ナデシコＩＮゴーストスイーパー
第一話
登場！ゴーストスイーパー
都市…、人々が集い生活し栄えていく所。
しかし、その繁栄の光の裏に潜み蠢く闇の者たちがいる。
この物語は、闇に蠢く怨霊達と除霊士（ゴーストスイーパー）達との闘いの物語である。
「そこの霊に告ぐ！君はその建物の所有者に多大な迷惑をかけている！！抵抗をやめて成仏するんだ！！」
『何を言うか！！ここは俺のものだ！再開発など許さん！！貴様らこそ失せろ！！』
ギシッ
『！！何者だ！』
「はいはい、そこまで。失せるのはあんたの方でしょ。死んだ後まで人に迷惑かけちゃ駄目でしょ。」
「吸引!!」
『グ、グオォォォォォッー！！』
「ふう、１丁あがりね。」
先程霊を退治した女性の名は東舞歌
東除霊事務所所長でゴーストスイーパー業界では屈指の実力の持ち主である。
地価の高騰、都市人口の増加等により人に害を与える自縛霊等の退治は高額の報酬が手に入る仕事になった。今の世の中幽霊を住まわせる土地はないという事なのだろう。
俺の名前は天川アキト。
この事務所でアシスタントのバイトをしている。
理由はアルバイトを探していたところを舞歌さんに誘われ、バイト代は弾むといったからだ。危険はあるが俺は何か運命のようなものを感じてそれを確かめたくもあったからだ。
「ねえ、アキト君、君も汗かいたんだからいっしょにシャワー浴びればよかったじゃない。」
「！！んな、なに言ってんですか舞歌さん！」
「ふふっ、冗談よ。相変わらずからかいがいがあるわねえ。」
「…まったく、人をすぐにからかうんだから…。」
「ま、それはさておき次の仕事はこれなんかよさそうね。」
「人骨温泉ホテルですって。露天風呂に霊が出て客が激減…、ギャラは多くないけど温泉でのんびり出来そうよ。」
「温泉かあ、いいですねえ。俺温泉て好きなんです。」
「（…温泉好きね、いい事考えたわ。）じゃ、きまりね。」
そんな訳で俺達は人骨温泉へと向かった
舞歌さんは「下調べするから、私は先に行くわ。アキト君は後から荷物を持って来てね。」といったので俺は舞歌さんの出発した翌日に出発した。
その途中……
『あの人…、あの人がいいわ…ようし…』
『えーいっ！！』ドンッ「うわっ？！」
『大丈夫ですかっ！ケガはっ？わたしったらドジで…』
「ちょと待ていっ！今「えいっ」て言わなかったか？！」
「（…かわいい子だな）君のほうこそケガは無い？」
『うっ！今のショックで持病のシャクが…！！』
「えっ。」
『ちょうどそこに薬が…。取ってきてくれませんか？』
そういって彼女が指差した先には…怪しさ爆発の何かのセットと思われる台の上に乗った薬があった。
『お願い…薬を…』
「い、いやしかし…こんなアホな…」
『大丈夫！！あやしくなんかないですよ！！』
「思いっきりあやしいわいっ！」
『じゃ、せめてちょっとの間ここに立つだけでも…』
「訳のわからんことを…」
『お願いっ』そういって彼女は俺に抱きついてきた。「うう、なんかわからんがしかたない…」
「………」意を決して薬を取ろうとした瞬間…
ガラガラガラッドガンッ
巨大な岩が降ってきた。
『あうう…また失敗……せっかく死んでくれそうな人をみつけたのに…しくしくしく…』
「…といったような事があったんです。」
「へえ、１５，６の女の子の幽霊？温泉に出るのと同じ奴かしら？」
「いんや、ウチに出るのはムサ苦しい男ですわ。そんなかわいいおバケなら、かえって客寄せになりますわ。」とホテルのオーナーが言った。
「…だそうよ。今回とは別件みたいね。」
「でも俺、危うく殺されるとこだったんですけど…。」
「ま、生きてたんだからいいじゃない。（私のアキト君になんてことを見つけたらどうしてくれようかしら）」
俺はこれ以上何かを言うのをためらった。なぜなら舞歌さんからなんともいえない気配を感じたからだ。
「さてと、問題の露天風呂にいくわよ。」
「ふうむ、みたとこ霊の気配はなさそうね。少なくともここに自縛されてる霊じゃないみたい。」
「じゃあ、どうするんですか？」俺は舞歌さんにたずねた。
「うーん…、アキト君温泉に入ってみてくれる？」
と言ってきた。
「なに言ってんですか！！」
「なんなら、一緒に入りましょうか？」
「…俺一人でいーです。」
「ちぇっ」舞歌さんが舌打ちしていたようだがとりあえず気にしないでおこう。
風呂へ向かおうとした瞬間『じっ…自分は明示大学ワンダーホーゲル部員であります！！寒いです！！助けてほしいであります！！』髭面のむさい幽霊が現れた。
「何やってんのよっあんた！後五分…いえ３分待てないのっ！もーちょっとでアキト君の裸がみれたのに！！あーっくやしいっー！！」舞歌さんがほえた。
『な、何でありますか？』「気にしなくていーです…。」
舞歌さんがトランス状態なので、俺が話を聞くことにした。
「遭難？」
『はいっそうであります！自分は仲間とはぐれ雪にうもれて死にました。しかし、いまだに死体を発見してもらえず、放置されております！』
「はあ、それじゃ死体を見つけて供養すれば成仏できるんですね？」
『はいっ！そのつもりであります！！』
「アキト君、こんな奴封印して燃やしたほうがいいわよっ！」
「でも、成仏できるんならさせてあげたほうがいいじゃないですか。」
「ま、アキト君がそういうなら…。で、死体の場所は？」
『大体の見当しかつかないんです！も、申し訳ありません！』
ん、なんか俺のほうに視線を感じるなって何故二人して俺を見るんだ？なんか嫌な予感がするがとりあえずたずねてみた。
「あのー、ひょっとして俺が行くんですか？春とはいえ雪が残ってるのに…」
その時舞歌さんの顔には反論は許さないという気迫がでていた。
で、結局俺が死体探しに言ったのだが…
猛吹雪にあいビバークをしていた時幽霊の奴が『俺、死んだ後も男同士で山の夜を過ごせるなんて…』とか、『男同士あっためあって友情と青春を…』などと言い出した。
俺は言い知れぬ恐怖を感じ猛吹雪のなかを全力疾走し逃げていたところ、またあの少女に出会った。
『（昼間はやりかたがちょっと無理があったから、今度はもっと単純に死んでもらおう！）』
『えーいっ！実力行使！』「んぎゃっ！」いきなり石で殴られた。
『お願いっ！しかたないの！わたしのために死んで！』といいながら少女は俺を殴りつづけた。
少女の手が止まり俺が目をむけたら少女は石を落とし俺たちは黙り込んだ。
とそこへあの幽霊が俺の名を叫びながら追いついてきた。
『男っす、青春っすー！これっす！俺がほしかったのはこれなんスー！』「嫌だーーっ！」
『あの人こわいよー！誰かー！』
などとやりつつ走り回ったところ、もといたホテルの露天風呂に突っ込んでしまった。
しかも、舞歌さんが入っていた。うわ、胸大きいな…とそれどころではない。
「舞歌さん助けてくださいよ」といったが「アキト君ったらいきなりなんだから…」といいつつトリップしていた。
舞歌さんが戻ってきてから事情を説明した。
「ふーん、大体の事情はわかったけど、あなたはいったいなんなの？」と舞歌さんがたずねた。
『はい。わたしは枝織といって３００年ほど昔に死んだむすめです。山の噴火を鎮めるため人柱になったんですが、普通そういう霊は地方の神様になるんです。でも、才能が無いのか、成仏も出来ず、神様にもなれなくて…』
「たしかに他人と入れ替われば地縛は解けるけど…なんでアキト君なの？」
『えっと、なんか優しそうだし、替わってくれそうだったから』
「……なるほど。」
「…って、納得しないでください！」
「んじゃ、こうしましょうか。そこのワンダーホーゲル部員！」『オス！』
どうやら舞歌さんは枝織ちゃんのかわりに幽霊のほうを山の神様にするようだ。
で、神様に変えた後枝織ちゃんは成仏するかと思ったら…
『あのー成仏ってどうやればいいんですか？』といってきた。
舞歌さんは「うーん、長いこと幽霊だったから安定しちゃったんでしょうね。誰かに
おはらいしてもらわないと…」
「舞歌さんがしてあげればいいじゃないですか。」
「でも、ただでやるのはちょっと…！そうだ枝織ちゃんウチで料金分働いてくれればやってあげるわ。」といった。
…とことんしたたかな人だなあと俺は思った。
後書き
どうも、混沌の覇王と申すものです。
とあるサイトでＧＳ○神のＳＳを読んでいてこの話を思いつきました。
なんか舞歌さんが横島化してますが、軽く受け流してください。
このＳＳは神威師匠の御協力のもとにキャスティングをしており、オリキャラまでも考えていただきました。
何分ド素人なもので出来はいまいちかも知れませんが温かく見守ってください。
代理人の感想
美神もね〜、途中で横島が妙にカッコよくなっちゃったから読むのをやめちゃったんですよね。
「普段はとことん情けなくてごくタマに決める」横島くんが好きだったんですが。
しかし、美神舞歌の横島アキトというのは割とわかりやすかったんですが、
おキヌちゃんが枝織というのは結構意外でしたね〜。
・・・・・・・・・まぁ、「同盟」の連中が十羽一からげでアレなんで、
同盟を抜いて枝織以外だとメティちゃんくらいしかいないってのも確かなんですが（苦笑）。