「このままじゃ、、、ダメだな、、、」

ナデシコ艦内を歩く黒い陰

「あと数人はガードがいないと、、、」

黒いスーツに、サングラス

「、、、俺自身も、今のままだと、アキトを守れねえし、、、」

まるでマフィアかヤクザのような格好の男

「とりあえず、ガードの増員をプロスのダンナに頼むか」

彼の名は、ヤガミ・ナオ

彼は開けてはならない扉を開けることになる。

それは、、、

「プロスのダンナ、入るぜ〜」

 

 

 

しゅらのもん

 

 

 

「と、言うわけで、、、あと数名増員できねえかな?」

「私もその点に関しましては、以前から懸念していたんです、ハイ。

ですが中々それなりの腕を持った人がいらっしゃらなくて、、、」

「そうなんだよな、、、」

ガードの人員不足の件で、プロスペクターの部屋で悩むナオとプロスペクター。

たしかに、最低でも『北辰』クラスの腕を持つものでないと、雇ってもしょうがない事態ではあるが、

かといって、ナデシコ内で北辰に対応できるのがナオとアキトだけと言うのは、問題だった。

「まあ、いなければ、『創る』だけですが、、、」

「、、、は???」

メガネを怪しく光らせながら言うプロスペクターにあせるナオ。

「とりあえず、ヤガミさんの力を上げないといけませんね(ニヤリ)」

「お、、、おい、、、」

「このアンダースーツと、これを左手首につけてください」

冷や汗を流すナオを無視し、どこからか取り出した薄くて黒い、アンダースーツと

結構ごつい、腕時計のようなものを差し出すプロスペクター。

「わ、、分かった、、、」

プロスペクターの雰囲気に押されて、隣室に入り、着替えるナオ。

 

 

 

 

 

彼はのちに、この時の事を振り返ってこう言った。

『あの時なんだよな、、、俺の、、、道が外れたのは、、、』

涙ながらにそう言う、彼の背中は、煤けていた。

 

 

 

 

 

「きがえ、、た、、、ぜ、、、」

「どうした?」

「い、、、いや、、、なんで君がここに、、、いるのかなって、、、」

着替えて戻ってきた時、彼は目の前に広がる光景を見て、唖然とするナオ。

そこは、戦艦の艦内とは思えないほどの、むやみに広大な部屋の床に『魔方陣』。

天井には『セフィロトの樹』が描かれた室内。

その中央に、先ほどまで影も形もなかったのに、いきなり現れた大きな机。

机の脇に、まっすぐ背筋を伸ばして立つプロスペクター。

その反対側に、なぜか白衣を着て立つガイ。

そして、その机に肘をつけ、鼻の下で手を組み、薄いサングラスをした、薄桃色の髪の少女。

「ふっ、、、問題ない」

「無様ね、、、」

「ヤレヤレだな、、、」

口々に、どこかで聞いたようなセリフを言う三人。

しかし、、、プロスさん、あんたまでエ○ァごっこするなんて、、、

「、、、これの使い方、、、教えてくれ、、、」

軽い頭痛を感じ、こめかみに手を当て、力なく質問するナオ。

「ノリが悪いですな、ナオさん?」

「そうだぞナオ!」

「ぶ〜〜〜〜〜」

「、、、お願いですから、早く教えてください、ラピスさん、、、」

「むっ、、、」

「、、、」

「、、、」

三人のみょ〜〜に高いテンションにあきれながらも、どうにかしてここから早く逃げ出したいが為に、

話をすすめようとするナオ。

しばしの間、ラピスとナオの間に沈黙が走る。

「ふ〜〜〜、分かったよ」

「はあ、、、頼むよ、、、」

これ以上、ナオで遊んでも時間の無駄だと思ったのか、ラピスはサングラスをはずして立ち上がり、

ため息をつきながら答える。

その答えに安堵し、思いっきり脱力するナオ。

だが、、、、まだその出来事は序章でしか過ぎなかった、、、

「ハイ、師匠、どうぞ」

「うん、ありがとうガイ」

ガイから手渡された、あずき色のジャケットを着て、黒ぶちメガネを掛けるラピス。

「良い?左腕を胸の前に持ってきて、、、、」

「こうか、、、」

胸元で腕を組むと、再びテンションを上げ、おもむろに使い方を教え出すラピス。

彼女の座った目、、、どこかに逝っちゃった瞳を見たナオは、力なく従うしかなかった、、、

「こう叫ぶのよ、『ボーグゲット・オン!』と!!」

「、、、はい??、、、」

「さ・け・ぶ・の!!」

どうやらラピスの格好は、『メモリー』のコスプレのようだ。

、、、君が『メモリー』をやるには、色気が足りないと思うが、、、

「そのセリフが嫌だって言ったら、、、どうなるんだ?」

「そうだね〜、どうしてもいやだったら、他にもあるんだ!」

疲れた声で言うナオ。

それとは反対に明るい、嬉しそうな声で言うラピス。

「ん〜〜とね、『超者降臨』とか、、、」

「一回ごとに服が破けるので、服代がかかりますけどな〜」

「、、、おい、、、」

そろばんを出して勘定をするプロスペクター。

「あとね、叫び声なしのもあるけど、、、ガイ!アレ持ってきて」

「コレっすね!」

「うん!これをつけてもらうけど、、、まあ、ナオさんなら『小宇宙』燃やせるよね?」

、、、普通の人は燃やせません。

「、、、んだよ、その『天馬』の像はよ、、、」

「あっ、大丈夫だよ!これ、勝手にバラバラになって、鎧になるから。

『青銅』だけど『黄金』なみに強度はあるし!!」

どうやら『青銅』製なのに、白く輝くやつらしい。

どうやって作ったんだ??

「ちなみに、ハーリーと、ガイの血を使っているから、耐久性や、再生能力はものすごいよ!!」

「、、、、、、」

、、、『神聖衣』なみの能力になりそうだな、、、

「どうするの、ナオさん??」

「、、、」

「、、、、、、(ニコリ)」

「、、、、、、、、、はぁ、、、『ボーグゲット・オン』、、、」

ため息をつきつつ、嫌々ながらに言うナオ。

だが、その言葉を発すると同時に、、、

“ソ〜〜ニック、ソルジャ〜〜、オ〜〜〜ライ!ス〜〜パ〜〜サンダ〜〜、オ〜〜ライ!”

「な、、、何だ?!」

突然、ナオの周りを閃光が包み込み、青いプロテクターが現れる。

なお、ラピスの後ろでは、プロスペクターがギターをかき鳴らし、ガイがマイクスタンドを握り締めて熱唱している。

“忍び寄る〜ぜ、げど〜〜う〜〜の手〜〜が〜〜、暗闇に、息ひそめ〜〜て〜〜〜”

現れると同時に、脇腹の所のシリンダーが伸縮し、胸元を覆うように装着される胸部パーツ。

“正義のパワ〜〜ア、みせつけ〜〜て、や〜〜れ!ナデシコクルーを、ま〜〜もる為に!”

スキー靴のように足に装着されていく、脚部パーツ。

“ボ〜〜グゲットオン!お〜たけびあ〜げ〜て!”

インナーパーツが取り付けられ、その上から、頭部外装が装着され、赤いバイザーがおりる。

“イッツ、オン、ライ!つ〜〜〜ぱしれ〜〜〜”

ナオの腕をぴったりと包むように収まる、腕部プロテクター。

“ソ〜〜ニック、オン!か〜がやく、せ〜〜んし!あ〜くを、やっつけろ〜〜”

拳を握り閉め、力を入れると同時に胸部のクリスタルに青い閃光が輝く。

“ソニック、ソルジャ〜〜、ボ〜〜グマン〜〜〜!”

 

 

 

「、、、こ、、、これは、、、」

驚きながら、装着されたプロテクターを見つめるナオ。

そして拳を握り締めると、おもむろに拳同士をぶつけ合う。

「力いっぱいぶつけ合ったのに、傷一つついてねえ、、、何だ、このプロテクターは、、、」

そう言うと今度は、シャドーボクシングを始める。

ジャブ、ストレート、アッパー等を一通り繰り出した後、ハイキックを決める。

「か、、、軽いぜ、、、これ、、、しかも、、、よっと!」

そして、その場で軽くジャンプをし、宙返りをする。

床から5m以上はなれた所で。

「パワーが上がっている??どうなっているんだラピスちゃん!」

「ふっふっふ!それはね、『バルテクター』って言う強化装甲だよ!!オリハルコン製だから、簡単には壊れないよ」

スポットライトを浴びながら、胸を張りえらそうに答えるラピス。

「それで、アンダーウエア自体が強化スーツになっていてね、バルテクターを装着する事によって、なんと!

ナオさんなら、アキトとほぼ同じ戦闘能力を持つ事ができるんだ!!」

「ま、、マジかよ?!、、、す、、、すげえ、、、」

、、、おい、、、

「し・か・も!『氣』を集中させると、増幅して攻撃に使う事ができるんだよ!!」

、、、そんな所まで同じとは、、、凝ってるなラピス。

「あとね、サポートメカもあるんだ!『サンダー』って呼んでみて」

「おおう、、、サンダー!!」

その呼び声に反応するかのように、闇の中からヘッドライトの光りが浮き上がり、

エンジン音を響かせ、ナオ達の前へと滑り込む、一台のバイク。

青と白をベースとしたエッジの効いたボディ。

そして、、、

『お待たせしました、ナオ』

「しゃ、、、しゃべった??」

「へへへ、AIを積んでてね、自律走行が出来るんだよ!

名前は『サンダー』、緊急時に艦内を移動するのにも使えるよ。

まだ『スーパーサンダー』にするまでは、完成してないんだけどね、、、」

突然しゃべりだしたバイク、『サンダー』に驚くナオ

ラピスは、その顔を面白そうに見ながら、とても嬉しそうに解説した。

、、、そこまでやるのかい、君は、、、

「つうか、、、この声、、、どっかで聞いた覚えが、、、

あっ!あいつだ!!ほく「ちがうもん!!」

「ちがうもん!『チーズ』だもん!『スパイク』だもん!『山ちゃん』だもん!!あんな外道とは違うもん!!!」

ナオの言葉をさえぎり、大声で否定するラピス。

瞳をウルウルさせ、ナオに詰め寄り、下から仰ぎ見るようにみつめる。

「あ、、、いや、、、」

その姿にあせるナオ。さすがに、罪悪感をいだいたようだ。

「ううっ、『クラマ』だもん、、、『良牙』だもん、、、『リョウマ』だもん、、、」

「師匠、大丈夫っすよ。分かる人にはわかりますから」

瞳に涙をため、頬を膨らませるラピスをなだめるガイ。

「『ギュネイ』だもん、、、『バズーカ山寺』だもん、、、『ドナ「わあああ!」

「師匠、それはやばいです!やばすぎます!!いろいろな意味で!!!」

大声を出し、急いでラピスの口を押さえるガイ。

確かに、『アヒルの水兵さん』の名前を出すのはいろいろな意味で、ヤバイであろう、、、

そんな二人を横目に見ながら、プロスペクターはナオに近付いて話し掛ける。

「まあ、それはそれで置いといてですな、、、」

「あ、、、ああ」

「実は、ガードの増員の件なんですが、三名ほどですが、どうにかなりました」

「本当か?!」

「ええ、それでは入ってきてください」

プロスペクターの合図と共に入ってくる三人。

「あう〜〜〜、なんで私、、、」

「、、、苦労してんな、、、」

涙ながらに入ってくる、おなじみ犠牲者、ディア(霧香バージョン)。

その姿にナオは思わず同情するのであった。

「ナオさん、僕達も手伝うよ」

その次に現れた、タキシードを着た、細身の金髪男性がナオに話し掛ける。

「、、、だれ?、、、」

「僕、ブロスだよ!」

「、、、で、なんなんだ、それは、、、」

「んとね、『TWIN SIGNAL』ってやつの、『カルマ』ってキャラなんだ!

知的でいいでしょう〜」

「ん、、、そうだな、、、」

ブロスとやり取りをしながら、こめかみの辺りを押さえ始めるナオ。

だが、彼への試練はまだ、まだ続く。

「そういえば、『三人』って言ったな、、、、あと一人はどこだ?」

「は〜〜〜はっはっは!」

笑い声とともに、突如部屋の照明が落ち、真っ暗になる。

 

「天が呼ぶ!」

 

どこからともなく響く声

 

「地が呼ぶ!」

 

闇の中に、そのシルエットを照らす一条の光。

 

「人が呼ぶ!」

 

その光の中、胸元で腕を組み、長い髪をなびかせるシルエット

 

「外道を倒せと、我を呼ぶ!!」

 

そして光は、その者の顔を、明らかにする

 

「A−D ダッシュ!ここに見参!!」

 

そこに現れたのは紫の髪をなびかせ立つ、ジャケットを着た細身の青年であった。

「、、、おい、ディアちゃん、、、」

「、、、なに、、、ナオさん、、、」

「なんか、、、『ダッシュ』って、、、言っているけどよ、、、」

「、、、ナオさん、たまには付き合ってよ、、、あたし、毎回やってるんだから(涙)」

涙ながらにナオの肩に手を置く、ディア。

その姿はまさに、『ダメな上司につかえる部下』のようだった。

「、、、わかったよ、、、付き合ってやる、、、」

そういうとナオは、ディアの髪をやさしく撫でる。

哀れみのこもった瞳で見つめながら、、、

「僕の事は、『アデュー』と呼んでくれ!!」

そう言うと、背中から剣を取り出し、正眼に構える。

作品が違うぞ、、、

「ナデシコの平和は僕が守る!!」

こうして、ナデシコ艦内の防衛力は上がった。

がんばれ!負けるな!!

 

 

「「、、、はぁぁぁぁぁぁ、、、」」

ふか〜〜〜いため息をつく一人と一体。

幸せが逃げていくぞ、、、

 

 


どうもkitaです。

さて今回は、ナオを犠牲者にしてみましたが、いかがだったでしょうか?

ラピスやオモイカネばかりか、ダッシュやブロスまで暴走させてしまいましたが(笑)

ちなみに、ラピスが口走ったキャラ名、全部何の作品か分かった方はいらっしゃいますか?

分かったあなたは、立派なオタクです(笑)

分からなかった方のために解説を。

 

『チーズ』・・・「それいけアンパンマン」

『スパイク』・・・「カウボーイビバップ」

『山ちゃん』・・・「おはスタ」

『クラマ』・・・「魔神英雄伝ワタル」

『良牙』・・・「らんま1/2」

『リョウマ』・・・「天空戦記シュラト」

『ギュネイ』・・・「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」

『バズーカ山寺』・・・「bayFMでのDJ名」

『ドナ・・・』・・・「某ねずみのキャラの作品に出てくるアヒル」

です。

すなわち、全部同じ声優さん(笑)

ナデシコで『外道』と言えばあの人、その人を演じていた声優さんのキャラです。

 

 

 

今回のに使っている元ネタですが、

まずナオがやらされたのが『超音戦士ボーグマン』のリョウ

装着シーンも同じです(笑)

プロスとダッシュは、『TWIN SIGNAL』から、それぞれA−K カルマと、A−S シグナルです。

で、『超者降臨』ってのは、『超者ライディーン』の変身セリフ。

ちなみにジュン役の伊藤健太郎さんが主役を演じてらっしゃいました。

天馬の像は、、、わかりますね、『聖闘士星矢』からです。

しかし、、、本当に守れるのかな?

 

 

 

 

代理人の感想

なんてこった、全部わかっちまったい(爆)。

 

しかしボーグマン、懐かしいなー。

それはさておき、こう言うものを書くとその人の嗜好が場合によっては一発でばれるから読んでて面白かったり。

kitaさんの場合は今更ですが(核爆)