< 時の流れに >
時空を越えて
第4話 『友』
「お待たせしたね、」
シュウがセニアを連れて客室に入ってきた
「おや?」
床に気絶しているサフィーネに気付く
「いや、何故か突然気を失ってしまって(汗)」
「しょうがありませんね」
「モニカ、すいませんがお願いできますか」
「ハイ、わかりましたシュウ様」
そう言うとサフィーネの片足を持って、ズルズルと床を引きずりながら退室して行くモニカ(笑)
「さて、それでは何からお話いたしましょうか?テンカワさん」
「アキトでいい、それじゃあまずこの世界について教えてくれないか」
「わかりました、この世界ラ・ギアスは先ほども話したように、地球内部の空洞に存在する世界です。
ただ誤解なされないように、地球の中が、ラ・ギアスという大きな空洞になっている訳ではありません、
ラ・ギアスは地球内部の4次元・5次元方向に極端に歪曲した空間の中に存在しているのです。」
「何度聞いても信じがたい話だな、れで、この世界と地上と行き来きする手段はないのか?」
「いえ、ありますよ、ゲートを開けば地上と行き来きは可能です」
「それでその事なのですが、私からも一つ質問があります」
「あなた方はどこから来たのですか?先ほど調べた所、やはりここ最近ゲート開かれた形跡はありませんでした
それに、あなたの機体ブローディアでしたか、あのような機体は今の地上の技術力では作ることは不可能なはずです
EOTを管理するDCやマオインダストリーでもそんな機体はありません」
「‥‥‥‥」
(EOT?DC?マオインダストリー?一体何のことだ
仕方ないもうこの際、情報の出し惜しみは無しにするか)
覚悟を決めたアキトは今までの経緯を語った――――自分の事、ナデシコの事、木連の事、ボゾンジャンプの事、
そして遺跡の事を――――
そしてシュウもまた、この世界の現状をかいつまんで説明した
「ふむ、これは興味深いですね、つまり、あなたのいた世界とこの世界は全く別の世界と言う事ですか」
「別の世界?」
「はい、平行世界、パラレルワールド、まあ呼び方は色々あります
簡単に言うなら、有り得たかもしれない別の未来ということですよ
あなたなら理解できると思いますがね」
「別の未来‥‥‥か」
そう言いナデシコのみんなを思い出すアキト
「それじゃあ、元の世界に戻る方法は‥‥」
「不可能ではありませんが、現状では三つの問題点があります」
「三つの問題?」
「はい、一つは技術的な問題です
平行世界とのゲートを開くためのシステム「クロスゲート・パラダイム・システム」の理論は残念ながら未完成です」
「二つ目はエネルギーの問題です
平行世界へのゲートを開くには膨大なエネルギーを必要とします
まだ正確には判りませんが、少なくともなエネルギーが必要です」
「そして最後は遺跡です、どうやらこれはその世界の本来の流れに干渉する存在を排除する性質を持っているようです
つまり、これをどうにかしない限りたとえ一つ目、二つ目の問題を解決してもあなたの世界へのゲートは開けません」
「それで、これらの解決策ですが
一つ目と三つ目の問題はあなたの話に出てきた遺跡を調べれば何とか出来るでしょう
二つ目の問題に関しては、ラ・ギアスすべての国の人間を媒介としてグランゾン、ブローディアから造り出したエネルギーを
精神エネルギーに変換アストラルサイドに保管した状態で制御を行います、通常のエネルギー状態では地球そのものが
消滅しかねませんからね
もっとも現在、ラ・ギアスの国は戦乱でそんな余裕は無いでしょうし、ヴォルクルスのせいで霊的因子が負の方に傾いていて、
精神エネルギーに変換した瞬間、デモンゴーレムの大量発生もしくはヴォルクルス本体が復活ということになるでしょう」
「じゃあどうすれば」
「簡単なことです英雄になればいいのですよ、何処の世界でも民衆は英雄に盲信的です、そして政治家はその存在を嫌います、
あなたが消えるのであれば彼らに断る理由は無いでしょう」
「じゃあ何か、所々分からない言葉があったが、元の世界に戻るには、遺跡を見つけて、ヴォルクルスとか言うのを滅ぼして、
この世界の戦乱を治めて英雄になれってことか」
「そうです」
「そうですって、それって物凄く大変な事じゃないのか!」
「はい、しかし不可能な事ではありませんよ
現にあなたは前にいた世界で、未来を変えているではありませんか」
「!!!」
(そうだ、俺が弱気でどうする!
俺は約束したじゃないか
ルリちゃんと、ユリカと、ナデシコのみんなと
何処に跳ばされよ様と、俺は絶対に帰って来ると
例え、遥かな距離だろうと、時を超えても―――)
「どうしました?」
「いや、ありがとう」
「?おかしな人ですね」
「それではデータ管理室に行くのでついて来てください」
「何でそんな所に?」
「今後、行動する際に情報がないと、何かと困るでしょう」
「確かにそうだな」
「それにしても、シュウはどうしてそんなに俺に協力してくれるんだ」
「そうですね、利害の一致ですかね、それに‥‥‥」
「それに?」
「いえ、何でもありません」
そこで話を打ち切り客室を後にするシュウ
(そうですね、利害の一致ですかね、それに‥‥‥
興味があるからですよ‥‥
そう、私と同じような存在でありながら
自由ではなく、愛と言う名の束縛を選んだ貴方に‥‥‥)
シュウは十数年ぶりに喜びを感じていた
自分と同じ存在に、アキトと言う名の青年に
それが幼少の頃に捨てたはずの親愛と言う感情だと気付かずに――――――
誰も居なくなった客室にて回り続ける隠しカメラが三台
そして、付近からは悲鳴とも怒りとも羨望とも取れる謎の声が聞こえていた
後書き
架再Sです
えっ、どうして生きてるかって?
それは私が架再Sだからです
(Sはシリアスのことであり決してサドの略では決してありません!
それとあくまでシリアスなのは本編であり架再の事ではない)
ちなみに前回やられたのは架再G(ギャグ又は外道)です
さて内容ですが
設定は大分オリジナルが入ってますし、随分無理やり詰め込んでます
それにしても、真面目な話になると、どうしても魔装機神、スパロボ寄りになってしまいますね
解からない人達すいません
内容が内容なだけにアキトは黒い王子様モードのままだし
ナデシコのキャラはアキト以外いないし、そろそろあの方たち(謎)に登場願いますか
それと、最期の声の主は一体誰でしょう(笑)
声の主の正体は次回判明します
それでは、こんなSSですが読んで下さりありがとうございました
管理人の感想
架再さんからの投稿です!!
新しい目標も決まり、後は驀進するのみのアキトです。
さてさて、今後はどのような活躍をしてくれるのでしょうか?
それより、マサキは出てくるのかな?
それでは、架再さん投稿有難うございました!!
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