赤き力の世界にて・・・

 

 

 

 

 

第49話「終焉・・・そして・・・・」

 

 

 

 

 

 

黒い火柱の中で、覇王ダイナストは蒸発するような音と共に消滅した・・・・・

怨嗟の声だけを残して・・・・跡形もなく、完全に・・・・・

 

 

「やっと終わったな・・・・リナ」

 

 

ガウリイは、お疲れさま・・・というような感じで、リナの肩に手をおいた。

 

・・・・・・が、対するリナの返事は、後頭部に流れる大きな汗を一つだけ・・・何も言わない・・・・

 

その沈黙に、何かいやなものを感じたガウリイは、もう一度、問いかけるように名前を呼ぶ。

 

 

「リナ?」

 

「・・・・・・・・・逃げるわよ」

 

「は?」

「逃げるって言ってるのよ!!」

「ど、どうしたんだよ。もう終わったんじゃないのか?」

「あ〜もう!説明は後!!早く脱出しないとやばいわよ!!」

 

 

黒い火柱に背を向けたリナは、部屋の出口に向かって走り出す!!

何が何やらさっぱりわからないガウリイは、説明を求めようと辺りを見回す・・・・が、すでに誰もいない。

 

慌てて部屋の出口に目を向けると・・・メアテナどころか、ルナとニースも脱出するべく疾走していた!

その様子にやばい予感を覚えたガウリイは、一目散にリナ達を追いかけた!

 

 

(おいおいおい!何かあるのか!?大爆発が起こるとか、城が崩れるとか・・・)

 

「・・・・・・・・・洒落になってねぇー!!」

 

 

ベタながらもありえる展開に、ガウリイはさらに速く走る!!

その甲斐あってか、ガウリイはすぐにリナに追いついた!

 

 

「おい、リナ!一体何がどうなってるんだ!?」

黒い火柱アレが爆発するのよ!とんでもない威力でね!!」

「とんでもないって、どれくらいだ!?」

 

 

ガウリイの質問に、リナは走りながら、全力で放った『重破斬ギガ・スレイブ』の威力を計算した・・・

 

不完全版『重破斬ギガ・スレイブ』発動時に生じる黒い火柱と、

先程のリナ、メアテナが協力して放った『重破斬ギガ・スレイブ』に発生した黒い火柱・・・・

 

単純な大きさだけであれば、その差は約十倍にも及ぶ。

 

 

「(不完全版の時に、都市の半分を消滅・・・その十倍となると・・・・)・・・・・・瘴気の森が消滅しちゃうかな?」

「それは大丈夫よ、覇王ダイナストが最後の悪あがきに抵抗していたから。ここら一帯消滅するぐらいじゃない?」

 

 

先に走っていたルナが、リナの説明を補足した。

 

 

「なぁんだ、そうなのかぁ」

「そう、そうなのよ」

「「はっはっはっはっ」」

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

 

リナとガウリイが軽く笑った後に、不気味な静寂が漂う・・・・・

 

 

「そうゆうことはさっさと言ってくれーーー!!」

「ひたすら逃げろーーーー!!」

 

 

ガウリイは文句を言うと、併走していたリナを背負い、猛スピードで走り出した!!

火事場のバカ力というヤツだろうか・・・・先に走っていたニースでさえも追い抜いていた・・・・・

 

その後ろ姿を見送ったルナは、心の内で呟く・・・・・・

 

 

(まぁ、リナはああいっていたけど・・・あの二人が抑えてくれているようだからね。

そこまでの被害は出ないと思うけど・・・・それも限界のようね・・・もう少し、持つと思ったけど・・・・)

 

「とにかく、少し急ぎますか・・・もっとも・・・術を起動させるほどの力が残っていれば、の話だけどね・・・・」

 

 

大地の精霊に呼びかけ、高速移動の術を組み上げるルナ・・・・

ルナの体よりあふれ出た少量の赤竜の力が、大地の精霊の力を昇華する!

 

 

「何とか、術を実行できる程度の力は残っていたみたいね・・・・・よし!

メアテナちゃん!ニース!こっちに来て!」

 

「わかった」

「うん」

 

 

メアテナとニースが近寄ったのを確認すると、ルナは大地の精霊に頼み、高速移動の術を起動させる!

外へと通じる一本道の通路を、銀光の塊が駆け抜ける!!

 

 

「リナ、あれは何だ!」

「私が知るわけないでしょ!!」

 

 

リナとガウリイは背後から迫る銀色の光から逃げようと、さらに足を早める・・・

が、あっさりと追いつかれ、取り込まれてしまう!!

 

 

「うわぁぁーって、あれ?」

「ね、姉ちゃん?」

「説明は後。さっさと脱出するわよ」

 

 

リナとガウリイはいきなりの出来事に驚いたものの、

高速で後ろに流れる周囲の光景に、何が起こったのかをなんとなく理解し、安堵の息を吐いた。

 

そんなリナ達を余所に、高速で廊下を駆ける銀光は数秒で城から脱出した!!

 

―――――その直後!

 

城の八割以上が黒い爆炎と共に消滅し、残った部分も連鎖するように倒壊していった・・・・

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

黒い破壊光と共に消滅する城・・・・

元々、創造主たる覇王ダイナストが消滅した今、消え去るのも時間の問題であっただけなのだが・・・

 

残された部分も、連鎖的に崩壊してゆき、次々にその形を崩してゆく・・・・

申し訳程度に積もった瓦礫も、徐々に黒い光の粒子となって消え去り、その痕跡をなにも残さない・・・

 

そんな光景を、少々離れた所にある高台の上から、黒い神官服を着た若者が静かに眺めていた。

 

 

「やれやれ・・・やっと終わりましたね」

 

 

何やら安堵したような表情で呟く若者・・・

 

 

覇王ダイナスト様も馬鹿な真似をしたものですね・・・リナさんやルナさん達に喧嘩を売るなんて。

僕なら絶対にやりませんよ、自殺行為みたいなものですしね・・・・

魔族の常識など通用するような人達じゃありませんから。そう思いませんか?グロウさん」

 

 

神官の若者は、糸のような細い眼を少しだけ見開き、背後に現れた覇王神官プリースト・グロウを見た。

グロウは右腕を失い、ボロボロの状態で大地に片膝をつきながら神官の若者を見返す。

 

 

「痛感していますよ・・・・獣神官プリースト・ゼロス様」

「しかしまあ・・・随分とまあ、痛めつけられましたね。よく死ななかった・・・・・・ものです」

あの機体ブラック・サレナと融合した身体の一部を切り離すのを、後少しでも遅れていれば、死んでいたでしょうね・・・」

 

 

魔族の『死』・・・それは時さえ経てば復活できる・・・という意味。

物理的攻撃しかできないブローディアでは、魔族を消滅させることはできないのだ。

 

だが、融合していたブラック・サレナを消滅させられた際のダメージは半端ではない様子・・・

大地に膝をついたまま、立ち上がることすらできないでいるようだった。

 

 

「それはともかく・・・貴方の主である『覇王ダイナスト』様が滅んでしまいましたね。

これで、本格的に神と魔の均衡は崩れた・・・ということになりますね。これからが大変です」

 

「ええ・・・・ですからゼロス様。よろしければ、獣王グレーター・ビースト様にお取り次ぎ願えませんか?

北の魔王様を始め、冥王ヘル・マスター様、魔竜王カオス・ドラゴン、そして、我が主だった覇王ダイナスト様が消滅した今、

我ら魔族を率いる存在は、海王ディープ・シー様と獣王グレーター・ビースト様のお二方のみ。

ならば、せめて知己であるゼロス様同様、獣王グレーター・ビーストの配下として働きたいのですが・・・」

 

「別に構いませんよ・・・・・・と、言いたいところなんですけど・・・・・」

 

 

ゼロスはグロウを見ながら、さも、困りましたね・・・・といわんばかりの表情で、頭を掻いている。

その様な態度をとられたグロウは、訝しげにゼロスを見る。

 

 

「残念ながら、そう言うわけにはいかないようです」

「ゼロス様?」

 

「どうやら、グロウさんは怒らせてはならない人を怒らせたようです。

魔族の数が少ない今、助けるのもやぶさかではないのですが・・・

とばっちりで怪我を負いたくないもので。済みませんねぇ・・・悪く思わないで下さい」

 

「一体何を言って・・・・・まさ―――――ッ!!」

 

 

ゼロスの言葉の意味に気がついたグロウが、すぐさま空間転移をして逃げようとしたが、

それよりも先に、遙か天空より飛来した三条の蒼銀の光弾に身体を貫かれた!!

 

 

「ガァァァアアアアーーー!!」

 

「うるさいですね・・・ちょっとは静かにして下さい」

 

 

ゼロスはグロウに向かって左手を軽く振るう。

その直後、なにもない空間から出現した黒い錐みたいなものが、グロウの頭を貫き、潰した!!

 

 

ボシュ!!

 

 

グロウの身体が、軽い破裂音と共にはじけ、灰色の砂のようなものへと化した・・・・

それが・・・覇王神官プリースト・グロウが消滅した瞬間だった。

 

 

「あれ?黙らせるだけのつもりでしたが・・・滅んじゃいましたか・・・意外と脆かったですね。

覇王神官プリーストなのに・・・それとも、ダメージが思っていたよりも大きかったのか・・・・まぁ、良いでしょう。

あんなもの・・・・・を投げられたら、たまりませんからね・・・・自然は大切にしないといけませんよ?」

 

 

遙か天空・・・・その一点をゼロスは苦笑しながら見上げた。

 

 

「さて・・・後始末も終りましたし。我が主の元へと参りますか。

しかし・・・やっぱりあの人もリナさんの仲間ですね。怒ると見境が無いというか何というか・・・・・」

 

 

そう呟くと同時に、ゼロスは忽然と姿を消した・・・・・・

後に残ったのは、元・高位魔族だった灰色の砂のみ・・・それも、すぐに風によって散っていった・・・・

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ゼロスが見上げた遙か天空のとある場所・・・・

ギリギリ空気がある場所まで降りてきたブローディアのハッチを開け、外部に身を乗り出したアキトが居た。

 

そのアキトの左手には赤い装飾銃が・・・そして、右手には同じく赤い槍が握られていた。

身体には、赤い光がまるで保護膜か何かのようにアキトを包み込んでいる。

 

虹彩がほのかに赤くなっている瞳で、グロウのいた地点を見ているアキト・・・・

何の補助も無しに超高度からの狙撃をやってのける辺りは、まさしく『神眼』といえる。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

アキトは無言のまま、両手に持っていた赤竜の武器を体内に戻し、軽く溜息を吐きながらゆっくりと目を閉じた。

 

 

「どうしたの?アキト兄。トドメささないの?」

「・・・・ゼロスがさしたよ」

「それで良いの?」

「ああ・・・・構わないさ。むしろ、そっちの方が被害が少ないしな」

「それは確かに・・・・」

 

 

この高度からアキトが赤竜の槍を全力で投げようものなら、被害は洒落にならないだろう・・・

下手をすれば、この戦い一番の大規模破壊になっていたかもしれない・・・・・

《・・・・ちなみに一番はエルネシアが地上に向けて放った竜破斬ドラグ・スレイブだったりする》

 

 

「俺のやるべき事は終わったな・・・・・」

 

 

アキトはそう言いながら、閉じていた目蓋を開き、素早く操縦席に座る。

怒りがおさまり、赤竜の力が安定したためか、アキトの眼はすでに普通の状態に戻っていた。

 

 

「さあ・・・ルナさん達の所へ行こうか」

 

 

アキトはブローディアを操り、ルナ達の所へと向かった。

 

邪魔するものもなく、特に障害がないため、アキトがルナ達と合流するまでに、そう時間は必要ではなかった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ブローディアは、ルナ達がいる森の中にポッカリと空いた更地に、翼をはためかせながら着地する・・・

そして、皆の無事を直接確かめるべく、アキトはブローディアから素早く降り立った。

 

 

「みんな、怪我は?大丈夫だったかい?」

 

「こっちは大丈夫よ。といっても、ギリギリだったけど・・・

アキト君の方が・・・というか、ディアちゃん達の方が傷だらけのようだけど・・・・・」

 

「そうなの、ルナ姉!アキト兄ったら無茶ばっかりして。暫くすれば直るっていってもひどいと思わない?」

『軽微な傷ばかりだから、数日で直っちゃうけどね』

「ブロスはいらない事いわないの!」

『は〜い・・・・』

 

 

ブローディアのAIであるディアにとって、装甲は自分の肌と同じなのか、かなり憤慨している様子・・・・

同じ立場のブロスにとっても、同じ理屈なのだろうが・・・

そこは男と女の違いなのか、たいして気にはしていないようだ。

 

 

「無茶をしないと勝てなかったからな・・・済まない、二人とも」

「いや、ただの愚痴なのに謝られると・・・・ねぇ、ブロス」

『そうそう。それに、この程度軽い軽い。一ヶ月もしない内に完全に直るよ』

 

「二人がそう言ってくれると助かるよ。

・・・・・ところでリナちゃん、そこは居心地がいいのかい?」

 

「そうなのよ、これが結構心地よくてね・・・・って、ちゃうわ!」

 

 

ガウリイにおんぶされたまま、アキトの言葉に反論するリナ。

城から脱出して少々時間が経つというのに、今だリナは自分で立っていない。

 

 

竜破斬ドラグ・スレイブより疲れる竜滅斬ドラグ・バスターを三回に、魔力を消費しながら刀身を維持する魔王剣ルビーアイ・ブレードで大立ち回り。

それにトドメの完全版『重破斬ギガ・スレイブ』・・・おかげで魔力は底ついてる状態・・・疲れてて立てないのよ」

 

「そうなんだ・・・・道理で、大きなクレーターができてると思った」

 

 

アキトはすぐ側にある底が深いクレーターに目を向けた・・・

森の中にできている広場の三分の二を占拠しているほど巨大な穴ができているのだ。

水などが入っていれば、一つの町を賄えるほど立派な貯水池になるだろう。

 

 

「確かに、大きいことは大きいんだけど・・・・おかしいのよね」

「おかしいって、何がおかしいんだ?リナ」

 

「範囲よ、範囲。クレーターの深さはともかく、範囲だけなら、竜破斬ドラグ・スレイブの方がでかいわ。

それに、黒い火柱は私達の逃げた方向とは逆に爆発するから、直接的な被害はないにしても、

その際に生じる衝撃波なんかは無差別なのに・・・一定の範囲外は全くの無傷だなんて・・・・

もしかして、姉ちゃんが結界でも張ったのかなーとは思ったんだけど・・・・・」

 

 

リナは、どうなのか?という視線をルナに向ける。

ルナはその視線に応えるべく、苦笑しながら言葉を紡いだ。

 

 

「半分は正解ね。混沌の光柱を中心に、ある一定の範囲に障壁を張り巡らせて、被害を最小限にしたのよ」

「障壁?結界じゃないの?」

 

結界ドームにせず障壁囲いにすれば、爆発のエネルギーや衝撃波が上へと逃げるでしょ。

そうすれば、必要最低限の力で被害を抑えられるからね。どこか訂正するところはある?」

 

 

ルナはリナの後方にいる二人を見ながら問う。

 

 

「いや、無い。ルナ殿の言う通りだ」

「さすがは『赤の竜神の騎士スィーフィード・ナイト』・・・と、言えばよろしいかしらね」

 

「あ、あんた達は・・・・・・」

 

 

リナは、自分の後方にいた二人組を見て、大きく目を見開いて驚いた。

 

一人は、金色の髪を後ろに纏めた、やや大柄な女性。

旅人などが好んで着るような、動きやすい服装をしている。

 

もう一人は、流れるような漆黒の髪の華奢な女性。

一目で高価とわかる蒼いドレスに、華美にならない程度に装飾品をつけている。

 

前者はまだしも、後者はこの場に合わないこと甚だしい・・・・

合うとすれば、城の舞踏会場といった王侯貴族が集まる場所だろう。

 

しかし・・・この場にいる者達は、それを疑問に思うことはなかった。

この二人のような存在には、服装は身体を保護するものではなく、ただの飾り・・・・・

あるいは、自分の趣味をあらわすもの・・・・・その程度でしかないからだ。

 

 

獣王グレーター・ビーストゼラス・メタリオムに海王ディープシーダルフィン・・・どうして此処に・・・」

「そうね・・・覇王ダイナストと戦って疲労した人間達を始末するため・・・・・かしら?」

 

 

蒼いドレスを着た黒髪の女性・・・海王ディープシーダルフィンが感情のこもっていない口調で宣言する。

同時に、海王ディープシーの身体から衝撃波にも近い魔氣が放たれる!

 

リナはガウリイの背中から素早く降りると、疲れている身体にむち打って魔術の詠唱を始める・・・・つもりだった。

次の、獣王グレーター・ビーストの声が聞こえるまでは・・・・・

 

 

「ダルフィン、冗談も程々にしておけ。さもなくば、痛い目にあうぞ」

「あら、疲れきっている人間如きに、私をどうにかできるとは思えませんが?」

「人間を甘く見ないことだな・・・今、り合っても、お前は負ける。確実にな・・・・」

「そうかしら?」

 

「ああ・・・・この中で、もっとも危険な者が無傷な上、力を殆ど消耗していないからな。

一人か二人なら道連れにできるだろうが・・・・試してみるか?ちなみに私は手伝わんぞ」

 

「・・・・その様なことをしても、私には何の得もありませんし・・・遠慮しておきますわ」

 

 

海王ディープシーはアキトをチラッと見ると、つまらなさそうに言い捨てた。

リナは、そんな海王ディープシーの態度が面白くなく、思わず口から皮肉が飛び出した。

 

 

「以前会ったときも、何となく思っていたけど・・・・随分と魔族らしい性格しているわね」

 

「随分なご挨拶ね、リナ・インバース。わざわざ助けてあげた者に対して・・・・

それとも、それが人間流の礼の言い方なのかしら?」

 

「まあ、話の流れから、あんた達二人が重破斬ギガ・スレイブの余波を抑えてくれたのはわかったけど・・・」

「それだけではないぞ。リナ」

 

 

今まで沈黙していたニースが口を開く。

その目は、腹心二人を静かに見据えている。

 

 

覇王ダイナストの空間転移を幾度となく無効化していたのもある。

槍を投擲する時や、リナの魔法から逃れようとしていたときにな・・・そうだろう?獣王グレーター・ビースト

 

「そうだ・・・まあ、弱体化していた覇王ダイナストの空間転移阻止など、さほどの苦にもならなかったがな」

「どちらかというと、その後の混沌を抑えつける方が手間がかかりましたけどね」

 

「それは感謝するわ。二人が抑えつけていてくれたおかげで、逃げる時間ができたからね」

 

 

素直に礼を述べるルナ・・・・それが意外だったのか、海王ディープシーはやや驚いた表情をする。

神の力を受け継ぐ者スィーフィード・ナイトが、魔族である自分に礼を言うとは思ってもなかったのだ。

 

魔族と神は闘争を繰り返す関係・・・・・・そう、思っていたからだ。

 

(ゼラスが気に入る訳が解ったわ。なるほど、偶には面白い人間もいるものね・・・・・)

 

海王ディープシーは愉快そうに目を細めると、興味深げに人間達を見た。

 

そんな事には気づかず、リナは先程の海王ディープシーの言葉を一人納得していた。

 

 

「道理で・・・いつもならそう時間も経たずに爆発するのに、異様に遅いからおかしいと思ったのよ」

「ならなにか?いつも通りだったら、俺達は死んでたってことか!?」

「あ〜・・・・そうなるわね」

 

 

リナの言葉に、呆れ果てるガウリイ・・・・怒りすら通り越してなにも言えないのだ。

もっとも・・・リナの無茶に付き合ってきたガウリイだからこそ、その程度ですんでいたのだが・・・・

 

ルナは二人の様子に苦笑しながら口をはさむ。

 

 

「大丈夫よ。その時は、大地の精霊術で一気に距離をとって、三重の結界を張っていたから。

少なくとも、死ぬことだけはなかったでしょ。死ぬことだけはね・・・・」

 

 

ちなみに、三重というのは、ルナの『神』属性、ニースの『魔』属性、

そして、メアテナの神魔融合・・・・『混沌』の三つの事。

 

ルナの言葉の意味を逆に取れば、その三つを使わないと、防げないだろう・・・ということになる。

 

 

「おかげで疲れましたわ。これほど疲労したのも、降魔戦争以来ですわね」

「ははははは・・・・ありがとうね」

 

「別に・・・ゼラスに頼まれたからやっただけ・・・・人間に礼を言われる必要はありませんわ。

私としては、覇王と共に世界を滅ぼしてもよかったのですけど・・・ゼラスに頼まれましたからね・・・」

 

「ああ、協力を感謝する、ダルフィン」

 

「それでは、私はこれにて失礼します・・・もうここに居る必要もありませんからね。

これで、あの借りは返しましたわよ、ゼラス」

 

「確かに」

「それではご機嫌よう」

 

 

ゼラスの言葉に満足した表情をした海王ディープシーダルフィンは、忽然と姿を消した。

 

 

「ゼラスさん、借りって云うのは?」

 

 

魔王の腹心がわざわざ動くほどの借り・・・・

それは一体どういったもののなのか?と、興味を持ったリナが、ゼラスに訊ねた。

 

 

「以前、紅茶の葉を譲った・・・・それだけだ」

「は?紅茶?」

 

「私の趣味でな。ダルフィンも最近凝っているらしく、少し前に、私のお気に入りを譲ってほしいと頼まれたのでな。

その交換条件に、私のすることを手伝えと言ったのだ。

最初は渋っていたようだが・・・少し多めに渡したら、快く引き受けてくれた」

 

「そんな事で・・・」

 

 

リナは後頭部にでかい汗を垂らしながら、引きつった笑いをしていた・・・

この一連の荒事を、紅茶の葉を譲ってくれたという借りで動く理念が解らないのだ。

いくら義理堅い人物でも、紅茶の葉程度では命はかけてくれない。絶対に・・・・

 

 

「紅茶の葉で動く魔族って一体・・・・」

「純粋な二番摘み葉セカンド・フラッシュだからな。ゼロスによく買いに行かせるのだが・・・滅多に手に入らないのだ」

「マジで使いっ走りかい、あいつは・・・・・・」

 

 

ちなみに、その紅茶の葉の生産地は、遙か遠方にある地竜王アース・ロードの領地・・・

その中でも最奥・・・はっきり言って、とんでもなく遠い・・・

 

リナの脳裏に、店の行列に並ぶ、ゼロスの姿が思い浮かんだ・・・

 

 

(・・・・・・・・・あまり違和感がないかも・・・基本的に、パシリが似合ってんのよね・・・・)

 

「人の動く理由はそれぞれだからね・・・」

「アキト殿の云うとおりだな」

「そういう問題?って言うか、海王ディープシーにとって、覇王ダイナストは紅茶の葉以下?」

 

「まあ・・・彼女は我ら五人のなかで、もっとも気まぐれがひどいからな。その日の気分次第で対応が変わる。

今回は、紅茶の葉を譲ったせいで、機嫌がよかったから、私に付き合ってくれたにすぎない。

もし、紅茶の葉が無かったら、間違いなく機嫌が悪くなり、覇王ダイナストの手助けをしていただろうな・・・」

 

「それって、腹いせに・・・ってやつ?」

「世界に八つ当たり・・・とも言う」

「ッてことはなに?私達と世界は、紅茶の葉で救われたってわけ?」

「極論を言うと、そうなるのかもな・・・」

 

 

リナはゼラスの言葉に、魔族を人間が理解するのは不可能だわ・・・とか、

やってらんないわね・・・命懸けで闘った私達がバカみたい・・・などと、ぶつくさ呟いていた・・・

 

そんなリナの様子を面白そうにゼラスは笑う。

 

 

「フッ・・・やはり、人間とは面白いな・・・さて・・・」

 

 

ゼラスは真面目な顔に戻ると、少しはなれた位置に立っていたニースに視線を向けた。

かつて、二人が闘ったことのあるという事実に、周囲は少なからず緊張する。

 

 

「挨拶が遅れた。久しいな、『ソード・ダンサー』ニース殿」

 

「ああ、私にとっては数年だが・・・貴公にとっては神魔戦争以来か」

「そうなる。魔族である私にとっても、懐かしいと思えるほどの昔話だ」

「あの時には、この様に貴公と話すことができるようになるとは予想もしなかったがな」

「確かに・・・できれば、システィナ殿とも、一度話をしてみたかったものだ・・・・」

 

 

そう、ゼラスは言うと、ニースの隣にいたメアテナに視線を向ける。

それは、何か懐かしい者でも見ているかのような目だった。

 

 

「よく似ている・・・・彼女の娘・・・か」

「ああ・・・そして、アーウィンの娘でもある」

「そうか・・・・」

 

 

ゼラスは目を細め、ほんの少しだけ微笑むと、アキトに向き直った。

 

 

「私の頼み事を聞いてくれて感謝する。アキト殿」

 

「いえ、気にしないで下さい。いずれにせよ、やらなくてはならないことだったんですから。

それに・・・お礼なら十分にしてもらいました」

 

 

アキトはそう言うと、ルナ達の方を横目でチラッと見た。

ルナ達を手助けしてくれただけで充分・・・・ということなのだ。

その意味を悟ったのか、ゼラスはフッと微笑する。

 

 

「そうか・・・では、私もそろそろおいとましよう。これからのことで、何かと忙しいのでな」

「ええ、お元気で・・・」

「人間に・・・皮肉も無しに言われたのは初めてだな」

 

 

ゼラスは本気で言っているアキトに苦笑する。

世界を滅びに導く存在である魔族・・・そのトップに対して、お元気で・・・という人物はなかなかいないだろう。

 

 

「機会があればまた会おう、新たな時代の担い手達よ・・・・ゼロス、後は任せる」

 

 

先の言葉をアキト達に・・・後の言葉を、寸前に姿を現せたゼロスに言うと、ゼラス・メタリオムは姿を消した・・・・

ゼロスは、姿を消した主に向かって一礼すると、アキト達に向き直った。

 

 

「いやぁ〜、ご苦労様でした。今回はどうなることかと心配しましたよ」

「そんな何を考えているか分からない顔で言われても、まったく説得力がないわよ」

「何を考えて生きているか・・・すぐに分かるような顔は損をしますからね」

「よっぽどひねた生活してるわね、あんた・・・」

「まさかリナさんにそう言われるとは・・・・心外ですね」

「く、この・・・・・・まぁいいわ。相手にするのも疲れるし・・・代わりに、アキト、そいつ締めといて」

「了解」

 

 

瞬時にゼロスの後ろに回り込んだアキトは、頭をガシッと掴む。

まるで、そのまま握りつぶそうか?と、言わんばかりに・・・・

 

 

「・・・・と、言いたいところだけど、これから頑張ってもらわないといけないからね。

そう言うわけでゼロス。全員をゼフィーリアに送ってもらおうか」

 

「ええ、それはもう・・・それで僕の命が助かるのであれば。

きっちりとやりますので、そろそろ頭を放してくれませんか?」

 

「ああ、済まない済まない」

「頭が割れるかと思いました・・・・」

 

 

ゼロスは涙目で頭をさすりながら、大地に杖を突き刺す。

すると、大地に杖を中心とした半径二メートル程度の光円が描かれる。

 

 

「最初から貴方達を送るつもりでしたので、準備はもうできていますよ・・・

それでは、ゼフィーリアに転移しますのでこの円の中に入って下さいね」

 

「はいはい」

「は〜い」

 

 

ゼロスの言葉に、ルナ達は次々に円陣の中に入る。

 

 

「ディアも入る〜」

『僕も〜』

 

「ちょっ!?無茶言わないで下さいよ!」

 

 

ディアとブロスブローディアまで円陣にはいると言いだし、本気で焦るゼロス。

ただでさえ、ルナやニース、メアテナにアキトという力の大きい者を転移させるのに、

この上、大きい荷物まで運びたくはない・・・・というのが本音だろう。

 

 

「貴方達は元の通りに異空間に入ればいいじゃないですか!!

「何よ!ケチ〜!!」

『ケチケチ魔族!』

「ケチじゃありません!」

「ディア、ブロス。からかうのもそこまでにしておくんだ」

「『は〜い』」

 

 

アキトの説得?にあっさりと納得したディアとブロスは、早々に異空間へと機体を収納した。

その様子を見ていたゼロスは、福が逃げ出しそうなほど、陰気な溜息を吐きながら呟いた・・・

 

 

「はぁ〜・・・やはり類は友を呼ぶ・・・ですね。リナさんの友達にはああいう方ばっかりです・・・」

「ん?何か言った?ゼロス」

 

「いいえ、お気になさらずに・・・これ以上疲れたくありませんから・・・・・」

 

 

ものすごく疲れた表情をしたゼロスは、杖の先についている赤い石に触れる。

すると、大地に描かれた円より黒い光が立ち上り、黒い半透明の結界ドームを形成した。

 

 

「準備はいいですか?では・・・・」

「ちょっと待ってくれ」

「どうかなさいましたか?アキトさん」

「エルさんやアリスちゃん達がまだだ、あの四人も一緒に・・・・」

 

「ああ、あの四人ですね。それは大丈夫です。

あの方達はお疲れの様子でしたので、気をきかせて一足先にゼフィーリアに送りましたので」

 

「そうだったのか・・・それならいいんだ。ありがとう、ゼロス」

「ちょっとしたサービスというヤツです。気にしないで下さい」

 

 

アキトの礼に、ゼロスはにこやかな表情で返事をする。

しかし・・・アキトは気がついていない。魔族と人間には根本的に認識の違いがあることに・・・・

 

 

「それでは皆さん、いきますよ」

 

 

大地に突き立っている杖の先にある赤い石が閃光を放つ!

それは時間にしてほんの一瞬・・・リナなどは目の錯覚と思ったほど短い時間。

 

だが、その一瞬で周りの光景は木々が密集している森から、建築物が密集している街へと移り変わっていた。

そして、そこはルナ達には馴染みのある光景であった。

 

そこは・・・・・

 

 

「ここは・・・家の前ね」

「ええ、そうです。街の外にしてもよかったのですが・・・皆さんもお疲れのご様子ですし」

「そうね、気遣い、感謝するわ」

「いえいえ、お気になさらずに・・・・」

 

 

そう言うと、ゼロスは皆から少々歩いて離れた。

 

 

「では、僕はこれで失れ―――――」

 

 

言葉の途中でゼロスの姿がかき消える!

直後、ゼロスのいた空間を虹色に煌めく何かが通り過ぎた!!

 

アキトやルナ、ニースの三人はそれが魔力光を纏った無数の鋼糸だと看破する!

 

 

「おやおや、危ないですねぇ」

 

 

空間転移によって避けたゼロスは、インバース家の屋根の上に姿を現した。

それと同時に、何処いずこからか放たれた光弾が、ゼロスめがけて一直線に飛翔する!!

 

弾道はゼロスから見て右側から・・・そして、左側からは、虹色に輝く無数の鋼糸が襲いかかってくる!!

 

 

「よっと・・・・」

 

 

ゼロスは光り輝く鋼糸の群を、左手に持った杖を一回転させ、絡ませて受け止める!

対する右からの攻撃は、人差し指と中指で挟んで止めた・・・いとも無造作に・・・

 

下級魔族・・・否、中級魔族とて、まともに喰らえば洒落にならない攻撃を・・・・である。

 

 

「お二方ともお疲れでしょうに。無理はよくありませんよ」

 

 

ゼロスは左右にいる攻撃を仕掛けてきた人物・・・鋼糸使いアリス魔導士エルネシアを横目で見る。

アキト達は、何が何やらさっぱりと分からない・・・という表情で、アリスとエルネシアを見た。

 

二人とも、怒気を込めた視線でゼロスを睨んでいる。

 

 

(これはまた・・・随分と嫌われたものですね・・・・)

 

 

困り果てた表情で頭を掻くゼロス・・・

この二人が全力で襲いかかったとしても、楽に倒せる自信はある・・・のだが、

それをやると、ルナやアキトといった超人的な実力者敵に回したくない者の印象が悪くなる事は確実。

 

それは、ゼロスにとって・・・いや、仕える主、獣王グレーター・ビーストにとって好ましくない事態となる。

 

(どうしましょうかね・・・・)

 

本格的に困ったゼロスは、何とかしてもらおうとルナ達・・・特に、アキトを見た。

その視線に気がついたアキトは、軽く嘆息すると、エルネシアとアリスに声をかけた。

 

 

「二人とも、そこまで。一体どうしたんだい?いきなりゼロスを襲うなんて・・・」

「聞いてよアキト!こいつ、みんなの所へ行こうとしたアタイ達を、いきなり跳ばしたんだよ!!」

 

「そうです。いきなり現れたと思ったら『はいご苦労様。お帰りはこちらです』などといって・・・

アキト様達を心配していた私達を・・・・・ひどいとは思いませんか?」

 

 

女性陣二人の言葉に、アキトは呆れ果て・・・ゼロスを半眼で睨んだ。

 

 

「ゼロス・・・何の説明も無しに転移させたのか?」

「ええ、何か問題でも?」

「大有りです!一刻も早く安否を確かめたいのに・・・・」

「別に良いじゃありませんか。会うのが後か先かの違いだけなんですから」

「そういうのを無神経っていうんだよ」

 

 

アリスはそう言うと、空いていた右手に短剣ダガーを持ち、逆手に構える。

そして身を低く屈め、飛び掛かる!!寸前でアキトの声がかかった。

 

 

「はい、そこまで。心配してくれたのは嬉しいけど、二人ともやりすぎ」

「でも・・・・」
「しかし・・・・」

「ゼロスにも都合があるんだろうし。それに、十分に理解したと思うし・・・だろ?」

「ええ、理解しましたとも。今後の参考にさせていただきます」

 

「と、本人も言ってるし。今後、同じ様なことがあったらさ、ルナさんに頼んで上司グレーター・ビーストに言ってもらえば良いさ。

俺が受けた印象では、極力何とかしてくれるような気がしたしね」

 

「そ、それは・・・正直、勘弁してほしいですね・・・・」

 

 

何か嫌な思い出でもあるのか、なぜか脂汗を大量に流しながら引きつった笑いをするゼロス・・・

そんなゼロスに、アリスとエルネシアはとりあえず・・・・・怒りを収め、屋根の上から降り立った。

 

 

「で、では・・・僕はこれで失礼します。皆さんお元気で」

「はい、ご苦労さん」

 

 

これ以上、この場に留まると厄介なことになりかねないと判断したのか、ゼロスはそそくさと姿を消す。

 

 

「ま、ゼロスのことは後で対処するという方向で・・・

さぁ、今日はもう、ゆっくりとしましょうか・・・久々の我が家だし、遠慮無く寝られるわ」

 

「この家を離れて二週間程度でしたけど・・・結構、長い間のような気もしますね」

「んな事よりさ・・・早く家に入んない?私お腹が減ったんだけど・・・」

 

 

やっと帰ってきた・・・という感じで家を見ていたルナとアキトに、

お腹を抱えたリナは、心底疲れきったような声を出している・・・・

 

時間的には昼と夕の中頃・・・つまり、アキト達は昼食を抜かしているというわけだから、

お腹が空いても当たり前・・・戦闘後ならば、尚更というわけだ。

 

 

「だったら、一回お風呂にでも入って、それからリア・ランサーにでも行って食事にしましょうか」

「それ賛成!」

「腹減ったからな!思いっきり食うぞ!!」

「そうと決まったら、汗を流していざ戦場へ!!」

「そこから帰ってきたばかりだって〜の」

 

 

リア・ランサーでの食事と聞き、元気を取り戻し、漫才を始めるリナとガウリイ・・・

そんな二人にルナ達は苦笑しながら、家の扉を開ける。

 

そこには・・・・・

 

 

『お帰りなさい!!』

 

 

レナとロウファインバース夫婦にアナスタシアとアルテイシア、店長にシンヤ、ガイウスにレニス。

他にも、サキやアルナック、ライルといった、関係者達が所狭しとアキト達を歓迎した。

 

その面子に心底驚いたアキト達だったが・・・・

 

 

『ただいま!!』

 

 

と、大きな声で返事をした・・・・満面の笑みと共に!

 

 

 

 

 

(最終話に続く・・・・)

 

 

 

 

―――――あとがき―――――

 

 

どうも、ケインです。

今回で、話の大筋は終わりました。後は、別れだけです。

おそらく、次回・・・つまり、最終回は皆との別れだけでまるまる一話になりそうです。

結構長く住んでいましたからね・・・その分、別れづらいものもあるのでしょう。

 

さて・・・前回、話にでていた海王ディープ・シーの事ですけど・・・この様な結果になりました。

本当に、その時の気分次第なんですよ。あの方は・・・(この『赤き力』の設定ですけど・・・)

その上、結構面倒くさがりで、何事もさっさと済ませようと考えます。

 

スレイヤーズ本編でも、ミルガズィアやメンフィスを始末しようとしたのも、

リナ達をルークの元に送るのを邪魔しそうだし、あしらうのも面倒くさい・・・なら、始末した方が手間がない。

という、なんとも殺伐とした面倒くさがりの短絡思考ゆえです。

 

ちなみに・・・ゼラスの紅茶趣味云々ですけど・・・アレも思いっきりオリジナル設定です。

本当にそうなのか?というつっこみは勘弁して下さい・・・

 

 

それでは最後に・・・K・Oさん、15さん、K−DAIさん、Hayasiさん、oonoさん、pedoroさん、

            TAGUROさん、tomohiroさん、サテライトさん、ナイツさん、ホワイトさん、Tさん、

            やんやんさん、逢川さん、時の番人さん、大谷さん、ノバさん、零さん、GPO3さん、黙さん。

 

感想、誠にありがとうございます・・・

 

それでは・・・次回、最終回『別れ・・・』(仮)で会いましょう。

 

 

代理人の感想

気が抜けるというか、ほのぼのしてますねぇ・・・・・。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、ゼロスは結局パシリが良く似合う。

って事でファイナルアンサー?(爆)