西暦2193年、
ネルガル重工・クリムゾングループ・アスカインダクトリーの三社は共争うように人型機動兵器の開発を始めた。
理由は人型によって得られる柔軟性とIFSでの運用性にある。
現行での最も人型に近いフォルムを持つと言われるデルフィニュウムでさえもどちらかと言えばイカという軟体海産生物の方がしっくりする。
IFS・・・イメージフィードバックシステムとは体内に注入したナノマシンを専用のコネクタを通して機会に伝える。
つまり人型に近ければ近いほど機動兵器の動きをイメージしやすくなる。
だがそれはどれも中途半端の試作品の域を出ずまずアスカが脱けた。
そんな中、一つのニュースが世界を震撼させた。
『古代遺跡で謎の巨人を発見!?』
『超古代の人型ロボット!!』
『世界考古学連盟は会見を保留』
『おとぎばなし「ニサンの聖母」は実話だった!?』
それにまず眼を付けたのはネルガル重工だった。
そのロボット・・・おとぎばなしにちなんで「ギア」と名づけられた・・・の解明に乗り出し発掘協会に自社の収入の15%を寄付し技術者を派遣した。
結果、ギアは動かなかったものの使われていた技術・・・現代では未だ開発できないオーバーテクノロジーを取得。それを自社が開発した機動兵器に組み込むことに成功し低コスト高性能の機動兵器「エステバリス(後のプロトタイプエステバリス)」の生産に成功。これによりクリムゾングループ・アスカインダクトリーに対し圧倒的なイニシアチブを獲得することとなる。西暦2194年の話だ。
この事実を知ったクリムゾングループは遺跡発掘に乗り出すが木星トカゲの出現により地球はそれどころではなくなった。
そしてネルガル重工もエステバリスにない装備、相転移エンジン・ディストーションフィールド・グラビティーブラストに優位性を見せ付けられ火星遺跡で発掘されたオーバーテクノロジーも使用することとなる。
機動戦艦ナデシコ 〜神屠る物語〜
〜序章〜「緋の鬼神、悲しみは赤き星に」
火星空域
2195年10月1日
真空の宇宙を舞うレーザー。それはバッタの装甲に触れる前にディストーションフィールドによってそれされ見当違いの方向へ飛んでいく。
無数のバッタに囲まれ次々と宇宙軍の戦闘機、戦艦、デルフィニュウム、はては数ヶ月前にローアウトしたばかりの虎の子のエステバリスまでもが各個撃破され追い詰められた状態になっていく。
機動兵器の有効性を軽視し艦隊戦にこだわったフクベ・ジン提督のミスである。
その目の前のは火星を目指し突き進んでくる超巨大空母、通称「チューリップ」・・・。
「この艦を・・・ヤツにぶつける!!」
いかにディストーションフィールドであろうとこの質量なら防ぎきれまいという苦肉の策である。
この時彼は一瞬でも考えたことがあっただろうか?この角度で特攻をかけて軌道をそらすとコロニーに墜落する可能性があるということを・・・。
ブリッジクルーが退艦準備に入ろうとした矢先レーダーがある物を捉えた。
「火星より未確認飛行物体の接近を確認!識別コードは・・・!?ありません!!サイズからしてネルガル重工の機動兵器エステバリスと思われます!!」
「いまさらたった一機で何が・・・!?」
その緋色の機動兵器はチューリップへ接近しその左腕を振るった。瞬間、爆発、チューリップだけでなく周囲を守っていた数十隻の大型戦艦までもが爆発する。さらに右腕を振るう。今度は機動兵器をターゲットに変え接近してきた千近いバッタを消滅させる。
ほんの3分。それだけで宇宙軍を苦しめていた謎の軍隊はたった一機の機動兵器によって殲滅された。
「提督!あの機動兵器が宇宙軍の艦隊にも攻撃を仕掛けております!!」
「・・・この艦であの機動兵器を倒すことは出来ん。地球へ退却する・・・」
宇宙軍が撤退した後、緋色の機動兵器はどこかへ消えていく。その後火星には表れず半月後、火星は堕ちた。
<つづく>
<あとがき>
どうも初めての人には始めまして、知ってる人にはこんにちわ。三流SSヘボ作家、和瀬(かずせ)です。
このSSはナデ+某RPGの融合物です。分かった人は手を上げて〜。
・・・はぁ、何ていうか自分で仕事増やしてんだよね、他にも投稿してるSSがあるのにさ・・・
とまあ作者は純粋(?)に悩んでいる現役大学1年生です(^O^)
つづきを書くかどうかまだわからないので期待しないでください。
でわでわ。
代理人のツッコミ
シリーズタイトル付けて序章と銘打っといて「続きを書くかどうかわからない」ってなんだー!(爆)