「上手く転移できたと思ったら壊れちまった。

　まったくついてないぜ。」

　アシュセイバーの中でアクセルは状況をチェックしていた。

　普通の転移装置は生きているがもう一つの装置は壊れてしまったようだ。

「ふっ、これからどうするかなあ。」

この世界の情報を調べながら、楽しそうに呟いた。

ナデシコ大戦A｢時の流れに｣

第二話

ナデシコに帰還した俺はユリカの相手をせずにすぐに部屋に戻った。

　・・・いや、逃げ出してきたと言うのかもしれない。

「アキトさん。」

「ルリちゃんかい？」

突然現れたコミュニケの画面に驚かずに答える。

「はい、そうです。まずはお疲れ様でした。」

「止してくれよ・・・あんなのは戦闘の内に入らないよ。」

　そんな冗談を言っているうちにルリちゃんが真面目な顔になってさっきの戦闘の事を聞いてきた。

「・・・アキトさん、さっき現れたあの機体は一体？」

「突然現れたあの技術といい、あの機体性能といいまったくもって謎だな。」

「唯一分かっているのは、あの機体が軍の識別信号を出していたことです。」

「・・・しかしこの時代の技術であんな機体を作るのは無理だろう。」

「ええ、その点については同じです。」

「・・・それに。」

少し俯き加減で呟く。

「何ですか？」

「あのパイロットの腕ははっきり言って北辰並みだった。」

「！！」

流石のルリちゃんでも表情を変えて驚いている。

「あの存在がこれからどんな波紋を起こすか分からないからな、注意しておいてくれ。」

「分かりました。できるだけ調べてみます。」

「頼むよ。」

「解りました。ではブリッジで。」

「ああ。ブリッジで会おう。」

　通信を終わりブリッジに向けて歩きだす。

　頭の中ではあの機体のことを考えながら・・・

　そして前の歴史通り、ムネタケ副提督が反乱を起こした。

　相変わらずのムネタケに頭にもきたが、内心ほっとしていた。

　・・・なぜなら、自分の知っている出来事がその通り起きたからだ。

　俺は食堂から動くつもりは無かったが・・・

　ルリちゃんの頼んだ出前を持って、ブリッジに来ていた。

　・・・これも、ルリちゃんなりの可愛い悪戯だ。

　これしきの事では、未来も簡単に変わる事はないだろうしな。

　そして現れる連合宇宙軍の戦艦・・・

　俺とルリちゃんは、目の前の戦艦と通信を繋いだ瞬間、両手で耳栓をしていた。

「ユリカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！」

「お父様！！」
　

　相変らず元気そうだな・・・お養父さん・・・いやミスマル提督、だな。

　と、言ってもよく考えればこの時点では、提督もユリカもお互いに無事だ。

　ちなみに始めのミスマル提督の一声で、ブリッジの半分位の人が意識を手放しかけていた。

　その隙を狙ったかの様に、ユリカとミスマル提督の親子の会話が続いている・・・

「ユリカ！！

　おお、久しぶりだなこんなに立派になって（号泣）」

「そんな、お父様とは今朝も一緒に、食事をしたじゃないですか。」

「そうだったかな？」

　・・・アルツハイマー症候群になるのは、早すぎるでしょうミスマル提督。

　俺も流石に、声に出してそんな事は言わないが。

「これはこれは、ミスマル提督・・・一体どの様な御用件でしょうか？」

　このままでは、親子の会話から抜け出せ無いと判断したらしく・・・

　プロスさんが復活し、ユリカとミスマル提督の会話に割り込んだ。

「うむ、こちらの用件を言おう。

　機動戦艦ナデシコに告ぐ！！　地球連合宇宙軍提督として命じる！！　直ちに停船せよ！！」

　簡単に言えば、ナデシコを寄越せ・・・という事だ。

　良く考えれば、虫の良い話しだな・・・

　まあ、それだけ宇宙軍には余裕が無いのだろう。

　確かにナデシコの実力は、宇宙軍には魅力的に映っただろうな。

「・・・どうします、アキトさん？」

「・・・今回も動くつもりは無いよルリちゃん。」

　ルリちゃんが俺に質問をしてくる。

　ちなみに、昼御飯にと俺にオーダーしたチキンライスを、今も食べている。

　・・・行儀が悪いぞ、ルリちゃん。

「・・・解りました。

　それとハーリー君に連絡入れておきました、ＯＫだそうです。」

　チキンライスを食べ終え。

　口元を拭きながら、俺に小声で報告をするルリちゃん。

「・・・そうか、ラピスにはもう連絡をしているから、後は大丈夫だな。」

「・・・まだ、繋がってるのですか？」

　何故か悔しそうな目で、俺を見るルリちゃんだった。

「・・・あ、ああ？」

　そこで俺と、ルリちゃんの小声での会話は終わった。

　その後の展開は・・・

　ユリカが皆の制止を聞かずマスターキーを抜き、ナデシコは操作不能になり。

　そしてユリカはプロスさんとジュンを連れて、提督の待つ戦艦に乗り込んで行った。

そして場面は厨房に戻り・・・

「どうした！！　皆、暗いぞ！！

　　俺が元気の出る物を見せてやる！！」

相変わらずのガイの姿を懐かしく思いながら眺めていると、

「どうしますか？

　もうすぐユリカさんが帰ってきますよ。」

隣の椅子に座っていたルリちゃんが尋ねてきた。

「う〜ん、前回は勢いで反撃をしたからな・・・

　今回はどうやって・・・考える必要は無いみたいだよルリちゃん。」

「・・・ですね。」

俺達の目の前では既に、ガイを先頭に皆が反撃を始めていた。

そして俺達は、叛乱した兵士達を鎮圧しつつデッキに向かった。

俺とルリちゃんはチューリップを牽制する為に、エステバリスの格納庫に向かった。

「・・・今回もマニュアル発進ですね。」

　何故か嬉しそうなルリちゃん。

　あれはちょっと・・・流石に今度もやるのは俺も嫌だ。

「・・・ちゃんと飛行ユニットを付けて行くよ、今回は。」

「そうなんですか・・・じゃあヤマダさんは本当に、イイトコ無しですね。」

「・・・だな。」

　・・・でもやっぱり飛行ユニットを付けて俺は出撃した。

　すまんガイ。

　何時かお前も、日の目を見る時が来るさ・・・多分。

そんなこんなで発進した戦場に光景にかなり驚いた。

あの時の機体が、あの青い機体が戦場にいたのだから。

　そしてそれに構わず歴史通りナデシコのグラヴィティー・ブラストの一撃で決まった。

　そしてその後、あの青い機体はナデシコに着艦していった。

　俺も訳の解らないままナデシコに着艦していった。

そしてナデシコ＿ブリッジ

あの機体のパイロットと思われる人物が今回の事について話している。

「実は今回、ムネタケ副提督は某社との癒着が判明し更迭されることになった。

　それで、ムネタケ副提督の代わりにこの俺

　宇宙軍大尉アクセル・アルマーが戦闘オブザーバーとして派遣されたと言う訳だ。」

　ムネタケの罪状は信じることができたが、この男。

　アクセルと名乗ったこの男はあまり信用できない気がする。

・ ・・何せ、あの機体に乗ってきたのだから。

それを見透かしたかの様にアクセルは大きな声で

「あの機体についてはネルガルや他の皆さんも怪しんでいるでしょうが

　あれは軍の機密事項ですので申し訳ありませんが詳しいことは言えません。

　その事を覚えておいてください。」

　いかにもな言い訳に俺は余り納得していなかった。

　だが少なくとも敵ではないだろうと何故か思えた。

　このイレギュラーを乗せたナデシコは一路火星を目指すのであった。

「ふっふっふっふっふ。軍の情報を書き換えるなんて余裕だぜ。

　今までも良くやったしな。

・・・しかしあのテンカワの俺を見る眼は今までのテンカワの眼じゃなかったな。」

先ほどのブリッジでの事を思い出しながら考えに耽っていた。

「さあて、これから楽しくなりそうだぜ。」

書き人のやっほ〜

　第一話から一週間たたずに第二話

　くっくっくっくっく・・・・・・

　やればできるもんだ。スパロボINPACTも発売が近づいてきたし

　さっさと書いていったるー。

　それから代理人さん、

　アキトが新型に乗り換えてなぜアクセルが乗り換えないと言えるのだ！

　他にもキャラを出すつもりだし早く続きを読みたい人は感想のメールや意見のメールをどしどし送ってください。

　ではまた

管理人の感想

・・・・すんません、代理人じゃなくて管理人なんです、今回の感想（苦笑）

しかし、アシュセイバーから乗換えを行なうのですか？

それはもしかして、あのINPACTで出てくる主人公機ですか？（ドキドキ）

って、あの主人公機のリアルロボット・・・女性パイロットだったよね？（爆）