機動戦艦ナデシコ黒衣の堕天使・鏡
プロローグ<シャドウミラー>


「パリソン小隊全滅!、クルーガー小隊30%低下!」←一文字大きく


「ちっ、奴らめ・・・」

俺の名は、テンカワ=アキト。

地球連邦軍特別任務実行部隊「シャドウミラー」の副長だ。

 俺たち、「シャドウミラー」は「シャドウミラー」司令官ウィンデル・マウザー大佐の「兵士による永遠なる闘争の世界」実現のため、連邦軍に対し、反旗を翻した。
しかし、同じ地球連邦軍である地球連邦軍特殊鎮圧部隊「べオウルーフズ」によって俺たちは戦線を後退せざるを得なくなった。
今、俺たちはテスラ・ライヒ研究所にいる。ウィンデル大佐はこの世界の達成はできないと判断し、システムXNという次元転送装置を使い、別次元へ移動することとした。
テスラ・ライヒ研究所を制圧して、その準備をしていた矢先にまた奴らが現われた。

「ちっ、クルーガー小隊は後退! 
 
 エキドナ小隊を前面に押し出せ!」←全て一回り大きく

俺らにはやることがある。永遠なる闘争を生み出す世界。それを実現するために。
戦いがなくなれば軍人は不要。しかし戦いを捨てた軍人が生き残るすべがあるだろうか。
戦いこそ軍人の生きる道なのだ。
そして、ウィンデル大佐の考えを理解したからこそ、俺はシャドウミラーに入った。
あの方こそ、この世界の覇王にふさわしいお方なのだ。


「ぬぉぉぉぉぉ!!

 斬艦刀一文字斬り!!」←全て一回り大きく


普通の刀より大きな刀。特機用に作られた戦艦を切り裂く刀、通称斬艦刀と呼ばれる刀が俺の背後に迫ってきた連邦軍のゲシュペンストMK−Uを横に切り裂く。

彼の名はウォーダン・ユミル。

シャドウミラーの兵士にして、もっとも最大な攻撃力を誇る猛者。
彼の機体は、自己回復能力を持つマシンセルと呼ばれる物質を装甲に取り入れた特機スレードゲルミルだ。



ザシュゥゥゥゥゥゥ!!!←一回り大きく



ドゴォォォォォォン!!←一回り大きく赤色で




俺の背後には、機体を上半身と下半身に分けられて爆発する敵機がいた。

・・・さすがはウォーダン。一瞬にして敵機を5機も破壊するとはな。

だが、こちらも負けていられない!!



「遅い! 

 風刃閃!!」←全て大きく表示



俺は刀を構えると、高速でウォーダンの背後にいる5機相手に切りかかる。
機体が高速に動くことで、あたかも分身するかのように前後に切りかかる。
俺の愛機ヴァイサーガの必殺技、風刃閃だ。

「機体撃墜を確認・・・」

決め台詞を言って相手の爆発を確認する。



「大丈夫か、ウォーダン・ユミル!」

「平気だ。感謝するぞアキト。」

 彼らはWシリーズと呼ばれる、シャドウミラーの科学者レモン・ブロウニングが生み出した人造人間だ。それゆえにナンバーで呼ばれる。しかし俺は彼らを人間と思っている。いや人間と思うということが傲慢なのかもしれないが。

ちなみにウォーダンはW15と呼ばれている。

「さすがに黙って見逃してはくれんか・・」

「うむ、眼前の敵は全てたたき伏せるのみ!!」

彼は、連邦軍特殊戦技教導隊の隊員であり、同じ斬艦刀使いのゼンガー・ゾンボルトを元にして作られている。ゆえに口調がゼンガーと似ている。そのゼンガー・ゾンボルトだが、一年前のアースクレイドル事件の際、メインコンピュータ「メイガス」と、その開発者であるソフィア=ハートネット博士を守り、行方不明となっている。

目前には、俺と彼が今しがた切り捨てたゲシュペンストが10機ほどいた。

倒しても、倒してもどんどん沸いてくる。

ピキィィィン!!←一回り大きく

そのとき、俺は今までよりも尋常じゃない殺気を感じた。


ピィーピィーピィー!!


ヴァイサーガのアラーム音が鳴る。

「どうやら、本命の登場のようだ。」

「うむ。」

空を見上げると、そこには無数のゲシュペンストMK−Uと、戦艦が一隻浮かんでいた。

スペースノア級五番艦オサフネ

スペースノア級弐番艦ハガネの武装を継承し、艦首にトロニウムバスターキャノン、武装を増加し、装甲を高めた戦艦だ。

「どうやら、おいでなすったようだな・・・」

後ろを見ると、メタリックブルーのまるでボクサー風の機体が現われていた。

特機ソウルゲイン。シャドウミラー隊長アクセル・アルマーの専用機だ。

「ええ、隊長。これからが本番ですよ・・・」

「システムXNは?」

ウォーダンの問いに、アクセル隊長はこう答えた。

「まだ、不十分だ。チャージに時間がかかる。俺はあいつとの決着をつけるためにしんがりを勤める。お前たちは、合流しろ!」

その言葉に俺は苦笑した。

「それはできませんよ。俺にも決着をつけたい相手がいるので。」

その言葉を予想していたのか、アクセルは苦笑した。

「ふっ、いいだろう副長。だが、俺と奴の戦いに手出しはするな。」

「もちろんです。隊長こそ、俺とあいつの戦いに手出しはしないでくださいよ。」

「くっ、俺にも戦える相手がいれば・・・、後退する!!」

ウォーダンは後退した。

確かに彼が戦える相手はいない。ゼンガー・ゾンボルトがいれば話は別だが。

機体の損傷度はほぼない。まだまだ動ける。

俺も奴との決着をつけなくては!

俺の脳裏に金髪の青年が浮かぶ。

自然と笑みが浮かんできた。



俺が眼前のオサフネを見上ると、甲板に何かが現われた。

青い角つきの機体。

右腕にはリボルビング・バンカーと呼ばれる武器が。

両肩には、ミサイルランチャーを発射するかと思われるクレイモア地雷発射装置が。

・・・・アルトアイゼン・ナハト。

地球連邦軍特殊鎮圧部隊「ベオウルーフズ」の隊長、キョウスケ・ナンブ大尉の専用機。

そして、その両脇には、まるで彼を守護しているかのように存在していた。

ヒュッケバインMK−W・ブレード
マオ・インダストリーが開発したヒュッケバインシリーズの四号機であり、マイクロブラックホールエンジンを搭載した機体。
その中で、剣戟戦闘用に特化したバージョンである。

パイロットは「ベオウルーフズ」副長、ブルックリン=ラックフィールド中尉。

そしてもう1機。

ヒュッケバインMK−W・ヴァルキリー

ヒュッケバインMK−W・ブレードの兄弟機で、射撃戦用に特化した機体。
この二つの機体のコンビネーションは抜群で、シャドウミラーのエースが次々と落とされている。

パイロットは「べオウルーフズ」隊員、クスハ=ミズハ少尉。



ブレードのほうから通信がかかってきた。

「もうやめろ、今はこんなことをしている場合じゃない。」←一回り大きく

ブリットが俺に怒鳴る。

「あいかわらずだな。だがお前の言葉を俺が聞くと思うか?」

・・・・あいかわらずだな。

ブリットと俺の因縁は、連邦軍入隊のころからだった。

俺は奴と共に生活をし、戦場を駆け巡り、無二の友となった。

たしか、あいつがクスハに告白するときも助けてやったっけ。

だが、今のあいつと俺は敵同士。ならば遠慮はしない。

ウォーダンの言葉ではないが、眼前の敵は全て打ち砕くのみだ!!


「俺は、俺の信念を貫くだけだ!!

 勝負だ。ブリット!!

 今度こそ決着をつけてやる!!」←一回り大きく

「わからずや目、行くぞクスハ!」

「はい!」

その言葉と共に両者の機体があいまみえる。


・・・・奴らのコンビネーションはシャレにならない。

機体性能はこちらがわずかに上回っているが、あちらは2体。

こちらが不利だ。

「行きます!!」←一回り大きく

ヴァルキリーのオクスタンランチャーが火を噴く。

性格無二な射撃に、俺は背筋がぞっとする。

かわした俺を待っていたのは、ブレードの斬艦刀「シシオウブレード」の斬撃。

機動性を極限まで高めたこの機体。装甲はPTよりはあるが、特機並みとは言いがたい。

ましてや、対戦艦用のシシオウブレードを受けた日には、致命傷だ。


ならば・・・・


肉を切らして骨を絶つ!!

シシオウブレードが当たった瞬間、風刃閃で奴のコクピットを狙う。

致命傷は与えられないかもしれないが、確実に奴の機動性は減少する。

後はそこを後続機にまかせればいい。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」←一回り大きく


俺は死を覚悟した。

しかし・・・・

バシュッッッ!!

一条の閃光が、ブレードと、後方にいたヴァルキリーを直撃した。


「うわぁぁぁぁぁ!!」←一回り大きく

「きゃぁぁぁぁ!!」←一回り大きく


後ろを振り返ると、そこには女神のような女性型のフォルムをした機体がいた。


特機アンジュルグ。近接射撃どちらもできる万能機体。

パイロットは、ラミア・ラヴレス。


「大丈夫ですか、テンカワ副長。」

感情を見せない機械的な声色。

彼女もウォーダンと同じくWシリーズなのだ。

「ああ、たすかった。・・・・隊長は?」

「あちらはあちらでやっています。」


ガキィィィン!!←一回り大きく青色で

ドゴォォォォン!!←一回り大きく青色で


奥のほうを見ると、二つの青い影が拳と拳の戦いを繰り広げている。

・・・さながら、青の疾風と言ったところか。

「そうか、隊長は無事か。」

「はい、私は私で判断し、2対1で戦っている副長を助けたほうがよいと判断しました。」


・・・どうやら、よい方向で進んでいるようだ。

このまま行けば、彼女は人形ではなく、人間そのものという存在になるだろう。

俺はそれを願う。


その時、研究所の方で光があがったのが見えた。

あの方向はシステムXNがある方向だ。

あれが見えたということは・・・・。

「どうやら転移成功のようだな・・・・」

笑みが浮かぶ俺、作戦は成功したようだ。

(今、転移したのは誰だ?)

そんなことが俺の頭に思い浮かぶ。

しかし、次の言葉で今の笑みが驚愕に変わる!

「シャドウミラー各隊通達。システムXN制御不能!

 繰り返すシステムXN制御不能!!」←一回り大きく

「なんだと・・」

光が、とんでもない数の光が、この地域を覆った。

光の中で、ゲシュペンストが、ブレードが、ヴァルキリーが、

スレードゲルミルが、そしてスレードゲルミルに相対する謎の機体が、

どんどん光の中に消えていく。

俺は自分の体を見た。

全身が幾何学模様に彩られていく。

(なんだ、これは・・・)

そして、光が走った。




「ベオウルフ!!」←一回り大きく赤色で



「アクセル・アルマー!!」←一回り大きく赤色で




アルトアイゼン・ナハトとソウルゲインの激突。

そして爆発と、大量の光。

しかし、爆発と光が晴れたとき、二機の姿はなかった。


光が消えたとき、

研究所で戦っていた両者は一人残らず消えた。

跡形も残らず。




「・・・・・・・・・・・」

ここは?

俺は確かシステムXNの暴走に巻き込まれて・・・

「カイト・・・・」

カイト?

俺は真っ暗闇にいた。

なんだ、ここは?

そして、光が走った。


・・・気がつくと、俺は見知らぬ場所にいた。

赤ん坊という姿で。


あとがき

作者:はい、黒衣の堕天使プロローグ<シャドウミラー>をお送りしました。

カイト:さて、どういう風にされたい。

チャキ!!

ラミア:ええ、副長。

ジャキン!!

刀に手を構えるカイトと、弓を構えるラミア。

作者:まて、待たんかい!

カイト:ここまで更新が伸びた理由を聞かせ願おうか。

作者:ああ、いつもの癖だ。

カイト:癖?

作者:行き当たりばったりな性格という癖がな。

ジャジャキン!!

作者:だから、ちょっとまてと言うのにっ!!

カイト:さて、今作だが、どこまで持つのか?

作者:ああ、たぶん最後まで持つかと。

カイト:本当か、うそをつくとためにならんぞ。

作者:今まで主人公最強で、しかも何でもできると言う風に考えていたから間違っていたんだ。
   だから、主人公は異世界の人間で、何でもできるわけじゃないと言う風に考えたら、こういう風になった。

カイト:シャドウミラーの理由は?

作者:俺がOG2にはまっているから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

作者:自己紹介が遅れました。作者の桐生 悠です。

カイト:あとがき担当のカイトだ。本名はテンカワ=アキト。

ラミア:ラミアだ。

作者:さて、質問になら答えるぞ。

カイト:シャドウミラーの理由はOG2にはまっているから・・・では、キョウスケはともかく、なんで、ブリットたちがいる?

悠:ああ、それはお前のライバルにもっともふさわしい相手だと思ったから。

カイト:・・・思った。

悠:だって、リュウセイたちSRXチームは存在しないし、タスクは格闘、レオナはいない。で、ゼンガーはウォーダンのライバル確定だし、キョウスケは当然、アクセルのライバルだ。剣が得意なパイロットはブリットしか思いつかなかった。

カイト:なるほど・・・で、俺とブリットが同期と言うのは?

悠:作中に書かれていた通り、お前とブリットは親友同士だ。OG2でいう、ブリットとタスクのような関係か。ちなみにクスハはお前の幼なじみ。

カイト:リュウセイの立場を使っているのか。

悠:ちなみにSRXチームがいないのは、俺が連中嫌いだから。なんせSRX合体させるのに3機も出撃枠取るから。おかげでEXハード最終決戦時に、龍虎王が出撃できなかった。

カイト:それはキャラ嫌いというよりもシステム嫌いでは・・・。

悠:あいつらの話を書くと物語がややこしくなるので、パス。次にレオナはネタバレになるかもしれないが、第28話でラミアが並列世界の存在を明かしたとき、エルピス事件でブランシュタイン家はライを除き、全滅と言っただろう。ガーシュタイン家もその影響で全滅とした。よってレオナはいない。

カイト:・・・・・。

悠:次にスクールメンバー。アラドとゼオラ、ラトゥーニ、オウカは存命。現在はシャドウミラーと行動を共にしている。

カイト:あちらに、あいつらいたか?

悠:まともな事実がないんだから、こっちで作るしかないだろう。なにより、あいつら好きだし。

悠:アイビスたちは不明。絶対出てこない。教導隊メンバーは、ギリアムは出る可能性あり。カイ、テンペスト、カーウェイは間違いなく出ない、断言する。ボスは・・・・言わん。ネタバレになるから。個人的に好きだし。

カイト:戦艦組みは?

悠:レフィーナとダイテツはいない。テツヤとショーンもいない。連中はインスペクター襲来の際戦死した。

カイト:この時代はインスペクター倒した後か?

悠:私的設定ではインスペクターを倒した後、あまりの腐敗振りにウィンデルがクーデターを起こしたことにしている。

悠:話を続ける。マサキ、リューネはでてこない。シュウは確定で出るが、どこに出てくるかは分からない。

カイト:ネオグランゾンの可能性は?

悠:否定できない。ただしヴォルクルスは出さない。

カイト:ATXチーム他のメンバーは?

悠:エクセレンは当然出てこない。なにせあの人と同一人物だからな。知りたいならOG2を最後までやれ。カチーナ、ラッセルは出さない。これ以上話をややこしくしたくない。

カイト:龍虎王は?

悠:OG2をやっている限り、アインストが出てきたから覚醒したと思っている。アインストがいないなら出てこない。個人的にアルフィミィは出したいのだが、理由が結びつかない。

ラミア:アルトアイゼン・ナハトとは?

悠:アルトアイゼンの夜間専用カラーと呼ばれている。なんか2CHでは、データがあるといっていたが実際ないので分からない。コードでやれば出るんじゃないかな。武装はリーゼに準じた。

ラミア:オサフネとは?

悠:スペースノア級五番艦であり、ハガネの後継艦。備前長船の名前から取っている。

カイト:スタンショックとは・・・・直撃使えばラスボスすら封じる禁断の兵器か!

悠:ご名答。いつか日の目をくるときがくるかもしれないが。

ラミア:シャドウミラーのメンバー、エキドナは出るのか?

悠:無論出る。シャドウミラーのメンバーはほぼ出すし、機体も出す。ただし、出番は中盤以降だと思うが。

カイト:これからの展開は?

悠:次回は同じ世界、同じ場所でシャドウミラーと戦っていた「ベオウルーフズ」の話。その後、時の流れのアキトの話に行き、プロローグ終了、本編に入る。アキトは時ナデ最終話で遺跡に取り込まれて、また佐世保からスタート。ただし、本編に入ってもアキトが出てくるのは2話か3話あたりになると思う。

カイト:なぜ?

悠:詳しくは本編で話すが、お前の幼少時代を書く必要がある。それからお前がナデシコにどういった理由で乗り込むかとかな。具体的に言えば幼少時代→テロ→軍人時代→ナデシコに乗るという風にしたい。それで最短で3話ぐらいだと思う。

カイト:本編のアキト(黄アキト)は登場するのか?

悠:登場する。もっともいつになるかは分からないが。詳しくは本編で。

カイト:最後に、キョウスケたちは登場するのか?

悠:それも本編で話す。

悠:それから、この話は一度投稿したのものを指摘された部分を自分なりに考えて書き直したものです。

カイト:具体的にどこをどういう風に書き直したんだ?

悠:それは話を見てくださいと言っておきます。感想を書いていただきました、プロフェッサー圧縮さん、ノバさんありがとうございます。













その後

カイト:さて、覚悟はいいか?

ラミア:ええ。

悠:ふっ、甘い。システムXN発動!
  
  跳躍!


シュン!!


カイト:何、逃げた!

ラミア:作者逃亡のため、あとがき終了します。では次回をお楽しみに。