医務室の扉を空けて、「漆黒の戦神」テンカワアキトが入室する。

 

「こんにちわ、イネスさん。いらっしゃいますか?」  

 

「待ってたわよ、アキト君」

 

部屋の奥からゆうらりとイネスさんが出てくる。

まるで徹夜で原稿書いてたヒカルちゃんに似た、一目で 解るナチュラルハイな表情をしている。

 

「・・・・出直して来ましょうか?」

 

「いいわ。それよりも・・・・本当に実験に協力してくれるのね?」

 

「ええ。以前DSFを作ってもらった時のお礼もまだしてませんでしたから。 命に別状ないならかまいませんよ」

 

部屋の中央に置いてある椅子に腰を下ろす。

 

「その言葉・・・・・しかと聞いたわ!」

 

突然に椅子から鉄輪が出てきて両手両足、そして首を拘束する。

 

「イ、イネスさん・・・・・何を・・・・」

 

「協力してもらうわね。ぬっふっふっふっふっふ」

 

危険だ!あの目は・・・・イネスさんのあの目は・・・・

自分の知的好奇心充足のためならどんな犠牲を払ってもかまわないという ヤマサキと同じ目だ!   

 

 

 

 

ひょっとしたらこんな日々3

 

 

 

 

「で、ドクタ−がメインクル−に召集を掛けたわけだが」

 

「こね−じゃねえか。アイツ」

 

だがその時、ブリッジのドアが空き、イネス女史が豪快かつナチュラルハイに入ってきた。

 

「待たせたわね!」

 

「ドクタ−、なんであなたそんなに元気なの?」

 

「いっそ羨ましいですよねえ」

 

「うんうん・・・・・ってその子なんなんです?」

 

全員の視線を浴びて、3、4歳ほどの少年を抱きかかえたイネス女史はご満悦であった。

 

「? な−んかその子見覚えあるよ−な・・・・・イネスさんの隠し子かなんかですか?」

 

「ンな訳ないに決まってるでしょ。(あたしが産むのはアキト君の子供だけなんだから)」

 

「ちょっと待ってください。その黒い髪、可愛らしくも強い意思を秘めた美しい瞳、

 らぶり−さと凛々しさの共存する顔立ち・・・ まさかこの子は!」

 

「その通り!この子の名は、テンカワアキトよ!」  

 

しばらく、驚愕と衝撃でブリッジはたっぷりとかき回される。  

 

「どうやら皆落ちついたわね。じゃあ説明するわよ。

 実はとあるル−トからある種の薬の構成を入手したのよ。

 本来は暗殺用の毒薬らしかったんだけど、その中から特殊な成分を抽出するのに成功したのよね」

 

「なるほど!最近あまり『実験』されなかったのはその研究をしてたからだったのか!」

 

「ええ。でも材料の入手も合成も不可能だからもう1度つくのは無理なんだけどね」

 

「その実験結果、アキトさんがこんな子供になってしまったと」

 

「ええ。毒薬時の正式名称・・・と言って良いのかしら・・・はAP○X4○69っていうらしいけどね」

 

「プンプン。かわい−アキトを知ってるのはユリカだけだったのにぃ」

 

などとわいわい騒ぎ、皆で(わたしやラピスも含めて)アキトさんを弄くりまわしましていました。

 

・・・・・?  なんか・・・・誰かいないような・・・・・・

 

「テンカワさんってばぷにぷにのぽにょぽにょ−!」

 

は!いけません。わたしも参戦しなければ。

 

「それにしてもドクタ−、このサスペンダ−に半ズボン、そしてニ−ソックスは一体?」

 

「この時に備えて私費で揃えてたのよ」

 

「必要経費として認めるわ」

 

大人って・・・・・・などとやっている内に見るとメグミさんが入り口から入ってきました。

 

そうか、さっき居なかったのはメグミさんでしたか。

 

「わたしにも抱っこさせてくださいよ−」

 

「しかたないなあ。一人15秒だからね」 

 

と、アキトさんを抱っこしたメグミさんはいきなり外へと飛び出しました。

 

「!」 「しまった!先を越されたわ!」 「直ぐ追うわよ!」

 

しかし、ブリッジのドアは決して開こうとはしませんでした。

 

「オモイカネ?何のつもりです?」

 

『すみませんルリ。しかし開ける事は出来ないのです』

 

「理由を聞きましょうか」

 

『メグミさんが幻の「ゲキガンガ−3パイロットフイルム」を業界のツテで持ってるから貸してくれるというので』

 

「おおう!そういう事なら兄弟!オレも加勢するぜィ!さあここを通りたければオレを倒して・・・・」  

 

 

ずどごめきょ!

 

 

「しかたありません。リョ−コさん、『赤雷・真打』でブッた斬っちゃって下さい」

 

何故か持ってる日本刀を抜き打ちに構えるリョ−コ。

 

「スバルリョ−コ。経費で落としてあげるわ。遠慮なくやっちゃいなさい」

 

「あの−それはさすがに・・・・」

 

「何かしら?」

 

ギン!と周囲の視線にビビるプロス。

 

「いえ・・・・・何でも有りません・・・・・」

 

「はあ!」

 

特殊鋼のハズなドアが簡単に切り裂かれて行く。

 

「よし!急ぐわよ!」

 

「! 動くな!」

 

見ると廊下一面にアキトさんの写真が糊付けされてます。

 

「こ、こんな・・・・・・」

 

「アキトさんの写真を踏むなんて出来ない・・・・」

 

この準備をしてたのですか・・・・・・・・・恐るべしメグミ・レイナ−ド!

 

「そうだわ、ラピスラズリ!あなたアキト君とリンクしてるんでしょ?

  今アキト君は何処に居るの?業務命令よ!教えなさい」

 

「ダメ・・・・・メグミが目隠しして、ブンブン振り回してるから自分の場所アキト分かってない」

 

オモイカネは今だに抵抗してアキトさんの居場所を探知できません。

ぜ・・・・絶望・・・・・なのでしょうか・・・・・

 

「大丈夫!」

 

頼もしい声の方を見ると、そこに居たのはサラさん!

 

「彼女の行き先を予測するなど簡単な事」      

 

 

 

 

「ハアハアハア、そろそろいいわね」

 

「・・・ねえメグちゃん、オレもそろそろこの目隠しとって欲しいんだけど」

 

「ええ、いいわよ。ここが最終目的地なんだし」

 

ようやく開けた視界に映ったのは・・・・・・・風呂場!?

 

「うふふふふふ、カワイイですよアキトさん。

 このほっぺが!この太ももが!この膝小僧が!このふくらはぎがあああ!!」

 

「くすぐったいんだけど。あとそろそろ開放してくんないかなあ」

 

いつもの爆裂にヤな予感に怯えつつ一応言ってみる。

どうせ聞き入れてもらえないのは解っているのだが・・・・

 

「ダメですよ。ここで一緒にお風呂に入るのです」

 

シャツをズボンをヒン剥かれてしまうアキト君。

 

「目が・・・・目が石○賢なってるよ・・・・」

 

「むう!」

 

何故かメグミの手が止まる。

 

「ソックスを残して先に○ンゼのパンツを脱がすべきか、それともパンツを残してソックスを剥くべきか・・・・」

 

「やっぱりソックスを残すべきでは?」

 

「そうね・・・・ってルリちゃん?」

 

「は!しまった!あまりにステキなシチュエ−ションなのでつい」

 

浴場のガラス窓が開き、乙女たちがドヤドヤと更衣室に踏みこんでくる。

 

「くっ・・・・先回りされてたのね・・・でもなんで今頃?」

 

(アキトさんが脱がされ始めたので思わず見入ってしまったとは絶対言えませんね)

 

サラさんが一歩前に出ます。

 

「ウカツだったわね、メグミさん」

 

「何故ここが?」

 

「こんなにかわいらしいアキトを見たら、まず着せ替え人形にしたくなるのは当たり前」

 

「当たり前なのか?」

 

突っ込むアキト君を無視して頷く一同。

 

「でも着せ替えは既にイネスさんがやっています。

  ならば一緒にお風呂に入りたくなるのは乙女として、人として当然の常識というものです」

 

「くう!一部のスキもない完璧な推理だわ」

 

「そうなのか?」

 

またもや無視されるアキト君。

そこへ進み出るサユリ。

 

「まあメグミさんの処罰は後にして、ツイでだからアキトさんといっしょにみんなでお風呂に入りましょう」

 

「さんせ−い」

 

「意義ナシ」

 

「それもいいわね」

 

「この頃のアキトとお風呂入った事なかったなあ」

 

一人くらいフリでもいいから恥ずかしがれよ。

とっさに逃げ出そうとするアキト君にタックルを掛けるラピルリ。

 

「ダメだよう」

 

「逃がしません、よと」

 

皆何故かお風呂セット用意済みなので手早く入浴準備を始める。

アキト君の事はラピスにまかせ、自分も準備に入るルリ。

 

「ラピス・・・後生だから放してくんない?」

 

「うふふふ。アキトを抑えつけられるなんて夢みたい」

 

ジタジタジタジタ。

 

「ラピス、後はわたしたちに任せてあなたもお風呂に入る支度をなさい」

 

「うん」

 

エリナイネスのお色気コンビにアキト君を委ねるラピス。

 

「お願いですぅ。どうか見逃してくれさい・・・」

 

「「ダメ」」

 

二人に引きずられるように浴場へと連れて行かれるアキト君。

彼の頭の中では童謡「赤い靴履いてた女の子」がエンドレスでリピ−トされていた。

 

大丈夫だアキト君。

もう五分もすれば薬の効果は切れるから。  

 

 

終わり    

 

 

 

 

後書き

 

「無様ね」

 

「今度はイネスさんかい。

 仕方ないんだよう。ナイコン族としてはどんなにに無様な真似さらししてでも投稿せにゃならんのだよう」

 

「ワ−プロのフロッピ−に打ちこんだ下書き、従兄弟の子(一歳5ヶ月)に砕かれたんですって?」

「知り合いなんぞすけべいゲ−ムのフロッピ−を親戚の子供に壊されて弁償させることも出来なかったと

 泣いておった」

 

「それで以前掲示板に書いたモンをサルベ−ジですか」

 

「もう2ヶ月も更新してないし、みんなどんどん進めてくんでい−かげん書かんと皆に忘れられてしまいそう

 だったんだよう」

 

「まあ以前はともかく今なら10本以上投稿する人って少なくないからねえ」

 

「掲示板に書いたのはおいらが投稿を始める前だからもう半年以上前。

 覚えてる人なんかいないと思ったんだよう」

 

「でもBenさんは間違いなく覚えてるわ。それにあなたが『目標』などとずうずうしくも宣言したRAWさんもね」

 

「今は鋼のダンナもオイラが追う目標の一人です」

 

「そんな彼に恥ずかしいとは思わないのかしら?以前は盗作問題で騒ぎ起こすし」

 

「反省してますう。これからも最大限努力するので皆様忘れないで、かつ見捨てないでください」

 

「みなさまの寛容の精神にも限りがあるのだと覚えておくことね」

 

「ひ−ん、がんばりますう。運が良ければ『見る夢5』をもう一度書き直しますので」  

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

影竜さんから十五回目の投稿です!!

いや〜、お久しぶりです!!

色々と大変だったみたいですね。

でも、自宅にパソが無くとも投稿をしていただけるそのスピリッツに、Benは深く感動をしています!!

う〜ん、立派な人だな〜影竜さんって。

しかし、まあ見事に弄ばれますな、アキト君(苦笑)

メグちゃんはやたら濃いですし。

・・・ガイはまた再起不能なってるし。

あ、そう言えばハーリーが出ませんでしたね?

今後の彼の不幸に期待をします(笑)

 

では、影竜さん投稿、有難うございました!!

 

影竜さんはご自分のメールアドレスを持ってられないそうなので、

感想はこの掲示板に出来れば書き込んで下さいね!!

宜しくお願いします!!