あるいはこんな一日

      

 


「ふう・・・・」

 

かぽ−ん。

 

湯気が立ち上るここは男性専用の風呂。

いかにパワ−余りまくりな女性陣もさすがに追いかけてこないここは、もはやアキトの最後の憩いの場となりつつあった。

少し熱めの湯船にゆっくりとつかるのが彼のお気に入り。

 

「最近疲れが酷いなあ。やっぱり精神的なものかな・・・・・? 何奴!」

 

その時彼は鋭くはないものの強烈な敵意を感じた。

最近ダッシュとラピスに薦められて読んだ白土○平がお気に入りである。

 

湯の中からウェットス−ツを着て、防水紙袋をかぶった数人の男が現れる。

物凄く怪しい。ごっつ変だ。

その異様な風体に気をとられた一瞬、一人の男が手のスプレ−を吹きかける。

 

なんだ?頭がクラクラする。

 

「睡眠薬と艦長特製ジュ−ス、その他毒草にウォッカを混ぜたシビレ薬だ!」 

 

こ、この声は・・・・・・

 

「ウリバタケさん?」

 

眼前の男はいっそ哀れな程にうろたえる。

 

「ち、違う、あんなハンサムで天才メカマンで眼鏡の似合うナイスガイと間違えられたのは光栄だが、俺はあんなすばらしい男 ではない!それはともかくテンカワアキト、オマエには地獄を見てもらう」

 

 じ、地獄?

 

「そう、男性トイレとここならS−2の監視の目も届かない。そしてこのシビレ薬で動けなくなった君を全裸で女子更衣室に放り  こめば・・・・」

 

「ユリカも気付くだろう!君がどんな男か!」

 

「そして哀しみにくれるルリさんを僕が慰めて、そして二人は・・・・・・・(うっとり)」

 

 付き合いきれん。

 

「あ、しまった」

「逃げたぞ」

「タオル一枚では遠くへは行けまい」

「追え!」

・・・・・・・・・

 

 

 

カンカンカン・・・足音に反応し、とっさに隠れる。この様子では俺の部屋は押さえれてるな。

・・・まだ頭がクラクラする。

 

「アキトさん?」

 

「なんてカッコしてんのよアキト君」

 

ルリちゃんとミナトさん? 

いや、そのこれには……訳……が…

 

どさ!

 

「アキトさん!ん?……(真っ赤)」 

 

「あら・・・以外と立派ねえ」

 

 

 

目が醒めると自室だった。

横でミナトさんが本を読んでいる。

 

「あら、目醒めた? 驚いたわよ、君にあんなシュミあったなんて」

 

 い、いやあのその・・・・そそそそそそそれには・・・・・・

 

「解ってるわよ。あの後君追っかけてきた『組織』のメンバ−に全部聞いたもの」

 

組織・・・・ですか・・・

 

「実行部隊は『五感を持って生んでくれた親を呪いたくなるような』お仕置きを受けたから安心して」

 

それって…一体……

 

「で、何故俺はここに?何故ミナトさんが?」

 

「シュンさんやゴ−トさんに運んでもらったのよ。あんなカッコでうろついたんで、風邪ひいたみたいね。

 そばにアタシがいるのは、君のそばで冷静でいられるから。あとオモイカネも見てるしね」 

 

『モチロンです』ウィンドウが開く。

 

「目を覚ましたことは皆に言っとくから、とりあえず治るまでゆっくりと静養なさい。たまにはいいでしょ」

 

「そうですね、そうさせてもらいます」

 

 

だがゆっくりとなんて出来なかった。

 

「アキト−お水飲む?はい、うちゅ−」 

 

ユリカ。口移しは止めてくれ。

 

「アキトさん、汗ふきましょうね」 

 

あちちちちちちち メグミちゃん、蒸しタオル熱すぎ!

 

「テンカワ!おじや作ったぞ、食え!」 

 

リョ−コちゃん、この緑色の物体は・・・・・・なんか新しい生命生まれてるし・・・・・

 

「アキト・・・熱どう?」

 

ラピス・・・熱測るのにおでこあてるのはちょっと・・・・・・・まわりの視線が・・・・・・

 

 

 

「お疲れ様ですアキトさん。

 ・・・・・なんか耳から口から白い煙でてますよ」

 

「ルリちゃんか・・・疲れた」

 

「ホウメイさんの特製おじやです、どうぞ」

 

「はむ・・・・いや、これはルリちゃんが作って、ホウメイさんが手伝ったおじやだね」

 

「(真っ赤)・・・・・・解りますか」

 

「勿論。あの二年でルリちゃんの味付けの好みも癖も覚えたからね」

 

 はむ

 

「あの・・・・・二年・・・・・ですか」

 

「ああ・・・・・」 

 

 はむ

 

看護疲れ(?)で寝ちゃった女性陣をミナトさんやシュン隊長らが個々の部屋に運び、今はルリちゃんと俺だけだ。

 

 はむ

 

「ナデシコ・・・・・・だね」

 

「ナデシコ・・・・・・ですね」

 

おそらく他人には解らないだろう感慨を、その時俺とルリちゃんは共有していた。

 

「ナデシコ・・・・・・だねえ」

 

「ナデシコ・・・・・・ですねえ」

 

 

 

                   終わり

 

後書き

ルリ「なんですかコレ!『天○無用RPG』のパクリじゃないですか」

影竜「天地無○はいいねえ。特に7話。

    事件のない一日を面白く見せるってのは「マジ○ルエ○ 蝉時雨」とあれだけだ。

    それはともかく最初のネタは君とアキトの二人芝居みたいなのだった」

ルリ「二人だけ、ですか?」

影竜「戦闘で重傷を負ったアキトがそれをキッカケに自分への憎しみで半植物人間となり、それを救う為にオ

    ペレ−タ−用ナノマシンとある程度の体力を持った君が『電気的接触』云々でサイコダイブ」

ルリ「そ、それって・・・・ポ」

影竜「憎しみの象徴たる悪アキトに殺されかける君を見てアキトは目覚め、己の憎しみに打ち勝ち、目覚める。

    そしてこれが「たとえばこんな最終回」で彼が自分を赦す伏線になるのだ」

ルリ「何故書かなかったんですか」

影竜「舞台限定は「12人の怒れる男」をみても解るが書き手にかなりの力量が必要だ。それに今のアキトは無敵。

    例えるならキン○ピンのパワ−を得たデア○ビルが視力を取り戻したようなもの。

    たとえ3年後の北辰を連れてきてもいまの彼の影を捕らえる事すら出来まい。

    重傷負わせる存在など地球圏にはいないね。

    第一今のアキトはいい意味で後ろ向き。

    事態が解決するまで自分の殻に閉じこもるなどありえないよ。

    後ならともかく」

ルリ「そのアメコミ癖治しなさい。デアデビ○なんて特に日本じゃマイナ−なんですから。

   あと古い映画を例えにするのも」

影竜「はううううううううううう」

ルリ「という訳で」

影竜「ワタクシごときの駄文に付き合って頂き感謝の言葉もございません」

両方「ありがとうございました!」

 

 

管理人乱入・・・

 

影竜さん二回目の投稿有難う御座います!!

ううう、投稿がこんな短い期間でくるなんて(嬉し泣き)

影竜さん、貴方はなんて良い人だ!!

 

さて・・・それでは作者の感想をば。

 

う〜ん、天地○用・・・

Benも大好きですよ!!(早く第三期始まらないかな〜?)

やっぱりアキトの現状とは見事に合いますよね!!

主人公はアレだし(爆)

でもこんなほのぼのとしたナデシコもいいもんです。

・・・本編では結構ほのぼのしてるけど(苦笑)

後書きもいいですよね〜

Benこの形式大好きです(笑)

ネタばれをすると面白いんですよね〜(おいおい)

 

では、影竜さん二回目の投稿有難うございました!!

 

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