期か〜」
「ってちょっと待てよ」
「「え?」」
横島と明乃が振り返った先には、三人娘、ガイ、イツキ、アカツキの姿が。実際声をかけてきたのはガイだ。
「ずるいじゃねーかお前らだけ!
俺だって、俺だって・・・!
ロボットアニメの王道、新型機への乗換えとか! 新型試作兵器とか! 扱ってみてーよ!!!」
「そうですよ! 戦力底上げは必要です。それに、「新型」って、モロ青春って感じじゃないかしら!?」
(この嬢ちゃん、どっかであったことがあるような気がするのう)
「・・・・・・・・・」
カオスとマリアは微妙な反応をする。
「だよねぇ。僕達も出来ればおこぼれに預かりたいよね?」
「あんたの機体は最新型だからいいのよ」
「き、厳しいね。イズミ君・・・」
他のパイロットもガイのように新型を所望する。イズミは何を考えているのかわからなかったが。
「ぬぅ・・・確かに戦力アップはクライアントも望むところじゃろうし・・・」
カオスは暫く唸り、
「! そうじゃ! おぬしらの機体にも、CFランサーを携行させようではないか!」
「CFランサー?」
「カスタムメイド・フィールドランサーの略じゃ。軍で開発されておる対ディストーションフィールド用白兵戦武器の改良型じゃな。
わしの物は威力を向上させ、なおかつ形状を自由に選択できるようにしておる!」
「それは確かに実用的だねぇ」
「んなことはどうでもいい!
おいじーさん・・・てことはだ。ゲキガンソード型も作れるのか!?」
「フ・・・簡単すぎて逆につまらんわい」
「マジですか博士!!」
感激のあまりマジ泣きするガイ。
「それだけではない!!
祝福の槍やロンギコルニス、獣の槍やサンライトハート!
忘れちゃいけない剣型は、ラングリッサー、レイガンド、ヴェンディダード、ブライオン、エル・ミュート、ドゥーリンダルテ、オラシオン、匂陳上宮南極天皇剣なども取り揃えておる!!」
「すげーマイナーなモンばっかだな」
「そうかな〜? ラングリッサーとかサンライトハートとかは結構メジャーだよ?」
「何処の世界の判断基準だよ・・・。つーかランサーのわりにほとんど剣だよな」
それは言わないお約束。
「さ、どんな形がいい!?
なんなら、シャルトス、キルスレス、ウィスタリアス、フォイアルディアでも構わんぞ!!」
「使いすぎると不幸になりそうだからパス・・・。
んで、俺は斧がいい。所詮、剣ってのは補助的な武器だろ? 真に威力を求めるんならやっぱ槍か斧だろ」
リョーコは実用性本位なようだ。
「ほう。斧ならばレプラ・ザンやスワンチカとか・・・」
「普通でいいんだよ普通で!」
「残念じゃのう」
ドクターカオス。この年齢にして、ヲタク街道まっしぐら。
「あ、私はロンギコルニスでお願いします」
「私はサンライトハート〜! あ、聖刀日光もいいかも」
イツキとヒカルは結構ノリがいい。ヒカルはノリ、良すぎ。
「あたしは普通でいいわ」
「僕も」
「なんでだよ!? おめーらにはこの燃え滾るロマンが理解できねーのか!?」
「別に」
「僕はそういうの、卒業したからね」
趣味とかとは別に、遠距離戦を主体とするイズミと、指揮官的役割を与えられることが多いアカツキにはあまりそのような気は起こらないのかもしれない。
「ハン! このよさが理解できねーなんざ、可哀想なやつらだ!」
(可哀想なのは君の頭の中だろう)
口には出さなかった。
「じーさん、おれは、」
「小僧は霊波刀があるからいらんじゃろ」
「てめー、浮いた金を着服するつもりだろ?」
「(ぎくッ!)な、なんのことじゃ?」
「ぎくッって言う音、聞こえたぞ・・・。
そういえば明乃ちゃんはどうする? ディバインアームも普通の剣型も、明乃ちゃんが選んだわけじゃないだろ?」
「・・・・・・」
明乃は、またも反応を還さない。
「・・・明乃ちゃん?」
「あっ! ごめんなさい、聞いてませんでした・・・」
「・・・・・・」
明乃のどこか上の空な態度は、暫くの間続いた。それもこれも、あの時のタマモとの会話が頭に残っているからだった。
『た、タマモさん、いまなんて・・・?』
『あいつは結局戻ってこなかった。って言ったのよ』
その目は嘘をついているようには見えない。少なくとも明乃には。
『そ、そんな、たちの悪い冗談ですよね、それ。だって横島くんは神・魔族融和に尽力したって・・・』
『誰に聞いたの、それ? ま、確かに居たならそうなったのかもしれないけど。
て言うか、ヨコシマのために、わ・・・シロは神族になろうとしたっていったでしょ。帰ってきたなら死ぬ思いしてまでそんなことしようとは思わなかったわよ』
『それは―――確かにそうですけど』
明乃は俯く。何か胸にもやもやした物を感じる。
『でも、そうだとしたら、なんでタマモさんたちは横島くんにその事を伝えないんですか!? 話せば、きっと帰ることにもう少し真剣になりますよ』
『・・・・・・』
タマモは少し沈黙し、そして口を開く。
『あのね明乃ちゃん。伝えて、その結果ヨコシマが無事に帰ったとしたら、たぶん私やシロは二度とあいつに会えない』
怒るでもなく、悲しげにでもなく、表情の無い顔でタマモは告げる。
『え・・・そ、そりゃあ今の時代のタマモさんたちは会えないでしょうけど、その替わり横島くんと過ごした思い出は・・・』
『そういうのも含めて、何にもなくなるの』
『え―――――』
『・・・こういう考え方があるわ。
時間の流れはただ一つの流れではなく、大きな木の枝のように、何本も枝分かれをしているってね』
『ハイ?』
明乃の頭上に?マークが浮かぶ。
『簡単に言えば、平行世界・・・パラレルワールドのことよ。
世界は絶えず分岐している。それこそ、私がなんとなく石ころを蹴った世界、蹴らなかった世界って感じで』
『はあ・・・』
『で、その考えではね、何らかの手段で時間を逆行したとしても、また一つの平行世界が出来るだけなの』
『????』
さっぱり訳がわからない。
『・・・例えば、いまこの世界を「世界A」だとして、ヨコシマが文珠で「世界A」の1999年に戻っても、そこから先の世界は違う。そこから先の世界は「ヨコシマが文珠で1999年に戻った」という事実が存在する平行世界―――仮に「世界A’」―――に枝分かれするだけ。分岐するの』
『ということは・・・』
『枝分かれした世界は合流しない。「世界A’」の私はヨコシマと一緒の時を過ごし、さらに未来の私はヨコシマ達の思い出を持っているかもしれない。でもそれはあくまで「世界A’」の私。「世界A」、つまりこの私の変化はあいつが居なくなるってだけ。だったら・・・』
この世界の横島は、このままでも良いのではないか。
という台詞は、どちらの口からも出ない。
『平行世界の移動なんて離れ業が出来るのはラプラスやクロノスくらい・・・って言ってもわかんないか』
『・・・・・・』
明乃は酷く混乱していた。タマモは本当に本当のことを言っているのか? 半分くらいしか理解できなかったけど。本当だとしたらプロスが以前言っていたことはほとんどデタラメ? でも根拠は無い・・・。
『明乃ちゃん?』
びくッ!
明乃は過剰に反応してしまう。
『ま、信用しろとは言わないわよ。突拍子も無い話だし。
でも、なんであいつが元の時代に戻ってないって聞いて焦るの?』
『え?』
『あいつが帰るってことは、明乃ちゃんともお別れって事よ? それくらい解らないわけじゃないでしょう』
『っ!!!』
明乃は強張る。それほどまでに衝撃だった。口を開閉させるも言葉が出ない。それ以前に、言うべき言葉も見つからない。
『『・・・・・・・・・・・・』』
お互い口を開かない時間が過ぎる。周りの喧騒も遠い世界のようだ。
『・・・・・・た、タマモさんは、どうして何もしないんですか? か、帰って欲しく、ないなら・・・』
やっと搾り出したのは、そんな言葉だった。
『ん〜・・・なるようになるに任せるが一番って言うか・・・なんかさ、自分の都合であるべき流れを乱すって、なんかフェアじゃないじゃない? 私一応、神族なわけだし。って言うか、世界の修正力も働きそうだし』
『・・・・・・』
明乃は何も言わない。先程の言葉が再びリフレインしていたから。いままで気が付かなかった、否、考えないようにしていたこと。すなわち、
横島が元の世界へ帰る。イコール、たぶんもう会えない―――――
――――――――――
シロ&タマモが去ってからも明乃はものすごく悩んだ。一時はまた自分が原因かと横島が大いに焦ったほどだ。
だが、今回は吹っ切れるのは早かった。
(そうよ。帰るにしてもそうでないにしても、一緒の時間を大切に過ごすだけよ。帰っちゃったら思い出しか残らないのに)
だったら、迷うことなど何も無い。
明乃は、自分の頬を思い切り叩き、
「よし!」
今日も仕事に精を出すべく食堂へ向かう。
ちなみに、ユリカとタマモのシミュレーション勝負は、またも引き分けに終わったと言う。
続く。
イネス先生のなぜなにナデシコ出張版
良い子の皆さんこんにちは。今日もなぜなにナデシコの時間がやってきました。ここではいつものように「GS横島 ナデシコ大作戦!!」のギモン・専門用語等を、解りやすく、かつコンパクトに説明するわ。
Q1:ドンファン&エロスって?
ドンファンは、スペインの実在の人物を語源とする言葉で、手当たり次第に女に手を出すスケベ野朗のことよ。
エロスは、ギリシア神話の愛の神のこと。恋愛、性愛の意味もあるわ。
Q2:今回登場した技。
1:鉄の嵐(アイアン・ストーム)
登場作品:警死庁24時
伝説の警察漢、山吹頑鉄の得意としていた技よ。強烈な引き手により発生した真空で敵の動きを封じ、逆の手で回避不可能な一撃を繰り出す恐るべき技。遺伝なのか、息子の鉄之助も自力でこの技を会得したわ。
2:イニシャルK
登場作品:エターナルファイターゼロ
美坂香里のエタニースペシャルの一つで、「香里」の「K」を描くように3発のパンチを放つ技。リーチは短いけど無敵時間が長いので、それを生かした使用が有効ね。
3:ライトニング・プラズマ
登場作品:聖闘士星矢、他
獅子座の黄金聖闘士・アイオリアの技で、その名の通り、光の速さも超えるような雷光の如き連打を敵に浴びせる技。
漢字で書くと「雷光放電」らしいわ。
4:アテナエクスクラメイション
登場作品:聖闘士星矢
聖闘士にとっては常識以前の問題だけど、どんな悪党でも一対一の対決姿勢を崩さないわ。でもこの技は三人の聖闘士が力を合わせて出す技で、非常に強力だけど、使うと外道として他の聖闘士から死の制裁を受けると言う禁じられた技よ。
5:フラッシングストレート
登場作品:のぞみウイッチィズ
その名の通りフラッシング(閃光)のようなストレートを放つ技。僚太郎が一番最初に身につけた技。命名・望。
6:幻獣天狐招来
登場作品:エターナルファイターゼロ
天野美汐のレベル3専用エタニースペシャル。この技を使用すると「覚」属性になり、全ての必殺技が使用可能になるわ。解りやすく言えば、ザッパに全ての霊が憑依する感じかしら。 え? 全然違う?
7:百鬼焦閃
登場作品:エターナルファイターゼロ
天野美汐のエタニースペシャルの一つで、槍で炎をともなう怒涛の連続突き食らわせる技。「炎」「覚」状態時に使用可能。主に連続技用かしら。
8:進掌
横島が木星で習った技。踏み込み掌底。木連式柔の中では最も基本的な技。勿論、公式じゃないわよ?
Q3:セブンセンシズって?
登場作品:聖闘士星矢、他
人間に存在すると言われる「第六感」を超える、第七の感覚。聖闘士にとって、より上位の力を身につけるための最低条件でもあるわ。そしてそれよりさらに上位に存在するのがエイトセンシズよ。
Q4:プロスの、「ああ、接触することが“あまり”無い、とは言いましたが」と言う発言。
そんなセリフ言ってないわね。
Q5:CFランサー候補の武器
また作者の病気が・・・。
1:祝福の槍
登場作品:聖痕のジョカ
王殺しの宿命を持つ意思を持つ槍。竜形態に変形(?)可能。実はルーンと同じく、正位置(黒)と逆位置(白)が存在するわ。結構浮気性。
2:ロンギコルニス
登場作品:タクティクスオウガ外伝
堕天使シャヘルの角から作り出された強力無比な槍。シャヘルの結界を打ち破れるのもこの槍だけよ。攻撃力74、神聖属性、神聖&暗黒耐性5。
「ロンギヌス」じゃないからね?
3:獣の槍
登場作品:うしおととら
邪を裂き鬼を突く伝説の槍。妖怪を滅ぼすためだけの槍で、普通完全に殺すことが非常に難しい妖怪を簡単に滅殺するわ。その替わり、魂を削り使用者も妖怪にし、持ち主は白面への憎しみに駆り立てられることになるわ。
4:サンライトハート
登場作品:武装錬金
新米錬金の戦士、カズキの武装錬金。突撃槍(ランス)の形をしており、飾り布をエネルギーに変換し、絶大な攻撃力&突進力を発揮するわ。そのときの光が太陽に似ていたことが名前の由来よ。命名、斗貴子さん。
5:ラングリッサー
登場作品:ラングリッサー
破邪の剣を元にジークハルトが鍛えた光の聖剣。光輝の象徴とも言える剣で、魔族に絶大な威力を発揮するわ。破邪の剣を作った一族と、光輝の末裔にのみ使用可能よ。
6:レイガンド
登場作品:ブレイブフェンサー武蔵伝
ヤクイニック王国に伝わる名剣で、雷光丸より振りは遅いけど、リーチが長く攻撃力が高いわ。これが無いとボスが倒せないし。
名前の元ネタは、宮元武蔵が五輪書を著したと言われる、「霊厳洞(れいがんどう)」から。
7:ヴェンディダード
登場作品:エメラルドドラゴン
アトルシャン最強の剣で、エメラルドドラゴンの精神を司るという意思を持つ魔剣。攻撃力999。
名前の元ネタは、ゾロアスター教のアヴェスタの一書から。
8:ブライオン
登場作品:LIVE・A・LIVE
中世編に登場する勇者の剣。勇者ハッシュがこれで魔王を倒したわ。後にオルステッドに受け継がれるけど・・・。
9:エル・ミュート
登場作品:聖刻1092
八の聖刻の一つ、白の一、ニキ・ヴァシュマールに装備されている、プレ・ヴァースキン、アル・ス・レーテと並ぶ強力な剣。装兵用と人間用があり、人間用は現在行方不明。
10:ドゥーリンダルテ
登場作品:黄金拍車 異次元騎士カズマ
カズマが騎士になった記念に贈られた、ドイツの名工ゾリンゲン製の剣。カズマの座右銘、「こいつぁすごいぜ」が刀身に刻まれてるわ。
11:オラシオン
登場作品:タクティクスオウガ、他
所持者は神々と交流することが出来ると言われる神聖剣。スペイン語で「祈り」という意味よ。攻撃力45、神聖属性、暗黒耐性10、使用効果・ジハド。ちなみに、能力値はタクティクスオウガのもの。
12:匂陳上宮南極天皇剣
登場作品:聖痕のジョカ
こうちんじょうきゅうなんきょくてんこうけん。15次聖痕戦争の、公式のルーン(正位置)を持つ聖痕戦士、セージが操る黄道聖星術の一つ。宇宙を浮遊する星間物質を結晶化した巨大な剣よ。
今回のマイナー指数ナンバーワン?
13:シャルトス
登場作品:サモンナイト3
「碧の賢帝」と書いて、シャルトスと読む。無色の派閥が召喚術増幅のために作り出した二振りの魔剣の内の一本。レックス(アティ)が偶然手にし、彼(彼女)が「抜剣」することにより、途方も無い力を得ることが出来るのよ。でもその実態は・・・。
14:キルスレス
登場作品:サモンナイト3
「紅の暴君」と書いて、キルスレスと読む。無色の派閥が召喚術増幅のために作り出した二振りの魔剣の片割れ。力自体はシャルトスと互角。イスラが「抜剣」するわ。
15:ウィスタリアス
登場作品:サモンナイト3
「果てしなき蒼」と書いて、ウィスタリアスと読む。碧の賢帝の生まれ変わった姿よ。「抜剣」しても何のペナルティもないから、まさに無敵?
16:フォイアルディア
登場作品:サモンナイト3
「不滅の炎」と書いて、フォイアルディアと読む。番外編にのみ登場する魔剣で、詳細不明。ある人物が「抜剣」するんだけど、その人が「抜剣」するのは番外編だけなので必見。燃え燃え(萌え?)!
もしかして、紅の暴君の生まれ変わった姿なのかしら・・・?
17:レプラ・ザン
登場作品:プラパ・ゼータ
聖地クラシュケスに伝わる聖なる銀斧。勇者ラオウとなる物が持つと言われているけど、悪党中の悪党、修羅王ディーノが持ち主となったわ。あらゆる物を粉砕し、魔法をも打ち砕き、投げつけても手元に戻り、その神聖な力は魔を寄せ付けない、なんと言うか反則気味な武器。
18:スワンチカ
登場作品:ファイアーエムブレム聖戦の系譜
かつて世界を救った十二人の英雄の一人、斧戦士ネールが神から授かった神器。これをもつものはあらゆる災厄を退けると言われているわ。でも、ゲーム中に登場するスワンチカの継承者は、全員敵で、悪役顔(実際悪役)で、おっさんばかりで、さらに影が薄い(顔は濃いけど)と言うどうしようもない状態。攻撃力30、守備力+20、魔法防御+10、間接攻撃可。
19:聖刀日光
登場作品:鬼畜王ランス
魔人を倒すことが出来る二振りの剣の内の一本。もともとは人間で、魔人達に村を破壊され、両親、兄を殺されて復讐を誓った女の人。
あとがき
だいぶ間が開きました。どうこんにちは。K-999です。
シロとタマモのまともな出番はたぶん今回でおしまい(爆。強すぎますから。
ていうかプロスがどんどん信用できない人になっていく・・・。
んで、横島は今でも十分強いのでしばらくパワーアップはさせません。へたすりゃラストまで。パワーアップを期待していた人、ごめんなさいです。明乃は本人・機体共にパワーアップしましたが。
今回はインターミッション的な話なので山が無かったですねー、残念。
・・・・・・匂陳上宮南極天皇剣の元ネタ、一発で解った人、居ますか?
代理人の感想
残念、文珠エステは最終回までお預けかな。
でもそっちのほーがカオスらしいし、横島らしいかなと思わなくもなく(笑)。
後は小ネタくらいですかねー。
ご本人も仰ってるとおりインターミッションっぽいですから。
ちなみにドゥーリンダル「テ」ですね(手元の文庫本で確認しました)。
>これが青春なのね!
イツキってこう言うキャラだったかなー(笑)。