機動戦艦ナデシコ
風の向くままに
プロローグ03
出会い
2195年、第一次火星会戦が終了したころ
〜桜火日本支部〜
AM11:00
医務室
「傷はしっかりとふさがりましたね、シュウさん、アキトさん。しかし、真剣勝負とはいえこれほどの傷を負うようなことはもうやめてください。毎回、傷の手当てをするのは私なんですから。それに私も暇なわけではありません。」
長い黒髪の女性が二人の男性に話し掛ける
「すみません、舞姫さん。」
一人の少年、テンカワ=アキトはその女性『風見 舞姫』に頭を下げて言う
「すまん、舞姫。」
もう一人の少年、カザカミ=シュウもアキトと同じく舞姫に謝る
「それからあと一週間くらいはあまり厳しい訓練はしないでください。」
「わかりました。」
「わかった。」
舞姫の言葉に頷く二人
「・・・毎回そう言っているにもかかわらずいつも一週間以内に怪我をするのはなぜなんでしょうか?」
舞姫は笑顔でいうが目は笑っていない
「「さぁ〜〜、なぜなんでしょう?」」
アキトとシュウは舞姫と目線を合わせずに全く同じセリフを言う
しばらくの沈黙がつづく
その沈黙を破ったのは新たに医務室に入ってきた者達だった
「「アー君(アキト)。」」
入ってきたのは影護 北斗と影護 枝織の双子の姉妹だった
「アキトさんもシュウさんも怪我は完治しましたよ。」
舞姫は影護姉妹が何と言ってくるのかわかったため質問される前にそう答えた
「よかった〜。これでまた前みたいに遊べるね。アー君!」
「アキト抜きの修行は暇だったぞ。」
枝織はうれしそうに言うが北斗は無愛想な言い方をする
「素直じゃないね、北ちゃん。」
「う、うるさい!!」
枝織の言葉に北斗は顔を赤らめた
「ははっ、ごめんね、二人とも。」
アキトはそんな二人にとりあえず謝っておく
「二人ともオレのことはどうでもいいのか(泣)」
シュウは相手に一度も自分の名前が出てこなくていじけている
その時、シュウの頭上に虹色の光がうまれ、一人の女性が現れた。
そして、シュウに向かって落っこちてきた
「ぐはぁっ」
シュウはあまりの出来事に反応が遅れ、女性のボディプレスの直撃を受けた
落ちてきたのは緑色の髪をした女性だった
「大丈夫か、シュウ。」
「・・・何とかな。それにしても一体なんなんだ?」
シュウは痛みにこらえ当然の疑問を口にしたが医務室の中にその質問に
答えられる者がいるはずもなく、みんな目を見開き、硬直している
今注目されているその女性は寝ているようだ
「とりあえずベッドに寝かせて。」
舞姫が指示を出す
「わかった。・・・枝織、セニアのやつを連れてきてくれ。
あいつならなんかわかるかもしれん。」
「は〜〜い。」
シュウにそういわれ枝織は部屋を出ていき、セニアなる人物を呼びに行った
シュウはその間に女性をベッドに運んだ
それからしばらくして医務室に枝織と共に紫の髪をした女性が入ってきた
「来たか、セニア。」
「いきなり呼び出して何の用?・・って、その人誰?」
セニアはベッドの上で寝ている見知らぬ女性のことを尋ねた
「それを今から説明する。」
シュウは先ほどの出来事をセニアに話した
「・・・ということがあったんだ。
それでお前なら何かわかるんじゃないかと思って呼んだわけだ。」
シュウから事の顛末を聞きいた後、セニアはなにか考え込んでいる
「・・・たぶんボソンジャンプってやつだと思うわ。」
「ボソンジャンプ?それってネルガルで研究されてるやつでしょ?」
アキトが口を挟んでくる
「ええ、そうよ。・・・けど・・・」
「けど?」
「有人でのボソンジャンプの実験はまだされてないはずなんだけど・・・」
「となると、この子は一体何者だ?」
「それはちょっとわかんないわね。とりあえず戸籍調べてみようかしら?」
「・・・それが・・・」
「どうしたの、舞ちゃん?」
舞姫がなかなか言ってこないので枝織が疑問に思い聞いてみた
「さっきから調べてるんですけど、何にもないんです。」
「「「「ハァ?何にも無い?」」」」
全員見事に声がはもる
「ええ。何にも。綺麗さっぱり、白紙の状態なんです。
過去の火星も調べましたが見つかりません。」
「地球と火星、両方に戸籍が無いってことは・・・」
シュウが真剣な表情になった
「木連の人間の可能性があるってことだろ。」
北斗がシュウのセリフを続ける
「ええ。確証は無いけどその確率は高いと思います。」
この場にいる全員の表情が真剣なものになる
「・・・まっ、なんにせよその子が起きないと話しが進まない以上ここでかた
まってても仕方ないな。・・・この子の見張り役はオレがやるからみんなはも
う休んでていいよ。」
シュウは話がこれ以上進まないことを悟り、みんなに言った
「それなら私がやりますよ。」
「気にするな。ここ最近迷惑かけてたからな。これくらいはオレがやる。」
「・・・そうですか。ではお願いしますね。」
舞姫は自分がやるといったがシュウにそういわれ断る理由もないため
自分の部屋に戻ることにした
「・・・本当に一人で大丈夫か?」
「大丈夫だ、アキト。それにアキトは北斗と枝織の面倒見にゃならんだろうが」
「そっ、そうだね。じゃ、後は頼んだよ。」
「了解だ。」
「シュウちゃん、お休み〜。」
「じゃぁな、シュウ。」
「ああ、お休み、枝織、北斗。」
アキト達三人は部屋に戻っていった
ちなみにアキトと枝織、北斗は同じ部屋である。詳しいことは後書きで説明
「じゃ、私も戻るね。」
「ああ。急に呼び出したりして悪かったな。」
「気にしなくていいわよ。」
セニアは笑顔でそう言ったあと部屋を出ていった
翌朝
(ここからは突如あらわれた女性視点)
チュンチュン
「・・・ん、・・・ここ・・は?」
私の目に最初に写ったのは真っ白い見知らぬ天井でした
私は確か・・・
「目が覚めたか?」
私が考え事をしている時に声がしたため私は声のした方を向きました
そこには全く見た覚えの無い人がイスに座って私を見ています
「・・・あなたは?」
とりあえず私はその謎の人物に問い掛けます
「オレの名はカザカミ=シュウ。気軽に名前で呼んでくれ。・・・君は?」
「・・・各務 千沙・・・といいます。」
私は多少警戒しながらとりあえず名乗っておきました
そういえばここはどこなんでしょう?
「・・・ところで、ここはどこですか?」
「ここは地球の日本という国だよ。」
「なっ、ち、地球!?そんな私は今まで・・・」
そこまでいって私は口を閉じました。
「(この驚き方。そして今までいた場所を言わない事。オレ達の勘は見事的中らしいな。一応確かめてみるか)一つ聞くが、君は木星の人間かい?」
「!!??」
この人なぜそれを!?
「図星・・・か。あっ警戒しないでくれよ。オレは敵じゃないから。」
この状況で警戒するなというほうが無理ですね。それに敵ではないという証拠がありません
「安心してくれ。オレは本当に敵じゃない。」
「・・・その言葉を信じろというのですか?」
「ああ。信じてくれ。」
この人が嘘を言っているようには見えない・・・でもこの状況では・・・
「と言っても簡単には信じてもらえないよな。」
「・・・ええ。」
当然ですね
「まぁいいや。とりあえず質問、なぜ地球に跳んできたんだ。気絶していたとこをみ
ると潜入しにきたって理由じゃないんだろ?」
「・・・ええ、そうです。詳しいことは言いませんが私はある実験中に
機械が暴走してここに来たのだと思います。」
「その実験ってのがボソンジャンプってことか。」
何か思い当たることがあるようですがボソンジャンプってなんなんでしょう?
「・・・ボソンジャンプ?」
「木星でなんて呼ばれてるかは知らないが瞬間移動みたいなものだ。」
瞬間移動・・・ボソンジャンプとは私達でいう跳躍のことですか・・・
というと地球も跳躍実験が開始されてるかもしれません。
もしかするともう実戦で使用してくるかも・・・
「でも実用化するのはまだ当分先のことらしいから安心しな。」
ほっ、それを聞いて安心しました・・・って
「何でそんなことを敵である私に言うんですか?」
「オレは千沙さんのことを敵とは思ってないよ。
それに今の君は木星に帰ることも通信を送ることもできんだろう?」
うっ確かに。跳躍事故でここに来てしまったのですから冷静に考えてみれば帰るのは
無理ですね。通信機器も持っていませんし
命があっただけでも良しとしましょう
そういえば・・・
「カザカミさんは「シュウ」・・・え?」
「気軽に名前で読んでくれと最初に言ったと思うけど?」
「では改めて、シュウさんは軍人ではないみたいですが一体何者なんですか?」
「何でも屋さ。」
「何でも屋というとあれですか、頼まれた仕事は何でもやるって言う・・・」
「その通り、でも殺しとか裏の仕事は一切やらない。
・・・そして木星との和平を目指してるんだ。今は隠れて行動中だけど」
「和平・・・ですか?」
私個人としては賛成ですね
「ああ。・・・千沙さん個人の意見では和平には賛成?それとも反対?」
「私は賛成ですね。和平が実現すれば多くの血が流れなくてもすみますから。」
「それを聞いて安心したよ。」
「・・・何がですか?」
「どうせ木星には帰れないんだし、和平を望むもの同士これからオレ達と一緒に和平目指してがんばんないか?」
その言葉に私はしばらく考え込んでいましたがすぐに答えを言いました
「・・・かまいませんよ。」
「え?」
?どうしたんでしょうか?なにやら驚いているようですけど?
「なにをそんな驚いてるんです?」
「いや、断られるかと思ってたからね・・・」
「確かにほんの少しだけ迷いましたが、現状では私は木星には帰れないんですし、さっきも言った通り私は和平に賛成です。だからご協力します。」
私は笑顔でそう言いました。
「・・・・・・」
シュウさんが私をじ〜〜っと見ています。そんなに見つめられるとなんだか照れちゃいます
「あ、あのどうしたんですか?」
「え?何が?」
「さっきから私の顔をじ〜っと見てたじゃないですか。」
「あ〜、いや・・・千沙さんが笑ったとこ初めて見たから・・・」
「私が笑ったのがそんなにおかしいですか?」
「いや、そうじゃなくて・・・綺麗だなぁと思ってさ。」
「え、え〜と・・・そ、そんなことありませんよ。」
私は男性の方に綺麗なんて言われたことが無かったのですっごい照れてしまいました。多分私の顔は今真っ赤になってると思います
「そうかなぁ?・・・まぁいいや、千沙さん。これからよろしく。」
シュウさんは笑顔でそう言ってきました
「はい。よろしくお願いします。」
「あっそうだ。千沙さんついてきて他の連中も紹介するから。」
ということで私はこれからシュウさんとその仲間の人達と一緒に和平目指してがんばります
・・・今思いましたけど、シュウさんってかっこいいですね♪
つづく
あとがき
どうも新人投稿作家カザカミです
とりあえず・・・駄文ですね・・・
今回は各務千沙をつかわせていただきました
ではオリキャラ及び現在のアキト、シュウ、それに影護姉妹、千沙の説明を
したいと思います
なぜシュウ達が木星のことを知っていたのかはそのうちわかります
それと前回後書きで「シュウ×オリキャラ」と書きましたがいいオリキャラが思いつ
かなかったので「シュウ×千沙」に変更していきます
千沙にした理由は千沙が時ナデで影護姉妹に次いでお気に入りだからです
キャラクター解説
桜火の隊員は全員「木連式」の祖となる流派「五光式」の技を学んでいます
そのため千沙を除く四人は昂気が使用可能
ちなみに五光式には体術、抜刀術、槍術、短刀術、暗殺術の五つがあるが
現在、暗殺術は気配を消したりする程度の技しか残っていない
カザカミ=シュウ(18歳ver)
プロローグ02の時と同じく
腰より少し長めの黒髪と深紅の瞳が特徴の美青年でみんなの良きお兄さん役
桜火部隊日本支部の女性(年下限定で)のほぼ全員がシュウのことを本当の兄のよう
に慕っている
料理は得意。IFSを所持している。機動兵器の扱いもかなりの腕前
白兵戦もかなりの腕で特に体術と短刀術を得意としている
(体術は基本的に拳より蹴りのほうが得意)
ちなみに短刀はいつも持ち歩いている
現在は何でも屋桜火部隊の一員として仕事中
ついでに跳躍事故で跳んできた千沙に一目惚れした
テンカワ=アキト(18歳ver)
黒い髪のボサボサ頭の美青年
桜火部隊日本支部の女性(年齢問わずで)の大半をアキトの必殺技「アキトスマイ
ル」によりおとしている(本人に自覚無し)
料理の腕はシュウより上。IFS所持
機動兵器及び白兵戦の腕はシュウとほぼ同等
アキトは体術と銃が得意
シュウと同じく桜火部隊の一員
影護姉妹とは恋人同士である。そのため部屋も一緒
影護北斗(18歳ver)
無造作に伸ばしている長い赤髪が特徴的
枝織の双子の姉
料理は得意ではないが最近料理に興味を持ちアキトの指導のもと練習中
IFSを所持。機動兵器及び白兵戦の腕はシュウ、アキト達と互角
北斗は体術を得意としている
言わなくてもわかるだろうが桜火部隊の一員である
アキトとは恋人同士
影護枝織(18歳ver)
北斗の双子の妹で長い赤髪をポニーテールにしているのが特徴
北斗と違い料理は昔から得意
アキトと出会うまではシュウのことが好きだった。と言っても子供のころの話であ
る。ちなみに枝織はアキトスマイルの第一被害者
IFSを所持。機動兵器及び白兵戦の腕はアキト達と互角
枝織は体術が得意で気配を絶つのは桜火部隊では一番とまで言われている
アキトとは姉妹そろって恋人同士。(この辺の話しはその内外伝で書いてみようと思
います)
各務千沙
緑色の髪が特徴的。髪を頭の後ろでまとめて流している
木連で行われていた跳躍実験の最中、装置が暴走してランダムジャンプして
桜火の日本支部に跳んできた
その後シュウの誘いもあって桜火部隊に入りみんなのサポートをメインにお仕事をが
んばっている
はじめの内からいろいろと世話をしてくれたシュウに惚れている
(私の設定では優華部隊に所属していますが九十九とは許嫁ではありません)
風見舞姫
まさに大和撫子といった感じの女性。黒髪を首の後ろできゅっとまとめている。
常に落ち着いていて部隊のまとめ役及び年下の者とっては姉のような存在
医務室勤務だが、じつを言うと抜刀術にたけている(昂気は使えない)
怒らすと昂気を使えるシュウやアキトでも歯が立たない
ちなみにシュウとアキトは医務室の常連である
セニア=ラングラン
紫色の髪が特徴で髪を肩のあたりまで伸ばしている
昔から機械いじりが好きで最近では機動兵器の開発・設計まで行っている
その他ボソンジャンプをはじめさまざまな知識をもっている
セニアは槍術にたけている(昂気は使えない)
舞姫と同じく怒らすとシュウ達でも歯が立たない
代理人の感想
キャラなどどうでもいいんです。
はっきり言ってしまえば、キャラの設定というのは作者の趣味であって、それを作中で活かせるかどうかは全く別問題です。
きつい言い方になりますが、活かせない設定はただのゴミ。
いえ、作品の面白さを削いでしまうことを考えればむしろ有害な産業廃棄物。
キャラの紹介はいらないんです。
キャラの行動が見たいんです、読者は。
この作品がそうでないならもう誰も見向きもしてくれなくなるでしょう。
お気をつけを。