機動戦艦ナデシコ<時の流れに>黒衣の堕天使・鏡
第2話:鋼鉄の孤狼
俺がゼンガー少佐の養子になって、2年が過ぎた。
その間のことと言ったら、なぜかイルイがよく近寄ってくるし、少佐には投げ飛ばされるし、いろいろあった。
そして、あくる日、俺は少佐に呼び出された。
「・・・・お前も、ここに来て2年。そろそろ自分の道も決まっただろう。」
「はい、俺はやはり、軍人になりたいと思います。」
「・・・・そうか。」
「ええ、一度染み付いた闇は簡単に消せるものではありませんから。それに軍人の方が性に合っています。」
「ラミアは?」
「私はカイトについていきます。」
「そうか・・・。分かったお前たちがそこまで言うなら何も言わん。お前たちはお前たちの道を進むがいい。」
『はっ!!』
少佐は、後ろにある神棚にある引き出しを開き、中から物を取り出した。
俺の前には、「備前」と書かれた刀を。
ラミアの前には、「与一」と書かれた弓を前に置いた。
「選別だ、もって行くがいい。」
「ありがとうございます。」
俺たちは支度を済ませ、扉を開けた。
そこにはイルイとククルさんが立っていた。
「玉には家に帰って来い」
「はい」
イルイが前に出てきて、俺に石を渡した。
「これ、私のお守りなの。カイトに渡すね。」
「ああ、ありがとう。」
そして、俺たちは家を出た。
『己の役目を果たせ、よき男となるのだぞ!!』
『そなたらの祈願を祈っておるぞ。』
俺たちは後ろを振り返らず、手を振りそれに答えた。
『大きくなったらイルイ、カイトのお嫁さんになるからねえーーーー』
ガクッ!!
思わず前に倒れそうになった。
・・・い、今何かが聞こえたのだが、幻聴か?
俺は横にいるラミアを見ると、ラミアは俺の腕に抱きついてきた。
それはさながら、目の前の女性に自分たちの仲を見せ付けるように。
「ん? ゼンガーよ。どうしたのだ?」
・・・・・ほう、なるほどイルイがあやつを・・・・
ふっふっふふふ・・・。
「なに、あいつが帰ってくるまでに体を鍛えてやるのだ。」
「ルンルン」
イルイは嬉しそうだな・・・・。
「イルイよどうしたのだ? 何をそんなに嬉しそうに。」
「カイトが帰ってくるまでにきれいになるんだ、ラミアに負けないくらい」
そうか、そうか・・・・・。
あっはははははははははは。
(カイトよ! もしイルイを悲しませたりした場合は命がないと知れ!!)
さて、俺は愛刀の手入れをしなければな。
・・・俺が士官学校に入り、1年が過ぎた。
「おい、ルイン。聞いたか?」
俺に話しかけてきたのは、同じ寮に入る士官候補生のシー・リュン。
長髪で、女性ならば老若とわず、話しかける人間である。しかし、頭はいい。
俺は読んでいた本にしおりをいれ、本を閉じる。
「どうした、リュン?」
「いやいや、隣のクラスの奴がな、めっぽうシミュレーターが強いんだよ。」
「ほう、特徴は?」
「格闘戦が得意でな、武器が変わっていてさ、杭撃ち機だぜ。」
「杭撃ち機? パイルバンカーのことか?」
「ああ、そうともいうな。」
パイルバンカーの使い手。俺の頭の中に真っ先にベオウルーフの顔が浮かんでくる。
「そいつの名前は?」
「ああ、ウェイン・ライナスっていうんだ。」
「そうか、勝負を仕掛けてみる。」
「がんばれよぉ!!」
「トトカルチョはするなよ?」
俺は警告しておく。
もし俺を種に賭けなどやっていたら・・・・・・。
まあ、半殺しは確定だな。
シミュレーターについた俺は、その生徒を見つける。
容姿を見れば似ていることもないが、腕を見なければな。
俺は、そいつに声をかける。
「俺はCクラスのルイン・ゾンボルト、お前さんに勝負を挑みたい。」
相手は「ゾンボルトだと!」と小さい声で驚いていた。
他の人間には聞こえなかったようだが、俺は聴覚が鋭いのでどんな小さい声でも聞こえる。
「俺はBクラスのウェイン・ライナスだ。」
周りにいた生徒たちから次々と声が上がる。
「おいおい、鋼鉄の狼と、双刀の剣士かよ!」
「なに! あのCクラス最強の生徒か?」
「こいつは見ものだ、我々Bクラス最強のウェインと、Cクラス最強のルインとの勝負!」
「おい、全生徒呼べ。教官もだ!」
俺はシミュレーターに入り、シートを着用する。
シミュレーターの機体には、現在連合軍で使われている機王と呼ばれる人型機動兵器が用いられている。
そして、従来のシミュレーターとは違い、機体が受けたダメージは操縦者本人も受けることとなる。
さすがにコクピットがやられても、死にはしないが、それでもかなりの重傷は負うことになる。
連合軍が「たとえ、シミュレーターでもいつ、実戦に出るか分からないため今のうちに戦いを知れ!」と言う命令を出したからだ。
おそらく、少佐が関わっているのではないだろうかと思うが。
俺は、今までのシミュレーターのデータが入ったCDを本体に認識させる。
このシミュレーターは戦闘結果を元に自分にあった機王の戦術データを記録する。
俺のデータは、白兵戦用。
2本の半月刀を持ち、射撃戦用のサブマシンガンを持った機体だ。
対して、あちらも白兵戦用。
右腕にパイルバンカーを、左腕にガトリング砲らしきものを装備。
さらに角つきである。
まさしくあの姿は、アルトアイゼンを彷彿させるものであった。
『Ready・・・・Go!!!!』
戦闘開始。
いきなりあちらが突っ込んできた。
右腕のパイルバンカーを構えて、突っ込んでくる。
狙いはコクピットか!!
「甘い!!」
俺は過去の記憶をたどり、半月刀の1本でパイルバンカーを抑えた。
しかし、相手は角で俺に切りかかってくる。
ズシャ!!
俺の機体は装甲を固くしていたので、何とか持ちこたえたが、普通の設定だったら痛みで気絶していただろうな。
もっとも、攻撃のショックで、胸が少し痛むが。
俺は半月刀を下向きに構え、そのまま突撃する。
奴の機体の前に来ると、ジャンプし、相手をちょうどXの字のように切り裂く。
バキン!!バキン!!
しかし、奴は攻撃の少しの隙を読んで、ガトリング砲を装備している左腕を盾にする。
攻撃により、左腕は切断できたものの奴の本体には致命傷を与えることができなかった。
「さすがは、ベオウルーフといったところか・・・・」
間違いない、奴はベオウルーフ、キョウスケ・ナンブだ。俺は幾度となく、奴と戦い、奴と敗戦、あるいは痛み分けしたことを体で覚えている。
その体が答えたのだ、奴は間違いなく、キョウスケだと。
通信が入ってくる。
「やるな、ルイン・ゾンボルト・・・・」
左腕を押さえているウェインが現われる。
「ああ、たいしたものだ。さすがはベオウルーフ、キョウスケ・ナンブ大尉と言ったところか?」
俺の言葉に驚愕するウェイン。
「何者だ、貴様は・・・」
俺は心底驚いていた。
まさか、同学年でここまでやれる人間がいるとは。しかも、白兵戦で。
しかし、腑に落ちないところがある。奴は一体これほどの白兵術をどこで学んだのだ。
そして、奴が振るう剣の剣裁きに見覚えがある。
あれはたしか・・・・。
おぼろげながら、俺が本来の世界で戦った部隊の剣の使い手を思い浮かべる。
(ブリットではない・・・・、ならば誰だ?)
ブリットと同期である剣の使い手であるテンカワ・アキトの名が浮かんできた。
そして、奴の言葉を聞き、思い浮かんでいた相手が確信に変わった。
「? その剣捌き・・・覚えているぞ・・・お前はテンカワ・アキト!!」
「やっと思い出したか、しかし驚いたぞ。」
「それはこちらも同じだ。まさかこのような場所で出会うとはな。」
「ああ、つもり話は後だ。そろそろ決着をつけるか!!」
「望むところだ!!」
俺とキョウスケは最後の力を振り絞り、全力で攻撃を仕掛けた。
ビィー、ビィー、ビィー!!
ん?
『緊急事態発生!!、シミュレーターが付加に耐え切れません。搭乗者は直ちに戦闘を中止してください。』
「勝負はお預けのようだな。」
「ああ。」
「うぉー、すげぇぜ!!」
「これはすごい。いいもの見たなあ。」
「きゃー、ウェイン君、ルイン君、かっこいい!!」
「・・・・・」
「ああ、ラミアそんな顔しないで、お願いだからそんな風に睨まないで・・・」
「これはたいしたものだ。将来彼らは連合を代表する将校になるかも知れんな。」
「うむ、彼らの機体を作って実際に戦わしたときがどのような結果になるか想像がつかん。」
俺は騒いでいる連中を尻目に、ラミアを呼んで、ウェインと共にどこか人気のない場所へ行った。
「さて、こうして会うのは久しぶりだな。テンカワ・カイト」
「ああ、キョウスケ・ナンブ」
「? 彼がキョウスケ・ナンブなのですか?」
なぜ、彼女を連れてきたといった表情をするウェイン。
「ああ、彼女はラミア。忘れたのかブリットと一緒に紹介したじゃないか。」
「!!・・・そうか、彼女か。しかし変わったな。前は機械的な動作しかしなかったのにな。」
「少佐の教育の賜物さ。」
「少佐?」
「ああ、ゼンガー・ゾンボルト少佐だ。」
その言葉を聞いて、ウェインが詰め寄る。
「なに、少佐が、ゼンガー少佐がいるのか!!」
「あ、ああそうだ。」
「そうか、一体どこにいるんだ?」
俺は今までの事情を説明した。
システムXNの暴走によりこの世界に飛ばされたこと。
テンカワ・カイトと名づけられ、生まれたこと。
その父親が俺の目の前でネルガルの人間に殺されたこと。
窮地に陥った俺を少佐の参式が助けてくれたこと。
少佐がラミアを助けてくれたこと。
少佐が俺たちを養子にしたこと。
・・・・そして、少佐が結婚していたこと!!
「な、なにぃー!!!」
ウェインの全身が灰色になり、そして固まっていくのを俺は見た。
こういうのを石化現象というのだろう。
金の針は必要か?
・・・・・・・・・・・
「おーい、大丈夫か。」
「ああ、あの少佐が、少佐が、朴念仁の少佐が、結婚なんて・・・・」
「まあ、お前にもつらいことだが、仕方ないな。」
そこへ、先ほどラミアをなだめていた少女が近寄ってきた。
「どうしたのウェイン?」
「ああ、ちょっとショックなことがあってな・・・」
銀髪の美少女だ。誰だこの子は?
「ウェイン誰だ彼女は?」
ようやくショックから抜け出せたウェインは、彼女を招く。
「彼女はアリサ・ファー・ハーテッド・・・俺の恋人だ。」
「あなたが、ラミアが言っていたルインね。よろしくアリサでいいわ。」
「ああ、そうか。よかったなウェイン。ようやくお前にも春が巡ってきて・・・。」
俺は涙で何も見えなくなった。
・・・ってことは、後残っているのはウォーダンとエキドナと、ウィンデル大佐か。
・・・エキドナがどっちに転ぶかだな。
「ああ、ありがとう。さてこれからどうする。」
「そうだな。俺はこの時代に生きることにする。」
「そうか、俺もそうする。」
「なら、今までのことは水に流すか。」
「ああ、よろしくなアキトいや、カイト・・・おっとルインか。」
「別にかまわん。人前でなければな。キョウスケ・・・いやウェイン。」
こうして、俺はウェインと親友になった。
それは士官学校入学1年後のことだった。
そして、さらに1年後。
俺たちは18歳となった。
ラミアたちの年齢は・・・・女性の年齢を話すのはやめよう。
相変わらず、ウェインと俺はシミュレーターで戦ったり、勉強したりしていろいろやっている。
ラミアとアリサは意気投合して、いろいろやっているようだが。
後輩もいろいろできた。
突撃しまくっているスバル・リョーコ。
変なギャグを言って周りを寒くさせているマキ・イズミ。
同人誌やマンガを書いているアマノ・ヒカル。
「俺は将来ゲキガンガーのパイロットになるんだ!!」とか言っている熱血野郎のヤマダ・ジロウ。
アリサの双子の妹である、サラ・ファー・ハーテッド。
・・・・いろいろな性格の人間が集まってきたなぁ。
俺たちか、原因は?
そんなある日、俺たちは図書館で本を探していた。
そんなとき、声が聞こえた。
「なんだ?」
「誰かが誰かをいじめているらしい。」
俺たちは真っ先にそこに向かった。
そこには、キノコ頭の男に因縁を吹っかけている後輩どもがいた。
「何をしているんだ、お前たちは?」
俺は後輩の肩をたたいた。
「うるせーよ。黙れ、バァカ!!」
ドゴン!!
愚かな後輩は俺のパンチを背中に受け、図書館の奥に吹っ飛んだ。
「あいにくと俺は人の話も聞かずに暴力振るっている奴に対しては容赦がないんだがな。」
「あ、あんたは、ルイン先輩。それにウェイン先輩も!!」
ウェインはすばやく間合いを詰め、後輩の襟元をつかんだ。
「さて、貴様ら何をやっている。」
「そ、それは・・・・」
ウェインは、「ドサッ」と言う音とともに相手を床へたたきつけた。
「ヒィィ!!」
後輩どもは逃げやがった。
「大丈夫か?」
「ええ、ありがと。助かったわ。」
男なのに女言葉で話している。オカマかこいつは?
「私はムネタケ・サダアキよ。あなたたちは?」
「俺はルイン・ゾンボルト。」
「俺はウェイン・ファー・ハーテッドだ。」
「あんたたちが・・・・」
「で、どうした何で絡まられていたんだ。」
「俺たちに相談できることがあるのなら、相談するといい。話は聞く。」
そして、ムネタケは話し始めた。
自分が名将軍ムネタケ・ヨシサダの息子だと言うこと、父親は何でもできるのに自分は何もできないこと、そのため、必死に勉強しているのに周囲は認めてくれないこと。などいろいろ話してくれた。
「なるほどね。じゃあ、お前はどうしたいんだ?」
「えっ?」
「お前は何をしたいんだってことさ。お前は偉大なる父親の息子として認められたいのか、それともムネタケ・サダアキ個人として認められたいのかってことさ。」
「それは、自分個人として認められたいわよ。」
「じゃあ、話は簡単さ。父親を意識しなきゃいい。自分だけの実績を示せばいいということさ。周囲が父親の息子だと反応しても、お前はそれを無視して実績を上げていきゃいい、そうすればいつか、父親の息子なく、お前個人の実力だって認めてくれる人が出てくるだろう。」
「そうか、そうよね。父親ありの自分の実力じゃなくて、自分だけの力を認めてくれる人間を見つければいいのよね。ありがとう。」
「いや、別に何もしてないって。」
「ああ、こいつは何もしていない。」
今まで黙っていたウェインが、話に割り込んできた。
「話は変わるが、お前は図書館で勉強していたという、ならこいつに戦略術を教えてくれないか。」
「ちょっと待て、それはお前もだろうが!」
ムネタケは俺たちの口げんかを見て、笑い始めた。
「いいわよ、あなたたちに教えてあげる。」
「よし、じゃあ俺たちは変わりに戦闘をおしえてやる。」
「そうだな。後輩どもも連れてくるか。」
俺たちはムネタケを連れて、後輩どもの集まる場所へと向かった。
あとがき
悠:さて、第2話をお送りしました。
キョウスケ:俺たちの出会い、後輩との出会い、そしてムネタケとの出会いか・・・。
カイト:今回も結構話があったな。
キョウスケ:ああ、イルイの「お嫁さんに行く!」とかな。
カイト:本気か、作者・・・。
悠:至極まっとうに本気だ。
カイト:お前はハーレム否定派ではなかったか?
悠:時ナデのアキトは例外だ。恋人候補15人もいるんだぞ。
キョウスケ:あれは例外だな。
カイト:しかも、全てが全て嫉妬に狂った女性陣だからな。
悠:俺はあれは書けん。
カイト:しかし、ムネタケの話か。
悠:まあ、俺はムネタケは、きっと自分を理解できる人がいなかったんだろうな。周りが周り、名提督の息子だって期待かけて、本人もそれにこたえようとしたが、できなくて限界を感じても周囲はそれ以上のことを求める。だからあいつは何もかも嫌になってあんな性格になったんだと思う。だから、あいつを理解することができる人間が現われれば自然とあいつもいい性格になっていくと思った。
キョウスケ:それで俺たちを結び付けたと言うわけか。
悠:ああ、これで軍とのパイプがまた一つ築けたわけさ。
カイト:今回、俺たちは軍人として行動するのか?
悠:そのつもりだ。だから民間人であるアキトとは自然と対立する。
キョウスケ:なぜだ?
悠:あいつは自分の理想のため行動をしている。ぶちゃっけ和平なんてあいつの自己満足に過ぎない。あいつは、過去自分が犯した罪から逃げるために和平行動をするヒーローを演じているに過ぎない。でも和平を他の連中が認めるかと思ったら必ずしもそうではない。クリムゾンにしろ、ネルガルにしろ、軍にしろ、利益があるからこそ和平に応じたわけで、利益がなかったら和平なんて考えもしない。
悠:まあ無償で和平を考えている連中もいなくはない。舞歌とかな、でも大部分は望んでいないのさ。
結局、和平をするためには企業とかの代表であるアキトらナデシコとかの一勢力が決めるのではなく、両方の民で話し合って決めなくてはならない。無論時間はかかるが相互理解なくば真の和平とはいえない。彼らが求めている和平は結局独りよがりの妄想でしかない。ただ自分たちがよければいい。自分たちが和平を求めているのだから民も和平を求めているとか考えている風に感じてしまう。
キョウスケ:まあ、そうだな。
悠:というわけで今回のコンセプトは主役は地球軍と木星軍、それに第3勢力。ナデシコは脇役と言うことで。
カイト:・・・・・・
悠:ああ、本音言ったよ。しかも支離滅裂の部分が多いような気がするし。
カイト:さて、次回は?
アキト:いよいよ、俺の登場だな!!
悠:いや、おまえはまだまだ先。
カイト:つぎはなんだ?
悠:そろそろオリジナルは終わりにして本編に入りたいと思う。
キョウスケ:そうか。
悠:とりあえず、次はクリムゾンに接触する話と、第1次火星会戦の話になる。
カイト:今回はクリムゾンが主点か。
悠:ああ、ネルガル主観は散々見飽きたからな。
キョウスケ:では、次にあおう。
・・・おほん。
ようこそ我が研究室へ。
今回も活きのいいブーストナックルSSが入っての、今検分しておるところじゃ。
前回に引き続いて2話じゃな。この話で、作中時間合計4年が過ぎた計算じゃの。
・・・さて。
君はもしかしないでも書き上げた後、通しで読み直してのチェックを全くしておらんのではないかね?
隣接した文章ブロックでさえ、台詞の繋がりがおかしいところがあるぞ。
台詞のみを取り出してみればすぐに解る。
「何者だ、貴様は・・・」
「? その剣捌き・・・覚えているぞ・・・お前はテンカワ・アキト!!」
どうじゃ?
明らかに、2つ目の台詞の出だしがおかしいじゃろう?
これでこの2つの間に、何がしかのアクションが入っているならともかく、今回は何もない。
他にも、キングクリムゾン発動してるところが幾つもある。
前にも言うたが、書きたいところだけつまみ食いしていても上達しないぞ。
悩んで苦労する事は必要じゃよ。
それからもう一つ。
元ネタから改変している設定があるなら、最低限後書きにでも書いておく事じゃ。
さもないと、単なる誤字なのかそう言う設定にしてあるのか解らんぞ。
時ナデにおいて、サラはアリサの姉であって妹ではない。
別に変えても構わんと思うが、それならそれで一言あってしかるべきじゃ。
二次創作と云うものは、書かれていないことは元ネタと同じという暗黙の了解があればこそ成り立つ。
何の断りもなしに世界が違うような事を書かれても混乱するだけじゃ。決して、読者の興味を引くことにはならん。
プロローグの時もそうじゃったが、このようなことが積み重なると作品世界が崩壊するぞ。
既に、何人かのキャラに普通に考えれば明らかにおかしい部分が出て来ておる。
これもまた、説明不足の一環じゃの。精進しなされ。
さて。儂はそろそろ次の研究に取り掛からねばならん。この辺で失礼するよ。
儂の話が聞きたくなったら、いつでもおいで。儂はいつでも、ここにおる。
それじゃあ、ごきげんよう。