「何時か二人で見ていたあの、遠いあの空・・・・」
「何時か二人で見ていたあの、青いあの空・・・・・」
「今まで何度も忘れようとした、思い出・・・・」
「今でも、抱いてる気持ち・・・」
「一緒に空を見ていた、彼女の名前は、瑞樹 レナ」
「私の隣に居た、彼の名前は、天川 飛鳥」
「もう、あの頃には、戻れない・・・」
「もう一度あの頃に戻って、君に会いたいな・・・・」
Destiny
〜交わる事の無い二つの時間〜
Destiny 第一話「はじまり」
「飛鳥、そっちはどう??」
ついさっき戦闘が終わった、「ルシュファー」に通信が入った、ナデシコにいるラピスからだ。
ルシュファーとは、飛鳥は搭乗している機体の事だ、漆黒の戦神テンカワ・アキトの機体、「ブローディア」と同型の機体、
塗装は、黒が主体で白のラインが施されている、背中には機械的なフォルムの羽が広がっている、
この機体が、フルバースト時になると背中にある羽からビーム上のフィールドが現れ、
まるで16本の羽がはえた堕天使の様に見えるのだ、ルシュファーと言う名はここから来ている。
ラピスの写るウインドウが飛鳥の目の前に現れる。
「取り合えず敵機は全て、撃墜しました」
「うん、わかった、ナデシコに戻ってきてね」
「了解しました」
そういうと、飛鳥はバーニアを吹かして、ナデシコに向かっていった。
ついさっきまで、ここでは、大きな戦闘があった。
木蓮の戦艦が一隻と、チューリップが二つ、これがもし普通の戦艦ならば、かなり苦戦しただろう。
ナデシコに戻る途中、ルシュファーに通信が入った。
「飛鳥、ちょっといい??」
アリサからだ、飛鳥の目の前にウインドウが開いた。ウインドウには銀色の髪の毛をポニーテールにしている碧眼の20歳ぐらいの女性が写っていた。
「どうしたんですか、アリサさん??」
「飛鳥は何機落とした??」
「飛鳥はね、80機ぐらい落としたよ〜」
急に10歳ぐらいの少女が画面に出てきて、飛鳥の撃墜数をアリサに教えた。
この少女はルシュファーに搭載されている、AI「クリス」だ、オモイカネの様に遺跡のAIをコピーしたAIだ。
「ありがとう、クリスちゃん」
「クリス、撃墜数まで数えていたのか??」
「うんそうだよ♪、すごいでしょ?」
そういってクリスは、画面の中で胸を張っている。
「でもどうして、撃墜数なんか聞くんですか??」
「リョーコと、競争してたんだ、それで飛鳥は何機ぐらい落としたかなぁ??って思って」
アリサとリョーコはよく、撃墜数の多さで競争する事がある、
勝った方は、ご飯をおごって貰えるとか、アキトや飛鳥とのデートに行けるとか、賞品は様々だ。
暫くしてルシュファーはナデシコに着艦した。
飛鳥はルシュファーから降りると髪を縛っていたゴムを外す、肩よりも少し下まであるアッシュブロンドの髪がひらりと、宙を舞った。
身長は180cm程、綺麗な顔立ちで、アッシュブロンドの髪は肩の下あたりまである、
綺麗な顔立ちと、長い髪のせいか、時々女の子に見られてしまう事もしばしば。
「あ、飛鳥〜」
飛鳥は声がした方向には、アリサが立っていた、ポニーテールにしていた髪は下に流している。
「どうでした?勝負の方は?」
「負けちゃった」
そう言ってアリサは、ガックリと肩を落とした。
「悔しいけど、次は負けないんだから!」
「はは、頑張って下さい」
「そうだ飛鳥、コロニーに着いたら買い物にでも行かない??」
「いいですよ」
飛鳥とアリサは普段から買い物に行ったりしている、周りから見ればそれはデートの様なものなのだが、
飛鳥はそれを否定している、それを認めてしまうとTA同盟や、反TA同盟のみんなが、黙っていないからだ。(認めなくても黙っていないのだが)
「美花も一緒に、いいですか??」
「うん、もちろん」
「じゃぁ、明日の午後1時ぐらいに、そういう事でおやすみ、飛鳥」
「はい、おやすみなさい」
アリサは格納庫から、出て行った。
「飛鳥・・・」
ナデシコの通路を歩いている、飛鳥を誰かが呼び止めた、飛鳥は声のした方向を向いた、
そこには、腰まであるアッシュブロンドの髪を持った、7〜8歳ぐらいの女の子が立っていた。
その顔はどこか飛鳥に似ていた。
「美花、まだ起きてたのか??」
その少女は美花と呼ばれていた。
「飛鳥のことまってたから。部屋にもどろう・・・ねむい」
「そうだな、戻ろうか」
「うん・・・・」
美花は眠そうに、瞼を擦った、眠いのは仕方の無い事だ、なんせこの戦闘が始まったのは、
ナデシコの中で深夜になっている時間に始まったのだから、もちろんクルーの大半は各自の部屋で眠りに付いていた。
飛鳥と美花は、部屋に着いた、そして美花は飛鳥と同じベットに横になった、
そして飛鳥の腕に抱きつく様にして、寄り添った。
「おやすみ・・・飛鳥」
美花の声は、今にも眠りそうな声だった。
「おやすみ、美花」
二人は、まるで仲の良い兄弟の様に眠りに付いた・・・・・・
飛鳥は夢を見ていた。
何度も見た夢だった・・・・
あれは何時の事だろうか、飛鳥は大きな木の下に居た、
その隣には、幼馴染の少女が座っていた、栗色の髪を肩までで切りそろえている。
その幼馴染の名前は瑞樹 レナ――――
心の奥底に残っている、思い出―――――
この思い出だけは忘れられなかった――――――
何度も会いたいと思った――――――
「飛鳥ずっと一緒に、居てくれる?」
レナは飛鳥に抱きついて、呟いた。
「ずっと一緒に居る」
飛鳥は優しい声で、返した。
「本当に??」
「本当に」
次の日に起きた出来事が二人を引き裂いた――――
そこで夢は途切れた。
美花は、隣に寝ている飛鳥を、起こそうとしていた。
「飛鳥・・・、おきてよぉ・・・・」
「ん?、美花か・・・・、ふぁ・・・・おはよう」
飛鳥は、眠そうな顔で答えた。
飛鳥は朝が弱いのだ、この前など朝食を、半分寝たまま食べた事もあった程だ。
「飛鳥、おきてるの・・?」
「・・・起きてる・・・ぞ・・・・・ぐー・・・すーすー・・・・・・」
飛鳥の方から、穏やかな寝息がこぼれた、どうやら眠りに付いてしまった様だ。
「飛鳥がねるなら、美花もいっしょにねる」
そう言うと、美花は飛鳥の隣に潜り込んだ。
「あれ?、飛鳥まだ来てないの??」
アリサは食堂のカウンターに座って、アキトに尋ねた。
「うん、まだ起きてないんじゃないのかな??」
(今日の約束憶えてるのかな??)
アリサは心の中で思った。
「あ〜そうだよね、飛鳥って朝弱いんだっけ??」
「この前、寝ながら朝食食べてたな」
いつの間にか、隣に座っていた、ナオが口を挟んできた。
「えっ?、それって本当の事だったんですか??」
「目を瞑ったまま、トーストかじってたな」
「あんな事ができるのは、飛鳥ぐらいだよ」
そう断言すると、ナオはトーストをかじった。
「あ、私の分食べないで下さい」
ナオはそんなアリサの抗議を無視して、アリサの分のトーストを食べ続けた。
アリサは、消火器を手に取り構えた、それを見た瞬間ナオは血相を変え、トーストを口にくわえたまま、食堂から逃げ出していった、
それを、追ってアリサを食堂を出て行った。
「冗談だよ〜!!、アリサちゃん!!!」
「ちょっと待って、その消火器ってサラちゃんのじゃないの??」
「姉さんから借りてきました」
「で・・・でも、これくらいで怒らなくても・・・」
「今、気が立ってるんです」
そう言い残して、二人は食堂から居なくなった。
「物騒だねぇ・・・・」
そんな光景を見ながらアキトは呟いたが、その呟きは誰も聞こえなかった。
遠くから、ナオの悲鳴が聞こえて来たがナデシコではよくある光景だ、ナデシコのクルーは気にも留めない様子だ。
昼過ぎの、飛鳥の部屋で飛鳥と美花は、穏やかな寝息を立てていた。
「ん・・・」
飛鳥はベット中から身を起こすと、時計を見て時間を確かめた。
(14時30分――――寝すぎた・・・・・)
「ふぁ・・・・」
飛鳥の傍で声がした。
「美花、なんで一緒に寝てるんだ??」
「んん・・・・飛鳥が、おきてくれないから美花もいっしょにねた」
「・・・そうか」
飛鳥は少しガックリとするが、何時もの事なので、あまり気にしなかった、
取り合えず、飛鳥はシャワーを浴びる事にした。
ベットから出て着替えをとって、バスルームに行った。
「飛鳥・・・」
飛鳥の後ろには、美花が立っていた何故か美花は着替えを持っていた。
「一緒に、入ろう」
「へ?」
「飛鳥・・・一緒に入っちゃだめ??」
「う・・・」
飛鳥が困った様な笑いを浮かべる。
美花は上目遣いで飛鳥を下から見つめている、飛鳥はこのおねだりをされるとどうしても断れないのだ。
「いいよ、いっしょに入ろう・・・」
「うん!」
飛鳥はバスルームに向かいながら思った、この事がアリサさん達に、バレたら・・・・・(まぁ何時のもの事なのだが)、
考えるだけでも背筋が凍る、飛鳥の顔色が悪くなってきた。
第二話「もう一つの時間」へ続く――――――――
後書き
どうも始めまして、作者のkurisuです。
本当のHNは、神威なのですが同じHNの人が居たので昔のを使っています。(もう一人の神威さん気にしないで下さい)
えっと今回の物語Destinyは、時ナデの序章の時間を借りています。
題名のDestinyと言うのは、作者の好きな歌手の一曲から使ったのですが(玉置 成○さんの曲です)、
はっきり言って、あんまり物語に関係ありません!(まぁ関係をあるように努力したのですが・・・・)
それなので、サブタイトルに〜交わる事の無い二つの時間〜と、付け足しました。
次回の後書きではストーリーの背景を説明したいと思います。
それでは、ここら辺で
追伸
キャラクターの性格が少し違う、文法がおかしい、等の事はご勘弁下さいm(==)m
管理人の感想
kurisuさんからの投稿です。
第一話を読ませていただきました。
私の作品とのクロスオーバーだそうですが、時間軸的にどの辺りなのか一言欲しかったですね(苦笑)
それと飛鳥と美花がナデシコに乗り込んでいる理由などは、次の話から明らかになっていくのでしょうか?
では、続きをお待ちしております。