『俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!
皆が揃っているナデシコだ!!
何処に跳ばされ様と、俺は絶対に帰ってくる!!
例え、遥かな距離だろうと、時を越えても―――』
次の瞬間、ブローディアは虹色の光に包まれ・・・消えていった・・・
<未来からの帰還?>
プロローグ
目を覚ましたら俺はブローディアのコックピットにいた。
見慣れた光景だ・・・助かったのか?・・・
外を見ようとしたが、電源が落ちているせいか真っ暗で何も見えない。
「ディア、ブロス起きろ!!」
しかし、二人からの反応は無かった。俺は不審に思いながらも今までの経緯を振り返ってみた。
(まずDと戦って何とか勝ったんだよなぁ・・・その後ルリちゃんとユリカに頼まれて
遺跡の回収に向かったら遺跡からいきなり触手が出てきてブローディアとくっつい
ちゃって強制的にボソンジャンプに・・・ ハッ!そうだ!!遺跡は!!!)
俺は無理やりハッチをこじ開けて外に出た。・・・どこだ・・・ここは・・・
俺が見たものは『闇』だった。見渡す限りすべてが黒一色・・・それ以外のものは何も無かった。
「一体・・・何処なんだ?此処は・・・」
「此処は【時の狭間】だよ、テンカワ・アキト君」
(……!!)
背後からの声に俺は思わず振り向いて身構えていた。
しかし、そこで俺が見たものは・・・
「・・・俺?」
そう、そこで俺が見たものはもう一人の俺だった。まるで双子のようにそっくりで唯一の違いはもう一人の俺の目が真紅に輝いていたぐらいだ。
「残念だがハズレ、私は君じゃない」
「しかし、その姿は?」
「君が話しやすいように君の姿を借りただけだ。もっとも瞳だけは同じにできなかったがね。」
そう言ってもう一人の俺(めんどいのでこっからアキトB)は苦笑しながら右手の指をパチンッと鳴らした。その瞬間まわりの『闇』が一瞬揺らいだかと思うと、まったく別の風景になった。
そこは、先ほどまでの闇の空間とタメをはるくらい奇妙な世界だった。
赤い海に赤い空。辺りには人気がまったくなく物音一つしない。
「・・・この世界の事を話す前にまず、私のことを話しておこうか・・・」
俺が疑問を言う前にアキトBが言った。
「私の名前だがそれは恐らく無い。恐らくといったのは私自身も忘れてしまっているからだ。ただ君達の言い方で言えば古代火星人といったところだ」
「なに!!まだ古代火星人が生き残っているのか?!」
俺は驚きの声を上げた。なぜなら俺の知識では古代火星人はもうすでに絶滅しているか別の天体に移住しているはずだからである。
「すまない。言い方が悪かった。私は古代火星人の作った遺産の擬似人格プログラムだ。
ちょうど君たちが『遺跡』と呼んでいるもののな」
「・・・つまり遺跡の管理者というわけか。
ということは俺を無理やりジャンプさせたのもお前か?」
俺は少々怒気をこめていった。
「すまないな。折角すべてが終わりそうだったのに・・・」
「・・・まぁ、いいさ。何か理由があったんだろ?俺でよければ聞いてやるぞ」
俺は自分でもビックリするぐらいに怒りが引いていくのを感じた。それはおそらく謝ったアキトBの表情が心底すまなそうで沈痛そうだったからだろう。
「ああ、私は君が言ったとおり遺跡の管理者だ。・・・しかし、それと同時に君がいた世界も含めたいくつかの平行世界の管理者でもある。
【時の狭間】とはそのいくつかの平行世界と直結している場所のことだ。」
「・・・この世界は?」
俺はそう言って辺りを見渡した。
「そんなにあせらないでくれ。まだ続きがあるんだ。
この赤い世界も元々は私が管理していた普通の世界だったんだ。
西暦2015年の木連ともナデシコとも関係しない世界。・・・まぁ、ヤバイ者もいたけどね。
・・・それが一年ぐらい目を離した隙にこんな世界になってしまった。」
アキトBは心底後悔している顔で言った。
「何で目を離したんだ?」
「・・・君のせいだよ(ボソッ)」
「え?何だって?」
俺がそういった瞬間、
「君のせいだよ!!君のせい!!!
何なんだい?あの昴気とかいうのは!!? っていうか、君ホントに人間かい?普通の人なら死んじゃうような怪我を一ヶ月で治したり他にも(中略)ってことを君がするから気になって君の世界に入り浸りになっちゃたんだよ!!!」(一息)
傍目にも興奮してますって直ぐ分かる顔でアキトBは俺に力説してくれた・・・。
「ハァッ ゼェッ ハァッ ゼェッ」
「だ、大丈夫か?」
地面に手をついて、肩で息しているアキトBに俺は肩を貸してやった(笑)
「す、すまない。ちょっと興奮してしまって・・・」
「い、いや、いいんだよ」
「「・・・」」 (しばらくの間、無言)
「・・・で、何処までしゃべったっけ?」
「・・・え〜と、確かこの世界は元々お前が管理してたってとこまでだ。」
「そうか(顔を引き締めて)、で、君に頼みたい事はというとだね、この世界の過去に戻って歴史を改竄してくれないかな?」
「ホゥ、ホゥ過去にもどって・・・・・・・って何イイイィィィッ!!」
「どうしたんだい?いきなり大声出して。」
「だ、だ、だ、だって過去にって・・・。」
「私は遺跡の管理者なんだよ?過去に戻すくらい簡単だ。」
アキトBは心なし胸をはって言った。
「でも・・・」
「でも?何?」
「俺はこの世界の事を何も知らないぞ?それではどう歴史を変えていいのか・・・。」
「ああ、そのことだったら気にするな。こうすればいい。」
その瞬間、光が溢れた。
と、同時に俺の頭の中に様々な知識が入ってくる。
ネルフ
チルドレン
エヴァンゲリオン
ゼーレ
使徒
死海文書
二つの人類補完計画
サード・インパクト
・・・そしてその後の真っ赤な世界。
「・・・ひどい、な」
俺は思わず、そう呟いた。
「そうだろう?私にもその責任の一端があるんだ。だからその世界の住人に何か罪滅ぼしがしたかったんだ。
・・・しかし、ルールがあってな。管理人はその世界を見守ることはできても手を出す事は禁じられているんだ。」
アキトBは忌々しげにそう呟いた。
「そしてそこに俺が現れた、と。」
「少し違うな。さっきも言ったがこの世界が滅びる前にもう私は君の事を知っていたんだ。そしてずっとチャンスを待っていたんだ。君が単独で私(遺跡のこと)に触れるのをね。」
「・・・なるほど、な。」
「すまない、自分勝手なのはよく分かっているんだが、頼まれてくれないか?
君の力ならネルフやゼーレにも対抗できるだろう?」
「わかった。」
「え?」
「引き受けてやろう、その仕事。」
「・・・んな、あっさりでいいの?」(断られると思ったのに・・・)
「あんなもの見せられちゃ、しょうがないだろう?
だが昴気では戦自研とかは倒せても使徒にはきついんじゃないのか?」
「それも考えてあるよ。君には私の力を半分貰ってもらう。」
「そうするとどうなるんだ?」
「う〜〜〜ん、やった事無いからよく分からないけどあっちの世界で言うところのアダムと同程度の力が手に入るんじゃないのかな?」
「・・・・・・(絶句)、どんどん人間じゃなくなっていくな、俺。」
「気にするな、じゃ早速やるぞ。」
「ちょっ、ま、まだ心の準備が!!」
「心配するな、直ぐ終わる。少し、痛いぞ(ボソッ)」
「え?今なんて?うわっって、あだだだだっ!!痛い!!痛いってば、おい!!」
「我慢なさい、男の子でしょう!!」
そして数分後・・・
「あ〜〜〜、痛かった。」
「ふ〜〜〜。やっと終わったか。いいかよく聞けよ。この力を使う時は恐らく君の体に何らかの変化があるはずだ。それは「人間の体ではその力に耐えられないからだ。」」(二人同時にしゃべってます)
「何!!」
「説明しなくてもなんとなくわかるよ。身体が教えてくれるんだ。」
「そうか、やはりすごいな君は。もう私の力を使いこなすとは…。ではその力を使って十四歳になってくれ。」
「?何で十四歳になる必要があるんだ?」
「そうだな……あっちの世界でのチルドレンの護衛、それに交流を深めるためには同い年のほうが何かと都合が良いだろう?」
「確かに…そうだな。それに中学生は微妙な年頃だしな…。」
納得した俺は『力』を使うために目を覆って精神を集中する。その瞬間、俺の髪が白銀に、眼はつぶっていて見えないが真紅に変わる。
そして一瞬からだが光ったかと思うと次の瞬間には、もう十四歳の頃の物になっていた。
「成功……だな。」
アキトBが俺にそう話し掛ける。
「ああ。」
…こうして…全ての準備が整った俺は…異世界の過去へと…跳んだ…。
あとがき
ど〜も、作者の影法師です。この話はもちろん『時の流れに』のラストでエヴァワールドに跳んでっちゃったらどうなるかなあ?っていう思いつきで書き始めたものです。
機動兵器は今のところ出す予定はありません(だって多分アキトって素手で使徒倒せるよ、きっと)。
SSはほとんど初心者なのでプロローグのくせにかなり長くなってしまいました。御免なさい。多分カップリングはアキト×包帯が似合う人になります。っていうかそうします。
それでは今度は第一話で。
管理人の感想
影法師さんからの初投稿です!!
このエンディングからこうもっきますか?(笑)
しかも、アキト君が更に強くなっていますね〜
・・・今後はどう動くつもりなんでしょうか?
取り合えずは、シンジを捕獲でしょう(爆)
では、影法師さん!! 投稿有難うございました!!
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