起動戦艦ナデシコifストーリー
〜黒き牙を継ぎし者〜
第一話
『男らしく』でいこう
弐の章〜ラピス救出大作戦b(完結編!!)体験版〜
エリナさんに連れてこられた格納庫の端っこにある『百人乗っても大丈夫』が売りのイナバ物置(俺的予想)の前で、俺はボケ〜っと立っていた。
横ではポケットを荒されるドラえもんのようにエリナさんが物置を物色している。
・・・・・むぅ〜・・・暇じゃの〜・・・・
実はエリナさんが俺の水中特別装備とやらを探し始めてから既に小一時間ほどが経過しているのだ。
格納庫を見渡すとイツキさんが意気揚々&獅子奮迅と血染めのエステバリスの周りを駆けずり周っているのが目に止まる。
「ふむ・・・・・」
言っちゃ悪いが頭イっちゃってるんじゃないのだろうか?・・・・または別世界とリンクしてるとかなっ。
俺は赤黒いエステの肩に馬鹿でかい筆で『大和魂』と書き込んでいるイツキさんを遠い目で眺めていた。
「あ〜もうっ!何なのよっ、まったくっ!!」
ふふぉうっ?!
いきなりの後ろからの奇声っ!!(びっくりした為思わずテンションUP)
振り向くとそこには大声を出したせいか肩で息をしているエリナさんが眉をつり上げながらホコリだらけになったスーツを叩(はた)いていた。
「どっ、どうしたエリっち?」
「その名で呼ぶなっ!!」
ゴガンッ
「のおおおお?!は、鼻血がっ!」
「きゃっ?!ちょっと、こっち来ないでよっ!!スーツが汚れるじゃないっ!!」
「ぐはっ?!」
叫びながらエリナさんは鼻血で少しテンパった俺を思いきり蹴飛ばす。
「まったく、このバカは・・・・」
尻もちを突く俺を見下ろしながらのエリナさんはため息を吐く。
・・・・・なんちゅうか、自分でヤッといてそりゃね〜べよ・・・。
もちろんそんな事言える筈もなく、俺は憮然とした表情を浮かべながらエリナさんが俺の顔面に投げつけた新聞紙に包まれている五キロほどある鉄製っぽい物体を何とはなしに手に取りながら立ち上がる。
「す、すんません・・・。所でどうしたんスか?いきなりキチガイみたいな声出して・・・・・」
本能的に謝りながら俺は話を無理矢理元に戻す。
「だ、誰がキチガイよっ!!・・・まったく、何なのよ、この荷物の量は?」
・・・俺に言われても知らんわい!!・・・とはとても言えないのでグッと我慢する。
「さ、さあ?何なんスか、これ?」
無難に返事しながら俺は手の物をマジマジと見つめる。
む〜・・・形と硬さからして鉄板っぽいが・・・・はて?
「なんでこんな物倉庫にしまってるんスか?」
「知らないわよ。この倉庫にはテンカワ君用の装備が入ってる木箱しか私は入れてもらってないもの。他のは全部イツキさんのよ」
ふむ・・・そうなのか・・・・。これはイツキさんの物なのか・・・・・。
・・・・・・見てみたい。
新聞紙に包まれた物を俺は改めて観察してみる。
なんちゅ〜か男としてというか縛られた腹いせというか・・・とにかく見たい、って言うか見なければならない。
俺はそんな訳の分からない使命感を担いながら再びイツキさんの方に目をやる。
幸いな事・・・・・かどうかは分からんがイツキさんは夢中でエステに向かって筆を振るっていた。
よし、チャンスは今しかない!!
俺は一気に新聞紙を剥がす!そして中から出てきた物はっ!!・・・・・・・・・・ふ、踏み絵?
それは間違いなく江戸時代にキリスト教徒を発見する為に使われていた踏み絵である。
「・・・・・・・」
よく見てみるとイエス・キリストの顔は磨り減っていた。
よほど踏まれたのだろうが・・・・・裏に記載されている製造日は昨日だったりする。
「・・・・・・ギャフン」
「・・・・・さっきから何やってるの?あなた?」
「・・・エりっち〜、俺帰りたい〜」
「無理に決まってるでしょ。それよりちょっと手伝ってよ。私じゃちょっと重くて無理なのよ」
「はあ?そんな事ないでしょ?エリナさんなら・・・・・」
ジャキッ・・・・・
「・・・・はっはっは、しょうがないな〜エリっちは。ボクに任せたまえ」
「キャ♪テンカワ君ってば頼もしぃ〜」
あんたはたくましいがなっ。
「・・・・で、どれですか?」
「奥の方に鉄でできてる楕円形の大きい入れ物みたいなのが立てかけてあるでしょ?それの後ろに木箱があるみたいだから・・・・」
薄暗い物置の中で俺は手探りで目的の物を探し当てる。しかし・・・・なんだろね?これ・・・・。
「ほんじゃ、取り敢えずこれ、外に出しますよ」
「ええ、お願い」
・・・・・ふむ、結構重そうだな・・・・エリっちでも無理なくらいだしなっ。
「よっ!・・・ってこれ中なんも入ってませんよ。」
俺の身長くらいある物を抱きかかえながら取り敢えず物置の外に立てる。
「う〜ん、なんか棺おけっぽいはね・・・・。取り敢えず中見てみよっか?」
そう言ってエリナさんは横開きの蓋に手を伸ばす。
その時ふと、俺の中でキュピーンと何かが閃いた。
棺おけ+鉄製×イツキさん=って事は・・・・・まさか!
俺の脳はエジソンばりの方程式で答えを導き出す。
「エ、エリナさんっ、ちょっと待ったっ!!」
箱の中身を理解した俺は慌ててエリナさんに声をかける。が、
「どれどれ・・・・っ?!」
「うわっ、やっぱし!!」
俺とエリナさんは揃って悲鳴を上げる。そして俺の予想したとうり、
棺おけの底と蓋の裏側には直径十センチ程の針が無数に付いていた。
しかも、乾ききっていない血が床に滴り落ちている。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「きゃー♪これこそが私の真の理想とするエステバリスですわ!」
しばらくの間、格納庫にはイツキさんの声と血が滴る音のみが響いていた・・・・・と思う。
・
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「・・・・・さ、さあ!気を入れ替えていきましょうっ!」
無理矢理テンションを上げながらエリナさんは車輪付きの木箱を物置から引きずりだす。
「そ、そうですよ。なんちゅうか・・・気にしちゃダメっス!」
「そのとうりよ!!・・・で、これがテンカワ君の装備なんだけど・・・・・まずはドライスーツと、酸素ボンベ。はい」
「ふむふむ」
俺は手渡されたスーツを服の上から着込み、四本セットのボンベを担ぐ。
・・・・見るとこのボンベ、腰のベルトが何やら不可解な形をしているのである。いや、勿論よく知っている物なのだが・・・・・
・・・・・な、なぜ仮面ライダー????・・・・・・しかもアマゾン?!
そう。何故かベルトは仮面ライダーっぽい・・・・・ってかそのものなのである。
「・・・・・あの・・・こりは一体・・・・・」
「あのね。実はその酸素ボンベ、ネルガルの新製品なの。
腰の変身ベルトの真ん中に付いてるボタンをONにすると空気圧での高速移動が可能になるわ」
「・・・・・あの・・・・その空気はどこから?」
「もちろん酸素ボンベからよ」
・・・・・自爆技かいっ!!
「だから四本もあるんじゃない。あ、ちなみに活動限界は十秒が限界だから気を付けてね」
たった十秒っ?!
俺様とっても『ギャフンッ!!』である。
「・・・・・で、この形の意味は?」
「会長の趣味よ」
そうか・・・ヤツか・・・・
取りあえず今度殺そう。
「ほらほら、さっさと次いくわよ。次は・・・・こ・・・これ・・・ね」
何故か声を震わせ、汚い物を掴む感じで足ひれを取り出して俺に差し出す。
だが、それはなんちゅうか・・・・・
一応ゴムでコーティングはしてあるものの骨の形がリアルに浮かび上がっているという、どっちかと言うと何かの剥製っぽいのである。
「・・・・・エリナさん、これなんか変っスよ、すべてが・・・」
「それね・・・・実は日本の川から最近発見された未生物の死骸の足の骨に直接コーティングを施したものなの・・・・」
「未生物ってまさか・・・河童っスか?だとしたら・・・・なぜそげんことするとね?!」
「さ、さあ・・・。まだ解明できてないらしいけど・・・でも、もの凄い水圧に耐えたのは確かだしぃ・・・
それにね、従来の物より何故か性能がいいのよ・・・」
「・・・・・・の、呪われたりしませんよね・・・・」
「・・・・・・・・・大丈夫です」
「トゥ、To Heartの芹香さんっぽく言うなーっ!!!!」
ますます怖いっちゅうねんっ!!
「だ、誰よ・・・・それ?」
「気にせんといてくださいっ、電波受信しただけですから!!
・・・・ところで、このアイデア出したのもアカツキっスか?」
「え?!いや・・・その・・・・」
俺の何気ない質問に、しかしエリナさんは急に答えを濁す。
「・・・・・・え、エリナさん・・・おめえまさか・・・・・」
「あははは・・・・じ、実は発案私なのよね〜・・・・・・テヘッ♪」
・・・・・・おいっ。
ほんでもってもういっちょ、おいっ。
「・・・・エリナさん、あんたもやつ等と同類なのか・・・俺、悲しいよ・・・」
「ち、違うわよ!ただその・・・酔った勢いで書いた発案書を間違って会長に提出したら通っちゃったのよ・・・ね・・・」
「・・・まあ、アカツキにそんな案持ちかけたらそうなるか・・・。でも、却下するように申請したらいいじゃないっスか?!」
「いやでも・・・いろいろと・・・」
「・・・・・もしかして金っスか?」
「・・・・・・今、特許申請中なの・・・・・キャ♪言っちゃった♪」
・・・・・・・取り敢えず首絞めてやりたいっ。
「そ、そんな事よりも次のこれは凄いわよ。対、鮫専用近接戦闘武器、通称『ロンギヌスの槍』よ」
そう言ってエリナさんは布に巻かれた細長い棒状の形をした物を取り出す。
・・・・って言うか今、サラっと凄い事を口にしたような・・・・・
「あの・・・・鮫専用って・・・・もしかして出るんスか?」
「・・・・・・多分、遺伝子操作されてる、例えるならジョーンズみたいなのが出ると思うわ、注意して」
・・・・このアマァ、いけしゃあしゃあと・・・・。
「ちょっと待ていっ!!いくらなんでも無理に決まってんでしょーが!!!」
「だーいじょうぶ!その為にこの槍があるんだからっ!!」
言いながらズイッ、っと眼前に槍を突き出され、仕方なく俺は槍を受け取った。
「・・・・・・ほうっ」
槍を手にした瞬間、俺は思わず感嘆の声を上げていた。
ズッシリとした見事なまでに手に馴染む重量感。
それは俺に、数々の戦場で命を守る為に扱った銃器・・・いや、相棒を思い出させた。
ぬう・・・これならいけるかもしれん・・・・。・・・何かめっちゃやる気出て来たぞ、おい。
して、中身は・・・・・。
『三又の矛』を頭の中で思い浮かべながら俺は巻かれていた布を巻き取った。
「・・・・・・・・・・な、なんじゃこりゃ?!」
遂に姿を現した『ロンギヌスの槍』は、紅い棒がDNAのように巻きつき合い、双刃で先端部がするどく尖っている。
それは良しとしよう。見た目は確かにかっちょいい。だが!!何故か大きい輪ゴムが付いている。
・・・な、なぜだっ?!
その輪ゴムは一番下からブラ下がっている。
「・・・・・・・・・」
取り敢えず輪に手首をとうし、柄を持ったまま刃の方まで伸ばして手を離してみた。
ビュンッ!!・・・・カランカラン・・・・
・・・・・夏の浜辺で千円くらいで売ってそうだ・・・・・
「あの・・・・これは一体?」
まったくもって俺には意味が解らない。
「ふっ・・・・どうやら一般販売用、通称『エヴァシリーズ』と間違えちゃったみたいね・・・・・」
「・・・・・・普通こういう時は間違えないもんでしょう?」
「エヴァシリーズ・・・・完成していたの?・・・・・してたみたい♪」
エリナさんがそう言った瞬間俺の中でファンファーレが鳴り響き、テロップが浮かび上がった。
パンパカパーン♪
アキトのレベルが上がった。
アキトは殺意を覚えたっ。
「エリナさん・・・・・あんたバカァ?」
「っく!!・・・・・だ、大丈夫よ。それも一応、対川魚専用近接戦闘武器、つまりはオールマイティよ・・・だから・・・」
「・・・・無様だな・・・・ああ」
「そのネタはもういいわよっ!っていうか一人で二役するなっ!!」
「・・・・知らない。私、三人目だから・・・・・」
「シバくっ!!!」
ゴスッ!!
殴られた瞬間、俺の意識は飛んだ。
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『テンカワさん、起きてください。テンカワさん、起きてください』
「・・・・・・はっ!!」
・・・・・俺は・・・・一体?
『テンカワさん起きましたか?』
「・・・・そうだ・・・・たしか、エリナさんにどつかれて、それから・・・・ってここ何処だ?」
『もしもし?テンカワさん?』
「・・・・なんで俺はエステに握られてるんだ?」
しかも完全武装。もちろん槍もある。
『・・・・・・・』
ギュウゥゥゥゥゥ
「ぬうおおおお?!」
千切れる!!首から下が千切れるううううっ!!
『テンカワさん、目は覚めましたか?』
「バッ、バッチリっス!!」
俺は慌ててコミュニケに向かってイツキさんに返事する。
『そうですか。では島が見えてきたので投下します。
尚、これより先はこちらのジャミングは役に立たなくなるので通信には気を付けてくださいね、【狼】さん』
「りょ、了解・・・・・っていうか投下って・・・・・ちょっと待ってくれ、イツキ・カザマさんっ!!」
『っ?!この・・・・・・おバカァァァ!!』
「ノォォォォォ――!!!!」
叫ぶや否やイツキさん操るエステバリス空戦フレームが俺を島近くの海に向かって全力投球で投げつける。
ドッパーン
俺は派手な音を立てて海にダイブした。口には何も咥えずに・・・・・・
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・
「・・・・・・・ぶはっ!!」
深海100m程勢いで突っ込みながらも何とか気合で俺は海面に顔を出した。
「・・・・い、今のはヤバかった・・・・・死んだ親父がチラっと見えたぞ・・・・」
『こっちに来てはダメだっ!』と叫ぶ親父に歩み寄っていったら最後には『来んなっ!!』と、石を投げつけられた・・・・ギャフンだ。
ぼやきながらも改めて潜れるよう呼吸を整える。上を見上げるとエステバリスが激しいドッグファイトを繰り広げていた。
「・・・・・イツキさんのコードネームって・・・・・何?」
・・・・・呟いて俺は固まった・・・・・
自分の周りをグルグルと黒いヒレが漂っていたのだ。
でででで・・・・、出たよ、おい・・・・・
「・・・・あ〜もうっ!!」
相手の姿が見えない事には戦い様がない。俺は慌てて海に潜った。
・・・・・・って暗い?!
潜っても相手の姿はまったく見えなかった・・・・ダメダメじゃんっ!!!
ゴーグル越しの俺の目には正に闇が広がっていた。
いや、目の前には・・・・・
「(くちぃぃぃぃ?!!!)」
叫びながらも鮫の顎をおもいきり蹴り上げ、反動で距離をとる。
・・・・・くっ、エリっちのウソ吐き!!ジョーズよりでかいぞ!!!
胸中で悲鳴を上げながら気配を探るために神経を集中させる。
辛うじて鮫の位置は気配で感じ取れるが、それでは対応が間に合わない事がすぐに解った。
「(・・・・・・くっ!こいつ、思ったより早い!!)」
大きく口を開き、牙を剥き出して襲い掛かってくる鮫を辛うじてかわしながら俺はうめく。しかし、そろそろ限界である。
・・・・・ライトぐらいないのかよ、くそっ!・・・・・・そうだ、リュックの中にあるかもっ!!C-4が使えなくなるがしょーがねー・・・
俺は潜入後のために用意されていた前に掛けているリュックに手を伸ばす。が、それが命取りとなった。
「(っ?!)」
理解せずとも体が本能的に反応した。俺は咄嗟に体を捻る。次の瞬間、鈍い音とともに一本のボンベを食いちぎった鮫が再び牙を剥きながら寄ってくるのが視界に映った。
っ?!・・・・・・この、魚の分際でぇ!!!
その瞬間、感覚が研ぎ澄まされ、体が次に起こすべき行動を無意識に行うのを感じた。
鮫が間合いに入るより僅かに早く、手にしていた槍を鮫の眼に向かって突き出す。一瞬動きを止めた鮫だったがすぐに槍を砕こうと口を開いた。
しかし、その一瞬で柄の長さ分ゴムを伸ばしながら接近し、限界まで溜めた力を至近距離で解き放つ。
勢いのついた槍は内側から鮫の喉元に突き刺り、口内への一撃に怯んだ鮫は槍が刺さったまま身を翻して逃げの姿勢を見せた。
が、俺は驚異的な握力で尾びれを掴み、海面の方向を確認すると空いた手でベルトのスイッチをONにする。
刹那、凄まじい加速と共に一気に俺は鮫を掴んだまま海上に高く飛び出し、ベルトのスイッチをOFFにしつつ一瞬でリュックから大型の銃を取り出すと瞬時に鮫に狙いをつけた。
「お前は敵だ・・・・敵は・・・・・狩る」
海面に落下しながら俺は早口に、それでいてはっきりとした物言いで呟く。言った瞬間体中のナノマシンが活性化し、淡い光の奔流が全身を駆け巡りだした。
「鮫の分際で・・・・・死ね」
激しい銃声が連続して俺の周囲の大気を震し、その度に肉片が飛び散る。次第に海面が近づくが、俺はそのまま海面に落下せず、絶命した鮫をボート代わりに落下した。
派手に揺れはしたがなんとか安定させた。
「・・・・・・・」
銃をしまいながら俺は孤島に眼を向ける。島の上空では光の筋が飛び交い、たまに爆発が起こり、衝撃が海面を揺す。
「・・・・まだ粘っているようだが、戦力差は大きいはず・・・・俺もさっさと任務をすますか・・・・」
俺は派手に穴の空いたボンベを捨て、軽く体を動かす。
・・・任務は・・・・救出・・・・だが、邪魔する奴は殺す・・・・・・
「そう、今の俺は本能で動く獣、【狼】だ」
・・・・・などと言っていると・・・・
ズドドドドドドドドド
『アホな事言ってないでさっさと行きなさいっ!!』
イツキさんが上空からマシンガンライフルを乱射してきた。派手に水柱が立ち、避けなければ直撃ってのももちろん有った。
『鮫ごとき、いうなればでかい金魚ですよっ?!何遊んでるんですか?』
「いっ、いえ、その・・・」
『あまつさえ銃を使うとは・・・・それでも日本男児ですかっ!!!」
「うう・・・・俺は火星生まれの木連育ちですぅ〜・・・」
『ああん?!上官に逆らう気ですかっ?!』
「・・・・・っていうか上官じゃないで・・・・」
言い終わる前に銃弾の雨が降り注いだ。
『私は貴方の上官ではない、と言うのですか?」
「めっ、滅相も御座いません!!平に、平にお許しをぉっ!!」
『・・・・ふう・・・・貴方の任務、分かってますよね?』
ウィンドウに映るイツキさん子供を諭す優しいシスターのふりをした悪魔(デビル)のように俺に問う。
実際、ライフルの銃口はこちらを向いていた。
「は、はいぃぃ!!たっ、ただ今よりテンカワ・アキト、特攻しますぅぅ!!!」
『よろしい♪』
・・・・そう、今の俺は本能で動く獣・・・・・
そして俺の本能が逆らえば死を告げていた・・・・・・・
・・・・俺ってシリアスしちゃいけないのかな・・・・・・・
平泳ぎで島に向かいながら俺は・・・・・
「なっ、涙じゃないぞっ!これは汗だいっ!!」
つづく
後書き
・・・・・みじかっ!!
なんか話が無駄に伸びていく・・・・・
日が経つにつれ頭の中で展開が変わっていくからな〜
だが!次こそはラピスをっ!・・・・出したいな〜(希望)
ちょっぴり北辰な代理人の感想
悔しかろう、悲しかろう・・・・
たとえシリアスを装うとも、
ギャグキャラと言う本質まで
ごまかせはしないのだ!
つーか、この話が始まった当初はシリアスキャラだと思ってたんですが(爆)。