決意
遥かな昔から別れと出会いは、人を変える力となる。
それが、大切な、強い思いを持つ、持っていくものとなら尚更であろう。
意思あるものが更なる高みへと成長するには、避ける事の出来ないものに違いない。
「アカツキさん、いい加減にアキトさんを私たちの元に返してください。」
バンッ
宝石・・そう瑠璃色のした髪を持つ高校生くらいの少女が、アカツキに向かい叫んでいる。
ネルガル会長室。今、四つの人影がある。
「本当に、僕たちも知らないんだよ、ルリ君。」
金色の瞳を持つ少女は、さらに続ける。
「隠しても無駄です。先日の大爆発事件より前にアキトさんが、ネルガルに居た事は調べが付いているのです。
それに、…ユリカさんの容体も思わしくないんですよ。」
「困りますね。ホストコンピュータにハッキングされたのは、ルリさんでしたか。
いやぁ、おかげで、うちのプログラマーたちは、泣いていましたよ。」
さして困っている様には見えないサラリーマン風の男が言う
「イネス君、報告を頼むよ。」
「良いのですか。社内機密に関わるものですが、会長?」
「構わないさ、どうせこちらの手の内を見せなきゃ納得しなさそうだしね。
始めてくれ。」
「分かったわ。
エリナ女史の容態は、深い昏睡状態ね。命に関わるものではないわね。
おそらく、ラピスとアキト君の事と今迄の疲労が重なったようね。」
「ということは、労災の申請をしておかなきゃね。
でもう一つの検査の結果は?」
「プロスペクターの読みどおり、ラピス=ラズリは、取り返したのではなく、取り返されたと考えるべきね。」
忌々しそうに結果を告げる
「一体、何のことです?」
「おにーちゃんと一緒いたMcの事よ。
あの児は貴女とは違い、欠陥品いえ、実験体、詰り、モルモットだったということよ。
過度の実験と遺伝子自体にも異常があってね、持ったとしてもあと一年ってとこだったわ。
彼らにしたら、もっと早く死亡すると考えていたのかもしれないけど。
その事の報告と、お兄ちゃんの事が重なったのね
で、エリナ女史は、ベッドの上で点滴を受けているのよ」
あの児の事結構気にしてたのねと付け足すイネス
「全く、奴等ときたらえげつない事を」
「で、お兄ちゃん達の事だけども、結論から言うわ。
この世界、いえ、少なくとも三次元上の時空間にはいないはね。
あの場所でのエネルギーは、あそこに在ったと考えられる戦艦、
全てのエンジンを暴走させたのと近い規模と出たわ。
それが、ある地点より放出されたものと推測されるの。
なのに、サレナの残骸が少数だけども発見された。」
「それだけの高エネルギーに耐えられる物質はいまだに出来ていない。
つまり、ボソンジャンプによるパラドックスの結果という事ですか?」
イネスは満足そうにうなずき続けた
「さすがは電子の妖精ね。
その通りよ。以前ジンタイプの自爆からの被害を無くす為に過去にジャンプしたでしょ、あの時おにーちゃんは、無事であった。
町一つ消し飛ばすだけの物だったのにね。これ………」
「つまり、同じ様に過去に飛んだために、サレナの残骸が残っていたということですか?」
「それですと、あの高エネルギーは一体何なのでしょうか?」
ホワイトボードに嬉々として図を描きながら、説明をしていたイネスは、少しムッとした表情で続けた。
「簡単なことよ。今回のジャンプは過去に飛んだ例とは違うという事。
様々データと、私の理論が的外れでないとするならば…………」
「何処へと飛んだんですか」
「同一時空間座標、
詰り現在へと飛んだせいだと、推測されるわ。」
「現在に?それが如何して、あんなになってしまうんだ?」
待ってましたとばかり、生き生きと講義、いや説明を始めるイネス
「本来、時間と空間は一定の割合以上には物を受け入れることはないわ。
だからこそ〜省略〜であり、スプーン一匙あたり二トンから三トンくらいだと推測されているわ。
この関係は〜中略〜過去におけるジャンプ〜大略〜つまり、アキト君は、現在という時間と限定された空間に、サレナ全てを飛ばしたのよ。
それによって、耐え切れなくなった時空間がそれに耐えることが出来る他次元空間との通路を形成したというわけ。
でこの多次元空間というのが・・・」
「嘘です。」
金色の瞳を潤ませながら、きっぱりと言い放つ
「アキトさんは確かにユリカさんを取り戻すために…多くの人命を奪いました。
たとえ、あのラピスという児の寿命があと一年であったにしろ、そんな自殺行為に巻き込むわけありません。
アキトさんはそんなことの出来るほど強い人じゃない。」
「ふう、アキト君もあれだけ思ってくれる児がいることをもう少しでも自覚していたらこんな事にはならなかったのにねぇ。」
取り乱した少女をちょび髭が軍宿舎まで送り届けているので
ここには男女二人のみである
「まったくね。」
「イヤー。それにしてもあのルリ君があそこまで取り乱すとわね、
電子の妖精と持て囃されても、やっぱり子供なんだよね」
「彼女にとって、アキト君は、一番身近で頼れる存在かつ、憧れの男性でもあったのよ。
彼は、ホシノルリにとって、父親であり、初恋の人でもあるのね。」
彼女自身がその思いに気が付いているかどうかは別にしてと呟く
「アカツキ君、これから如何するの?
プロスペクターの話じゃ、あの爆発以来ほとんど動きを見せていないとの事よ。
SSからの報告では、ボソンジャンプ関連法は、可決間違い無しのようだしね。」
「ウ〜ン。まあ、重役連中のことは、プロス君に任せておけば良いよ。
政府筋は、ユリカ君に対して害になる法案は作れないだろうし、
ジャンプ自体を禁じるものじゃないから、ドクターには、引き続き研究を頼むよ。
後、勿論、アキト君らの行方を捜すのも止めないでいいから。」
ドクターなら、ばれない様に出来るだろと、悪戯っ子の様な口調で付け足す
「だから、ホントウの所を教えて欲しいんだな。
やっぱ、知っているといないとでは、行動する時の気合が異なるからねぇ〜」
少し驚いたような表情を浮かべて、困ったように変え、如何して?と聞き返す。
「うん?…ははは、伊達にこんな職業をやってるいわけじゃないよ。
何時もより、少し説明に力が入っていなかったからし、
元気が、変に無かったからさ、何か別の考えがあると考えたんだよ。」
「人のことは分かっても自分の事となると…………………駄目ね……
解ったわ。
だけども、勘違いしないでね。
これからの説明は、説明じゃないわ。いうなれば、空想ね。
私のこれまでの経験と、ジャンプや遺跡に関する研究、それらを組み合わせて出る、可能性の一部でしかないわ。
私自身、自分の正気を疑っているもの。こんな事を考え付くなんてね…………………」
もしかしたら、ショックの余りネジが二、三個外れたのじゃないかって思うのよねと、らしくなくしゃべるイネスに
それでも彼らについて一番近いのは君だよ、と返すアカツキ
「それじゃ、覚悟してね。
説明お姉さんの二つ名に相応しい説明をするわ。
けど、なるべく二十時間以内で終わるように説明をするからちゃんとついてきなさい」
その後、アカツキは、兄さんと一緒に船に乗って語らうと言う奇妙な体験をしたと語り、
また、二日にわたり、ネルガルの運営に混乱が見られたことを追記しておく。
船内・医療室
<ここは・・
ラピス、返事をしてくれ。ラピス
………………………………………………
………………………………………………
ラピス…しくじったのか・結局何も変えることが出来なかったのか・・・・
・?!・何だ・・・・
「あら」
「ここふぁ?」
声のするほうに出すが、感覚が鈍い
以前と変わらぬ状態であることが、アキトに生きていることを知らせる
「やあ。目覚めたようだね
ん、感覚がおかしい様だね。」
<ラピスの補助よりも感覚が戻っている!?
「そんな挨拶よりも、早く聞いておいたほうがいいんじゃないの?
この児、持ちそうに無いから」
妙齢の女性の声が響くが、その姿を確認することが出来ない
「確かにね。
色々訊きたい事があるだろうけど、時間が無いから、これから言うことを良く聴いてくれ。
まず、君と一緒にいた女の子は、虫の息だ。」
「なに!?どういうことなんだっっぅ」
起きようとするが、動けない
「君の連れはまともな手段じゃ助からないと言うことだよ。
でもって、彼女からの遺言が、」
「そんな、…如何にかならないのか。
その児は、ラピスは、生きなきゃならないんだ。
幸せにならなければならないのに。」
「で、遺言で、『イキテ』という事だ。」
「ミム、聞こえてないみたいよ。」
「そうみたいだな。
まったく時間が無いってのに、しょうがないな。
オイ、お前は、如何するつもりだ。
身体を直す事ぐらいしてやるけど。」
「いらん。………………………
…………ラピスを、護れ切れなかったのに、これ以上生きるつもりも無い。
全てと引き換えにしても、護れなかった俺が、生きていてもしょうがない。
……このまま、殺してくれ。。」
虚ろな声で答えるアキト
それを、あきれたように見るミム
「彼女の遺言は、どうする?」
「………………………」
「まったく、人の話は、良く聴けっての。
まともな手段じゃなければ助けられると言っているのに。」
「本当か?!!
その児は、ラピスだけは助けてくれ。」
ミムは嘲る様な表情をして言葉を紡ぐ
「その代り、君は人柱にならなければならないけどいいの?死ぬことよりも辛いことになるよ」
がアキトは、迷うことなく
「俺は如何なっても構わない。たとえあの頃よりも酷い事になってもいい。だから」
だからその児を助けたい、助けて欲しいと言い放つ。
その言葉には、狂気が見えるほどに激しい決意がある。
「おっけい〜。じゃあもう少し寝てなさい、何とかしとくからさ
けど、君は死ぬよりも辛い目にあうけど本当にいいのね」
「それと、これは無償じゃない。
君から、代償となるものを受けてもらうよ。」
「何であろうと構わない、ラピスを助けられるのなら、
…アイツのオモチャにだってなってやる。」
「その決意を忘れないようにな。
最後に、君の名前は?」
「アキト。
…天河アキトだ。」
「我の名は、ミュルス・ルイン・バルシード。ミムと呼んでくれ。
でもう一つの声が。」
「私はフィース・ルイン・バルシードよ
フィルというのが愛称ね。」
「「幼子よ。我等の名に誓って、その決意と引き換えに汝の願いを叶えよう」」
アキトは、沈む意識の中でその声を聴いた
そして、信じてもいない神に願った
あの声が、悪魔の囁きであってもかまない
「この身がどうなろうと構わない、
だから、ラピスだけは、助かってくれ」と
彼は、何処へと行くのだろうか、何を成そうとするのだろう
それは、アキトにも、ミュルスという名の男と、フィースという名の姿無き者にも、
ましてや、生と死の狭間を漂っているラピスにもわからないのであろう
ただ、強い、果てしなく強い、アキトの決意だけは、彼等、全員に伝わっているに違いない。
始まり 4 終
補足:あの場所でのエネルギーは、あそこに在ったと考えられる戦艦、全てのエンジンを暴走させたのと近い規模と出たわ。
講師、フィルさん
:皆さんこんばんわ。私、フィース・ルイン・バルシードこと、???の姉のフィルです。
今回、私が補足する事になったのは、ただの気まぐれですから深い突っ込みはなしです。
で、『あの場所でのエネルギーは、あそこに在ったと考えられる戦艦、全てのエンジンを暴走させたのと近い規模』
というばかげたものがなんで出たかということね。
それは、アキト君らの行為、同一時空間の同一的干渉のせいよ。通常、遺跡による移動は、そこにある情報を使用者の意思に従い分解、生成をすることによって行なわれるの。
対象物を情報(素粒子)に分解そして移動先で、障害物がなく一番使用者の意思に近い所へと生成されるわけ。
だけども、今回は、使用者たるアキト君が、影を重ねるようなイメージを行なった。
本来なら、安全機能によって、キャンセルされるはずだったのに、極めて不安定なフィールド、使用瞬間時にフィールドへの過大な負荷。それらの理由によって
情報が、分解されきる前に、同一時空間で生成が行なわれてしまった、かえるの歌のようにね。
その結果、重なった部分での物質の崩壊が起こり、質量=光の二乗という力が開放、
次に、三次元空間における空間の許容限度超過により、次元崩壊を連鎖で起こし、
上位時空間からの力の流入現象と、時空間の恒常性により崩壊した空間を回りの空間で補うため、局所的な重力変動が起き為に小型の超新星爆発と同程度のエネルギーが発生したということ。
だけど崩壊を起こした、空間が、0.2ミクロン以下であったためにこの程度の被害で済んだのよ。もしも、あと、0.1ミクロン大きければ、上位時空間からの力の流入量が大きいため空間の修復が間に合わず、崩壊箇所の拡大が起こり、この世界(宇宙)自体が、上位時空間に押しつぶされ消滅となっていた。
それ故に、イネス博士が、ネジが二、三本はずれている思ったんじゃないかな。彼女にも、世界が非常に危ういバランスで、助かったことを、うすうす気が付いているのね。
それと、この方法の原理を利用して、私たちでは、新たな宇宙を作っているの。
遺跡とかを利用するのではなく、存在の確率と、物質の振幅、生命の流れ、後、隣接する次元、平行世界を揺さぶる事によって、行ないます。
閉塞する宇宙で行なっても、三千兆以上の高度知的生命体および、精神体に影響が及ぶから、滅多にやらないけどね。
アキト君たちのケースは、二億強ぐらいに影響が及ぶ規模ね。まあ、数万から、数億に変わっただけだから、大した事じゃないわね。
とまあ、こんなものでいかがかな〜。この補足を呼んでいる人なんてのいるかな。
また、気が向いたら出てくるからよろしくね。
後書きみたいなもの
くらげ>………………………
???>………………………(^_^;)
くらげ>もう、登場しているんだから、???じゃ無くていいのでは?
ミム >そうだな。………………(^^;
くらげ>そういえば、その2はどうしたの?
ミム >しばらく出番が無いからって落ち込んでいるよ。(=_=)
くらげ>そう。…にしても、流石フィル姉様だな。まさか、補足を乗っ取られるとは思わなかったよ。
某第一王位継承権をもつ平和主義者と同じ愛称を持つだけのことはあるな
ミム >その言葉。聞かれたら、どんな目に合わされるか知らないぞ。(ーー;)
くらげ>え?!
ミム >人気の無い道と、頭上に気をつけたほうがいいな。無灯火の車と鉛入りの花瓶が落ちてくる可能性があるからな(-.-)
くらげ>…………やけに、現実味があるんですけど…
ミム >ああ、経験済みだからな(ーー)
くらげ>………………………
ミム >諦めろ。全ては運命だ。(~o~)
くらげ>しくしくしくしくしくしくしくしくしく………………………………………………
ミム >………鬱陶しい(-_-メ)
ばこっ
ミム >運命の名の下に作者が、気絶したので代わりに。
誤字脱字、中傷非難あと、もしよければ、感想などがあった場合
メールをやってくださると、大変に作者は、喜びます。気の向いた方はお願いします。
以上。また、次回に。
代理人の感想
えー。
なんというか、非常に読みにくいです。
一、誤字脱字、特にてにをはの間違いが多い
二、読点が乱発されている為文章のリズムが悪い
三、接続の文節(「また」「そして」「この場合」「皆さん御承知のように」など)が
殆ど使われていない為文脈が読み取り辛い
四、論点が不明確、前提の説明が不足、論理の展開が理解しづらい
(=自分にだけわかる言葉で自分に説明している、と思って下さい)
取り合えず、以上四点気をつけていただきたく思います。
そして何より注意して欲しいのですが、
文章は他人に読んでもらう事を前提に書いて下さい。
作者だけがわかっていても意味がないのです。