時ナデ・if <逆行の艦隊> 第16話 やっぱりいつもの『キス』・その3 宇宙空間という過酷な環境においても乗員を保護する最新のパイロットスーツは 気温マイナス30度と言う地球の極地においてもその有効性を保っていた。 これがなければたちまちの内に氷のオブジェとなってしまうことだろう。 そんなマンガちっくな絵図を想像しながらカイトは慎重にレバーを引いた。 ボシュッ、と言う音と共に炸薬によって緊急用のハッチが外れる。 「よかった。 強引に開けなくてすみましたね」 「緊急用のハッチは例えマイナス60度でも動作するようになっているからな。 機体そのものの歪みが心配だったが、運がいい」 「運がいい、ですか?」 「不幸中の幸いというやつだ。 行くぞ」 カイトと同じようにパイロットスーツを着込んだテツヤが率先してハッチの中へ潜り込む。 正直なところ、カーゴルームに入るのは気が進まなかった。 1号機の方は外部から見た損傷こそ少なかったが、 それでも機体の一部は地面に叩きつけられた衝撃で所々が潰れていた。 中の乗員がどうなっているかは、想像するだけでしばらく肉料理は外したくなる。 できればエステバリスの中でおとなしく待機していたかったのだが、 3人のチームで2人が調査のためにエステを降りるとなると、 何かあった場合(特に敵の襲撃)には残りの1人が対応しなければならないため、 それならアキトが残るべきだという至極妥当な判断から、カイトとテツヤの2人が調査に向かうこととなった。 暗視ゴーグルを使わないのは、見えないほうがいいこともあるから……ではなく、単にナデシコの装備になかったからだ。 元が民間の宇宙戦艦で、生身の兵士による陸戦はこれっぽっちも想定されていないことがこれで判明した。 あとでプロスペクターかミナセ少将に陸戦装備一式を取り揃えてもらおう。 プロスは無駄と言うかもしれないが、次の任務では絶対必須になる。 少なくとも、俺は。 手にしたペンライトは民間用のそれとまったく変わらなかった。 それでもキャンプ用品か、災害用のサバイバルキットの中には必須の代物で、 信頼性と耐久性は軍用にも劣らない一品だった。 ただ、電池ではなくバッテリー方式であるために予備のバッテリーを持つ必要があった。 電池式でも同じような問題はあるが、少なくとも電池の方がいざとなれば手に入れやすいことは確かだった。 言うまでもないが、ネルガルの製品だ。 照らすときはライトは極力体から離しておく。 光源というのは自分の視界を確保できるメリットと同時に、 暗闇ではそれ自体が非常に目立つということを忘れてはならない。 安全が確保されていない以上、危険だと考えるのはテツヤにとってごく当たり前のことだった。 慎重にカーゴ内を見回すが、すぐに諦めた。 控えめに表現してもカーゴ内はオモチャ箱をひっくり返したような惨状を呈していたからだ。 ペンライトの明かりだけで得る限定された視界ではとても無理だ。 「こりゃ酷い……」 全てが雑然と混じり合った空間を目の当たりにしてカイトが呻いた。 床を照らすと、黒いどろりとした液体が広がっていた。 かがみこんで指ですくってみると、それは意外に赤かった。 それが人の血液であることは間違いなかった。 もちろん、これだけの血液を1人の人間が失えばどうなるかは、考えるまでもない。 「カタオカさん、そっちは……」 「ダメだな」 テツヤは崩れたコンテナの下を覗き込んでいた。 その答えはただ事実のみを述べているというように淡々としていた。 テツヤが見ていたのは腕だった。 コンテナの下からだらりと伸ばされたそれは生死の確認をするまでもなかった。 なぜなら、その持ち主はコンテナの下に下半身を置き忘れていたからだ。 念のため顔をライトで照らしてみるが、 「違うな」 「は?」 「いや、探し物だ」 怪訝そうなカイトを無視してさらに周囲を探る。 所詮は航空機のカーゴルームであり、基本的に容積そのものは小さい。 ただ、ここまでモノが散乱していると、目的のものを探すのは困難だった。 ……目の前のデカブツほどあればもっと楽なものを。 ほとんどカーゴルームを占領しているのは2機の機動兵器だった。 それらは衝撃でカバーが外れて白く塗装された機体の一部がのぞいていた。 その2機は良く似ていた。 角ばった印象を与える従来の機動兵器に比べ、流線を多用したシャープな装甲。 脚部に配置された大型の重力波スラスターユニットなどからスノーフレイク系統の機体だと知れる。 厳重に保護されていたらしくほとんど損傷は見当たらなかった。 ただし、それと機動兵器として使用可能かどうかはまた別問題だ。 よく見ると奥の機体は背中のウイング状のパーツが半ばからへし折れていた。 手前の一機もやたら多い小さなフィンが所々欠けていた。 恐らく精密検査をしなければ動かすのは危険だろう。 見かけの猛々しさと裏腹に機動兵器というのは極めてデリケートな代物だった。 動けないということは、すなわち回収するには他の機体で引きずっていくしかないということだ。 エステの陸戦フレームは本体重量だけなら800kgしかなく、 逆にスノーフレイクはエンジンを装備したり機体剛性を確保するために比較的金属を多用している関係で 本体重量は3tと、エステに比べてかなり重い。 車輪付のハンガーの横たえられた状態とは言え、エステではアクチュエータのパワーが云々よりも まず重量が違いすぎてこの手の力仕事はまったく向いていない。 かなりゴツイ外見の重機動フレームですら1.5t と、スノーフレイクの半分程度であることを考えれば、 子供と大人ほどの差もあった。 そもそも“本気で荷物運びをするつもりなら”、作業用のヘラクレスあたりに乗ってくるところだ。 エステより二回り大きい8mで、重量は20t とほとんど昔のブルドーザー並だが、 バッテリー/燃料電池のハイブリット駆動の割に馬力はかなり出る。 明日香インダストリー製の作業用ロボットのベストセラーだった。 ナデシコにも軍に編入された際に5機が汎用の作業用に補給されていた。 それまでは自社製の鉄腕28号を使っていたのだが、 ネルガルらしい凝った設計が災いして、故障率の高い鉄腕28号は評判はあまり良くなかった。 しかも、安全性を高めるという名目でなぜか遠隔操作。 海中や宇宙ならともかく、地上で普通に使う分には中に乗っていた方が安全であり、 なぜこんなコントロール方式なのか、謎である。 しかもコントロールできる距離を考えれば、操縦する人間が別の乗り物で移動する必要があるので、面倒なだけだった。 (それにしてもエステで回収するよりはだいぶマシだったが) ただし、ヘラクレスにしろ鉄腕28号にしろ、重量がかなりあるために運動性能はきわめて低い。 路上ですら時速60kmが限界というのは昔の戦車並の数字だ。 敵に狙われたら逃げ切れる可能性はゼロ。 軍用機と違って射出式アサルトピットもなければ、装甲も申し訳程度。 もちろん武装などない。 つまるところ、エステバリスの3機編成を選択した理由はそこにあった。 のーてんきらきらな(テツヤ視点)艦長とは言え、エステがどれほどこの手の作業に向かないかぐらいはわかっているだろう。 それでもエステ・オンリーの編成を採ったのは、何かしらのトラブルを想定しているのだ。 しかもとびきり厄介なそれを、だろう。 普通ならエステ×2とヘラクレス×1とするはずだ。 これなら1機を警戒に使い、もう1機をヘラクレスの護衛に使える。 あるいは敵影が確認されていないのなら、エステ×1にヘラクレスを2機にして作業能率の向上を図ってもいい。 それがエステだけ3機というのは、明らかに戦闘任務を想定してのことしか思えない。 その証拠にユリカは『エステバリス隊を先行させて輸送機を確保してください』と発言している。 軍人でもない限り細かな言葉の意味は気にしないだろうが、これは重要だった。 『輸送機を確保』しろと言うことは、エステバリスで周囲を制圧し、安全を確保することである。 ……ミスマル・ユリカは戦闘任務を想定している。 本人が無意識に使ったとはいえ、いや、無意識に使ったからこそ、その思惑が読み取れる。 かつて戦略情報軍ではそう教えられていた。 畜生、厄介ごとばっかり向こうからやってくる。 運命というのは神々しい女神ではなく、意地の悪い婆さんに違いない。 突如、カーゴ内に乾いた破裂音が響いた。 それが銃声だと頭が判断する前に体は刷り込まれた命令を忠実に実行へ移した。 物陰に身を滑り込ませると同時に自分のホルスターから銃を抜く。 「カイト、何があった」 ヘルメット内臓の通信機に向かって囁くように問う。 一拍の間をおいてカイトから返事が来る。 <たぶん、なんと言うか、敵です> 「はっきりしろ」 <失礼しました。 でもこいつは……とにかく見てください> カイトがコミュニケを使って映像を送ってくる。 それをバイザーに投影して、テツヤは唸った。 「ヤドカリか、やっかいな」 <知ってるんですか?> 「見た目のとおり、殻に寄生するタイプだ。 もっとわかりやすくいうとな、無人の機械に寄生して操る」 もう一度「厄介ごとばっかりだ」と毒づいてアキトのエステへ通信を繋ごうと…… <リョーコちゃん!?> 「今度は何だ! おい、テンカワ・アキト! くそ、聞いちゃいねえ」 外から聞こえる足音が遠ざかっていく。 仕方なくナデシコに通信を入れようとして、気付く。 通じない。 先程まではきっちり使えていたものが、今は無意味なノイズだけしか聞こえなかった。 「長距離通信が妨害されているのか?」 <やばい雰囲気ですよ> 「わかってる。 カイト、お前はエステに戻れ。 テンカワがこっちほったらかして女のほうへ行ったからな」 もしかしたら先程の通信もアキトに通じていなかったかもしれない。 しかし、目的のモノをまだ発見していない以上、自分まで戻るわけには行かなかった。 仕方なしに周囲を見回して…… 不意に目の前の機体がゆっくりと起き上がった。 開け放たれたままのコクピット。 中に蠢く小さな影。 間違いなくヤドカリに“汚染”されていた。 「前言撤回だ。 俺も逃げるぞ、畜生」 ○ ● ○ ● ○ ● 機体の軋む音がコクピットにも聞こえていた。 カーゴから伸びた爪は重機動フレームの胸部装甲に突き刺さっている。 これが陸戦や、もっと装甲の薄い空戦なら貫通を許していたかもしれない。 だが、同時に身軽な陸戦や空戦ならばそもそも攻撃を回避できていた公算のほうが高いから、 これは幸いしたといっていいのか微妙なところだった。 しかし、今のリョーコにはそんなことを考えている余裕はなかった。 砲撃戦に対応した重機動フレームの脚部には120mmカノンなのど発砲時の反動から 機体が動いて照準が狂うのを防ぐために機体固定用のアンカーが装備されている。 人間で言うところの踵にあたる位置に各1基ずつ装備されたそれを永久凍土の地面に打ち込むことで 彼女のエステは辛うじてカーゴの中に引きずられるのを防いでいた。 いくらエステが軽いとは言っても、それは他の兵器に比べての話であって、重機動フレームは本体重量で1.5t 。 全備重量ならば3t に達する。 それを軽々と引きずり込もうとするなど、どんなパワーだというのか。 「 ――― ッ!」 ついに強度の限界に達したフレームのジョイント部が弾けた。 分厚い胸部装甲(と言っても、強化樹脂と耐熱衝撃CCコンポジットで見た目ほど重くはない) が引きちぎられてカーゴベイの中に消えた。 「何だってんだ、今の!」 「リョーコ、下がって。 その状態で直撃でも喰らったら今度こそ爪で輪切りにされるよ」 確かに胸部装甲を引っぺがされた状態ではアサルトピットが剥き出しである。 その状態で。しかも重機動フレームで明らかに白兵戦を重視した相手と殴り合いをする気にはなれなかった。 だが、大人しく引き下がるのも性に合わない。 「喰らえ!」 重機動フレームの肩が開き、左右合計で12発のミサイルが顔を覗かせた。 射程距離は短く、炸薬の量も大したことはない小型の代物だが、それでも輸送機ごと敵機を砕くには十分だ。 IFSから流れ込んだ攻撃意思に呼応してアイリンクシステム作動。 ヘルメット内に装備されたCCDカメラがリョーコの眼球運動から視線を感知。 FCSがそれをターゲットととして認識し、即座に座標情報と画像パターンを12基のミサイルに内蔵されたシーカーへ伝達する。 それは猟犬に獲物を教え込むのと同じようなものだった。 あとはトリガーに指をかけて引くだけで猟犬は放たれる。 「ダメだよ。 もし生き残ってる人がいたら巻き込んじゃう!」 「ちっ、確かにな」 赤外線センサーでは何の反応もなかったし、輸送機の状況を見る限り生存者がいるとは思えなかったが、 だからと言って「それじゃあ、いいか」とまとめて吹き飛ばすのは気がひけた。 ヒカルに言われてリョーコは渋々トリガーから指を離した。 つまるところカーゴの中から引きずり出さないとこちらは何も出来ないということだ。 だが、それは相手も同じはずだった。 リョーコを襲ったのは爪を装備したロボットの腕だった。 恐らくはワイヤードフィストのように肘から下が飛ばせるのだろう。 先程のような奇襲ならともかく、来ると構えていればかわせない代物ではない。 それほど目新しい装備でもなければ、それほど威力を期待できるものでもない。 そもそもワイヤードフィスト自体が必要なのかどうなのか、いまいち不明な装備ではある。 エステは火器を喪失しても戦えるようにとついているが、そんな状況ならベテランは無理せずに逃げを選択するだろうし、 それすらわからないようなヒヨッコはワイヤードフィストを使いこなせないだろう。 何しろ飛んでいくのは腕であって、それは2つしかなく、しかも戻ってくるまで次は撃てない。 遠距離の敵を狙うにはタイムラグが大きく、近距離ではふつうに殴ればいいだけで、あえて使うなら中距離だが、 万が一にでも腕を損傷するようなことがあれば、汎用性はがた落ちしてしまう。 そんなリスクを犯してまでワイヤードフィストにこだわるのは『ロボはすべからくロケットパンチを主武器とすべし』という ごく一部の趣味人程度だろう。 そして、戦争は趣味で行うものではない。 量産型の陸戦フレームからはこの機構はオミットされていた。(代わりにリフティングウインチが追加) そして、スノーシリーズは初めから装備していない。 それらは遠距離における射撃戦でかたをつけると言う、軍事的にはまっとうな設計思想の元に設計されていた。 ただ、逆に接近されてしまうとエステに一方的にタコ殴りにされると言う状況もたまにあった。 「…………?」 「出てこない?」 1分待っても動きはなかった。 「なあ、あれって積荷だと思うか?」 「そうでしょうね。 もしかしたら秘密の細菌兵器で変質した人間っていう可能性もあるけど」 「映画でありそうだね、その設定〜。 こんどの話に参考にしようかな」 「どう見ても機械だったぞ」 「それじゃあ、ターミネイター」 「あんなデカイのがいるか!」 一通り漫才までやってみる。 が、やはり動きはなかった。 いい加減、本当に120mmかミサイルを叩き込みたくなってきたとき、動きがあった。 ただし、リョーコの予想していたようにカーゴの中からのそっと現れたり、 あるいはヒカルやイズミののたまったようにサメと熊を足してフクロウナギ風にアレンジしたモンスターが飛び出してくることも、 ましてやマッチョな人造人間が雷球と共に出現するようなこともなかった。 不意に、本当に何の前触れも無しに雪原の一部が弾けた。 蹴りつけられたように雪煙が舞い上がる。 それは本当にささやかな変化といえた。 次に起こったことを考えるなら。 ○ ● ○ ● ○ ● 「応答してください! リョーコさん!? イズミさん!? ヒカルさん!」 メグミの呼びかけにも応答はなかった。 リョーコからの最後の通信は<こいつは ――― >という驚愕の声。 トラブルがあったことは想像に難くない。 現にその直後から通信妨害が始まった。 ルリもジャミングを排除しようと試みているが、うまくいかない。 結局のところこの手のECMを排除するには、より高出力のECCMで対抗するしかない。 相転移エンジンを積んだナデシコより高性能な電子戦兵装を装備する艦艇はそう多くはない。 連合では同じナデシコ級か、第一機動艦隊のリクニス級電子作戦艦くらいのものだった。 そして、それらはこの海域にいるはずがない。 となれば、敵だ。 「ルリちゃん、このパターンって」 「ええ、火星でのあれに酷似しています。 いえ、もっとタチが悪くなってるといえます」 こと電子戦ではハーリーやラピスなど他のマシンチャイルドを相手にしても負けない自信はあったが、 そのルリが電子戦で苦戦するのだから、相手も相当のものと言える。 ジャミングを排除しようとすると、常に半歩先を行かれるのだった。 なんともタチの悪いことに、相手は通信妨害以外の手は使ってこない。 もしハッキングでも仕掛けてくれば攻勢防壁で手痛いしっぺ返しを食らわせるところだが、 その手の行動に出ようとはしなかった。 ただチクチクと執拗に通信だけを妨害する。 よほど性格が悪いに違いない。 こちらの嫌なところをとことん突いてくる。 このブリザートでは視界がきかない。 そこで通信が遮断されれば、先行した部隊は孤立する。 まったく嫌な相手だ。 しかも厄介なことに砲を撃つしか能がない無人戦艦とは違う。 戦術のイロハを知っている。 「スバルさんたちが向かったのは2号機。 だとすれば積んでいたのはYTM-17とYTM-18。 もしどちらかが“汚染”されていたら……」 珍しくアキコが焦ったような声を出す。 「ミナセ少将、その2機の特徴は?」 「YTM-17<スノーウィンド>は近接戦闘用に特化された特殊機です。 一方のYTM-18<スノーストーム>は遠距離砲撃戦仕様」 「Yナンバーと言うことは、試作機ですね?」 ジュンが確認する。 それに頷いてアキコはどこからともなく資料を取り出した。 「AGIが明日香インダストリーと共同開発した新型です。 その内の3機が2機の輸送機に分けて積まれていました」 「3機って、2機の輸送機なら4機積めるのでは?」 「ええ、新型は3機。 残りの1機は実験用の機体です。 1号機にはTM-16<フェアリースノー>とYTMー19<スノードロップ>が積まれていました」 似たような名前が連続で出てきたので少し混乱するジュンだが、 すかさずルリがアキコの発言をまとめたものをウインドウで表示する。 1号機; TM-16<フェアリースノー> YTMー19<スノードロップ> 2号機; YTM-17<スノーウィンド>……近接戦闘特化 YTM-18<スノーストーム>……遠距離砲撃戦仕様 「問題なのはスノーウィンドの方です。 この機体は近接戦闘に特化してある分、かなり特殊な機体です」 「でも、今時そんな機体に価値があるんですか?」 ジュンの疑問ももっともだった。 銃器やミサイルはひたすら遠距離で敵を叩くことを目的として発達してきた。 剣よりも銃が優れるのはまずもって射程であり、敵をアウトレンジで一方的に撃破することこそ最上とされる。 にもかかわらず、あえて近接戦闘を重視するのは意味がない。 白兵戦で同時に相手にできるのは1機か2機が限界で、しかも著しくパイロットを消耗させる。 戦場ではむしろ一対多のほうが普通であるのだから、なんとも効率が悪い。 それならばむしろ恐れるべきは遠距離砲撃戦仕様のスノーストームではないか? ジュンがそう考えたのはむしろ当然だった。 だが、アキコは首を振って否定する。 「スノーストームは移送中でしたから固定兵装はありますが、弾は入っていません。 ただ、スノーウィンドの方は固定兵装のクローと、特殊兵装のミラージュコロイドがあります」 「“ミラージュコロイド”?」 「いわゆるECSの一種ですか?」 ルリが口にしたECSとは“Electronic Camouflage System”のことで、和訳するなら電子迷彩システムとなる。 何のことはない、大昔からあるカモフラージュを電子的に行うというもので、 ある種のイカのように電圧を印加すると色が変わるという塗料を使って風景に溶け込むというものだ。 単に発見しにくくする保護色のようなものもあれば、ビジュアルホーミングを誤魔化せるような高度なものもある。 だが、それはそんな程度のものではなかった。 「ミラージュコロイドはナノスキンを応用したもので、そういう意味では従来のECSと大差ありません。 ただ、ミラージュコロイドは“完全な透明化”と“レーダーを含めたあらゆるセンサーに対する欺瞞”を実現しています」 「な、なんですかそれ!?」 「つまり、見つからないってことですか?」 「欠点もあります。 電力消費が大きくて連続使用は5分が限界で、その後はジェネレーターを冷却する必要があるのと、 さすがに大気中なら空気の対流を調べることで発見できます。 その他にも本体は見つからなくてもスラスターの重力波や、DFの反応までは隠し切れません」 「でも、逆を言うなら5分以内で、重力波スラスターやDFをカットしていれば発見できないってことじゃないですか!?」 ジュンは蒼白になった。 5分間と言うと、短いようで実は長い。 接近された状態で使われたら手も足も出ない。 「他にもレーダーを専門に誤魔化すためのECSを別途に装備しています。 こちらは持続時間60分。 放熱量も下手なステルス機より低いですから、遠距離での発見は極めて困難です」 確かに言われてみれば、ナデシコの対地レーダーは敵機を捉えていない。 リョーコたちの機体はIFFも含めて捕捉しているが、それ以外の機影はレーダースクリーン上に映されていなかった。 「……なんてことだ。 提督、何でそんな重要なことを ――― 」 「軍機だったからです」 「そんな理屈!」 ジュンが非難の声を上げる。 「私が好きで黙っていたとでも思うんですか!」 それに対するアキコの反応はジュンが思わず黙るほど苛烈なものだった。 普段はおっとりしているだけに、そんな激しい口調は初めてだった。 「失礼しました。 でも、それが全てです。 私は、軍人なんです」 ジュンは反射的に反論しようとして……止めた。 納得したわけではないが、言葉が見つからなかった。 それに、アキコはきつく唇を噛み締めていた。 白い肌を赤い筋が汚す。 「ジュン君、その話はあとにしよう。 それと提督も」 「わかった。 エステ隊への連絡は?」 「古典的な手段だけど、こっちから接近するしかないよ。 近距離ならレーザー通信が……」 「このブリザートではかなり接近することになりますよ?」 ルリの懸念は明らかだった。 罠があるのではないかと警戒していたのだ。 火星ではそれにやられている。 しかし、ユリカは即断した。 「かまいません。 ルリちゃん、対空対潜監視を密に。 たぶん、近くにチューリップが潜んでる」 「艦長、確かに事前の偵察では1基が確認されていますが、 今のところレーダーに反応はありませんよ?」 アキコの言うことももっともだが、レーダーは万能ではない。 「提督、トビウメは潜行することでナデシコのレーダー探知を逃れました」 「敵が同じことをしないという保証はない、ということですか?」 「はい」 「……了承。 お任せします」 ある意味でユリカのこの予想は当たっていた。 ただし、場所については多少の齟齬を含んでいたことも事実である。 全てを見通すことは不可能だ。 それはユリカだけに限った話ではない。 アキコは無能ではないし、基本的には善人の部類に入るだろう。 だが、それでも軍人であるという制約から、積荷に関して情報伝達の齟齬を生じた。 人は誰しも万能たりえない。 それはこの戦場においても例外ではないという、 言ってしまえばそれだけのことだった。 だが、それは時に悲劇を生む。 それは ――― ○ ● ○ ● ○ ● いつの時代にも完璧な装甲など存在しなかった。 それを求めると重量が際限なく肥大してしまうからだ。 そして重量の増加は機動力の低下、火力の減少を招く。 限られたリソースの中ではそうせざるをえない。 だから、兵器の装甲とは必要最低限まで限りなく妥協した産物だった。 よって、それは完璧であったためしはなく、耐久以上の衝撃や熱を加えられれば貫通を許す。 その結果がいかなるものであろうとも、そう妥協せざるをえなかったのだから。 だからこそ矛と盾の関係は常に“矛盾”をはらんでいる。 これもその一例に過ぎなかった。 耐熱衝撃CCコンポジットと金属繊維系複合材と強化樹脂で形成された重機動フレームの装甲は 自前の120mmカノンでさえ距離1600mでは一回は耐えられる。 プラモデルのような見た目よりははるかに強固な装甲だった。 だが、至近距離から放たれた凶悪な運動エネルギーと、収束されたDFの力場をまとった抜き手は 砲弾よりも貫通力に関しては勝っていた。 標的とされた重機動フレームは厚さ120mmにも達する胸部装甲をもってしてもその暴虐に耐え切れなかった。 割れるわけでもなく、変形するわけでもなくあっさりと装甲は抜き手が触れた部分からごっそりと消失した。 収束されたDFの発揮する空間振動によって分子の結合が破壊された結果だった。 阻むものがなくなった結果、その手刀はアサルトピットの薄っぺらな装甲とも呼べないハッチをさらに貫通。 背面の装甲との間にあったコクピットを蹂躙しつつ、そのまま背中から抜けた。 一拍の間を置いて破損箇所から機械油が噴出し白い雪原にドス黒い染みを広げた。 黒い機体を貫通する白い腕が動くたびに破片が飛び散り、またオイルが血のように流れた。 暴挙の主は重機動フレームの重厚なシルエットに比べれば、むしろほっそりとした印象すら受ける。 だが、エステより一回りほど大きく、機体の各所には細かなウイング状のパーツが多く見受けられる。 白い塗装は流れ出たオイルによって汚れ、また、墜落時の衝撃によって破損していたらしい箇所もあり、 本来の優美さは欠片もなく、むしろ半端な美しさと光景の凄惨さからグロテスクにすら思えた。 「くっ、この!」 ラピッドライフルを構える。 だが、そんな彼を嘲笑うかのように、その白い機体は貫いたままの重機動フレームを盾にした。 構わずに発砲するが、届かない。 重機動フレームを貫通した上でさらに敵機まで貫けるほどラピッドライフルは貫通力に優れてはない。 盾にされた重機動フレームはぼろぼろになるが、その陰に潜んだ敵機は無傷だ。 舌打ちしてライフルを捨てる。 「こうなった白兵戦で……」 <バカ野郎! 俺を殺す気か!> イミディエットナイフを抜いた彼の耳に罵声が飛び込んできた。 カイトは一瞬呆然として、そして慌てて問い返した。 「カタオカさん!? 何で生きてるんですか?」 てっきり重機動フレームごと天に召されたかと思ったのだが、どうやら無事らしい。 「ゾンビですか、あなたは」と言いたくなるのを堪えた。 <乗ってなかったからな。 その重機動フレームは無人だ> 「なるほど。 それで今どこに?」 <お前が派手にぶっ放してくれた敵機の足にしがみ付いてる> 言われたとおりエステのカメラで拡大してみると、敵機が損傷から引きずっている左足の脛(すね)に人影が一つ。 敵機が眼前に居ることすら忘れてしばし唖然とその人影を見て…… 「……変わった趣味ですね」 <なかなか楽しいぞ。 今度お前もやってみろ> 皮肉たっぷりに返された。 「カイト、お前の機体で何とかこいつを抑えろ。 その間におれがよじ登ってコクピットを制圧する」 耳元で風が唸りをあげていた。 その音にかき消されないように怒鳴る。 <取り押さえろって、パワーが違いすぎますよ!> 「気力で何とかしろ!」 現にテツヤのほうは気力でなんとかしていた。 マグネットアンカーをコクピットハッチの隣に撃ち込んだまでは良かったが、その後が失敗した。 出来れば起き上がる前にコクピットまで這い上がって、中のヤドカリに銃弾をたらふく食わせるつもりだったのだが、 機体の起き上がる動作が思ったより速く、そして自分の這い上がる速度が想像以上に遅かったために、 えらく中途半端な位置に不本意な滞在を強制されていた。 マグネットアンカーのおかげで振り落とされるようなことはなかったが、 今となってはその方が幸せだったかもしれないと思っていた。 下は昨日からのブリザートで新雪が3mばかり積もっている。 落ちてもたいした怪我しそうもない。 だが、それは何となく気にくわなった。 いつもなら合理的判断として逃げをうっただろう。 しかし、今日は安易にそれを選択することに抵抗があった。 畜生、らしくないぞ。 気にいらない! 機体が歩くたびに振り子のように揺すられながらテツヤは毒づいた。 不運は今に始まったことではないと思いながらも、呪詛の言葉を吐き続けた。 それでも機から振り落とされないようにしっかりとアンカーのグリップを握り、 滑らか過ぎる装甲に文句を言いながら少しずつ登っていった。 マグネットアンカーは大人2人分の重量を支えながら、かつ重力に逆らってワイヤーを巻き上げることができた。 振られながら、時には手が離れてしまい振り子のように大きく外に向かって振られ、 したたかに装甲に叩きつけられながらも何とか腰まで登った。 爪が剥がれたらしく、ジンジンと痺れるような痛みがある。 それ以上に何度も装甲に叩きつけられたせいで、どこが痛いのかわからないほど全身が痛む。 建造物破壊に使われる鉄球の気分だった。 ただし、強度は相手のほうが上。 やりきれない。 「カイト!」 <いきますッ! 衝撃に備えて!!> カイトはIFSの伝達率を上げた。 こうすれば機体はさらにパイロットの意思を忠実に再現する。 反面、火器管制においてコンピュータの介入の余地を少なくするため、射撃戦には向かない。 だが、今は白兵戦闘。 しかも素手。 エステでは最後の武器と言われる肉弾戦。 考えられる限り、ほとんど最悪と言ってよかった。 何しろ相手は無手でも重機動フレームの装甲を真っ向正面から平然と貫通できる。 それに対し、こちらは倒すのではなく、取り押さえねばならない。 よほどの実力差がないと難しいとされるが、カイトは不敵に笑った。 むしろ素手同士なら自分の方が有利だった。 敵機が正面から突っ込んできた。 所詮はヤドカリに操られているだけの人形。 人間同士のような心理戦は無理だ。 駆け引きも何もない一撃。 それでも当たれば一撃でカイトの乗る陸戦フレームなどお釈迦にできる。 コクピットへ直撃を受けたなら挽肉になるか、分子レベルで分解されるか。 どちらにせよあまり楽しい想像ではない。 具現化された死そのものであるその一撃を半身をずらすことで回避する。 それはアキトが見たら驚くであろうほど熟練した動きだった。 同時に突き出された腕……やはり単純にも突きできたそれをほとんど反射的に左手で掴んだ。 乗機が手足の延長として機能することに満足しつつ、残った右腕を肘関節に回すと、 そのまま左手を捻りながら掲げる。 結果として敵機はつんのめるようにして前方へ倒れこんだ。 片膝を付いた状態で、束縛から逃れそうとするが、 カイトはわずかな力の変化に合わせて締め上げる力をコントロールした。 どこまでも忠実に人型を再現している機動兵器はそれだけで動けなくなった。 力で抑えるのではなく、相手の力と人体構造を使う合気道に近い技だった。 そしてカイトは悪い癖とは思いつつ、決めの技名を呟いていた。 「……木連式柔<巻雲>」 だが、テツヤはそんなカイトの呟きなど聞いている余裕はなかった。 思いつく限りの罵倒を口にしながら衝撃に耐えていた。 機体が思いっきり前につんのめるような形になったため、 危うくマグネットアンカーのグリップから手を離しそうになった。 だが、それは半ば予想していたことで、罵倒はそれに対してのものではない。 予想外だったのはその衝撃で開け放たれたままのコクピットから人が降ってきたことだ。 空から魚が降ってくる話は聞いたことがあったが、さすがに人は聞いたことなかった。 反射的に腕を掴んだものの、右手はグリップを掴み、左手までふさがったのでは動きようがない。 そしてやっかいなことに、いつもならかまわず手を離すところだが、(下は雪がクッションになってくれる) それは今回に限っては躊躇われた。 なぜならその降ってきたモノはまさしく彼の探していた人物だったのだから。 「天からの贈り物にしちゃ、もう少しタイミングを考えて欲しいぜ」 脱臼しそうな肩に鞭打って引きずり上げる。 カイトの支援は期待できなかった。 ナデシコに無事帰れたらアメリカ人の作る怪しげな機械でも何でも使って筋肉を鍛えなおそうと誓う。 通販の送り先はどこに指定すればいいのだろうか。 <カタオカさん、ファイトです!> カイトの無責任な励ましが聞こえたが、答える余裕はなかった。 どこかのCMのようにファイト一発で這い上がれるほど甘くはなかった。 3回ほどチャレンジに失敗し、うち一回は背中に背負った人物を落しそうになりながら、 それでも4回目にしてハッチに手をかけると、全身の筋肉を酷使して這い上がった。 同時に素早くホルスターから銃を抜き放つと IFSパネルの上に陣取っているヤドカリに向けて全弾を撃ち込んだ。 「くたばれ寄生虫」 動きを止めた残骸をハッチから蹴りだすと、ようやっと重荷を下ろす。 ほとんど私服姿だったので、凍死か、それでなくても内蔵をやられたり 頭蓋骨を骨折していたりしないか確認してみる。 首筋に指を当てて確認すると、とりあえず脈はある。 あとは出血性の外傷や、骨折などを確認するために服の下に手を突っ込む。 これはあくまで人命救助と言う目的であって、役得などではない。 そう、人命優先だ。 心の中で何かに言い訳しながら、まだ少女と言っていい年齢のその体をまさぐった。 骨折はしていないようだ。 ひびくらいは入っているかもしれないが。 そして外傷もなし。 最後の確認としてペンライトを点けると、まぶたを開けて瞳孔反応を調べる。 ちゃんと光に反応して収縮するのを確認すると、アルビノ特有のその赤い瞳を閉じた。 ガーネットの言葉が不意に蘇る。 『意外と頑丈だから大丈夫だよ』 なんと言うか、すでに頑丈の域を超えている気がしないでもない。 墜落時にはこの機体の中に入っていて難を逃れたのかもしれないが、 その後の諸々も含めてまったく目立った外傷もなし。 しかもそれなりに厚着ではあるが、私服で凍傷もないと言うのは、どうかしている。 病的に白い肌と、赤い瞳は色素欠乏症(アルビノ)の典型だが、髪だけは闇に溶けるほど黒かった。 まるで全身の色素がそこに集まっているかのようだ。 これだからマシンチャイルドって奴は……わけわからん。 「カイト、俺はもう働かないぞ。 後はテンカワにでもやらせろ。 働きすぎだ。 過労だ。 労災を申し込むぞ、畜生」 <それはプロスさんにでも要請してくださいよ。 それで、その娘どうでした?> ……なかなかいい具合だったぞ。 そんな冗談を飛ばそうとして、止めた。 万が一にでもガーネットの耳にでも入ったら半殺しではすまない。 かわりに口にしたのは極めて事務的なことだった。 「生きてる。 それ以上はわからん。 ナデシコに連絡しとけ」 <通信が妨害されてます> 「くそっ! まあ、いい。 どうせ俺は気力すら尽きた」 <熱血で何とかしてください> どうやらカイトの中では気力と熱血は別物らしい。 それには答えず、テツヤはハッチを閉めて空調を全開にした。 空気が温まるのを待ってヘルメットを取る。 確保した少女をイスに横たえて、自分は横の壁にもたれた。 もう一度、ガーネットから聞いていた特徴を目の前の少女に当てはめて確認しておく。 肌が白い……まあ、微妙だが、たぶんそうだ。 目が赤い……それはさっき確認した。 髪は黒い……見たまんまだ。 胸、貧乳……“人命救助の過程で不可抗力的に”確認済み。 「……名前はルビー・ヘリオドール」 これは本人が気付いてからでないと確認しようがない。 盛大に溜息をついた。 どうせ死んでるだろうと思って死体だけでも回収かと思っていたのだが、 生きていれば、それはそれで厄介だ。 第一、どう説明すればいいのかわからなかった。 死体ならモノだ。 説明は要らない。 だが、生きているマシンチャイルドとなれば、ネルガルの連中が煩い。 結局、うまくいったのかなんなのか。 とにかくこの作戦におけるテツヤの仕事は終わった。 機体回収はそれこそ他の連中に任せればいい。 そう、俺の仕事は終わった。 だが、それはナデシコの任務の終了とイコールではない。 今もナデシコの戦闘は続いている。 無性にタバコが欲しいところだが、生憎と重機動フレームのコクピットに置いてきてしまった。 世の中、ままならないことばかりだ。 <続く>
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代理人の感想
多分、ベテラン脚本家を助っ人にした梃入れがあったんだろうなぁと。
だってそうでもなければアレが面白くなるはずがないじゃないですか!(核爆)
まぁそれはさておき。(こほん)
やっぱり保護色とか透明化ってのは凶悪な能力ですよねぇ。
テーブルトークRPGなどをやってますとドラゴンやデーモンよりも透明化した暗殺者が
一番の脅威だったりすることが良くあるので色々と対策を講じるわけですが・・・・・
染料や小麦粉を撒いて色をつけたり、ポップコーンや枯葉を撒いたり(音で場所を割り出すわけですな)、
床にべたべたする液体を撒いたり、あるいは怪しい場所に範囲型攻撃呪文を叩き込んだり・・・
傍から見てると殆ど「軍艦ゲーム」だったりします(爆)。
当然「透明化を見破る魔法」なんて物があればパーティ全員に常備するのが定石な訳ですが、
裏を返せばそれくらい厄介な戦法ということですね。
接近戦ならまだ「気配で敵の位置を知る」事も出来ますが、
射撃戦でそれができるのはサイコガン持った宇宙海賊くらいな物な訳で。
今回はまだ接近戦タイプだったから良かった・・・・のかなぁ?(苦笑)