悠久を奏でる地にて・・・

 

 

 

 

 

第20話『逃亡者と追跡者・・・ある男の場合』

 

 

 

 

 

 

逃亡する者と、それを追跡する者・・・その関係や立場などから、そのパターンは多種多様に広がる。

 

しかし、唯一共通しているのは、

『逃亡者』が必死になれば、必然的に、『追跡者』も必死にならざるをえない・・・という事だろう。

 

今回の話は、とある事情によって逃亡者となってしまった、ある男の一日である・・・

 

 

 

―――――十月二日―――――

 

 

 

昼食後、間もない時間・・・

アキトは、ジョート・ショップの店内にある椅子に座りながら、

窓から差し込む昼下がりの暖かい陽差しを一身に浴び、浅い眠りについていた・・・

 

 

「・・・・・・・・・」

「ク〜・・・ス〜・・・」

 

 

店内に、二種類の息づかいが響く・・・

一つはもちろんアキト・・・もう一つは、アキトの膝の上で寝ている、テディのものだった。

 

アキトのいる位置が、店の中で一番日当たりが良い所だったため、テディが乗っかってきたのだ。

無論、アキトは知っているのだが・・・別に問題はないと判断し、そのままにしていた。

 

そんなある時・・・アキトはすごい速さでこちらに来る知り合いの氣を感じ、意識を覚醒させた。

 

 

「う〜ん・・・・・・どうしたッスか〜?」

 

 

アキトが目を覚ました事を敏感に感じたのだろう。テディが寝ぼけ半分で問いかけてくる・・・

 

―――――その次の瞬間!!

 

 

バンッ!!

 

 

店が壊れるのではないかと思われるほど扉が荒々しく開かれ、一人の男性が飛び込んできた!

 

 

「助けてくれ、アキト!」

 

 

銀髪の青年・・・アレフは、ひどく慌てた・・・というか、必死の形相でアキトに頼み込む。

もう後がない、お前だけが頼りなんだ!と言わんばかりに。

 

 

「まあ落ち着け、アレフ。とりあえず、事情を話してみろ」

「そんな暇はねぇんだよ!早くしないと・・・」

 

「何処行った!アレフ!!」

「アレフさん!でてきなさい!!」

 

 

まるでアレフの言葉を遮るように、店の外から、二人の女性の大きな声が響いてきた。

何やら荒々しい、誰が聞いても『あれは怒っているな』という感想が返ってきそうな声音だった。

 

聞こえたのは二人分の声だが、アキトが感じた氣から、

その二人以外にも、まだ五名ほどいた。おそらく、全員とも女性・・・

女性と判断したのは、『氣』云々ではなく、アレフの私生活からの予測なのだが・・・大当たりである。

 

 

「おい、アレフ。一体何が・・・」

「しーっ!しーっ!!」

 

 

どうなっているのか?と、言葉を続けようとしたアキトを、

アレフは人差し指を口に当て、『黙って静かにしてくれ!』と、ジェスチャーする。

 

 

「どこ行ったー!!出てこないと勘弁しないよ!!」

「アレフさーん!今なら三割り増しで勘弁して上げますよー!!」

 

 

気になったアキトは、気配をそれなりに消しつつ、窓に近づいて外の様子を窺った。

すると、そこには十名ほどの女性が、ジョートショップの前の通りを、何かを探すように走り回っていた。

 

 

「おいアレフ。一体何をした・・・」

 

 

再度、問いかけようとアキトは振り返ると、そこにはすでにアレフは居らず、

見えたのは二階への階段を駆け上がる後ろ姿のみだった・・・

 

その直後・・・

 

 

コンコンコン・・・

 

 

「申し訳ありません」

 

 

ノックと共に開いたドアから、二十歳ぐらいの女性が、ジョートショップに入ってきた。

アレフが二階へと逃げたのは、コレを察してのことだろう・・・大した勘である。

 

アキトはこの女性の来訪理由をなんとなく察しながらも、素知らぬ顔で応対する。

 

 

「いらっしゃいませ。お仕事の依頼ですか?」

「いえ、そういうわけではないんですけど・・・こちらに、アレフさんは来ませんでしたか?」

「アレフですか?今日は見ていませんけど・・・」

「そうですか・・・すみませんでした」

 

 

女性は真偽を確かめるように、アキトの顔を見た後、一礼してジョートショップから出ていった。

 

 

「どうだった?」

「いないって・・・こっちに来たはずなんだけど・・・」

「もしかして、そのまま通り過ぎたんじゃない?」

「そうかも・・・もう少し先まで行ってみましょうか」

 

 

その言葉を最後に、女性達は来た方向とは逆の方向へと走っていった・・・

 

 

「なんだったんッスかねぇ・・・アキトさん、どうかしたッスか?顔が青いッスよ?」

 

「・・・い、いや、なんでもない・・・

(あの目、そしてあの隠された気迫・・・お仕置きされるときのルリちゃん達に似ている・・・と言うか、そのものだ)」

 

 

女性の恐ろしい目つきに、過去の出来事同盟のお仕置きを連想させられたアキトは、青ざめ、 背中に大量の脂汗を流していた・・・

 

 

「一体何をやった、アレフ・・・あれはただごとじゃないぞ」

 

 

 

アキトは階段の方を振り向き、今しがた降りてきたアレフに問いかける。

アレフはというと・・・少々ばつの悪い顔をして、無意味に頭を掻いていた・・・

 

 

「じつはな、今日は昼からエリザベスとのデートだったんだが・・・見事にブッキングしてな・・・」

「はぁ〜・・・アレフらしいと言えばらしいが・・・素直に謝れよ」

 

「それができれば逃げまわらねぇよ・・・エリザベスはな、嫉妬深いんだよ・・・

しかも、ブッキングした相手の一人が、彼女のライバルのレイナなんだ・・・」

 

「レイナ、ねぇ・・・スパナを持って追いかけてきそうだな・・・」

「??・・・・なんのことだ?」

「いや、気にするな・・・それで?」

「あ、ああ・・・あの二人、普段から犬猿の仲だからな・・・ブッキングされたと知って、怒ってるんだよ・・・」

「ちなみに、どれくらい仲が悪いんだ?」

「マリアとエルの七割くらいかな?」

「微妙だな・・・魔法が炸裂しないだけ、そっちの方が安全かもな・・・」

 

 

やれやれ・・・と言わんばかりに溜息を吐・・・こうとして、ハッとアキトは何かに気がついたように顔を上げた。

 

 

「今・・・ブッキングした相手の一人・・・って、言わなかったか?」

「あ?ああ・・・言ったけど?」

「七人とも、デートがブッキングしたのか?」

「ハッハッハッハ・・・先週の事件雷竜との戦闘で疲れてて惚けてたんだろうな、見事にかさなっブッキングしちまったんだよ」

「あのなぁ・・・今週、アレフ達を休みにしたのは、疲れをとってもらいたいためなんだけどな・・・」

「だから、そのせっかくの休みを有意義に使おうと・・・」

「使おうとして、その結果がこれか・・・情けない・・・」

 

 

とは言うものの、元の世界にいた頃のアキトを知る人物がこの場にいれば、

『彼女達から逃げ回っているお前に、それを言う資格があるのか!?』とつっこんでくることは間違いないだろう。

 

 

 

「なぁ〜頼むよ、助けてくれ、アキト!」

「・・・・・・とは言ってもなぁ」

「このまま捕まったら、俺は彼女達からお仕置きを受けかねないんだ!」

 

 

アレフのある一言に、アキトは露骨なまでに身体をビクッ!とさせ、

尋ねてきた女性の目つきを思い出し・・・冷や汗を流し始める・・・

 

丁度その時・・・またもや、外から女性の声が響いてきた。

 

 

「やはりここが一番怪しいね・・・」

「そうですわね・・・この辺りで、目撃されたのが最後・・・となれば・・・」

 

「うわっ!来たぁ!!頼む、アキ・・・ト?」

「何をしている、アレフ!早く逃げるぞ!!」

 

 

開いている窓の縁に足をかけ、今にも飛び出そうとしているアキトの姿に、アレフは目を点にする・・・

動きの止まったアレフに、アキトは小さな声で叱咤する!!

 

 

「捕まっても良いのか!?逃げるんじゃなかったのか!アレフ!!」

「ハッ!そうだった!早く逃げよう!」

「じゃあ行くぞ。テディ、留守番の方は宜しく頼む!」

 

「え〜っ!僕一人じゃ無理ッスよ〜!!」

 

 

テディは慌てるものの、アキト達はその言葉半ばで、すでに外に向かって跳びだしていた・・・

 

 

 

 

とりあえず、さくら亭の方面に向かって走る二人・・・

 

アキトは走りながら、やや後方にいるアレフに向かって話しかける。

 

 

「アレフ、これからいくつかのことを教える・・・しっかりと憶えておくんだ」

「お、おお・・・」

 

 

アキトの至極真面目な顔に、アレフは少しばかり気圧されながら、返事をする。

 

ちなみに、二人はかなりのスピードで走っているまま会話をしている。

二人は平然としているが、本当なら息が乱れて苦しくなっているのだが・・・コツでもあるのだろうか?

 

 

「まず、逃げるときの基本・・・追いかける立場になって考えること・・・わかるか?」

「ああ、なんとなく・・・」

 

「なんとなくじゃダメだ。まず、これを理解しないとな。

さっき、女性達がジョート・ショップが怪しいとにらんだのはなぜだ?」

 

「それは・・・あれがあそこで働いているし、アキトとも仲が良かったから・・・そうか!」

「そう、彼女達は、逃げるアレフが俺に頼るのではないか?と、推測しかたら怪しんだんだ」

「あっちゃー・・・参ったな。俺の行動は読まれてるのかよ・・・さすが、俺の彼女達」

 

「そんな事言っている場合か?しかも、達って言っている時点で、世の中の男性に刺されるぞ?」

「・・・アキトよ、お前にだけは言われたくないと感じるのは、俺だけじゃないと思うぞ?」

「なんでだよ・・・(アレフがルリちゃん達のことを知っているはずないし・・・)」

「シーラだろ、クレアちゃんだろ、パティだろ、マリアだろ、トリーシャだろ、後、シェリルもか?他にも・・・」

「あのなぁ・・・それは大きな誤解だと思うぞ?彼女達は別に・・・まあ良い」

 

 

これ以上の口論は無意味だと感じたアキトは、途中で言葉をうち切った。

 

 

「少しは気づけよ・・・それより、一体何処に逃げる気なんだ?」

「あ〜・・・とりあえず、セオリー通りにさくら亭だな」

「おい、たった今、俺のパターンは読まれている、みたいなこと言わなかったか?」

「言った。だから、それを逆手に取る」

「どう言うことだ?」

「話は中でする。店の前で突っ立っていても、虚しいだけだろう?」

「同感。んじゃ入るか・・・」

 

 

二人はさくら亭にはいると、少々奥のテーブルについた。

そこは窓際で、窓の外は表通りではなく、脇道に接していた。

 

無論、その理由は、いざとなったら窓から脱出するためだ。

 

 

「はい、コーヒー二人前」

「サンキュー、パティ。これ代金ね」

「会計は後でしょうに・・・一体、どういう風の吹き回しよ」

「いや、なに・・・ちょっとした事情ってヤツさ。な、アキト」

「まあ、そういうこと・・・といっても、アレフの事情なんだけどね」

「そ・・・なら、ろくな事じゃないわね」

「そういう事言うか?」

「じゃあ、真面目なことなの?」

「・・・・・・さて、アキト。これからどうする?」

 

 

パティの言葉にぐぅの音もでなかったアレフは、白々しいまでに話の方向を変えようとする・・・

パティは呆れた目でアレフを見ながら、さらに何か言おうとしたが、別の客に呼ばれ、その場から離れた。

 

そんな様子を、楽しそうに見ていたアキトは、少々真面目な顔をして、アレフに向き直った。

 

 

「さて、アレフ・・・俺から、いくつか言っておきたいことがある」

「な、なんだよ、改まって・・・説教なら」

「説教なんかじゃないさ・・・(そもそも、俺は説教できる立場じゃないしな)」

 

 

後半の部分は、心の内だけで呟いたのだが・・・なんとも、自分の立場をわきまえている台詞だろう。

鈍いのは相変わらずだが、ルリ達との関係に関しては、そこそこの理解を示しているらしい。

 

というか、あれだけ積極的に迫っているのに、まったく気がつかないのであれば、

人間的に問題があるし、なにより、努力しているルリ達が可哀想すぎるのだが・・・

 

 

「とりあえず、訊いておくが・・・一体どれくらいの期間、逃げていたいんだ?」

「え?」

「え?じゃないだろ?どれくらいの期間、彼女達から逃げるのかで逃走ルートが変わるんだからな」

 

「あ〜っと・・・そうだな、とりあえず、今日一日逃げておいて、明日、一人一人に説得して回るか・・・

彼女達は、集団だからいきり立ってるけど、個別になると、それなりに冷静になるだろうし」

 

「なるほどな・・・(その手があったか、逃げ回るだけじゃなく、一人一人に説得か・・・良い案だ)」

 

「どうかしたのか?アキト」

「いや、なんでもない・・・感心していただけだ」

「は?ますますわかんねぇぞ?」

「気にするな・・・それじゃあ、逃げる期間は、今日一日という方向で考えようか」

「そうだな」

「まず・・・逃げるときの注意を話しておこうか。知っておいて、不便じゃないしな」

「ああ、頼む」

「とりあえず・・・注意事項は・・・・」

 

 

それから十数分・・・アキトは、逃げるときの注意事項を、アレフに淡々と語った。

 

一つ、逃げるときには相手の立場になって考えること・・・

一つ、建物の中に逃げた場合、上に逃げることは極力避けること・・・脱出方法が限られるから。

一つ、どのような場合でも、最低三つは・・・できれば、数多くの逃げ道を用意しておくこと・・・

一つ、逃げる先々で、できるだけ痕跡を残さないこと・・・特に、手がかりとなるようなモノは厳禁。などなど・・・

そして最後に・・・追いかけてくる女性を、甘く見ないこと。

 

特に最後の事柄に関して、アキトは長々と・・・そして切実に語った。

 

 

「わかったか?」

「ああ、とりあえずはな・・・いきなり多くは理解できないけど・・・」

「理解しておかないと、大変だぞ?まあ、アレフが困るだけだから、かまわないが・・・」

 

「おいおい・・・まあ、それはおいておいて・・・

なんか、今の説明に・・・最後の注意事項が、いやに切実に感じたのは気のせいか?」

 

「気のせいさ・・・気のせいに決まっている・・・」

 

 

まだ昼下がりになったばかりだというのに、アキトは黄昏時の雰囲気を身に纏いながら、

すっかり冷めてしまったコーヒーを飲んでいた・・・視線を宙に漂わせながら・・・

 

 

「わかったから、黄昏るなよ・・・で?これからどうするんだ?」

「う〜ん・・・今日一日だけ逃げるのであれば・・・北の森の奥か、西の山岳地帯にでも隠れるか」

 

「おいおい、どっちもモンスターがいるんだぞ?剣は折れて壊れたしよ・・・

もしモンスターが出たら、丸腰の俺はどう対処したらいいんだよ」

 

「丸腰でモンスターとり合うのと、、暴徒と化した彼女達・・・相手にするならどっちだ?」

「そりゃお前・・・死なないだけ、彼女達の方がましだろうが」

 

「そうか・・・フッ」

「なんだよ、その『お前は幸せでよかったな』的な笑いは・・・」

「お前は幸せでよかったな、アレフ・・・」

「口に出して言うし・・・ならお前は、怒っている彼女達と凶暴なモンスター、どっちを選ぶんだよ」

「考えるまでもないな。凶暴なモンスターだ」

「速攻で答えやがったよ・・・って言うか、俺は、お前にそこまで言わせる彼女達に、興味がでてきたな」

 

「アレフ・・・」

「な、なんだよ、いきなり真面目な顔をして・・・」

「世の中にはな、知らない方が幸せだって事が、色々とあるんだ・・・」

「・・・・・・」

 

 

その迫力に、アレフはそれ以上、アキトの言っている『彼女達』の事は追求できなかった・・・

女性を数多く付き合っているアレフの経験が、教えているのかもしれない。その事には触れるな・・・と。

 

事実、彼女達のことを知る者達は、口をそろえてこう言うだろう。

『君は間違っていない。彼女達に手を出すなど、無謀でしかない・・・』と・・・

 

 

「まあ、その事は忘却しておくとして・・・時間切れタイム・オーバーだ。逃げるぞ、アレフ」

「あ?な、ちょっと待てよ!」

 

 

素早く窓から外に出るアキトに驚きながらも、アレフはすぐさま、同じく脱出した。

そして、北に向かって走るアキトを追いかけようとした直後、さくら亭の中から声が響いてきた。

 

 

「アレフさん!居るのはわかっています!早く出てきなさい!」

「今なら、六割り増しで勘弁してあげます!!」

 

 

アレフはその声を聞くや否や、猛然とダッシュし、先に走って行っていたアキトに追いついた・・・

凄まじいスタートダッシュ・・・間違いなく、普段以上に実力を引き出している。

 

ここにも、女性から逃げるためには、自分の限界を越える男が居たようだ・・・

 

 

「アキト!今度は一体何処に行くんだ!?」

「マリアちゃんの家」

「マリアって・・・ショート家の屋敷か!?入れるわけねぇだろ!あそこは・・・」

「大丈夫、大丈夫。何とかなるって」

「なんでそんなに気楽なんだよ・・・」

 

 

アレフの心配はもっとも・・・

 

マリアの祖父、モーリスは、ショート財団の会長・・・その立場ゆえ、屋敷の防犯は半端ではない。

エンフィールドで、一、二を争うほど、警戒厳重な場所・・・

どのような客であろうとも、厳重なチェックを受けない限り、門すら通り抜けることはできない・・・

 

その様な場所に、いきなり一般人が尋ねてきても、そうそう入らせてくれるとは思えない・・・

それは、マリアの友達である、アキトやアレフとて同じ事・・・

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・そのはずなのだが・・・

 

 

 

 

 

 

「なんでお前は顔パスで入れるんだよ・・・」

 

 

ショート家に仕えるメイドの一人に、マリアのいる部屋に案内されながら、

アレフは隣で歩いているアキトに小さな声で話しかける。

アキトは、困ったように頭を掻くと・・・

 

 

「いや、実は以前、マリアちゃんに依頼された品を持ってきた時、ちょっとね・・・」

「何があったんだ?」

「ああ、それは・・・」

 

 

その時の出来事を思いだしたアキトは、苦笑しながら話しだした・・・

 

ある日、マリアが魔法薬を作っているときに、必要な材料の一つである花が足りないことに気がついた。

しかし、夜鳴鳥雑貨店に買いに行ったところ、かなり特殊な種類であるため、品切れ・・・

その花が雷鳴山の奥で咲いていることを知ったマリアは、アキトに依頼として『花の採取』を頼んだのだ。

そして、アキトは半日足らずで花を採取し、渡すためにマリアの屋敷に向かった。

 

そこまではよかった・・・

その後、屋敷に向かい、門番にマリアを呼びだしてもらおうとした際、

偶然、モーリスがアキトを見てしまったのだ・・・花束を持っている、アキトの姿を・・・

 

マリアに交際を申し込みに来た不埒な輩と勘違いしたモーリスは、

警備員にアキトを追い出すように命令した。結果はもちろん、警備員の惨敗・・・

それにムキになったモーリスは、屋敷中の警備員や用心棒を総動員し、アキトに向かわせた。

・・・・・・が、やっぱり、結果はアキトの圧勝。

 

そして、アキトは遠巻きに見ていたメイドの一人に、花をマリアに届けるようにと頼み、会うことなく帰っていった。

 

後日、その事実を聞いたマリアは、勝手なことをした父に怒り、数時間ほど無視した。

それに慌てたモーリスは、マリアに嫌われたくない為、アキトに謝罪し、いろいろと便宜をはかったのだ。

その一つが、アキトの屋敷の自由立ち入りだったというわけだ。

ちなみに、それはマリアのアキトへの気持ちを知ったモーリスの思いやりなのだが・・・

 

 

「そんな事があったのかよ・・・」

「いきなり、黒い服を来た大男達が襲いかかってきた時にはビックリしたけどな・・・」

「全員を返り討ちにした奴がいうか?」

 

 

アレフは呆れながら溜息を吐いた。

それと同時に、二人の前を歩いていたメイドが、一つの扉の前で立ち止まった。

 

 

「こちらにマリアお嬢様がいらっしゃいます」

「はい、ありがとうございます」

「サンキュー、今度、お礼に一緒にお茶でも・・・」

「私は仕事がありますので・・・」

 

 

いきなりのアレフのナンパにも、眉一つ動かすことなく、平然と受け流すメイド・・・

そんなプロ意識を感じさせるメイドの態度に、アレフはがっくりした様子で部屋の中に入っていった。

 

そこは、マリアのために拵えられた、魔法研究室の類なのだろう。

魔術の実験に使う器具やら、魔導書などが並べられていた。

 

 

「いらっしゃい、アキト!・・・・・・なんだ、アレフもいたの?」

「すまないな、アキト一人じゃなくて」

「べ、別にマリアは・・・それよりも、なんの用事?」

「ああ、マリアちゃんに、ちょっと頼み事があってね」

「マリアに頼み事?」

「アレフを匿ってほしいんだ」

「なになに?アレフってば、また何かやったの?」

 

 

好奇心丸出しで尋ねるマリアに、アレフは露骨にいやそうな顔をする。

 

 

「またってのはなんだよ、またってのは・・・俺はマリアほど、問題起こしてねぇぞ」

「なによ〜、マリアはそんなに問題なんかおこしてないもん!」

「ああ?そんな事言うか?十日前、魔法を失敗してさくら亭の前の路面を凍らせて、パティに怒られてただろうが」

「そ、そんな事もあったかな〜・・・」

「なんならもっと言ってやろうか?この手の話には事欠かないからな・・・」

 

「はい、そこまで・・・アレフ、お前、匿ってもらいに来ているのに、そんな事して良いのか?

ここから追い出されて、女性達に見つかっても、俺は知らないぞ・・・」

 

「そうだったそうだった・・・すまないマリア、少しの間だけ匿ってくれ!」

「頼むよ、マリアちゃん」

「ふ〜ん・・・アキトの頼みだから、別に良いけど」

「助かる!」

 

 

アレフは、やっと安住の地を見つけたと言わんばかりに、安堵のため息を長々と吐いた・・・

アキトの助力を得ていたとはいえ、かなり緊張していたのだろう。

 

 

「それじゃあ俺は・・・マリアちゃん、悪いけど、銀髪のかつらとか無い?」

「かつら?・・・確か、衣装室にあったような気がするけど・・・」

「ちょっと貸してくれないかな?」

「うん、ちょっと待ってて」

 

 

マリアはそう言うと、部屋の外に控えていたメイドを引き連れて、何処かに歩いていった。

おそらくは、衣装部屋か何かの部屋に向かったのだろう。

 

 

「おい、アキト。かつらなんかどうするつもりなんだ?」

 

「あまり長い間、店を空けるわけにはいかないから、俺はこれで帰る・・・

そのついでに、俺はアレフの格好でもして、あの女性達を少しでも攪乱しておくんだよ」

 

「どうしてそんな事を・・・んな事しなくても、ここに隠れてたらいいだけじゃねぇのか?」

 

「アレフの姿が見えなくなったら、彼女達は、交友関係のある家から虱潰しに探して来る・・・

そうなれば、お前がここにいると知られるのも、時間の問題だ。

だから、そうなる前に、俺が囮となって街の中を逃げ回っていると錯覚させるんだ」

 

「おいおい、ここはショート家なんだぜ?いくら彼女達でも、押し入ってくるとは・・・」

 

「甘い!甘すぎるぞアレフ!嫉妬に狂った女性達を軽く見すぎだ!

ああなった女性達は、下手な軍隊よりも質が悪い!!

たとえ、足跡一つでもあれば、逃げた方向を割り出してくる!

そして、相手を追い詰めたとき、彼女達は手段を選ばない・・・屋敷を破壊してでも、押し入って来るぞ!!」

 

 

アキトのなんとも言えない迫力に、完全に気圧されるアレフ・・・

追いかけてくるのはアレフの彼女達であって、決してルリ達ではないのだが・・・

 

 

「そう言うわけだから、服を取り替えるぞ。この格好でカツラをつけても、囮にはならないからな」

「そうだな・・・わかった」

 

 

数分後・・・アキト達が服を交換し、着替え終えるのと同時に、

銀色のカツラを持ったマリアが部屋に戻り、二人の服装を見て、驚きに目を見開いた。

 

 

「アキトとアレフ・・・どうしたの?服なんか交換して・・・」

「アレフの身代わりを俺がやることになってね・・・似合わない?」

「ううん、すっごい似合ってるよ!」

「そう?ありがとう、マリアちゃん」

「俺はどうだ?」

「・・・・・・ちょっと地味」

「そうかい・・・ま、この服じゃ仕方ねぇか」

 

 

アレフは自分が着ている服を見ながら、軽く肩をすくめた。

アキトの着ていた服は、一般にありふれた、かなり・・・いや、ものすごく地味な服。

それに対し、アレフの服は、最新の流行に合わせてコーディネイトした、カジュアルな服。

 

マリアの言っていることも、もっとも・・・なのだが、なぜか私的な意見が入っているような気がする。

 

 

「マリアちゃん、そのカツラちょっと借りるよ・・・どうかな?遠くからなら、アレフに見えるかな?」

「見えるんじゃない?近寄ったらばれるかもしれないけど・・・」

「確かに・・・でも、後ろ姿なら、そうそうばれることはないな」

 

「それで充分。一時間ほど囮をしてから、店に戻る事にするよ。

アレフ、今日一日はこれで何とかなると思うけど・・・後は自分で何とかしろよ」

 

「わかった。とりあえず、夕方まで匿ってもらって、後は彼女達を個別に説得するさ」

「そうか、頑張れよ。マリアちゃん、アレフの事、頼んだからね」

「うん、マリアにまかせて!」

「頼むよ。それじゃあ・・・」

 

 

アキトはそう言うと、マリア達と別れ、再びメイドに案内されて屋敷から出た。

 

(さて・・・囮をするからには、まず彼女達に見つからないと・・・とは言っても、

アレフの彼女達に追いかけ回されなければならないのか、気が重いな・・・)

 

アキトは周りを見回して、彼女達がいないことを確認した後、通りを西に向かって歩き始めた。

そして、百メートルほど進んだ所で、急に立ち止まった。

 

 

(背筋が凍るような気配が近づいて来る・・・間違いない、彼女達だ!)

 

その気配は、過去、怒っているルリ達から感じたモノに酷似している。

別に、アキト本人に向けられているわけではないのだが、良い気分ではない・・・

 

(落ち着け、俺の身体・・・逃げるのはまだ早い・・・)

 

アキトは、すぐさま走って逃げ出そうとする身体を、意志の力で抑え込む。

すでに、彼女達のような気配を感じると、条件反射で逃げてしまう身体になっているらしい・・・

 

 

「みんな、居たわ!」

「アレフさん、見つけましたよ!!」

「さんざん逃げ回って・・・もう逃がしません!!」

 

 

後ろから近づいて来たのが幸いしたのだろう。

彼女達は、誰一人として、その男がアレフではなく、アキトであることに気がついた様子はなかった。

 

(よし、全員いる・・・大体、三、四十メートルぐらいの間隔を空けて逃げないとな・・・)

 

 

囮をするにも様々な方法があるが、そのどれも、人が考えているよりもかなり難しいものがある。

 

例えば、囮は対象に追いかけられるように、その存在をはかとなくアピールしなければならない。

目撃者を作っておくことや、遠くから姿を見せる・・・という方法。

しかし、その方法があからさまに感じられた場合、囮ということがばれる可能性もある。

 

まあ、ばれた場合にも、打つ手は色々とあったりする。

たとえば、わざと相手に捕まり、別の情報を喋ったりして攪乱させるという方法なのだが・・・

 

・・・今のアキトには却下である。

あのような状態になった女性に捕まる勇気を、アキトは欠片も持ち合わせてはいない。

 

 

(このまま街を大回りで一周して、人混みが多い通りストリートで撒いてからジョートショップに帰るか・・・

しかし・・・なんなんだろうな、この感覚・・・懐かしいというか・・・しっくりくるというか・・・

やっと自分本来の生活に戻ったような、奇妙な感覚だ・・・)

 

 

女性から逃げるという行動に、妙な懐かしさを感じるアキト・・・

それほどまでに、ルリ達同盟から逃げる事が、日常生活の一つになっていたのだろうか?

 

 

(・・・・・・まあ良いか。考えても仕方がない・・・というか、あまり考えたくないような気もするし)

 

 

とりあえず、その感覚を頭の片隅に追いやると、本格的に囮役に徹し始めるアキト。

ただ走って逃げるだけではなく、ときどき隠れたり、脇道に入って攪乱したりする。

そして、わざと見つかったり、それとなく姿を見せたりして、再び逃走を始める。

 

それを幾度か繰り返した・・・のは良いが、回を重ねる事に、アキトは愕然とした事実に気がついた!

 

(彼女達が、俺を見つける時間が短くなっている!?

慣れてきたのか・・・それとも、この状況下の女性達の執念を甘く見ていたのか・・・

どちらにせよ、今度からアレフが逃げるときに苦労するだけだなんだが・・・許せ)

 

 

アキトはアレフに心の中だけで謝ると、逃走にきりをつけるべく、目指す大通りに急いだ。

これ以上、女性達の経験を積ませるのは得策ではないと判断したのだ。

 

(今の時点でだいぶ距離をあけているから、そうそう追いつかれないだろうが・・・念には念を入れるか)

 

アキトは足を早め、大通りへの近道を通ろうと、陽のあたる丘公園に足を踏み入れ、

 

ズシャァァーー・・・

 

・・・盛大にこけた。

 

 

「アキト、何いきなりけてるんだ?」

 

 

目の前を滑ったアキトを心配して、ベンチに座っていた人物が声をかける。

その返事をする前に、アキトはガバッと立ち上がると、

その人物・・・ここにいるはずのない・・・ここにいてはならない人物の肩を掴む。それも力一杯・・・

 

 

「なんでお前がここにいるんだ?アレフ・・・」

「はははは・・・アキト、本気マジで怖えぇからその目はやめてくれないか?」

「うるさい、いいから俺の質問に答えろ!」

 

 

半ば本気で怒っているアキトの目に、かなりビビったアレフは、引きつった笑いを浮かべる。

 

 

「い、いやな、あの後、俺がマリアと居るところをモーリスさんマリアの父親に見られてな・・・

『マリアにまとわりつく悪い虫は成敗する!!』とか言ってな、すんごい剣幕で追いかけてきてなぁ・・・」

 

 

その時の状況を思い出しているのか、アレフはしみじみとした表情で呟いていた。

アキトも、その状況を容易に想像できたし、似たような目にあったことがあるので、特に何も言わなかった。

 

 

モーリスさんマリアの父親一人だったら良かったんだがな、騒ぎを聞きつけた警備員やら黒服やらが現れてな、

一丸になって追いかけてくるからさぁ大変ってな。屋敷中逃げ回っていたんだが、とうとう追い詰められてな・・・

それで、マリアが俺を空間転移の魔法で逃がしたってわけだ」

 

「そうなのか・・・」

 

 

アキトやアレフは知らないことなのだが、空間転移はかなり高位であり、最高難度に位置する魔術。

当然、魔力はともかく、腕の未熟なマリアに扱える魔法ではない・・・のだが、幸いにして、成功したらしい。

 

もし、失敗すれば、ただの移動魔法となって壁に激突したか、空間の狭間を漂うことになっていたのだが・・・

まぁ、結果オーライ。知らない方が幸せだということもある・・・ということの実例だろう。

 

 

「ところでアキト。お前はなんでこんなところにいるんだ?」

「あのな・・・俺は一体、誰のために何をしているのかを理解して言っているのか?」

「そりゃぁ・・・俺のために、アキトは追いかけてくる女性の囮になってくれて・・・―――――!!」

「ようやく解ったようだな・・・といっても、もう遅いようだが・・・」

 

 

アキトは自分が来た道の方向を指差す。

アレフは、その指された振り向くと、そこには今まさに、女性達の一団が公園に入ってきたところだった!

 

アキトに付き合って、さんざん街中を走っていたためか、激しく息切れをおこしていたが、

その目は逆に爛々としており、危険な猛獣の如き気配を放っていた!

 

 

「しまった!アキト、逃げ・・・って、いない!!」

 

 

アレフが慌てて振り向くと、そこにはすでにアキトの姿はなかった。

いつの間に逃げたのかわからない、見事の撤退ぶりだと褒めるべきだろう。

 

ただし・・・アレフにはそんな事は関係ないが・・・

 

 

「アキトの奴〜!助けるんなら最後まで付き合え!!」

 

「あ、みんな、あそこにいたわよ!!」

「げ、やべっ!!」

「服なんか着替えたくらいで、私達の目は誤魔化せないわよ!」

「おいおい、よく言うぜ・・・って、んな事言ってる場合じゃない、早く逃げないと!」

 

 

アレフは焦ったように、女性達の居る方向とは別の公園の入り口に向かって走り始める!

 

だが、アレフは気がつくべきであった・・・

女性達の中に、居るはずの二人のうち、エリザベスしかいなかったこと・・・

そして、逃げ始めたアレフを女性達が見たとき、ニヤリ、と笑ったことに・・・

 

 

(よし、逃げ切れる!)

 

 

そう、アレフが確信した瞬間、エリザベスは大きな声をあげた!

 

 

「今よ、レイナ!!」

「なっ、なに〜!?」

 

『そ〜れっ!!』

 

「わっ!!なんだこりゃ!!」

 

 

アレフは自分の身に覆い被さり、束縛しようとする何かから逃れようと、必死に足掻く!

だが、その何かはきっちりとアレフを包み込み、まるで袋のような形となった!

 

 

「こりゃ投網じゃねぇか!なんでこんなのもってんだよ!」

「先程、ローズレイクの近くにいた漁師さんが、快く貸してくれたのよ」

「なんだってそんなところに行ったんだ!」

「なんでって・・・アレフさんが街中を逃げ回っていたからでしょうに・・・」

「な・・・それは俺じゃなくて・・・」

 

「問答無用・・・もう逃がさないわよ・・・」

「覚悟はよろしくて?アレフさん・・・」

 

 

エリザベスとレイナが凄惨な笑顔を浮かべながらアレフに迫る。その後ろに続く者達も同様に・・・

 

それを見たアレフは、なんとか逃げるタイミングを作ろうと思案する・・・

 

 

(そ、そうだ!エリザベスとレイナを喧嘩させて、その隙に脱出、逃走だ!これしかない!!)

「な、なぁ、エリザベス、レイナ・・・二人とも、仲良くなったなぁ・・・

俺を追いかけている時といい、さっきの連携といい・・・ライバルはやめたのか?」

 

「いいえ・・・ですが、今は一時停戦です」

「そう・・・あなたを一度、きっちりと懲らしめるまではね!」

 

 

さらにすごみを増してゆく笑顔に、アレフは完全に自分の策が失敗したのを感じた。

 

 

「す、素敵な淑女レディが、そんな顔はするもんじゃない・・・と、僕は思ったりなんかして・・・」

 

 

女性達の恐ろしいまでの視線に、一人称まで変えるほど怯えるアレフ・・・

そんな様子に、女性達はあざやかなまでに綺麗な笑顔を見せる。

 

 

「では、アレフさんをお仕置きして、スッキリするとしましょうか・・・ねぇ、レイナさん」

「そうですわね、エリザベスさん・・・」

 

「ちょ、ちょっと待っ・・・俺が悪かったから!!」

 

 

その直後、公園から、エンフィールド中に響き渡るのではないかと思われるほどの、男の絶叫が響き渡った・・・

 

しかも何度も・・・

 

 

 

「なんッスかねぇ?あの変な声・・・アレフさんの声に似ているようッスけど」

「気にしなくて良いと思うよ、テディ」

「それもそうッスね」

 

 

知らん顔で帰ってきたアキトと、留守番をしていたテディは、

一緒に紅茶を飲みながら、幾度となく続くアレフの絶叫を聞いていた・・・

 

 

(済まんアレフ・・・これ以上はフォローのしようがないんでな・・・

でもまぁ、今回のことは自業自得と思って諦めるんだな・・・)

 

 

その様な達観したことを考えながら、アキトは声の発生源である公園を窓越しに見ていた。

 

将来、元の世界に戻った自分が、ルリ達から同じ様な目にあわされる事も知らずに・・・

まあ、わかっていて、あえて目をそらしているだけだと、自覚しているのだろうが・・・

 

自業自得・・・アキトが心の中で呟いたその言葉は、まさに自分自身にうってつけだったのかもしれない・・・

 

 

 

 

(二十一話に続く・・・)

 

 

 

―――――あとがき―――――

 

 

どうも、ケインです。

今だ入院中の身ですが・・・なんとかこの話を投稿することができました。

 

今回は、アレフの受難に巻き込まれるアキト・・・という感じの話です。

書く人が書けば、もっとはっちゃけた話になるのでしょうが、今の私の精神状態ではこれが限界です。

入院など家庭の事情などで、色々ありましたからね・・・(現在進行形ですけど)

 

さて、次回の話は・・・以前、話にあったシーラが出演する音楽祭・・・の前日です。

その音楽祭に出演する、シーラの友達がエンフィールドにやってくる・・・という話です。

(その友達は、恋人同伴でやってくるんですけどね・・・)

 

どういった話になるかは・・・見てのお楽しみということで・・・

 

それでは最後に・・・K・Oさん、15さん、haruさん、Sakanaさん、ウルズさん、クロクロさん、ホワイトさん、

            やすさん、やんやんさん、逢川さん、時の番人さん、津々浦々さん、ほろほろさん。

 

感想、ありがとうございます・・・

 

これにて今年の投稿を最後にさせていただきます。皆様、よいお年をお迎え下さい・・・

 

では、次回、二十一話『シーラの親友』で会いましょう・・・ケインでした。

 

 

            

 

感想代理 皐月

Benさんが更新作業で、「ジジイのFu○kの方がまだ気合が入ってるぞ」と言われそうな状態な為、代理感想です。

ダブルブッキングかぁ……懐かしいな。
というかプレイしたの何年前だったかなあ。

過去を振り返るのはよそう――痛いし。

まあ、それは置いといて、主人公として居るのが時ナデのアキトでしたので結構笑えました(分類:苦笑)

それと、これは文章に関してですが『・・・』が無駄に多すぎです。
そのせいで文が読み難く、更に『……』ではなく『・・・』なので文全体がどこか歪んで居るように思えます。