Written by きつねずみ
「アキトさん!! ……もうすぐユリカさんが退院されるのですよ!!
せめて、せめて顔を出すくらい……いいじゃないですか!!」
「……ラピス、ジャンプの準備を頼む。」
「……うん、解ったアキト。」
二隻の宇宙船が真空の宇宙空間を舞台に過酷なチェイスを繰り広げていた。
追われる船の名はユーチャリス、追う船の名はナデシコ。
「アキトさん!!」
「……俺とユリカの道が交わる事はもうありえない。
ルリちゃん、君と同じ道を歩む事も無いんだ。
もし、全てが……
よそう、それは言っても仕方が無い事だ。」
幾度もくりかえされた絶望的な会話。
『ジャンプフィールド生成完了!!ラピス、いつでも行けるよ』
「アキト、ジャンプフィールドが生成終了したよ。」
「ああ、解った……何処に行こうか。」
追われるものには追うものとくらべて絶対的な利点があった。
A級ジャンパーのナビゲーションによるボソンジャンプ。ユーチャリスは人類最速の宇宙船でも踏破に何日もかかる距離を一瞬のうちに”跳躍”することができる。
これこそが追跡者……宇宙軍においては無敵と謳われるナデシコCとホシノ=ルリをもってしても、テンカワ=アキトとユーチャリスを今一歩のところで取り逃がしてきた最大の理由だった。
だが、今回は様子が違うようだ。
「させません!! アキトさん!!」
ユーチャリスの白亜の艦体に衝撃が走る。
「くっ!! 何が起こったんだ!!」
『アンカーを打ち込まれたんだよ、アキト!!』
ユーチャリスのメインコンピュータ、オモイカネ”ダッシュ”が警告する。
強襲用のビームアンカーを打ち込んだのか!!
アキトはルリのなりふりかまわない大胆な戦法に驚く。
だが、そもそもビームアンカ−はディストーションフィールド搭載艦には効果がない。今では純粋な戦闘艦には搭載されていない。
当然ナデシコにもそんな装備はなかったはずだ。アキトを捕縛するために増設したのか?
「アキト!! ジャンプフィールドが暴走してる!!」
「くっ!! ジャンプフィールド緊急解除!!
俺がブラックサレナでアンカーを絶つ!!」
『駄目だよアキト!! フィールドの制御装置にアンカーが直撃してる!!』
「何!! このまま、暴走を停められないのか!!」
「アキト……ナデシコが」
ナデシコに起きた異変に気づいたのはラピス・ラズリだった。アンカーを介して、ナデシコのジャンプ・システムがユーチャリスのジャンプフィールドと共鳴しているのだ。
「!! ルリちゃん、早く逃げるかアンカーを切り離せ!!
このままだとナデシコCも、ユーチャリスのランダムジャンプに巻き込まれるぞ!!」
ナデシコの異変はユーチャリスに打ち込まれたアンカーのせいであることはもはや明白だ。
「し、しかし、アキトさんが!!」
「俺達は何とでもなる!!
ナデシコCの乗員全員がジャンパーの措置を受けているのか?
このままジャンプに巻き込まれたら、措置を受けていない者がみんな死ぬぞ!!」
「!!!!
ハーリー君!! 急いでアンカーを切り離して!!
ディストーション・フィールド出力全開!!」
「はい!! 艦長!!」
アキトの警告に、ようやくルリたちも自体の深刻さを把握する。
だが、すべては遅きに逸した。
『駄目だ!! ジャンプを開始したよ、アキト!!』
「くっ、フィールドは間に合わんか!! すまんルリちゃん!! ナデシコのみんな!!」
かくして二隻の戦艦は時空をさかのぼり、物語は始まる。
この改変された過去において、ナデシコCは木連に、ユーチャリスはアスカ・インダストリーに回収された。
アスカの調査員は、ユーチャリスの艦体中央にアンカー状の重力波発信機……後にフィールドランサーと同等の機能を持つことが確認されたが、それ以外の機能についてはいまだもって調査中である……が突き刺さっているのを発見したそうだ。
その装置には大きく『丸に瓜の字』が書かれていたという。
<おわり>
♪テンプレート・テンプレート コピペは楽でいいなぁ
自分で書いたところは、かくして……から<おわり>までの実質四行程度。とほほ。
……これは『オチ』だけの短編です。したがってお話はここで終わり。続きません。
『ヤマあり、オチあり、でも意味はなし』です。ながいけん閣下万歳!
050.EINGRADさんや088.李章正さんの路線を狙ってみたんですが、いかがなもんでしょ?
元ネタは感想以外掲示板とか某所のSSFAQ掲示板とかで、なぜ逆行物の冒頭でナデシコCはユーチャリスのランダムジャンプに巻き込まれるのか?ジャンプの原理からいって完全に接舷状態でない限りアンカー以外置いてかれるんとちゃうんか?いや、そもそもナデシコにボーディングアンカーなんて装備されとったんか?侃侃諤諤……てな話題が出たときに思いついたもんです。
ま、あの人が作ったんなら何でもありということで、あまり面白みのない結論になりましたが、そこはご容赦のほどを。
では、『投稿者400人突破、おめでとー!!』
by きつねずみ
作者の感想(へ?)
何故か感想よろしくという代理人のメールがオイラのとこにやってきたので、僭越ながら作者たるオイラも感想を(ヲイ
投稿者400名突破記念に、人様の台詞を切り張りした短編を送りつけようとはなかなかの度胸です。
前半部は一応、三人称に書き換えてありますが、冗長すぎますね。
小ネタというのは簡潔さが命です。この程度でEINGRADさんや李章正さんに並ぼうとはまったくもって片腹痛い限りです。
オチもわかりにくいです。
TV版でリリーちゃんやエステバXのエピソードを見てない人は理解するのに20秒ほどかかるんじゃないですか?
最後に、自虐ネタは度が過ぎるといやみです。
くれぐれも使用の際は気をつけて。まああとがきでの話だからまだいいけどね。
管理人の感想
きつねずみさんからの投稿です。
・・・・ま、この手の武器を作りそうな人間といえば、『彼』しかいませんよね(苦笑)
需要があるんだかないんだか、分からない武器?ですが。
もしかすると、白兵戦に持ち込むための武器だったのかもしれませんな。
それだと、やってる事が宇宙海賊になっちゃいますがw