そして、そこには信じられない景色が広がっていた
「な、なんだこれは!!」
< 時の流れに >
時空を越えて
第1話 『異世界?!』
アキトの目の前には壮大な荒野が、右手には海原が広がっていた
それだけなら、なんの問題も無い
しかし、どうしようもない問題が一つあった、それは‥‥‥
「なんで地平線がないんだ!?」
そう、地平線がないのだ!!ついでに水平線も
通常、水平線、地平線は緩やかな円を描き、その上には空があり、太陽は地平線から現れ、沈んでゆく
だが今見えている景色はまったく逆である
水平線、地平線は反対方向に反り返り
上方、本来空があるべきところにも大地があるのだ
そして太陽はその上下の大地の真中で静止している。
はっきり言って、この光景は異常以外の何者でもない
「ディア、ブロスこれはいったい?」
「え、アキト兄もやっぱりそう見えるの!」
「あ、ああ」
「よかった―――、私たちがおかしくなったわけじゃなかったんだ」
「それでディアここは?」
「うーん、処理能力の低下してる今の私じゃ、うまく説明できないよ」
「そうだ!ディア、あれがあるじゃないか」
「ブロス、あれって?」
「前にイネス母さんがブローディアに組み込んだ説明プログラム」
「あっ、そうか
「じゃあアキト兄、端末に『NAZENANI NADESICO』って打ち込んで」
「なんだかいやな予感がするんだが(汗)」
「細かいことは気にしない、人生前向き♪、前向き♪」
「とりあえず入力してみるか―――『NAZENANI NADESICO』っと」
ピンポンッ♪
『パスワード:NAZENANI NADESICOヲ確認』
『《出張版なぜ、なに、ナデシコ》起動シマス』
何故かマシンボイスでシステムの起動を告げる2人
「みなさんこんにちは、おひさしぶり、はじめまして、イネス・フレサンジュ(AIバージョン)です」
――――この度は、《出張版なぜ、なに、ナデシコ》を起動してあれがとうございます
このプログラムは、説明が必要な状況において、説明おばさんことイネス・フレサンジュが不在の時のために、
フレサンジュ博士が開発されたプログラムです――――
なお、ルリさんのおかげで不要な説明はかなりカットされています(たぶん)―――― by オモイカネ
アキト「‥‥‥‥‥」
(たぶんてなんだ!オモイカネ)
「それじゃあ、さっそく説明に入るわよ」
「現在の科学常識では、地球の内部は暑いマントルの層で、その中心部は重金属のコアでできているとされているけど、
それが正しいかどうかは証明されていないの。
いいえ、正確に言うと、地球の体積が、重力から算出される数値と比較して小さすぎるため窮余の一策として、
コア説が出されているの。つまり、地球内部に想像以上の質量が存在していると仮定しなければ、地球の重力の数値は大きすぎるの。
これは一見地球空洞説に対しての明らかな否定要素であるように思えば。
地球内部が空洞であるならば、地球の質量はさらに小さくなければならず、
重力から算出した質量とは噛み合わなくなってしまうからなの。
しかし、ここにひとつの仮説を設けてみましょう。もし、地球の不足している質量を補うだけの通常物質が、
極端に歪曲した空間として存在しているとしたら?第4、及び第5次元方向に極端に歪曲した世界は、
ゴムボールの裏面の様な形で、この世界と隣接しうる。
通常次元においては、ごく小さな体積しか持たなくとも、次元の方向が異なれば、その空間は十分な広さを持つことは可能であり、
3次元的には極端に密度の高い空間になるわね。
そうした空間が地球内部に存在する。それが、今私たちのいる世界よ。
その形状は、例えて言えば、前述したようなゴムボールの裏面がイメージとしては最も近いわ。
つまり、地上の世界が、ゴムボールの表面であれば、今私たちのいる世界ははまさに表裏一体の世界であるともいえるわ。
それにより―――――――――――――――以下省略
――――5時間後―――
『《出張版なぜ、なに、ナデシコ》終了します』
アキト「‥‥‥‥‥‥‥‥」
かなり衰弱している
不要な説明をカットしてもこの分量、イネスさん恐るべし!
「アキト兄―、生きてるー?」
「あ、ああなんとか」
「つまり、今のを要約すると、私たちがいる場所は、中が空洞になってる地球の内部というわけ」
「じゃあ、最初からそういってくれ」
「私たちも説明を聞いて、今やっとわかったんだよ」
さすが、処理能力の低下しても、縮小版オモイカネ級、アキトと違い内容をちゃんと理解している
「‥‥そうか」
生返事をしながら、どちらにしてもこのプログラムは、二度と使うまいと心に決めるアキトであった
「何にしても情報が少なすぎる、まずは情報を集めないとな」
なんとか衰弱していた精神を立て直し今後の方針をうちだす
「でもどうやって?さっきから調べてるけど、ここダッシュ兄みたいなネットワークないよ」
「やはり、人に聞くしかないだろう」
「ならとりあえず、人を探さないと」
「アキト兄、レーダーに反応、後方600m」
「なんだ!」
「あれ?あれれ?おかしいなあ」
「こんどはどうしたんだディア?」
いいかげん驚くのに疲れてだるそうに聞き返す
「それがね、この反応、重力波、ボソン粒子、光子、重力子はもちろん、赤外線、生体、熱源の反応もないんだよ」
「んー、あえて言うなら岩が動いてるかな?」
「なんだそれ、まあいい、とりあえず確認してくる」
そう言いつつブローディアから飛び降り、後方へ走り出す
そして500mほど先には、―――ディアの言ったとおり動く岩がいた―――
「‥‥これは何の冗談だ‥‥(汗)」
注:冗談ではありません現実です(笑)
サイズは18m前後で、一応人のカタチをしているが、腕が異様に大きく、足は短い、おまけに体のあちこちに刺がついている
ゲームに出てくるストーンゴーレムを禍禍しくような格好である
ガオォォォォン!!!
ガッ ガッ ガッ ガッ ガッ
次の瞬間、アキトの今までいた場所に石の飛礫が降り注ぐ
「フッ、問答無用という訳か!面白い、相手になってやる!」
不敵な笑みを浮かべ蒼銀の光を身に纏うアキト
どうやら、いままでの不可解な状況と、先ほどの説明プログラムで、ずいぶんストレスがたまっていたようだ
ああ哀れ、通りすがりゴーレムらしきもの(笑)
ウオォォォォン!!!(哀)
それに呼応するかのようにゴーレムらしきものが叫び声を上げる
いや、どちらかと言うと悲鳴のようだ
同時に衝撃波がアキトに襲いかかる
「ほう、衝撃波か、だが遅い!」
ヒュン
バコンッ!
そう言い音速に近い衝撃波を軽々と避け、同時にゴーレムらしきものの右腕を蹴り砕く
アンタほんとに人間か!
グオォォォォン!
さっきの二倍以上の、石の飛礫を飛ばすゴーレムらしきもの
「思ったより脆いな」
襲いかかる飛礫を軽々と避けながらつぶやく
普通できないって
「それに遅い」
ベキンッ!
さらに左腕を粉砕
「つまらんな、そろそろけりをつけるか」
と同時にすさまじい跳躍力で頭上まで飛び上がり、
昂氣を収束した拳をゴーレムらしきものの頭部に叩きつける
「竜牙砕!」
ドゴォォォォンッ!
アキトの放った一撃をくらい、ゴーレムらしきものは粉々に粉砕された―――
「弱い、これならジョロやバッタの方がまだ戦いがいがある」
目的を忘れぶっそうなことつぶやく
だから、アンタだけだって!
「作者、さっきからうるさいぞ」
スイマセン
「そういえば、今のは結局なんだったんだろう?」
今更ながら、そんなことを考えていると
ピッ!
「アキト兄」
突然コミュニケが開き通信が入る
「どうしたんだ、ディア」
「こっちに向かって接近してくる正体不明の機体を確認
サイズ、形状、反応から見て機動兵器みたい」
「でも、ディアあんな機体データにないよ?」
「だから正体不明って言ってるでしょ」
「あっそうか!」
ブロス君、人の話は良く聞こう
「どちらにしても今度は人だといいな」
素直な希望を述べるアキトと
「「そだね」」
これまた素直な感想を述べる2人だった
フィィィィン
そしてアキト達の前に漆黒の機体が現れた―――
二話に続く
後書き
どうも、はじめまして架再というものです
このたびは、私の駄文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます
それにしてもSSって難しいですねー
なかなか進まないし、ブロスはハーリー化しつつあるし
おまけに今だ主要人物が全然登場してません(泣)
なお、この時点でアキト達のいる世界が解かった方は、架再と同属性です
ぜひ友人になりましょう(笑)
なお設定に関するつっこみ大歓迎です
私自身情報不足なもので
次回はついにあの方の登場!
漆黒の戦神と黒き貴公子(機甲士?)の接触を予定しています
というわけで目指せ週一投稿!(試験中は除く)
それでは!!
管理人の感想
架再さんからの初投稿です!!
ふふふ、そうきましたか(笑)
多分、この設定は某氏なら一発で気が付かれるでしょうね〜
しかし、ここでも問答無用な強さを発揮してますね、アキト君(苦笑)
さて、今後はどう物語に絡んでくるのでしょうか?
それでは、架再さん投稿有難うございました!!
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