フィィィィン

 

 そしてアキト達の前に漆黒の機体が現れた―――

 

 

 

 

 

 

< 時の流れに >

時空を越えて

 

第2話 『接触』

 

 

 

 

「な〜んか悪役っぽい格好ね」

 

「うん」

 

 漆黒の機体を見て素直な感想を述べるディアとブロス

 

 ちなみにどんな機体かというと

 鋭角的でがっしりとしたフォルムで、色は良く見ると漆黒ではなく限りなく黒に近い蒼であり、機体のサイズはブローディアよりも

かなり大きく30m近くある

 しかし、察知した場所からここまでの距離と所要時間から考えると、機動性はかなり高いことがうかがえる

 そして何より機体から放たれる異様なまでの威圧感が、2人に悪役っぽいと言われた理由だろう

 

「こら、こら、2人とも外見で判断したらだめだぞ」

 

「そうだね、アキト兄のパイロットスーツ姿も知らない人から見れば、怪しさ大爆発だしね〜〜」

 

「ほんと、ほんと、変質者みたいだし」

 

「‥‥‥‥‥‥‥(哀)」

 

 

 

「あっ、アキト兄あの機体のパイロットから通信が入ってるよ、でも回線がうまく繋がらないみたい」

 

「繋げてくれ、それとこれからの通信では2人とも隠れててくれないか」

 

 すぐに立ち直り指示を出すアキト

 精神的もタフだな

 

「えーどうして」

 

「万一あの機体と戦闘になった場合にそなえて、2人にはハッキングの準備をしてほしいんだ」

 

「でも、私たちじゃ、ルリ姉やラピス姉みたいにシステムの完全掌握は無理だよ」

 

「いや、少しでも割り込めればそれでいい、後は自分で何とかしてみる」

 

「む〜、なんとかやってみる」

 

「あっ、アキト兄、通信回線つながったよ」

 

「じゃあ2人とも頼んだよ」

 

 

 

 ピッ

 

「やっと繋がりましたね、先ほどから通信を入れていたのですが、

 その機体とシステムが大分違うらしく、接続に手間どってしまいました」

 

「あんたは?」

 

「私ですか?そうですね、シュウとでも呼んでください

 ところでいきなりで申し訳ありませんが、この辺りでおかしなものを見かけませんでしたか?」

 

「おかしなもの?いや、見てないが」

 

(さっきのゴーレムもどきのことか?それとも俺か)

 

 どうやらディアとブロスに言われた事をまだ気にしてるらしい(笑)

 

「そうですか……」

 

(ヴォルクルスの反応があったのですが、杞憂でしたか)

 

「ところで、あなた方いったい何者です?見たところその機体ラ・ギアスものではないようですが」

 

「ラ・ギアス?何のことだ」

 

「ふむ、ということはやはり地上の方ですか」

 

(しかし、おかしいですね、最近ゲートが開かれたという情報はありませんでしたが)

 

「地上?」

 

「いえ、こちらの話です」

 

「すまないが、ここが何処なのか教えてくれないか?さっきから訳のわからない事ばかりなんでね」

 

「そうでしょうね………わかりました」

 

『グオオオオオオオン』

 

 突然の咆哮に会話が中断される

 

「なんだ‥‥‥ゲッ!」

 

 アキトが振り返ると、岸壁から先ほどアキトの倒した(粉砕した)ゴーレムもどきが、大量に湧いて出てきていた、その数三十体以上!

 そしてどうやらゴーレムもどきは身近なもの、すなわちブローディアと漆黒の機動兵器を破壊衝動の対象としたようだ

 

「とりあえず、話はあれを片付けてからにしましょう」

 

「そうだな」

 

 そして戦闘が始まった

 

 

 

 

 

 

 

「ブロス、ブローディア動かせるか?」

 

「うーん無理だね、でもフェザーなら2人で制御すればかなり弱いけどなんとか5,6枚は使えるよ」

 

「5,6枚か……すまないが2人とも、それでなんとか持ちこたえてくれ」

 

「え、アキト兄はどうするの?」

 

「直接叩き潰してくる」

 

「「ははは(汗)、いってらっしゃ〜い」」

 

 

 

 

 

 ねえブロス、最近アキト兄ますます人間離れしてない?

 う〜ん、確かにそうだね

 

 

 

 

「このゴーレムもどきっていったい何なんだ?」

 

 毎度おなじみの石飛礫の嵐を余裕で避けながら質問するアキト

 

「これはデモンゴーレムと言って召喚術の一種です

 普通は召喚者が「死霊傀儡の外法」を行うことで地上に召喚、覚醒させる物なのですが、

 どうやらこれはこの辺りの死霊が何か強い力に引き寄せられてきた物のようですね」

 

 フィールドで石飛礫を弾きつつ、丁寧に説明するシュウ

 

(強い力、俺やブローディアのことか?)

 

 バキンッ

 

 デモンゴーレムの頭を叩き割りながら、そんなことを考えていると

 

「あなた、本当に人間ですか?」

 

 ザシュ

 

 こちらもデモンゴーレムを漆黒の機動兵器の大型ソードで切り裂きつつ

 シュウが誰もが必ず疑問に思う質問をする

 

「ああ人間さ、ちょっと普通の人より丈夫だけどな」

 

 ズゴゴ―――ン

 

 さらにもう一体を粉砕しつつアキトが答える

 

「そうですか」

 

 ブンッ――――――――ズガガガガッ

 

 三体のデモンゴーレムを大型ソードで薙ぎ払い(砕き)ながら納得するシュウ

どうやら流派東方不敗の師弟や十傑集(注:Action十傑集にあらず!)を知るシュウにとって、

それほど驚くべき事ではなかったようだ(笑)

 

「それにしても数が多いですね」

 

「たしかにうっとうしいな」

 

「あまり騒ぎを大きくはしたくないんですがね」

 

(マサキたちに気付かれると、ややこしくなりますからね)

 

「それは俺も同意見だ」

 

(ブロスとディアもさすがに苦戦してるようだし、長引かせるわけにはいかないな)

 

「ふむでは、調整中のあれを使ってますか、少し離れてください」

 

「ん?ああ、解かった」

 

 シュウの意図を理解して素早く戦線を離脱するアキト

 

「ピンポイント・グラビトロカノン、発射!」

 

 

 キュイーン――――――――ズゴゴゴゴッ

 

 

 

 漆黒の機動兵器から放たれた重力場は敵のみを正確に捉え、

 まだ二十体以上いたデモンゴーレムを瞬時に圧壊させた

 なお、ブローディアにも若干重力が掛かり、機体が悲鳴をあげたのはご愛嬌

 

 

 

 

 

 

 

(思ったより精度が甘かったようですね、次はもう少し出力を絞ってみますか)

 

 シュウがそんな事を考えていると

 

「ちょっと、いきなりなにすんのよ!!」

 

 ウインドウが開きディアがすごい剣幕で怒鳴り込んできた

 まあ、当然と言えば当然である

 

「おや、貴方は?」

 

「そんなことはどうでもいいわ、それより私たちを殺す気、あと少しで危うく潰れるとこだったのよ!」

 

 何やら目つきがヤバイ

 

「ふっふっふっ、そうか私たちを馬鹿にしてるんだね、ええそうよ!あなたの機体のシステムは完璧よ!

 私やブロスじゃあ手も足も出ませんでしたよ、でも機動戦ならこのブローディアだって負けちゃいないわよ!

 その機体も重力兵器を装備してるみたいだけど、こっちはもっと凄いんだからね! ブロス、ラグナランチャー発射準備!」

 

 すわった目でとんでもないことを言い出すディア

 かなり、狂気に染まっている、というか放電してるし(汗)

 

「なにいってるんだよ、今の状態でラグナランチャーを使ったら、ブローディアが爆発しちゃうよ」

 

 もっともである

 

「いいから早く! ギロッ」

 

 血走った目でブロスを睨みつけるディア

 キィィィ――――ン

 

「‥‥そう言われてみると‥‥ちょっとやってみたいかも(ニヤリ)」

 

 ディアからの毒電波を受けて何やらヤバイ目つきになるブロス

 ああ、最後の防壁が(笑)

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドッ

 

「ディア!ブロス!」

 

 凄まじい速さでブローディアに怒鳴りこんでくるアキト、今までの会話を全て聞いていたようだ

 

「はっ!アキト兄、僕はいったいなにを?」

 

 アキトの一活で正気に戻るブロス

 

「ブロスなにしてる!早くディアを止めるんだ!」

 

「えっ?あっ!ディア何してるんだよ!」

 

「!?、ブロス、なにすんの!ああ、アキト兄まで――――――――――――――」

 

 

 

 

 

 しばらく、お待ちください  ピ―――――――――

 

 不意に、通信ウインドウが工事中の画面に切り替わる(笑)

 

 

 

「やれやれ、愉快な人たちですね」

 

 めずらしく、楽しそうに呟くシュウであった

 

 

 

 ―――ブローディア、コックピット内―――

 (アキト)正気に戻るんだ、ディア!

 (悪ディア)ふふふっ、こうなれば最後の手段こと悪の華、自爆装置よ!

 (アキト・ブロス)落ち着け―――!!

 

 

 どうやら、この世界への無理なシャンプや先ほどの無理な戦闘などでかなりAIに負荷が掛かており、

それに加え、ブローディア自身の半壊による電子機器への防御機構の機能低下、プログラムの損傷などの様々な悪条件と、

グラビトロカノンによる電磁波や重力波などが重なった結果、一時的な暴走(おーばーろーど)を引き起こしてしまったようだ

 なお、暴走の度合い、持続時間はその基本人格に由来するらしい(爆)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 15分後―――

 

「悪い、待たせたな」

 

 かなり憔悴した様子でアキトが通信を開いた

 

「いえ、お気遣いなく」

 

「それで、さっきの話の続きなんだが」

 

「その事ですが、とりあえず私の艦まで来て頂けませんか」

 

「艦?どうしてだ」

 

「立ち話も何ですし、それに、あまり長くここにいるとうるさい人が来てしまいますから」

 

「さっきの化物の群れみたいなやつか?」

 

「ふふ、まあ、似たようなものです」

 

「そうか、わかった」

 

「ところで、その機体はどうします?見たところかなり損傷が激しいようですが」

 

 自分もその原因の一つであるにもかかわらず、そんなことおくびにも出さず質問をするシュウ

 

「できれば一緒に運んでくれないか、こいつは大切なものなんだ」

 

「分かりました、では」

 

 フィ―――ン  ヴォン

 

 と言うと同時に漆黒の機動兵器から発せられたフィールドがブローディアを包み込み、浮び上がらせる

 

 (これはディストーションフィールド?)

 

「どうしました?」

 

「あ、いや何でもない」

 

「それでは行きましょうか」

 

「ああ、すまない、頼む」

 

 

 そして二体の漆黒の機動兵器は、異世界『ラ・ギアス』の空へと飛び立った――――――――

 

 

 

  《武器説明》

 ピンポイント・グラビトロカノン

 通常のグラビトロカノンと違い、効果範囲内の目標の物体のみに超重力をかけるマップ兵器

 まあ、グラビトロカノンのサイフラッシュ版だと思っていただければけっこうです

 ただシュウが言ったように調整がまだ完璧ではないため効果範囲内の物体には少なからず重力がかかってしまう

 

 

 

 後書き

 どうも!

 ネタ、設定は山のようにあれど表現力、文章力が全然足りない架再です!

 (人はそれを身の程知らずと呼ぶ)

 というわけで第二話です

 やっと主要人物の1人が登場しました

 ここまで来ると流石に何が題材かバレバレでしょう

 

 ちなみに今回の戦闘で、アキトは昂氣を使用していません

 

 それとBenさんごめんなさい、ディアを壊してしまいました

 だって遊べるキャラがいないんだもん

 出してない自分が悪いんだけど

 ディアが好きな人たち怒らないでください

 ああ、早くトロイアなまりの仮面の人やカモノハシ3人組を出したい(爆)

 

 

 それでは、こんなSSですがこれからもよろしくお願いします

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

架再さんからの投稿です!!

ははは、異世界でも暴れてますね・・・ディア(爆)

まあ、元気な娘だからな〜

ブロスの苦労がしのばれますね。

そして、とうとう御大の登場!!

さてさて、今後はどのようにストーリーが展開するのでしょうか?

 

それでは、架再さん投稿有難うございました!!

 

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