「お母さん、お腹空いたよぉ」
小さな女の子が、母親に食べ物を強請っている。
ふと、その光景を見つめていた黒衣の少女は、自分がミカンを持っていることに気が付き、それを手に女の子に歩み寄った。
「はい、これあげるね」
「おねーちゃん、ありがとぉ〜、あたしアイって言うんだよ」
女の子の、眩しい笑顔に目を細めながらも、黒衣の少女は笑顔で返す。
「まぁ、ありがとうございます」
母親も、礼儀正しく頭を下げると、にっこりと暖かく微笑んだ。
良い親子だ・・・黒衣の少女は、心からそう思う。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・
小さな揺れが、シェルターを襲い、アイは不安げに少女にしがみつく。
「大丈夫よ・・・・・・・・。
―――あ!そうだ、これ貸してあげる」
黒衣の少女は、首から下げていた、青い石のネックレスを外し、アイの首に掛ける。
「これは、お守りね」
「うん、ありがとう!!」
再び、にっこり微笑むアイに、黒衣の少女は、もう自分が失ってしまった物を、見た気がして、不覚にも泣きそうになってしまいそうになる。
と、その時――――
ゴァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!
ドドドドドドドドドドドド!!
凄まじい爆音と共に、激しい揺れがシェルターを襲った。
壁が爆発して、虫型のロボットが現れ、無差別に虐殺していく。
阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
そんな中、ロボットは一人の少女に狙いを定める。
キュイ・・・・
「「ひぃ・・・!!」」
アイと母親は恐怖で固まり、顔を絶望の色で染めた、その時。
「アァァァァァァァァァァ!!」
ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
黒衣の少女が、叫び声をあげながら、ロボットに突っ込みながら、ブラスターを連射。
その攻撃を受けた、何体かのロボットが、その機能を止めた。
が、それが油断に繋がった。
「きゃっ!?」
突如現れた、ロボットの脚部に吹っ飛ばされ、黒衣の少女は壁に叩き付けられる。
「おねぇちゃん!!」
アイの声も、少女には届かず、少女の意識は闇に飲まれていった。
少女が、意識を失う前に、最後に見た光景は、ロボットに囲まれ、光を放っているアイの姿だった。
ナデシコIF〜明るい未来へ〜
Ver:時ナデ
黒と白の舞踏会
プロローグ2:或る少女の「暗き想い」
私が目を覚ましたのは、どこかの地下室のような場所だった。
「(つっ・・・・・・・此処は?・・・・・・アイちゃんは!?)」
こうしちゃ居られない・・・アイちゃんが・・・・・。
痛っ・・・・!!
「無理する物じゃ無いわよ・・・・・・・、お嬢ちゃん」
突然出てきた、金髪の妙齢の女性が、私の体を押して寝させる。
「貴方は・・・・・・誰ですか?」
「あたしの名前はイネス=フレサンジュ・・・・
貴方をユートピア・コロニーのシェルターから運んできたのも、このあたし」
取り敢えずは、納得。
そう言えば・・・・アイちゃん!
「あの・・・・私の他には、ユートピア・コロニーの生き残りは・・・・・」
「残念ながら全滅よ」
っ・・・・・!?
そんな・・・・アイちゃん・・・・・・・
復讐の為の力・・・・・・・そんな物では駄目だと言うの・・・・・・!?
「悲しみに浸っている時に、悪いんだけど・・・・・貴方の名前は?」
「私は・・・・私の名前は
テンカワ・・・・・テンカワ レナです・・・・・・・・」
続く
あとがき
ふははははは・・・・・・真っ白に燃え尽きたッス・・・・・・
ギャグは・・・・・何処?
いつもは、シリアスのつもりでもギャグになるのに・・・・・・・・
ああ・・・・・・・・・キャラが勝手に動く・・・・・・・・
代理人の感想
短い! 短すぎるよカズやンさん!
「あなた早いのね」って感じ。(お下劣)