開かれた窓からカーテンをひるがえし心地よい風が部屋の中へと吹き込んでくる

いつの間に夜は明けたのだろうか

気が付くと部屋は陽の光で明るく照らされていた

床の上には脱ぎ散らかされた二人分の衣服が落ちている

寝る前は確かに裸だったはずの自分は素肌の上にシャツ一枚だけ身に着けていた

寝ていたベッドのシーツは乱れているしシーツには昨夜の出来事を物語る血の跡も残っていた

今だ意識がはっきりしないのは明け方まで自分を放してくれなかった誰かのせいだ

その誰かは、さっきコーヒーを持ってきたのだが今はキッチンに戻って朝食を作っている

ベーコンのこげる匂いとパンの焼ける匂いをかぎながら北斗は心地よいまどろみに身を任せ夢の中へと落ちていった









   北ちゃん推進SS
  夜明けのコーヒー






「おい、北斗そろそろ起きろ。飯できたぞ」

アキトがいまだ夢の世界から戻ってこない北斗に声をかけるが返事はない

いっしょうけんめい起きようと両手で目をこすっているのだが効果はまったくないらしくその姿はまるで昼寝している子猫のような愛くるしさを見るものに感じさせる

その様子を見ていたアキトはその愛くるしさに我慢できなかったのだろう背中から北斗を抱きしめその首筋に口付けた

「はあ・・な・な・なんだ・ちょっ・・ちょっとまて、飯ができたんだろう」

突然のアキトの口撃(笑)に一気に目がさめた北斗はいつのまにか首筋に舌を這わせ両手で大きくはないが丸く形のよい胸を揉んでいるアキトを睨みつける

しかし北斗は睨んでいるつもりなのだろうがアキトから見れば後ろから抱きしめているため上目遣いで拗ねているようにしか見えずよけいにいたずらしたくなってしまう

「おい・・・ほん・・とう・・に・これ以上は・・・ダメだっ・・て。明け・・方まで・・し・・い・・たんだぞ・今だって・・脚に・・ち・から・はいんな・いんだ・・から・」

そういってアキトの手のひらを軽くつねり愛撫を止めさせた

「う〜〜ん、ざんねん。じゃ、続きは飯食った後にしよう(ニコッ)」

そういうとアキトはキッチンへ向かおうとしたが北斗が声をかける

「ちょっと手かして、脚に力はいんなくてたてないんだ」

アキトが振り返ってみると、北斗はおなかが減っているのに動けないという状況に涙をうかべている

北斗は隔離されて育っていたためか、あまりに純粋で幼いところがあった

まあ、そういうところが実はアキトは大好きだったのだが何時までもその状態にしておくのはかわいそうと思ったか(半分以上原因は自分だったわけだし)アキトはいわゆるお姫様抱っこで北斗を抱き上げるとキッチンへと歩いていった

「お、おい。これ恥ずかしい」

そう文句をいってくる北斗を無視し椅子へと座らせ少しさめてしまった朝食を二人で食べ始めた

 




昨夜

昼間二人はデートをした

普通の18、9歳のカップルがするようなデートだ

どんなに特殊な二人だろうが、いや特殊な二人だからこそ平凡とも言えるデートを楽しんだ

待ち合わせをし、恋愛映画を観て遊園地にも行った

夕食を食べ軽くカクテルなどアルコールを飲んだあと、二人はアキトのマンションへ向かった

親はすでに亡く地球に家などないアキトはマンションを買い、いまはひとりで暮らしていた

シャワーを浴び終えたアキトが浴室から出てくると北斗は窓から見える景色に見とれていた

「どうしたんた、北斗。何か珍しいもんでも見えるのか」

「うん、俺はずっと薄暗い牢の中にいたからな。こんな景色ははじめてみる。ほんとに綺麗だな」

北斗は少し悲しげに笑いながら答える

「そうか。でも、これからはいくらでも見れるだろう。愚かで忌まわしいあの戦いは終わったんだ」

そういうとアキトは北斗を抱きしめ口付けた

「な、な、なにを」

顔を真っ赤にして腕の中で暴れている北斗をきつく抱きしめて耳元でささやく

「もう、過去のことは忘れてくれ。好きなんだ。これからは俺だけを見てくれないか」

「な、なにをいっている。気は確かか。お前を好きだった奴はたくさんいただろう。何で俺なんだ」

「なんでって。理由なんか無い。俺が好きなのは北斗、お前なんだ。それとも俺じゃあお前の相手として不服か」

「そ、そんなことはない。おまえ以上の奴などいるものか」

そういったあと、自分がどんなに大胆なことを行ったのか気が付いた北斗は赤くなった顔を隠そうとうつむいてしまう。

しかしアキトはそんな北斗の顔を強引に上に向かせると先ほどよりも熱烈に口付ける

突然のことに北斗は驚いたがアキトを突き飛ばそうとせず逆に腕をアキトの首へとまわした

長い口付けだった

北斗の行動に気を良くしたアキトは白い真珠の奥にある熱いものへと舌をのばした

ビックと震える北斗の体を抱きしめることによって押さえたアキトは自分の気がすむまで北斗の舌の感触を味わった

ネチャ

そんな音が静かな部屋に響き渡る

ようやく満足したアキトが口を離すと二人の唇の間に唾液で橋がかかっていた

「北斗、俺はお前がほしい」

「ええっ」

「俺は、お前を抱きたいんだ。お前のすべてを俺のものにしたいんだ。だめか」

「・・・・・ううん。俺もお前ならいい・・・・あ・・でも」

「でもなんだ」

北斗はうつむき耳を真っ赤に染めて今にもきえそうな声で言った

「・・・は・はじめてだから・・その・・あの・・・やさしく・・して・・」

アキトはそういった北斗を抱きかかえるとベッドへとむかった

その夜、ベッドの軋む音は朝日が昇るまで途切れることは無かった

 




「おい、どうしたんだ。にやにやしていて気味悪いぞ」

ほっぺたを膨らましたまま北斗がアキトに尋ねる

「いやなに、昨日のことを思い出していてね。かわいかったよ、とっても昨日の北斗は」

「な、な、な、なにをいって」

「だって、ほんとのことじゃないか」

「そんなこと知るか、ばかもの」

「照れなくていいって、かわいいのはほんとのとこだし。ねえ、もう飯食べ終わった?」

「ああ、いまので食欲うせてしまったよ」

「じゃ、昨日のつづきしよ〜〜〜」

「な、昨日あれほどしたじゃないか」

「だって、北斗のあのときの声気にいったんだ。だから、もっと聞かせてね」

「や、やめろ。・・あっ・・お前どこ触ってるんだ・・・い・や・・やめ・・て・・そこは・・・だめ・・あああーーーー」



                     おわり

 

 

 

                  あとがき


北斗 : な、なんなんだ。この話は

   かずは: なんだ、北斗か。どうした

   北斗 : どうしたじゃないだろ。何なんだ今回のこれは

   かずは: これか。これはな、掲示板でお前の絵について盛り上がってるのみてな
それでおもいついたんだ、この話

   北斗 : それで、これか

   かずは: ああ、すごいだろう。いままでで最短だぞ、構想から書き終わるまで

   北斗 : 何が最短だ、何が

   かずは: いや、なぜかすらすら書けたんだよ、不思議なことに。どうしてだろうな

   北斗 : お前、死ぬ覚悟できてるんだろうな(怒)

   かずは: いや、できてないが今回のでどこかの抹殺リストに載ったかなと思うんだが

   北斗 : 月の無い夜道には気をつけるんだな

   かずは: やっぱりそう思うか(汗)

   北斗 : まあ、それもすぐ必要なくなる

   かずは: ま、まて(汗)なんで昴気纏ってるんだ、ああああああっ

        ばきっ  ぼくっ  ぐちゃっ

   北斗 : ふ、これでこの話は闇に葬られたな、よし俺は帰るぞ

   かずは: (甘いな北斗、それはダミーだ。本物はすでに送ってあるのだ。はっはっは、ガクッ)