赤き力の世界にて

 

 

 

 

 

第29話「危機一髪の大脱出!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・・・・・・』

 

 

もはや、語ることのなくなった男の骸・・・・

復讐を果たせぬまま散ったというのに、アーウィンの顔はやすらかなものだった。

 

彼は本当に新天地創造を望んでいたのか・・・・

それとも、死に場所を求めていただけだったのか・・・・・・それは、もう誰にもわからない。

 

 

私達は、ただ、静かに死んでいった者に黙祷を捧げるのみだった。

 

 

 

ゴゴゴ・・・・・・・・

 

 

 

「・・・・ねえ、私の気のせいかもしれないんだけど・・・・・と〜っても嫌な音が聞こえない?」

「気のせいなんかじゃないわ、リナ。私にもちゃんと聞こえたわ」

 

 

 

ゴゴゴゴゴ!!

 

 

今度は音と共に、地面まで揺れ始める!

私が旅の間でよく見たパターンからいうと・・・・この後・・・・・

 

 

ズガン!!

 

 

一際大きな揺れと共に、天井から大小入り混じった岩が降り注ぎ始める!!

やっぱりこうなるのか〜〜!!

 

 

「混沌がぶつかり合った余波で、洞窟が崩れ始めたのだろうな・・・・」

 

 

ニースが冷静に辺りを見回しながらそう呟いた。

 

 

「もっとも、私とテンカワが上であれだけ暴れたのだ。その影響もあるだろうがな」

 

 

あんたらの責任もあったんかい!!と思わずつっこみそうになったが、口には出せなかった。

そう思った矢先、天井から身の丈の三倍ぐらいはある大岩が振ってきたのだ!!

 

あのまま落下すれば、私はともかく、姉ちゃんがもろに危ない!!

 

 

「姉ちゃん!!」

「くっ、力が!!」

 

 

姉ちゃんは、打ち砕こうと考えていたのだろう。右手に赤い光が宿る・・・・が、それだけだった。

力を使い果たしていた影響か、赤竜の剣を創り出せないでいた!

 

ガウリイが、剣を抜いて岩に斬りかかろうとしたが、

それよりも先に、祭壇の下から現れた黒い何かが、大岩に向かって飛び掛かった!!

 

 

「アキト君!?!」

 

 

黒い影・・・・アキトは、岩に向かって蹴りを放つ!

 

 

「砕っ!!」

 

 

アキトの蹴りにより、落下していた大岩が打ち砕かれる!!

信じられないことに、打ち砕かれた破片は、全て砂や砂利といった小さな塊になっている!!

 

一体、何をどうやれば、蹴りであんな事ができるんだか・・・・全くの謎だ。

 

 

「大丈夫ですか!」

「ええ、おかげさまでね。ありがとう、アキト君」

「気にしないで下さい。ルナさんのおかげで、俺も助かりましたから。それよりも・・・・・」

 

 

アキトは周りの状況を見回した。

そして、その視線がアーウィンに向いたとき、悲しそうな、そして辛そうな表情をした。

 

 

「事情は後で聞きます。今はとにかく脱出しましょう!」

「ええ、わかったわ。ガウリイさん、リナをお願いします」

「わかった。しかし、この娘メアテナはどうするんだ?アキトが・・・・って無理そうだな」

「は?・・・・・アキト!一体どうしたのよ!その腕!!」

 

 

私はガウリイのいった意味がわからず、アキトの腕を見た。

アキトの腕は、不自然なまでにぶら下がって・・・・いや、たれ下がっているといった方が適切か・・・・・・

 

素人の私が見ても、かなりの異常事態だということがわかる。

 

 

「ニースと戦ったときにちょっとね。それより、その子は・・・」

「私が担いでゆくから気にするな」

「ニース・・・約束は果たせたのか?」

「ああ、一応な」

「そうか・・・で、体の方は大丈夫なのか?かなり辛そうだが・・・」

「大丈夫だ。力こそ戻ってはいないが、人一人担いで走るぐらいは平気だ」

「そうか」

 

 

そう言ったニースが、すぐさまメアテナを担いだ。

そうこうしている間にも、地面の揺れはどんどん大きくなってゆく!

この洞窟も本格的にやばい!!

 

 

ガン!!

 

 

またもや大きな揺れが辺りを襲う!

また天井から大岩でも落ちるのかと思ったのだが、そんな気配はなかった。

その代わり、無茶苦茶な数の岩が落ちてきた!!

 

 

「「風魔砲裂弾ボム・ディ・ウィン!!」」

 

 

私達が対処するよりも早く、横手から発せられた呪文によって、落ちてきていた岩が全て吹き飛ばされる!!

アキトといい、この二人といい、計ったかのように良いタイミングをしている!

 

 

「ゼル!アメリア!」

「よう、大丈夫・・・・じゃないみたいだな」

「結局、間に合いませんでしたね」

 

 

ゼルとアメリアが姿を現す。

二人とも、かなり走ったのか、多少、息がきれている。

 

 

「そんな事より、この揺れは一体どうしたっていうんだ!」

「またいつものパターンよ。ただいま洞窟崩壊の真っ最中」

「これはまたベタなオチだな。じゃあさっさと逃げるぞ!」

「そうですね」

「姉ちゃん達!早く!」

「わかっているわ」

「待って・・・ください・・・・」

 

 

急いで逃げだそうとしていた私達の耳に、か細い女性の声が聞こえた。

一体どこから・・・・・ニース?

 

 

「私ではない。メアテナの目が覚めたようだ」

 

「祭壇の裏側に・・・扉があります。そこはお父さんの研究室になっていて・・・・

そこに、避難口もあります。そちらからの方が早いはずです」

 

 

私は、今の状態にもさして驚かず、私達に話しかけてくるメアテナに疑問をもった・・・・・まさか・・・・

 

 

「あんた・・・・もしかして・・・・」

「はい・・・ちゃんと憶えています。お父さんは・・・・封印していたつもりだったんですけど・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「そんな事よりも、早く脱出を」

 

 

ニースの背中から降りたメアテナは、祭壇の奥に向かって指差した。

 

私は姉ちゃんに目で、どうするのか?と訪ねた。

この状況で、つい寸前まで敵側、しかも、場合によっては私達を父の敵として恨んでもおかしくない・・・・

かなり逆恨み的なものにはなるが、人の感情は、意志について行くとは限らないものだ。

 

そんな中、姉ちゃんが答えを出す前に、アキトがメアテナに近づいた。

 

 

「ありがとう、メアテナちゃん」

 

 

自分のことを信じてくれて嬉しかったのか、メアテナは、ニッコリと微笑んだ。

隣にいた姉ちゃんも『これが答えよ』と、いわんばかりに、嬉しそうな顔をしていた。

 

私は溜息を吐く・・・おそらく、私は『やってられない』という表情でもしていただろう。

姉ちゃんってば、アキトにべた惚れすぎではないか?

 

 

「じゃぁ、みんな。祭壇の奥の方へ、メアテナちゃん、案内を頼むよ」

「はい!」

「アメリアちゃんとニースはメアテナちゃんに続いて。何かあった場合、彼女の護衛をまかせるよ」

「わかりました」

「それが妥当だな」

 

「その次にはガウリイ、すまないがリナちゃんを背負ってくれ。

その様子だと、ついていくのが難しいかもしれないし」

 

「わかった。ほれ、リナ行くぞ!」

「こら!ちゃんと背負え!!こんな体勢は恥ずかしいって!!」

「苦情なら後で聞くから静かにしろって!」

「苦情とかいう問題かー!!」

 

 

こんな体勢・・・・俗に言う『お姫様だっこ』という奴である。

確かに、歩くのがやっとの状態で文句は言えないが!こんな体勢を享受できるか!!

 

しかし、ガウリイの奴は、真面目な顔をしたまま、私を抱きかかえて走った。

こいつは・・・こう言うときだけ格好良くて・・・・まったく・・・・・

 

いつしか私は、この体勢も良いかな?少しばかり思ったりもした。

・・・・・少しだけよ!ほんのちょっぴりとだけだからね!!

 

 

 

 


 

 

 

「続いてルナさん、行ってください。次にゼル、俺という順番で行きますから」

「ちょっと待って!私が最後の方が・・・・」

 

「力が思うように出ない状況なんでしょう?大丈夫です。

順番といっても、そんなに間がある訳じゃありませんし」

 

「二人とも、痴話喧嘩なら無事に脱出してからにしてくれ。

それと、アキト。おまえは怪我人なんだ。最後は俺が行くからさっさといけ!」

 

「しかし・・・」

「しかしじゃない!少しは自分の怪我でも心配しろ!」

 

 

アキトはなおも食い下がろうとしたが、ゼルガディスの真剣な表情と、

自分の怪我の程度を自覚し、何も言えなくなった。

 

 

「早く行くぞ、こんな所で生き埋めはごめんだ!」

「わかった。ルナさん、早く!」

「わかったわ」

 

 

ガウリイ達から遅れること数秒、アキト達三人は祭壇の奥へと走り、

アーウィンの研究施設へと入っていった。

そこは、祭壇よりも丈夫に作られていたのか、先程よりも、揺れが少なくなっていた。

 

 

「こいつは・・・見たこともないものばかりだな」

「少なくとも、今の私達の技術を越えていることは確かね・・・・」

 

 

辺りに置かれている機械の数々・・・・

アキトにとっては、そう違和感のないものだったのだが、

この世界の住人達にとっては異様な光景だった。

 

 

「ゆっくりと見ている暇はない。早く行こう」

「そうね・・・少なくとも、私達には扱い方もわからないし」

「それもそうだ」

 

 

この機械がある所よりさらに奥、無数に並んでいる巨大な水槽を通り抜けた突き当たりに、

壁にぽっかりと穴が空いていた。どう見ても、後から作られたようにしか見えない。

 

すでに、メアテナ達は入り口の手前で待っており、ガウリイ達も、もうすぐ着くという状況だった。

三人は、周りの状況を多少気にしながら、奥に向かって走った。

 

 

「ん?」

 

 

アキトの視界に、何か引っかかるものがあった。

それを確かめようと、アキトは走る足を止め、それに近づく。

 

 

「どうかしたのか?アキト」

「ああ・・・・ちょっと気になるものがあってな」

 

 

ちょっと気になる・・・・と、アキトは言っているものの、その言葉とは裏腹に、

真剣な顔をして、机の上に置いてあった資料を読んでいた。

 

 

「何なんだ?それは・・・・新しいゴーレム製作の記述か何かなのか?」

 

 

ゼルガディスは、資料の一番上にあった紙を、手にとって目を通した。

その紙には、やや無骨ながらも、人の形をした図が描かれていた。

註釈として描かれている、寸法記述などがなければ、新手の全身鎧フル・アーマーに見えていたかもしれない。

 

 

「いや、気にしなくて良い。俺の気のせいだったようだ」

「なら良いが・・・時間がないんだ。早く行くぞ」

「手間をとらせてすまない」

 

 

ゼルガディスとアキトは、ルナに追いつくために再び走り出す。

 

 

「遅いですよ!二人とも!今は一刻を争う時だってわかっていますか!?」

「すまない。少しばかり手間取ってな」

「ゼルが悪いんじゃない、俺が悪かったんだ。ごめん、アメリアちゃん」

「もういいです。それよりも!早く行きましょう!」

「皆さん、早く!この洞窟も、いつまで保つか分かりませんから!」

 

 

メアテナが急かすように皆に声をかける。

確かに・・・この避難口、表の洞窟のようには大きく作られてはいない。

人が二人ほど並べば関の山、三人も並べばつっかえてしまうだろう。

 

 

「順番はさっきの通りで。早く行こう。揺れが大きくなっているようだ」

 

 

普通の洞窟ならば、もう既に崩れ落ちているだろう。

今だ保っているのは、ひとえに、優れた技術力によって作られたものだからにすぎない。

それも、いつまで保証できるか分からないものではあったが・・・・

皆もそれがわかっているらしく、頷いただけで順次、洞窟の中に入っていった。

 

その中を走りながら、アキトは先程見た資料を思い出していた。

普段ならば、そういったことを考えるのは後回しにしているはずだったが、

アキトにとって、あの資料はそう言ったことを忘れさせるほど、驚愕に値するものだった。

 

 

(・・・あれをこの世界で見ることになるとはな・・・・一体どうしてこの世界に・・・・

俺がこの世界に跳ばされた理由とは・・・・・まさか・・・・・)

 

 

ピシ・・・・・

 

 

アキトの耳に、小さなひび割れの音が、真上から聞こえた。

アキトは、何の音かを考えるよりも先に、自分の勘に従った!

 

 

「ゼル!後ろに跳べ!!」

「一体どうしたんだ!?」

 

 

ゼルガディスは、訳が分からないという表情をしたが、

後ろに向かって跳んだアキトに従い、すぐさま自分も後ろに下がった。

 

その刹那、響き渡った轟音と共に、目の前の洞窟が落盤によって閉ざされた!

 

 

「間一髪ってやつか・・・・助かったぜ、アキト」

「いや、俺のミスだ。あの場合は、前に向かって全力で走るべきだった・・・・・クソッ!!」

 

 

アキトは通路を塞いでいる土砂を、忌々しげに睨む。

 

 

(あの時、余計なことを考えていなければ、適切な判断ができたかもしれない・・・・・

俺のミスでゼルを巻き込んでしまうなんて!!)

 

「あんな状況で、そこまで考えつく方が珍しいんだ。あまり気にするな」

「しかし・・・・」

 

 

―――――ピッ

 

 

「アキト君!ゼルガディスさんも大丈夫!?」

 

 

コミュニケを通してルナが通信を入れてくる。

不幸中の幸いか、落盤があったのはアキト達の真上のみだったようだ。

 

 

「俺達は大丈夫です!ルナさん達は?」

「私達は大丈夫。それよりも、この土砂を何とかしないと!」

「ゼルガディスさん!聞こえていますか?」

「アメリアか、何だ?」

 

「こちらから地精道ベフィス・ブリングをかけます!万が一のことを考えて、ゼルガディスさんもお願いします!」

「分かった。タイミングを合わせるぞ」

 

 

ゼルとアメリアちゃんの詠唱が、コミュニケを通してピッタリと重なって聞こえた。

 

 

地精道ベフィス・ブリング!!』

 

 

アメリアとゼルガディスの魔術により、道を塞いでいた土砂の半分ほどが消え、お互いの姿が見える。

―――――が、数秒もしないうちに、また大量の土砂が崩れ落ちてくる!

 

 

「危ない!!」

「キャァ!!」

 

 

今の落盤の影響か、崩れていた場所が広範囲に広がり、ルナ達は危うく土砂に飲み込まれそうになる!

アキト達の方も、さらに天井から土砂が降り、後退をやむなくされていた。

 

 

「ルナさん!大丈夫ですか!?」

「こっちは大丈夫」

「クソッ!天井自身、砂みたいになってるんだ。これじゃあいくらやっても同じだ!」

「・・・・・・・・・・」

 

 

アキトは目の前の土砂を睨みながら、悩んでいた。

今から引き返したとしても、崩壊前に脱出できるとは限らない。

かといって、目の前の土砂を吹き飛ばすことは、山一つ吹き飛ばさなければならない。

 

 

(一つ・・・手はあるが、これは俺だけしか使えない。何か他に手はないのか!?

目の前の土砂を吹き飛ばそうにも、今の俺にはそれだけの力はない。

ルナさん達は力を使いきっているから無理。リナちゃんの竜破斬ドラグ・スレイブは論外だ。

今のリナちゃんには酷なことだし、何より土砂と共に、俺達まで消し飛びそうだ・・・・)

 

 

アキトの脳裏に、赤い閃光と共に、塵になる自分とゼルガディスを想像する。

昂氣を纏えば?とも考えたが、今のアキトには、防ぎきれる自信も体力もない。

 

 

(ブローディアなら山の一つや二つ・・・・・・そうだ!!)

「ディア!聞いているかディア!ブロス!!」

「ん〜・・・な〜に〜・・・・・」

『Zzzzz・・・・・Zzzzzz・・・・・・』

 

 

アキトの呼び声と共に現れたディアは、まさに『寝起きです』と、いわんばかりに目をこすっていた。

少しでも、機体の修理を優先させるために、スリープ・モードに入っていたのだ。

 

 

「ブローディアのジャンプシステム、及びディストーション・フィールド発生装置の修理状況は!?」

 

「え〜・・・・っと。ディストーション・フィールド発生装置は九割方直ってる。

ジャンプシステムは・・・・・六割かな?」

 

「六割か・・・際どいな。それで、ボソンジャンプは可能なのか?」

「ジャンプ自体は、遺跡演算装置が手元にあるからどうとでもなるよ」

『なになに?何かあったの?』

「そうか・・・・なら決まりだ。ゼル!引き返して広い所に行こう!」

「ここでこうしていても、何も始まらん。ここはアキトに全て任せる」

 

 

二人は、走ってきた道を逆に走りだした。

アキトは走りながら、通信を開いたままのルナに話しかける。

 

 

「ルナさん、話は聞いていましたか?」

「ええ、分からない単語がかなりあったけど」

「簡潔に言います。俺とゼルは空間転移みたいなものボソンジャンプで脱出します」

「大丈夫なの?前に聞いた話だと、普通の人間には耐えられないって言ってなかった?」

 

「大丈夫だよ、リナちゃん。それを解決するために、ブローディアの状態を聞いたんだよ。

ある一定の条件下の場合、普通の人間も耐えられるんだ」

 

「じゃあ、ゼルガディスさんは!」

「ああ、俺と一緒に脱出する。だからみんなは先に進んで!」

「分かったわ」

 

「それと、ルナさん。おそらく、ジャンプした後はディア達が動かなくなると思うんです。

だから、俺達は、直接ゼフィーリアに転移します。へたなところだと、騒ぎになりかねませんので」

 

「確かにね。私達も早めにゼフィーリアへ行くわ。」

「じゃあ、みんなのことをお願いします!」

「アキト君達も気をつけて!」

「はい」

 

 

アキトは通信を切った。

幸いながら、あそこ以外は落盤はおこっておらず、大して時間をかけずに、研究室へと戻ることができた。

 

さすがに、他より頑丈に作られていた部屋とはいえ、

山一つの重量には勝てず、崩壊寸前という有様を見せていた!

 

 

「ディア!ブロス!ブローディアを!!」

「『了解!!』」

 

 

アキトとゼルガディスの目の前の空間に、突如として虹色の光が溢れる!

そして、一瞬の閃光がおさまった後、そこには漆黒の機体ブローディアが鎮座していた。

 

 

「すまないが、コクピットの扉を開けてくれ。腕が動かないんだ」

 

 

アキトの要望に応え、ブロスはすぐさま扉を開ける。

 

 

『痛そうだね・・・・大丈夫なの?』

「大丈夫だ。ゼル、一緒に入ってくれ。そうじゃないと意味がないんだ」

「わ、わかった」

 

 

目の前の光景に、かなり驚きながらも、アキトが鉄のゴーレム(ゼルガディス視点)に乗り込むのを見て、

ゼルガディスも言われたとおりに内部へと入り込んだ。

二人が入り込んだのを確認したブロスは、コクピットの扉を閉める。

 

 

『準備は良い?アキト兄』

「ああ、早めに頼む。このままじゃあ、ブローディアが棺桶になるかもしれないからな」

「私もそれは嫌だな〜」

 

 

ブローディアが棺桶・・・・値段的に考えると、かなり豪勢なものとも言えるだろう。

やられる本人達は、かなり不本意なものがあるだろうが・・・・

 

 

「じゃあ、さっさと逃げちゃおう!遺跡との接続リンク開始!」

『ディストーション・フィールドも準備開始!出力20・・・45・・・・60・・・・』

 

 

ブローディアの周りに、空間の歪みディストーション・フィールドが発生する。

天井から崩れて落ちていた小岩などが、機体に傷つけることなく、光の膜に弾かれる。

 

 

「ジャンプフィールド形成の準備完了!こっちはいつでもOKだよ!!」

「わかった。後はディストーション・フィールドと同期させれば完了だな」

 

 

アキトは、とりあえず脱出方法が確立されたことに、一安心した。

傍にいたゼルガディスも、アキトの様子から大丈夫だということを悟り、安堵の息をつく。

 

だが、ブロスの一報が、希望を絶望へと転換させてしまった。

 

 

『アキト兄!フィールドの出力が思ったように上がらないよ!?』

「何だって!?一体どうしたんだ!?!」

『エネルギーは十分足りてるんだけど、それが100%届いてないんだ!』

「どうにかできないのか?」

『無理だよ!プログラムの問題ならまだしも、機体上のものだからすぐには・・・・・』

「・・・・・仮に、今の出力でジャンプフィールドと同時形成して、一般の人間は耐えられるのか?」

「・・・・・・・・確率は五割。機体に無理をさせてフィールド出力をあげても、六割程度にしか・・・・」

「―――――クッ!ここまできて!!」

 

「・・・・・・・・・アキト。やれ」

 

 

思い悩んでいたアキトに、今まで沈黙していたゼルガディスが言葉少なげに発言する。

 

 

「無茶をいうな!もしこのままやれば、五割の確率でゼル、おまえが消滅するんだぞ!!」

 

「わかっている。だが、他に方法もないんだろうが。それに、五割成功する確率があるんだ。

同じ五割なら・・・・俺は今まで生き抜いてきた悪運に賭ける」

 

 

プラス思考・・・・といえば軽く聞こえるが、ゼルガディスの口にしたのは、

冥王ヘル・マスターや、魔竜王カオス・ドラゴンといった絶対的な力をもった魔族を前にしてすら生き残った、経験からきていた。

ゼルガディスの瞳には、生き抜く為の強い意志が宿っているのが、アキトには見えた。

 

 

「幸運や奇跡ってのはな、一歩でも後ろに退いた奴にはなかなか回ってこないんだ。

だから俺は一歩も引かない。可能性が零にならない限りはな。

良い例がリナだ。リナは絶対に後ろに退かない。

だからこそ、あいつは誰よりも強いんだ。まあ、保護者が支えているところもあるんだろうけどな」

 

 

ゼルガディスは、そう言いながらニヤリと笑った。

 

 

「・・・・・ブロス、ディア。ジャンプ・フィールドとディストーション・フィールドを同期させて形成」

「いいの?アキト兄、ゼルガディスさん」

「いいんだ。どっちにしろ、このままだと生き埋めになるんだ。やってくれ」

 

「だそうだ。その代わり、フィールド出力をできる限り上げてくれ。

機体がどれだけ壊れようとも構わない。命には代えられないからな」

 

「『了解!!』」

 

 

そこまで言った後、アキトは不意に、いたずらを思いついたような顔をした。

 

 

「それに、ゼルに何かあった場合は大変だからな。アメリアちゃんが怒って何するかわからないし」

「な!?ア、アキト!いきなりなにを?!?」

「そうならないように頑張らないとな!」

「・・・・・・いじめやがって・・・覚えてろよ」

「覚えておくよ。そのうち仕返ししてくるその時まで・・・・・」

 

 

ゼルガディスは、アキトが何を言いたかったかを理解し、苦笑した。

言葉の裏で、『仕返しをさせるためにも、絶対に無事に帰る』といっていることに・・・・・

 

 

『ディストーション・フィールドの強度、不安定ながらも増大中!エネルギーバイパスに異常発生!』

「ギリギリまで頑張ってくれ!後のことは後で考える!!」

『エネルギーバイパス、現在の限界値突破!数秒しか保たないよ!!』

「わかった!ディア!!」

 

「ジャンプ・フィールドとディストーション・フィールドを同期・・・・フィールド形成完了!!

今現在での、一般人のジャンプの成功確率、65.27%!!」

 

 

「ゼル!」

「いつでも構わん!やってくれ!!」

「いくぞ!!―――――ジャンプ!!」

 

 

 

虹色の光ボソン粒子を辺りにふりまき、ブローディアは忽然とその場からかき消える。

その数秒後、研究室の天井は崩れ、大量の土砂がこの部屋を占領した・・・・・

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「光が見えてきたわ!!」

「皆さん!後少しです!」

 

 

私がそちらに目をむけると、長い洞窟の先に、光が見えていた。

洞窟の暗闇に、目が慣れているため、ハッキリとは見えなかったが、明らかに太陽の光だ。

 

皆、アキトとゼルが取り残された後、言葉少なげに洞窟の中を疾走していたのだ。

アメリアは、その顔に不安を隠せないまま、それでも脱出するために走っていた。

姉ちゃんは、さすがに平然としたような表情をしてはいたが、

強く握りしめられた拳が、今の姉ちゃんの内心を物語っている気がした。

 

 

 

ズガン!!

 

 

 

先程から続いていた小さな揺れをうち消すかのように、激震が私達を襲う!

走っていた最中なので、みんなはよろめいたが、体勢を崩すものは誰一人としていない。

走っているメンバーは、皆、体術に秀でているものだという事が改めて認識できる。

 

かくいう私は、ガウリイの背中におぶわれているだけなんだけど・・・・

さすがにあの体勢はね・・・・

 

 

パラパラ・・・・・・

 

 

「ん?」

 

 

頭に何かが当たったような気がして、私は天井を見上げる。

そこには、小さな亀裂が、徐々に広がっていた!!

その亀裂は、私の上だけではなく、入り口にいたるまでの天井や壁に広がってゆく!!

私達が出口にたどり着くのが先か、それとも土葬されるのが先か!

 

私が選ぶのはもちろん前者!後者は少なくとも、後、数十年後までやってもらうつもりはない!

 

 

「ガウリイ!悪いけど立ち止まって!!」

「何をするつもりなんだ!そんな時間はないぞ!!」

 

 

ガウリイは焦ったように声をあげる。どうやら、みんな気がついていたようだ。

だが、私はその声を無視して、ガウリイをよじ登り、天井に手をつけた!

 

 

氷窟蔦ヴァン・レイル!!」

 

 

この呪文、本来は術者が触れた場所より氷の蔦を発生させる術。

氷の蔦は、螺旋を描きながら壁や地面、場合によっては天井を這い、

接触したものを足止め、場合によっては氷づけにする。

 

そのまま発動させれば、私の前にいるみんな(今現在、私とガウリイが最後から二番目)を氷付けにしてしまう。

しかし、もちろんこれは私が改良したもの。へまでもしようものなら、私は姉ちゃんに間違いなく半殺しの目にあう。

私の手から発せられた氷の蔦は、地面に回ることなく、天井と壁を分厚い氷で閉ざす!

これで、多少の時間稼ぎにはなったはず!!

 

 

「考えましたね!リナさん!」

「お世辞はいいからさっさと走る!」

「はい!!」

 

 

私は再び、ガウリイの背中に戻り、落ちないようにしがみつく。

ただでさえ、魔力が限界なのに、無理して魔術を使ったせいか、体が思いっきり怠い・・・

 

私は疲れに負けて、軽く目を閉じる。

目を閉じて数秒後、私の目に、目蓋を通して大量の光が差し込んだ。

 

 

「わっ!」

 

 

私はあまりの眩しさに、目を手の平で隠す。

しばらくして、徐々に光に目が慣れたのか、辺りの光景が認識できるようになった。

 

 

「ここは・・・・・どこ?」

「ここは、カタート山脈の北側です。ちょうど、皆さんが入ってきた入り口とは、正反対にありますね」

「そうなの・・・」

 

 

メアテナの言葉に、私は周りの景色を見渡す・・・・

その時、後ろの方で、豪快な音が響き渡る。振り向くと、そこには何もなくなっていた。

あの様子からだと、洞窟全体が崩れ落ちたかもしれない。

 

(これで・・・アーウィンがやっていたことの痕跡は何もなくなったわけね・・・・

ま、それが一番いい結果なのかもしれないけどね・・・あいつにとって一番大切なものは、無事なわけだし)

 

私は、崩れた洞窟に一人、目を向けるメアテナを横目で見た。

その表情から、どういったことを考えているのかはわからないが・・・・かなり辛いだろう。

 

 

「さて・・・・これからどうするの?姉ちゃん。ひとまず、竜達の峰ドラゴンズ・ピークにでも戻る?」

「できれば、すぐにでもゼフィーリアに戻って、アキト君達の安否を知りたいところだけど・・・」

「さっきのアレはできないんですか?」

 

「ダメなのよ。これはディアちゃんとブロス君を通じて、初めてアキト君と繋がるの。

アキト君がボソンジャンプというやつをやれば、ディアちゃん達はしばらく動けなくなるはずだから、

通信はおろか、ディアちゃん達と連絡を取り合うことすら不可能ね・・・」

 

「そうなんですか・・・・・」

 

 

姉ちゃんとアメリアが暗い顔をして心配していた。

できるなら、一刻も早く、ゼフィーリアに飛んでいきたい気分なんだろう。

 

ここにゼロスでもいれば、一発でゼフィーリアにいけるんだけど・・・・・都合良くは現れるはずないし・・・・・

他に、このメンバーを空間転移できるほどの魔族は知り合いに・・・・・・いた。しかもすぐ傍に。

 

 

「ニース!あんた前に空間転移をやってたわね。今もできる?」

「無理だ。空間転移どころか、武具を作り出すことすら危うい」

 

 

そう言いながら、こちらに顔を向けるニース。

私はニースの顔を・・・・正確には、瞳を見て驚いた!

 

 

「あんた・・・・その目は・・・」

「目?そうか・・・・限界まで力を使ったりするとな、こうなるらしい。あまり気にするな」

「気にするなって・・・・・」

 

 

今まで、薄暗い洞窟の中に居たのと、周りを見る余裕がなかった所為で気がつかなかったが、

以前見たときはライトブルーだった瞳が、今は赤い色へと変わっていた。

まさに、その内に宿す力を示しているかのような、紅玉ルビーにも似た色だ。

 

 

「2、3日ほどすれば、自然と元に戻る。害はないので心配することはない・・・・

それはともかく、今の私には空間転移は無理だ。幸い、この山は神が住まうほどの霊峰。

力の回復が他よりは早い。半日もしないうちに転移するぐらいの力は戻るだろう・・・・・」

 

 

ほ〜・・・そいつは初耳。といっても、私達人間にはあんまり役にたちそうもないけど。

ということは、姉ちゃんの力も、半日も経てばかなり戻るというわけか。

 

 

「じゃあ、私達を連れて、転移してくれるということなの?」

 

「貴方達には色々と世話になったしな。それに、今の世界を知らない私では、

メアテナに色々と不便をさせるかもしれないのでな。その打算もある」

 

「そう言うのは気にしないで。私も、その子の事は頼まれたみたいなものだからね」

「そうか・・・・とにかく、今は私の力が戻り次第、ゼフィーリアへ転移しよう。それまで・・・・」

 

 

ニースが不意に口を閉ざし、南西の空を見る。

姉ちゃんも、ニースとほぼ同時に、同じ方向に目をむけた。

 

 

「・・・・・・何か見える?」

「私には何にも・・・・」

「ガウリイは?」

「ん〜〜・・・何とか見えてきた。え〜と、黄色い空飛ぶトカゲが何匹かいるな」

「そうなの。おかしな事もあるもんね・・・・・・・・って、トカゲ?」

 

 

ガウリイがトカゲ呼ばわりするということは・・・・・黄金竜ゴールデン・ドラゴンか!!

 

 

「どうなってんの?どっち向いて飛んでるの?」

「こっちに向かって飛んでいるわ。ゼロスも一緒にいるみたいね」

「その様だな」

 

 

この三人の視力って一体どうなってるんだか・・・・私には、今ようやく見え始めたっていうのに。

気配を感じていたにしろ、桁外れもいいところだ。

 

 

黄金竜ゴールデン・ドラゴン達は、ものの数分ほどで私達の元へと降り立った。

その間、ニースとメアテナはどうするのか?と話し合いもしたが、結局はこのままということにした。

彼らが二人の正体を知れば、少しばかりややこしい話になるだろうが、先延ばしにするのもどうかと思うし、

それに、隠した後、何らかの拍子にばれてしまった場合、さらにややこしくなりそうだからだ。

 

 

「どうやら、無事だったようだな」

 

 

背中にゼロスを乗せた黄金竜ゴールデン・ドラゴン・・・・ミルガズィアさんが私達の目の前に降り立った。

共に着いてきた二匹も、ミルガズィアさんの後方に降り立つ。

 

ただ・・・気になるのはゼロス。乗せたと言いはしたものの、、あれでは乗せられてると言う方が正確だろう。

その様子は姿とあいまり、壁に張り付いている油虫ゴキブリに見えなくもない。

 

ミルガズィアさんは、天に向いて一声吠えると共に、その姿を人間のものへと変化させた。

ゼロスはといえば、そのまま地面に向かって落下。べしょっという音をたてながら地面に張り付く。

 

正真正銘、ゴキブリに見えてしまうのは仕方がないかも・・・・・・

 

 

「異界の者とそこの人間のつがいはどうした?それにそこの二人は・・・・・」

 

 

そこの人間・・・・おそらく、いや、絶対アメリアのことを言ってるんでしょうが・・・

ミルガズィアさんの頭の中では、既にアメリアとゼルは夫婦になっていたらしい。

 

 

「ああ、ニースとメアテナの事については後で説明するから。後の二人のこともね。それよりも、どうしてここに?」

 

「強大な波動が突如として出現し、そう時をおかずして消滅したのをゼロスが感じてな。

決着がついただろうと予想し、我々が様子を見に来たというわけだ」

 

「そうなの・・・・そのゼロスなんだけど・・・・一体どうしたの?」

「ウム・・・・・」

 

 

ミルガズィアさんは、一声唸ると、額に眉を寄せて思案しはじめた。一体何があったのやら・・・・

そう思った矢先、ゼロスは頭を上げ、滝のように涙を流しながら私を見た。

 

 

「う、うう・・・酷いですよぉ・・・リナさぁん・・・・僕がああいったものが嫌いだって知ってるはずなのにぃ・・・・」

「ああいったもの?」

「私が苦心して考えたものを嫌いと言うとは・・・・精進が足りぬか・・・・」

 

 

ゼロスの様子を見て、ぽつり・・・・とつぶやくミルガズィアさん。

私には、その一言で何があったのかを悟った。

 

 

「はははは・・・・ごめんね、ゼロス。まさかそんなにダメージを受けるとは・・・・結構効いたの?」

「なぜか・・・・魔竜王カオス・ドラゴンの攻撃を受けたよりも効いた気がします・・・・気だけですけど・・・」

「あはははは・・・・・」

 

 

ゼロスの言葉に、私は乾いた笑いを上げることしかできなかった・・・・結構きついもんね、あれ・・・

 

 

「以前にも聞いたが、それは一体どういう事なのかな?」

「あんまりお気になさらずに・・・・答える気力はありません・・・」

「ノーコメントということで・・・・」

 

 

本人を目の前にして、答えられることでもないし・・・・

それより参ったな・・・ゼロスがこんな状態じゃあ、空間転移なんていうのは無理そうだし・・・・

 

 

「ミルガズィアさん。お聞きしたいことがあるのですが」

「何かな?赤の竜神の騎士スィーフィード・ナイト殿」

「ここからゼフィーリアまで、あなた方の翼ならどれ程かかりますか?」

「ここから?・・・・・気流の乱れさえなければ、四半日といったところか。それが?」

「ニース、力の戻り具合は?」

「微々たるものだ。そっちの提案の方が、結果的には早いかもしれん」

「そう・・・ミルガズィアさん、すみませんが、私達を乗せてゼフィーリアまで行ってはくれませんか?」

「それは構わん・・・が、事情を説明してくれますかな?」

「ええ、ゼフィーリアにつくまで時間があるでしょうから」

 

「わかりました。私一人でも構わないところだが・・・・・三つに分かれてもらいましょう。

後ろの者にも手伝ってもらいます。そちらの方が、時間を短縮することができるでしょう・・・」

 

 

ミルガズィアさんは、私達の心情を知ってか、かなり気の利いたことをしてくれる。

・・・・どうでもいいが、ミルガズィアさん、姉ちゃんが相手の時だけ、口調が変わってない?

 

 

「じゃぁ、リナとガウリイさん。ニースとメアテナ。そして私とアメリアさんという形で別れましょう」

 

 

かくして・・・私達は、黄金竜ゴールデン・ドラゴンの背中を借り、一路ゼフィーリアへと帰投することとなった。

ここまでは問題はない・・・後は・・・・

 

アキトと、ゼルが無事にゼフィーリアへ戻っていることを願うのみ・・・・

二人とも・・・私にとって、大切な仲間なのだから・・・・・

 

 

 

 

(三十話に続く・・・・)

 

 

 

―――――あとがき―――――

 

どうも、久しぶりに出番のあったディアちゃんで〜す!

ホント、久しぶりの出番だったよ。しかも寝起き・・・恥ずかしいなぁ・・・・

それよりも・・・・アキト兄はともかく、ゼルガディスさんは大丈夫なのかなぁ?

こう考えると、ボソン・ジャンプっていうのは不便だよね。ニースの空間転移の方が便利そうだし・・・・

 

さて・・・次回は、第一部(仮)の最後。といっても、事後処理とかそんな感じなんだけどね。

 

最後に・・・K・Oさん、YU−JIさん、皇咲さん、TAGUROさん、ザインさん、カワユさん、

下屋敷さん、tjさん、ミンクさん、Dさん、watanukiさん、ホワイトさん、遊び人さん、アッシュさん。

 

感想、ありがとうね〜!心から感謝してま〜す!

 

では、次回『それぞれの進む道』(仮)で会いましょうね!

 

 

代理人の感想

・・・・・・・・・・・・・・・ひっぱりましたね(笑)。

 

 

話は変わりますが、途中でアキトの独白を入れてしまったのはちょっと失敗かなと言う気もします。

スレイヤーズもこの作品も徹底してリナ一人称の作品ですから、

いきなりアキトの独白と言う別の人間の一人称に移行するのはやはり問題があるかと。

三人称で誤魔化すか、あるいは無理矢理リナの一人称で通したほうがベターであったかと思います。

(例えば、離れた所から見ているかのようにリナが喋るとか。

 言い替えると「リナ口調の三人称」みたいな感じです)

 

 

それはさておき、次回第一部完!

果たしてアキトは夜叉十五人の待つ世界に戻るか、

はたまたこちらの世界で男を立ててくれる世話女房とささやかながらも幸せに暮らすのか。

 

どーするアキト、元の世界に戻るよりこっちに永住した方が絶対幸せだぞ!(爆死)