注 この文はかなり残酷(グロテスク)なシーンを含みます。
その手に免疫がない方、きらいな方は戻ってください。
IFしりーず(はぁと)
もしアキトが切裂き魔みたいな奴だったら・・・・・・
場面はいきなりナデシコが発進し、木星蜥蜴の強襲を乗り越えた数時間後。
エステバリスでの初陣をすませ アキトは自室にいた。
電気を付けずに上半身裸でベッドに腰掛けている。
目は焦点が合っておらず俯いたままだ。
く・・・くくっ・・・くくくく やはり忘れられないか!?
エモノで打(ぶ)った切る感触が・・・・・・
あんな有常無常どもにまで求めるというのか!?
ハハハハハ!!!! 笑わせてくれる!!!!!
ふと立ち上がると掛けていた漆黒のコートを引き寄せる。
長年の愛用品であるこのコートには無数の凶器(どうぐ)が収められている。
無言でそれらをひとつひとつ、確認しながら取り出してテーブルに並べてゆく。
パチン スッ コトリ
パチン スッ コトリ
パチン スッ コトリ
スラァ カタン
ジャッ チャリチャリ
パチン スッ カチャッ
・・・
・・・
・・・
・・・
衣擦れ、凶器とテーブルの擦れあう音
暗闇の中をただ単調な音が支配する。
一通り確認したなら今度は手入れだ
たった一つの不手際が即、命を落とす結果につながる・・・・・・そんな世界・・・・・・
手を抜くことは・・・出来ない
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
最後の凶器の手入れが終わる迄・・・一時間きっかし。
そして元の場所に戻してゆく。
戻し終えると ちょうどそこに呼び出し音が響いた。
『アキトさん・・・もうすぐムネ茸の反乱(繁殖?)ですが・・・・・・どうなされるんですか?』
ルリからだ。
「・・・ああ・・・・・・処理するさ・・・」
『そうですか・・・ナビゲートは要りますか?』
「・・・人数と場所だけでいい」
『分かりました、後はデッキで待っています。では・・・』
通信を終えるや否や、コートを身に付け足早に部屋をでる。
その時の表情をオモイカネが写していたら・・・どうなったのだろう。
それは獲物を見つけた獅子
・・・いや打算を練っているハーリーを目にしたラピスを思わせるモノだろう。
〜一般通路〜
「・・・行くとするか・・・クックックックック(邪笑)」
ますは手当たりしだい、適当にヤるか。
笑みを浮かべながら通路を大股に進むアキト。
はたして、その笑みはどこから来るのだろう。
何かを守る事のできる喜びからか・・・
それとも・・・唯単にヒトを始末出来る事からか・・・
これまで、誰ともすれ違わなかったが幸運に思われるだろう。
見たものが恐怖に抱かれそうな笑みを浮かべたまま、アキトは歩く。
そうして、遂にクルーとは思えない者達に出くわした。
軍服に身を包んだ六人の男達・・・
(さて、実技ご指導願いますよ? 軍人様達・・・)
今までの笑みを消し 今度は不甲斐無い表情を浮かべる
そう、例えるならば、失敗が見つかって親に叱られている子供の様な・・・
或いは、どら○モンに助けを求めるノ○太の様な・・・
「おい、そこの男。止まれ。従えば危害は加えない」
軍人達はアキトが邪な笑みを浮かべていたとは知る由もない。
気弱そうな表情を浮かべている青年を捉える程度にしか考えていなかったのだ。
「・・・そうだ、動くな。両手を挙げて・・・!!!!」
男達は始め青年がどうしたかすら分からなかった
両手を挙げようとしたアキトは そのまま一瞬で相手の間合いに移動した。
踏み込みの力を乗せた圧拳(あっけん・・・拳を固めたまま捻らず縦に出す技。
(時々比喩で『縮地打』とも呼ばれている)
相手が崩れ落ちるのを待たず、勢いを消さず二人目へ。
横から接近し、そのまま腕を掴み、引き付けながら肘を突き出し・・・肘打ち
中国武術で『龍鎚(りゅうつい』)又は『龍尾(りゅうび)』と呼ばれる技である。
共に、十分体重が乗っていれば殺傷力は極めて高い。
二人目を始末し、一瞬だけ動きを止めた。
その様子に初めて仲間が倒された事に気付く軍人達。
(なんだ!?なんなんだ、コイツ!!?)
焦る男達、白兵戦では敵わぬと感じ銃を向ける!
「止まりやがれ!!この野郎!!!」
相手が民間人と言うこともあり、一度は警告する。
仲間が倒されたことに動揺しているようだ。
「・・・・・・・・・」
それに対し、アキトは腰からナイフを抜き出し対峙する。
そして・・・再び襲い掛かった。
「クッ!・・・逝っちまいなぁ!!!」
パラララララララ!!!!!!
パン!パン!パン!
銃弾の中を駆け相手に接近するアキト
その姿は死神のように見えただろう
なんせ、いくら撃ってもかすりもしないのだ。
「クソッ!!何で当たらないんだ!!?」
必死にトリガーを引く兵士達
そして遂にアキトの持つナイフが一閃される
「!? グアッ!!!」
三人目
「ウギャアーー!!!」
四人目
「た・・・助け・・・ヒギャッ!!」
五人目
残るは一人。 気が触れそうになりながらも、抵抗する兵士
「貴様・・・我等が誰だか分かっての狼藉かっ!?」
そう叫びながらも銃は火を放ち続けている。
だが、その全てを避けて見せるアキト。
そして、最後の一閃が放たれた。
事が終わるまで約三十秒の出来事だった。
「・・・・・・手ごたえの無い・・・」
ナイフの血を布(相手の服)で拭うと、また歩き出す。
「・・・後は・・・あそこだけか・・・クックックック」
そこには、残りが一塊になっているらしく、かなりの人数になっていた。
しかし、お構いなしにその場に向かう。
その場には血臭が漂い、元となっている無残な六つの肉の塊が鎮座しているだけだった。
その頃・・・
「いい?貴方達は食堂と格納庫を保護するのよ?あと、制圧じゃあないからね、いい?保護よ?
もうすぐここは私達軍の物となるの。雑な扱いをする下賎な民間人から守るのが仕事よ?
邪魔する者は処理して構わないからね!いいこと?」
配下の者達に指示を伝える毒きのこ(ムネ茸)の姿があった。
部下達もそう思っているのか、ニタニタ笑いながら聞いている。
「あと・・・アンタとアンタ、それとアンタ。私と一緒にブリッジ組だからね・・・じゃあ、各自散開!」
相手を只の民間人と思っている彼等。
これからの事を思うと興奮してくるのだろう、うずうずしているのが直に見てとれる。
兎を狩る狐・・・とでも思っているのだろう。
しかし、どちらが獲物なのかは解っていなかった。
それがこの後の惨劇に繋がるとは・・・・・・
〜食堂前〜
「くぁ〜・・・ついてないぜ!なんで俺達が見張りやんなきゃイケないんだよ!?」
「しょうがないだろ?ジャンケンで負けたんだから…」
二人の兵士が愚痴をついていた。
「でもよ〜、他の奴等がお楽しみの時に『ただ見てるだけ』ってのはよぉ〜・・・」
「イイじゃねえか・・・後で幾らでもヤらせて貰えるんだから…しかも俺等だけお持ち帰りOKだろ?」
「だな、『ムネタケ様々』だ。へっ!だからムネタケ部隊は辞められないぜ!!」
どうやら今後について語り合っているようだ。 そんな二人に何者かが近づいてきた。
「・・・・・・おい」
「・・・ああ、ヤるか」
近づいてきたクルーを発見し、『処理』しようとする。
「おい、床に伏せて手を伸ばせ!」
「・・・・・・」
しかし、クルーは止まらない。
「さっさとしろ!二度目は言わん!」
「・・・・・・・・」
指示に従わないクルーに業を煮やしたのか、手を掛けようとした瞬間
ヒュッ・・・ボトッ
「・・・・・・っへ?」
兵士は訳もわからず声を漏らすが、それが最後の肉声となった。
一瞬のうちに何か『鋭利なもの』で細切れにされたのだ。
「・・・っ!!?き、貴様っ!!」
仲間を殺され、驚愕した兵士が銃の照準を相手に合わせようとするが
「戌亥流古殺法・・・貫手(ぬいでぃ)・・・・・・」
瞬間、喉を親指で突かれ絶命していた。
兵士を瞬殺したクル−・・・アキトは血の拭われていない親指を面前に上げ、舌でまんべんなく舐めあげる。
「ククククク・・・・・・・・・」
目を狂気に浸らせたまま、また歩み始めるアキト。
そこには、むざんにも血の海に横たわる死体と、肉の塊が只残されたのみだった・・・
つづく
中書き(たいすけ)
ど〜も〜、皆様。 私『危険地域』言うアルヨ〜(笑)
・・・と、馬鹿はほっといて、今回のSS(ここでは初めての投稿ですネ♪) 私の負の感情バリッバリでお送り致しました〜♪
元々、私は『青春・ラブラブ・ヴィヴァ純愛っ!』をモットーとして生活していますが、ときたまこんな作品を見たくなったり書いてみたくなったりします(苦笑)
そんな中、他の執筆中の作品を出し抜いて(?)一区切りまで駆けつけました〜!
よって、今回投稿させていただきました。
本来ならば、『背中がムズ痒くなる位』のモノや、ギャグVerを投稿するのが吉!と思うんですが・・・
これはBen波・・・と言うより内容的には皐月波の影響ですかねぇ〜?
どこからともなく・・・こう、ピピッと・・・・・・
普段とは違うでんぷぁが送られて来ましたので・・・・・・ついつい(照)
続編(と言うかむしろ後編)は・・・皆様の感想しだい・・・ですかね?(ニヤソ)
出来れば感想は掲示板ではなく、メールにてお願いします。
掲示板ですと、レスが書けない場合があります(むしろ多い)ので・・・・・・(苦笑)
では、駄文を読んでくださった皆様と 載せて頂きました管理人様と代理人様に盛大なる『感謝感激雨嵐山』をば!!
感想代理人 皐月
ダークが足りないね(挨拶)
とそれはどうでも良くないですが、感想依頼とお仕事をこなす皐月です。
とりあえず、なぜ私にダークな作品の依頼が来るのかは全く分かりませんが、
人を殺すシーンを書けばダークになる、というわけではありません。
……と書くと語弊がありますので補足。
正しくは、人を殺すシーンを書いても描写などが足りないとそれはダークではなく単なる殺戮シーンにしか過ぎないのです。
例えばダークな作品の第一人者である、Benさんであれば直前にほのぼのシーンを書いたりしてますし。
ってあれ、別にダークな作品を書きましたーってわけでもないのか。
それじゃあ問題無いか。
失礼しましたー。
ついでに三点リーダーを活用しましょう。
『・』だと見苦しい部分がありますので。