機動戦艦ナデシコ

地球側最強の戦艦にして、かの漆黒の戦神の御座所として、関わるすべての者から畏怖の目で見られる船。

・・・ではあるが、その内情が愛欲の修羅場と化している事は諸兄等の良く知る所であると思うので割愛する、

今日はそんなナデシコの日常を少し覗いて見よう。

 

 

 

 

 

汚名返上SS(爆)

逃走のアキト

 

 

 

 

 

ブリッチ

艦長であるミスマルユリカが何やら本を片手にウキウキ顔である

 

 

「本が出てる♪ これでアキトにお仕置きができる♪」

 

「ねえルリルリ? な〜んか最近目的と手段が逆転してない?」

 

「…気のせいですよミナトさん」

 

「ねえルリちゃん、アキトはどこ♪」

 

「…たった今艦内でボース粒子を感知しました、どうやら艦の外に逃げたようです…(怒)」

 

何やらいつもと違う展開、ではそのアキトはどこへ消えたのか?

カメラをアキト側に移して見よう。

 

 

 

機動戦艦シャクヤク

木星連合に奪われ、その後優人及び優華部隊の旗艦となった船、その大浴場には、

打倒テンカワアキトのための厳しい訓練を終え、体を休める北斗の姿があった。

 

「んっ…いい湯だ…水量制限の厳しい木連では考えられん贅沢だな、

 上の連中が地球を欲しがる気持ちも分かるというものだ…」

 

ポワァァ・・・

 

くつろぐ北斗の少し上に淡い光があらわれる、そして・・・

 

バシャァァァァン!!!

 

 

「うわっ!!」

 

「なにぃっ!!」

 

突如現れた謎の影は、北斗に向かって落ちてきた。

 

「ゲホゲホ…どこだここ、ナデシコの大浴場? しまったイメージングに失敗したか、くそっ、もう一度…」

 

「…おい!」

 

「えっ?」

 

「いつまで人の胸をつかんでるつもりだアキト?」

 

「胸って…げっ北斗!! なんでナデシコにっ、てもしかしてここシャクヤクか!?」

 

テンカワアキトである。

お仕置きを逃れようとランダムジャンプを敢行したアキトは、

なにを思い浮かべたのかシャクヤクにジャンプアウトしてしまったようだ。

しかもお約束のように北斗の胸を握り締めている(笑)

 

「ちちち違うんだ!! これは決して悪気があっての事ではなく…事故、そう事故なんだ!!!」

 

必死で弁解するアキトだが当の北斗は聞いていないようだ

 

「クックックッ…そうだな…油断していた、一度拳を交えた以上俺とお前は常に交戦状態なんだな・・・

 距離に油断していた俺が甘かったという事か・・・さすが漆黒の戦神テンカワアキト、そうでなくてはおもしろくない、

 いいだろう、いまこそ決着をつけてやる!!!」

 

カッ!!

 

昴氣を纏った上段蹴りがアキトの顔面をおそう、紙一重でそれを交わすアキト、しかし・・・

 

ブハッ!!

 

鮮血が舞い散る、アキトが流した血だ・・・

 

「どうしたアキト、この程度の蹴りがかわせんお前じゃないだろ? 俺を失望させるなよ…」

 

「ばっ馬鹿、なに考えてる!! そんな格好で蹴り放ったらどうなると…」

 

湯船にタオルを持ちこむのはマナー違反である、舞歌と零夜の薫陶よろしく育った北斗がそんな事をするはずもなく、

今は当然なにも身に纏ってはいない、

ついでに言えばアキトの流した血もまた、傷を負ったために流れた血ではない。

 

「どうしたアキト、腰が引けているぞ? ちゃんと本気を出さねば死ぬのは…なんだ、枝織か?

 うるさい!! 俺はこいつと決着を・・・よせ、うわっ・・・」

 

急に悶えだした北斗に怖いものを感じたアキトではあるが、生来のフェミニストな性格が出てしまい、

つい北斗に歩み寄ってしまう。

 

「ほっ北斗さん? もしも〜し、おーい、ヤッホー」

 

ガバッ!!

 

そう表現するより他ない勢いで北斗が抱きついてきた

 

「うわぁ!?」

 

「アー君だアー君だー!! 遊びにきてくれたんだね、枝織嬉しい〜〜☆」

 

「しっ、枝織ちゃん? うわぁ!! はっ離してくれ、当たってる、胸が当たってるって〜〜〜!!」

 

繰り返すようだが北斗(枝織)はなにも身に纏っていない。

 

「あれっ、アー君ここ腫れてるよ? どうしたの、痛い? だいじょうぶ?」

 

「だー!! どっ、どこ触ってるんだ!! あっ、だめだ枝織ちゃん離してくれ・・・うわっ」

 

「アー君死んじゃうの!? 嫌、死なないで、しっかりして!!」

 

ナニが腫れているのかは謎であるが、枝織はなんとか腫れを引かそうと必死で患部をさすっている、

対するアキトはそこが痛むのかなんとか逃れ様と必死だ…

 

「アー君死んじゃいや!! 枝織を一人にしないで!!」

 

「しっ枝織ちゃん!! くっもう、もう・・・うわぁぁぁぁ!!」

 

 

チ〜ン

 

南無阿弥陀仏…

 

 

 

 

 

「うっうう…」

 

「!? 舞歌様、テンカワ殿、どうやら気がついたようです」

 

「そう、ごくろうさま飛厘、変わるわ」

 

後頭部に暖かな感触を感じたアキトの意識はゆっくりと覚醒した。

 

「ここは…?」

 

「お目覚めかしら? テンカワアキト殿」

 

目の前には優しく見つめる東舞歌の顔があった、どうやら膝枕されているようだ。

 

「…舞歌さん?」

 

「はい、おひさしぶりね」

 

優しく、本当に優しく見つめる舞歌。

 

「俺は…?」

 

「大浴場で倒れてたのよ? 覚えてない?」

 

「…たしか、ナデシコからジャンプして…そこで何かすごいものを見たような…くっ頭が…」

 

「無理しないで、飛厘、鎮静剤を」

 

「はい、舞歌様」

 

数刻後

 

「済まない、すっかり世話になったようだ」

 

「あら、良いのよ、あなたはわたし達にとっても大切な人だもの、木星と地球、二つの星を繋ぐための、ね・・・」

 

「しかし…どうして俺は優人部隊の制服を着てるんだ?」

 

「ああ、それね、アキト殿の服はびしょぬれだったから洗濯しているのよ、そのあいだ裸はまずいでしょ? 

 だから三郎太君の服を着ていてもらったのよ」

 

舞歌はなぜか気まずそうである、とその時。

 

ドタドタドタ

 

「まって枝織ちゃん」

 

「お待ち下さい枝織殿」

 

「やーれやれ、だから黙ってろって言ったろ?」

 

「しょっ、しょうがなかと、千沙が話してやれと…」

 

「私の所為にしないでよね三姫」

 

「アー君気がついた? 良かったー、枝織本当に心配したんだから」

 

部屋に入るなりアキトに飛びついてくる枝織にデジャブのようなものを感じるアキト。

 

「アー君、ダメだよ怪我したらちゃんとお手当てしないと、あんなに腫れるまで放っておくから膿みが溜まるんだよ?

 膿みがかかって枝織おててと顔がベタベタになっちゃったんだから」

 

失われていた記憶が戻ってくる…

否定してくれるなにかを求めて周りを見つめるが、

三郎太は同情を込めたまなざしで見つめ、

優歌部隊の面々は気まずそうに視線をそらし、

零夜は敵意を込めて睨みつけ、

舞歌は子供のいたずらを見つけた母のような表情で見つめてくる。

 

「何か」、大切な「何か」を失ったアキトにはただ叫ぶことしかなく、そして・・・

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!!」

 

 

 

 

終わり

 

 

 

なおラピスからのリンクで一部始終を知っていた某同盟メンバーは、

ナデシコに帰還したアキトをお仕置きしようと待ち構えていたが、

憔悴しきったアキトの様子に手を出す事をあきらめたとか…

 

またアキトが立ち直るまでに1ヶ月という時間を要したため、月の防衛ラインが壊滅しかけたことは別のお話である。

 

 

 

 

 

あとがき

今回のテーマ「お仕置き無し」(爆)

 

だって某マスターに呆れられちゃったんだもん(笑)

しかし・・・インタビューパートが無いとみじかいみじかい(;^_^A

…いつもより性質が悪いって意見は漢(おとこ)らしく却下いたします。

 

ふう、やれやれって誰だアンタ達は!!

離せ、なにをするつもりだ、その手に持っているのはまさかDH細胞!?

貴様等、そうか深紅の羅せ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!

 

 

・・・エーオサワガセシマシタ(カクカク)、

事ホド左様ニ黒貴宝ハウソツキデス(カクカク)、

僕ノイウコトヲ信用スルト痛イ目ニアイマスノデオキヲツケクダサイ(カクカク)

 

エーデハ、コノヨウナ駄文ニオ付キ合イ頂キ誠ニアリガトウゴザイマシタ(カクカク)m(_ _)m

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

黒貴宝さんからの投稿第八弾です!!

・・・何も言うまい(苦笑)

と言うか、言い様が無いっす(笑)

あ、でも一言だけ。

 

黒貴宝さん!! R指定 4人目おめでとう!!(爆)

 

それでは、黒貴宝さん投稿有り難う御座いました!!

 

感想のメールを出す時には、この 黒貴宝さん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!

 

 

ナデシコのページに戻る