それは、果たして本当に始まりだったのかもわからない。

 ただ、何時の間にかそこにいて、終わった。

 そんな気分でもあり、そして、全てだった。

 確かに、僕はそこで生きていたし、これからも生きるだろう。

 それは、楽観的だったのだろうか。




 本当に難しい迷路とは、どこから始めたのかさえわからず、何処で終わるのか見当も

つかない迷路だろう。









ハーリー列伝
第一話

 









 ゆっくりと、僕は辺りを見回した。

 森だ。何もない森・・・・・・深い森・・・


 「ルリさぁ〜〜ん(泣き)」


 ・・・・本気ですか?

 僕は、それほど何か悪いことでもしたのでしょうか?

 思い当たる節は、一つもないんですが・・・・

 リュックを探る・・・・


 「パンが一つってどういうことだよ!」


 つまり・・・・・やっぱ、考えるのよそう。

 とりあえず、探検に明け暮れろとそういうことですね。


 ・・・そうか!これはきっと試練だ!ルリさんが、僕を迎えるための。




 そう考えると、少し楽になった気がする。











 「手を上げろ。」

 しばらくすると、僕は誰もいないはずの無人島で、銃を突きつけられるという

大事件が発生していました。

 ・・・・・不思議なことは不思議なんだが、とりあえず命がかかっているのだから、

手を上げないわけにはいかない。


 「・・・む。貴様、スパイか!」


 僕のリュックを探っていた一人が、そういう訳の分からないことを言い出しました。

 「ち・・・違いますよ。僕はえっと・・・その・・・」

 その言い方に、なんかとてつもなく怪しいと思ったのか、彼は不審な目で僕を・・・

 手に握られていたのは、通信機でした。

 「・・・とりあえず、一緒に来てもらおう。」

 有無を言わせませんでした。













 「あれがスパイ?まだ、子供じゃないか。」 ランは、そう言って、ハーリーを見る。

 ハーリーは、なにやら不思議な建物の中に、連れられていた。

 そこで、上官と思わしき女性と、先ほど、ハーリーを捕まえた者達が対峙している。

 「はっ。こいつは、パラシュートで滑空してきた後、そのまま真っ直ぐに研究所の方へ」

 「あ、あの・・・・研究所って?」

 ランは、少し微笑して言った。

 「・・・ふぅん・・で、何でここ来たの?」 ランは、尋ねた。

 「えっと・・・そのですね。ちょっとした逆鱗に触れたというか・・・ええと・・・」 ハーリーは、

しどろもどろに語る。




 「・・・・なるほどね。ずいぶんと、くさった女じゃないか?」

 「い、いえ、そんな事ないですよ!!」 ハーリーは、反応した。

 「恋は麻薬・・・か。」 ランは、意味深につぶやいて言う。 


 「悪いけどさ、ここに来た以上、普通に返すわけにはいかないんだ。一応、ここは厳重に

封鎖してあるからね。そう、例え・・・例の『フェアリー』といえどもね。」


 一瞬、反応したハーリーを見逃さなかった。

 「・・・・フェアリ−を知っているのか?」

 「い・・・いえ・・・」

 「正直に話そうよ・・・・」 にやっと、笑みを浮かべる。

 冷や汗ものだ。生命の危険を感じた。どうして、僕の周りの女性は、こんなにも強いんだ。

 「え・・・えと・・・つまり・・・・」 ハーリーは、肝心な所は省いて、後は全て話した。





 「なるほど・・・」 ふっと微笑を浮かべる。 「面白いね。『マシンチャイルド』ね・・・」

 彼女は、そのまま感極まったように、僕の肩をつかんだ。

 「そうか!それなら話しは早い!」

 「・・・はっ?」

 「ここは人員が足りなくてね・・・・」 ふっと空を見つめる。

 「・・・・えっ?じょ・・・冗談でしょう?」

 「そうですよ。まだ、彼がスパイではないと言うことには・・・・・」

 「いいじゃない」 極上の笑みを浮かべた。 「私が気に入ったんだから。」

 「はぁ。」 彼は、内心、・・・また病気が。と思ったが、口には出さなかった。


 「えっと・・・」 僕は、状況を心の中で、分析した。

 「・・・・と、言うわけで、君は、この研究所の一員よ!」


 答えは告げられた。

 「そ・・・そんなの、無理ですよ!」 僕は、後ずさった。

 「・・・いいから。」 やんわりと微笑む笑みが怖い。


 「・・・・あ、ありがたいですけど・・・・
失礼します!」

 僕は、だっと駆け出した。

 「・・・だから、逃さないってば」 ランは、そっとつぶやいた。


 行く先の扉が下りてくる。

 誰もが、ここで少年の退路は断たれたと思った。


 ・・・・が。やはり、彼は我らがヒーロー、マキビ=ハリである。


 「嘘!」 ハーリーの後ろで、ランが叫ぶ。


 ハーリーの速度が急に上がり、そのまま扉は、少年の後ろ姿を残して閉まった。

何が起こったかは良くわからなかった。

 ただ、世界新記録を超えているのは間違いないだろう。


 そして・・・・更に・・・・予想もしていなかった事件が、訪れた。

 
 どごっ!
 

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 顔を見合わせる3人。

 扉が、ゆっくりと上がっていく。

 少年が倒れていた。壁がへこんでいた。少年から血が出ていた。

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 起こったことは、あまりにも明らかだ。

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・とりあえずさ・」

 「はい・・・・」

 言葉で表すなら、無残の一言に尽きる。

 「あの子、私の部屋に、運んどいて」

 「了解・・・・しました。」

 予想だにしない終わり方だった。



















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ATOGAKI

 ごきげんよう、第一話です。

 さて、如何でしょうか。これからが、本当のスタートですね。

・・・・ま、それにしてもあっけない幕切れでした。

 それでは、ごきげんよう。

 追記:ただいま、家を空けているため、メールは受信しても見れません。
    感想は、ここにお願いします。 kazeru70@hotmail.com

 

 

 

 

 

代理人の感想

 

・・・ヒーローにも下積み時代はあると言うことですね。(本当か?)

がんばれハーリー、君の未来は明るい・・・多分。

ところで時ナデ系列のハーリーに「命の危機」ってあるんでしょうか(爆)?