機動戦艦ナデシコ

 

皇子と修羅と超能力者と

 

 

第二話

 

〈悪魔?〉

 


 

 

 

「さて、まずは落ち着いて現状を確認しましょう」

「一番取り乱してたのはホシノさんだったけど」

「……ほっといてください!」

 ひとしきり混乱した後ようやく落ち着いたのかルリが場を仕切り始めた。

 四人は焚き火をつくりその周りに集まっていた。

 ちなみに火種と大量の枯れ木は何処からかシンが持ってきていた。

「それはそうとなんで二人はあんなに慌てふためいていたんだ?」

「「…………」」

【私から話しましょうか?】

「なっ!?」

「これは!?」

 突然空中にウィンドウが開く。

 アキトやルリにとってはなんでもないことだが、見たことのないリョウトとシンは驚愕した表情を浮かべていた。

【初めまして。 私はアキトのAIでダッシュといいます】

「あ、これはどうも」

【マスター、私から話してもいいでしょうか?】

「……ああ頼む」

【わかりました……では……】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【これがあなた達に会うまでのことです】

「そんなことがあったのか……」

 黙って聞いていたシンはふぅと吐息を出した。

 ダッシュの話は一時間にわたり少し聴き疲れたのだろう。

「……だからテンカワさんは食事のときは一人で食べていたんですか……」

「……そういうことだ」

 アキトは少し苦い顔をしていった。

 リョウトは食事の度に独りになるアキトの後姿をつらそうに見つめていたルリのことを思い出す

 アキトはリョウト達と一緒に食事はとらず一人で食べていた。

 食べるものも保存食品をそのままで味のことなど考えていなかった。

「じゃあここはテンカワさん達がいた世界?」

「おそらくは……」

「そうですか……」

 少し落胆した声でリョウトは答える。

 ようやく戻れると思っていただけにその思いは大きいようだ。

 その様子に三人は何も言えずただじっとパチパチと音がする焚き火をみつめていた。

 

 

 

 

 

 不意に雀と思われるさえずりがまわりから聞こえる。

 少しずつ空が白んできた。

 どうやら夜が明けてきたようだ。

 すっかり火が消えてしまった焚き火を踏みながらシンは尋ねる。

「…………で、皆はこれからどうするんだ?」

「……俺はナデシコに乗る」

「ナデシコというとさっきの話にあったあの……」

「そうだ……ここが過去というなら……歴史を変えてやる! あんな未来はごめんだ!」

 強い口調でアキトは言い放つ。

 それは、強い意志を感じさせる言葉であった。

 ルリもそれに同意したのかしっかりとうなずく。

 リョウトはしばらく俯いていたがそれを聞いて顔を上げた。

「テンカワさん、僕もついて行っていいですか?」

「……かまわないがどうしてだ?」

「テンカワさん達はポソンジャンプとやらの事故で僕達の世界に来たんですよね」

「そうだが……それが?」

「……もしかして!?」

 何かに気づいたのかルリは驚愕して目を見開く。

 アキトとシンは何のことかわからずいぶかしげな表情で二人を見ている。

「テンカワさん達がボゾンジャンプで僕達の世界に来たなら…………」

「遺跡を調べることで帰れるかもしれないということか!」

 そのことに思い当たったアキトは愕然とした表情を浮かべる。

 シンも納得したようにポンと手を打つ。

「アキトさんそういうことなら……」

「悪用するわけでもないしな……じゃあヒカワこれからよろしく」

 そういうとアキトはリョウトに向かって手を差し出す。

 それを見てリョウトも手をがっちりと握り返した。

 

 

 

 

 

 

「そういえばシンはこれからどうするんだ?」

「さてな……何処にも行くあてはないからな」

 四人はナデシコの情報を集めるために街に下りてきていた。

 空はかなり明るくなっていて辺りにはちらほらと人の姿も見え始めていた。

「ルリちゃんたちはうまくいったかな……」

 アキト達は二手に分かれていた。

 ルリとリョウトは情報収集のために街の中心街に向かっていた。

 でシンとアキトは何をしているのかというと……

 

 

 

 

 

 裏路地に身を潜めていた。

 

 

 

 

 

 何で裏路地に身を潜めているかというとはっきり言って容姿が怪しすぎたのだ。

 アキトは全身黒いプロテクターに黒マントさらにバイザー。

 シンはそんなに怪しい格好はしてなかったが顔まで入る刺青。

 さらにそこに美少女とも言えるルリ。

 怪しさ120%である。

 一般人が見たら即通報されそうだ。

 いや実際通報されかけた。

 尤も二人とも全力疾走して逃げ延びたが。

「……まぁルリちゃんにまかせておけば大丈夫だな」

 自分に言い聞かせるように言うアキト。

 しかし裏路地を行ったりきたりしている姿ははっきりいって不気味だ。

 しかもそのスピードは競歩のスピード並みである。

 暗い裏路地を行ったりきたりする黒ずくめの男。

 見る人がいればこう思うだろう。

 

『ゴキブリみたいだ』と

 

「……それにしてもこれからどうしたものかねぇ…………ッッ!! なんだ!?」

 シンが呟くと同時に、突如辺りに爆音が響きビルが崩れる音が聞こえる。

 急いで裏路地から飛び出してみると遠くに黄色い物体……数機のバッタがあたりを見まわしていた。

「くっ! 木連のやつらか!」

「あれがか!?」

 シンが初めて見るバッタに驚愕の声を上げる。

 アキトはバッタを確認するといきなり走り出した。

「何処に行くんだ!?」

「ルリちゃんたちを助けないと! シンは昨日のところに戻ってろ!」

「おい待て! 何処に彼女らがいるかわかるのか!?」

 制止するシンの声も振り切ってアキトは駆け出して行った。

 その走り去る後ろ姿を見てシンは溜息をつく。

「やれやれ……違う世界に来ても戦闘か」

 そういうとシンはバッタがいる方向に向かって駆け出して行った。

 

 

 

 

 

「いったい何が起こったんだ!?」

「……おそらく木連の襲撃です!」

 リョウトとルリはネットで情報を集めていたが突然爆音が聞こえたため中断して外に飛び出していた。

 外にでると避難しようとする人々と車で溢れかえっていた。

 普段ならすぐに避難しているが明け方の襲撃だったためか人々の避難は完了していなかったようだ。

 そこにすさまじい勢いで黒い何かがこっちに向かってくる。

 それはルリの目の前までくるとターンして止まる。

「ルリちゃん! リョウト!」

「アキトさん!?」

「早くこっちへ! 機体の所までいく!」

 それにはアキトが黒いバイクに乗っていた。

「アキトさんそれは?」

「ああ、鍵がささったままだからちょっと借りた」

「それって犯罪じゃ……」

「いいから早く乗って! リョウトも!」

「いいのかなぁ……」

 二人を乗せるとバイクは排煙を撒き散らしながら走り去っていった。

 

 

 

 

 

 三人を乗せたバイクはアキトが予想したよりも少し遅く洞窟の手前まで来ていた。

 ルリの安全を考え最短ルートではなくバッタをよけながら来た為余計な時間をくっていた。

「そういえばシンは?」

「先に戻るよう言っといたから戻ってると思うが……」

 その時辺りに爆音が響き始める。

 何事かと思いバイクを止め音のするほうを見てみると二機のバッタがこっちを見ていた。

「ちっ! もうここまで来てたか!」

 銃を抜こうとするアキトだったが次の瞬間茂みからシンがあらわれる。

「シン!?」

「まだいたか……」

 茂みから飛び出したシンはバッタとの距離を視認できぬほどの速さで詰めると前足に向かい拳をふるう。

 普通の人間なら拳はバッタの装甲に弾かれて終わり……しかしそれは一撃で前足を吹き飛ばした。

 驚愕する三人を尻目にさらに空中廻し蹴りを放ち装甲を破壊し吹き飛ばした。

 爆発しながら転がっていくバッタを見ることなくさらにもう一機に向かう。

 危機を感じたのかバッタはシンに向かい機銃を乱射する。

 しかし数多の悪魔を相手にしてきたシンにとってその反応は遅すぎた。

 横に飛び機銃を回避すると一メーターぐらいの光る刃を作り出す。

「邪魔だ!」

 怒声とともに作り出した刃を構え疾走する。

 一瞬で近づき振り下ろされた刃は紙を切るかのごとく装甲をいともたやすく切り捨てる。

 切り捨てられたバッタは爆発し、煙が晴れるとそこには内部をむき出しにしてスクラップと化したバッタの傍にシンが立っていた。

「終わりか……」

 大きく溜息をつくと後ろに振り返る。

 そこにはこちらに銃を向けているアキトの姿があった。

「……お前は何者だ?」

「……戻ったら話す」

 そういってシンは前を向くと洞窟に向け歩き出した。

 アキトはゆっくり銃をしまうとバイクのエンジンを入れ後を追った。

 

 

 

 

 

「さて……何から話したものか」

 機体のところまで戻った四人は昨夜と同じ場所に座っていた。

 街を襲っていたバッタは全てシンが破壊していた。

 シンによるとバッタは数は少なく全部で二十前後といったところだった。

「まずは……そうだな少なくとも俺は人間じゃないみたいだ」

「人間じゃないって……」

「まぁ話を聞いてくれ」

 そしてシンは目を瞑って思い出すように話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シンの話は信じられないものだった。

 彼の世界は東京受胎という人災に見舞われ世界は滅亡し自らは悪魔の体となった。

 悪魔が跳梁闊歩する世界で友人を探すが彼らは次第に変わっていった。

 最後にはそれぞれの意思の違いにより戦いになる。

 そして最後の敵……創世の要たるカグツチとの戦い。

 

 

 

 

「最後の戦いに勝った後俺は凄まじい光に包まれてな。

 気がついたらリョウトがいた場所にいたんだ」

 最後まで話し終えたシンはやけにすっきりした顔をしていた。

 アキト達が自分のことを話したというのに自分だけ話してないというのは少し心苦しかったようだ。

「……悪魔……ですか」

「ああ便宜上そう言ってるにすぎないがな」

 シンがそういうにはちゃんとした訳がある。

 彼がいた世界……ボルテクス界では日本神話など神話上の神々も悪魔として一括りされていた。

「しかし本当にどうしたものかな?」

「なにがですか?」

「いや、俺ってこの世界じゃいわゆる難民だろ?

 金も無きゃ知り合いもない。 さらに加えるなら行く当ても無い」

 見事なまでの無い尽くしであった。

 難民指定が受けられるかもしれない。

「さらにこの刺青だ。 まともな仕事に就けるかどうか……」

「銭湯とかも断られそうだな」

「いやそれは別にいいんだが……」

どこか的をはずしたアキトの発言にシンは肩を落とす。

それはともかくとして刺青は顔など全身にわたっているため隠しようがないのだ。

「アテならありますよ」

「……本当か?」

「ナデシコに乗ればいいんです」

「はい?」

ルリの提案にシンは呆けた表情をうかべる。

ルリはそれを見るとアキトのほうに顔を向ける。

「アキトさんナデシコクルーのコンセプト覚えてますか?」

「……『性格はともかく能力は一流』……だったか」

「バッタを素手で倒せるんだったら十分一流じゃないですか?」

「……確かに」

「いやむしろ怪しまれると思いますが」

 納得するアキトにリョウトが呆れた声で返す。

 しかしルリはそれを聞き流すと話を進める。

「私達だってどうせ怪しまれるでしょうし一人二人増えたって問題ないですよ」

「……まぁ行くアテもないしな」

 座って考え込んでいたがシンだがやがて立ちあがり手を差し出す。

「今後ともヨロシク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時折野鳥の声がする以外には何の音もしない深い森……

 しかしその日は違っていた。

 がさがさがさ、と二つの黒い物体が蠢く。

 二つの物体は止まることも無く移動していたがある木の陰に入って前の物体が動きを止める。

 それにならい後ろの物体も違う木の陰に入り動きを止める。

 その二つの物体の前には一つの建物が隠れるようにひっそりと佇んでいた。

 

 

 

 

 

「ここがラピスのいる研究所だ」

 前の黒い物体……黒ずくめのアキトが目の前の建物を指を指す。

「ふーん……で、何で俺はこんなところにいるのかな?」

 後ろの物体……シンがアキトをジト目でにらむ。

「潜入方法だがここはばれないようにだな……」

「聞けよ人の話」

 ジト目で問いかけるシンを綺麗にスルーしながらアキトは作戦を立てる。

(何でこんなとこにいるんだ?

 俺はリョウトと勉強してたはずだが……思いだせん)

 シンはリョウトとこの世界の一般常識をルリから習っていたが途中から記憶がとんでいた。

 気がついたら見慣れぬ山の中でアキトに付いて来いといわれそれに従ってここまで来た。

 しばらくは何で記憶がとんでるか思い出そうとしていたがやがてあきらめアキトに小声で聞いてみる。

「なぁアキト、もしかして俺は眠ってたのか?」

「ああそうだ。 寝てる間にここの山まで連れてきた」

「勝手に連れて来るなよ! 大体なんで起きなかったんだよ自分!?」

「ルリちゃんがお前に差し入れしたドリンクに睡眠薬を混ぜていたからな、起きないのも無理は無い」

「そんなもん入れてたのかよ! つーか見てたなら止めろよおまえも!」

「……止めようとしたんだが凄い目でにらまれてな、止められなかった」

「弱いなおい!?」

「……なんであんな目をするような子になっちゃったんだろう?

 ナデシコに乗ってた時や三人で暮らしてた時はあんな目をする子じゃなかったのに……

 ああ昔が懐かしい……」

「おーいアキト! 遠い目してんな! 戻ってこーい!」

 

 

 

 

 

 五分ぐらいアキトは過去へ逃避していたがシンにより元に戻った。

「なぁシン、確かにどっかとんでた俺が悪かったがもう少し他のやり方は無かったのか?」

「……ちょっとやりすぎたか?」

「どう考えてもやりすぎだ! もう少し手加減しろ!」

 泥のついた顔でアキトは叫ぶ。

 アキトを元に戻すため殴って元に戻そうとしたが、

 予想以上にシンの入れた力が強かったため十メーターばかり地面をすべりアキトは止まった。

 ちなみに気がつくまで三十分かかったのはご愛嬌だ。

「まったく……警備員に気づかれたらどうするんだ!」

「……もう気づかれてるぞ」

「ほら見ろ……ってなにぃ!?」

 見てみると武装した警備員らがこっちに向かってくる。

「な……なんで」

「アホかぁ! あんだけ大声で叫べば誰だって気づくわ!」

「あ……」

 気づかれてるのがわかったシンは大声で突っ込む。

 自分がやらかしたおおぽかに呆然とするアキト。

 そうこうしているうち警備員がこちらに発砲してくる。

「ったく、こうなったら正面突破しかないか」

「……それしかないか」

 シンは手に気の刃をアキトは銃をそれぞれ構える。

 そしてタイミングを見計らい木の陰から飛び出した。

「ああ俺の立てた綿密な作戦が……くっそー! おまえらがー!!」

 自分の立てた作戦が潰れたのが悔しいのかうさばらしするかのごとく警備員を倒していくアキト。

 

 しかしアキトよ……作戦が潰れたのは自分達のせいだぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 研究所奥深く……

 そこには一人の少女がカプセルの中で眠っていた。

 彼女はここで何度も実験を強要……いや、強要という言葉は間違いだろう。

 彼女は自我を持つ前から実験の繰り返しだった。

 故に、それが当たり前になっていてしまっていたのだ。

 ドアが開き男達が入ってくる。

 男は機械を操作し彼女をカプセルの中から外に解放した。

 そして今日もまた実験……ではなかった。

 男は彼女を優しく抱きとめると体にマントをかぶせた。

「その子がラピスっていう子か?」

「ああ……まったくこんな小さいうちから実験なんかさせやがって……」

 怒りのあまりか男の声が震えている。

 もう一人の男はその眠っている少女を見るときびすを返し入り口に向かう。

「じゃあ後は脱出するだけだな。 残ってる奴ら片付けとくわ」

「ああ頼むぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 部屋から出た男……シンは後顧の憂いを消すため警備員を探していた。

「もう全員殺したか……ん?」

 耳を済ませてみると奥の方からかすかに声が聞こえた。

「いたぞ! こっちだ!」

「逃がすな! 最悪実験体も殺してもかまわん!」

 奥の角から複数の警備員の声が響く。

 それを聞いてシンの表情が変わる。

「……また来たか……もう殺したくないいんだがな……だがそれ以上に……」

 そういうとシンは掌に意識を集中する。

 すると掌に火球が生み出される。

「あんな小さな女の子をほっとくのも気分が悪いんでな……!」

 生み出した火球を限界まで圧縮する。

 奥から人が見えた瞬間、ボールを投げるように思いっきり振りかぶり火球を投げつける。

 向こうは何かを投げてくるのが気づいたようだがもう遅い。

 火球は警備員の足元に着弾すると凄まじい閃光と爆音、そして熱波を引き起こした。

 辺りに弾けた炎が広がり次々に壁や床を溶かしていく。

 シンが使ったのは地獄の業火、鉄程度だったら容易に溶かしつくす。

 そんなものを至近距離でくらった警備員は断末魔の悲鳴を上げる間もなく消し炭と化した。

「さて……これで最後だったのかな?」

 そういうとシンは警備員の消し炭を確認した後アキト達の元へ歩き出した。

「…………」

 シンは歩きながらじっと手を見る。

 彼の脳裏にこの部屋に来るまでに殺した人々が甦る。

「変わらなかったな……人も……悪魔も……」

 確かにこれまで様々な悪魔と戦い屠ってきた。

 最後には友や知り合いも殺した。

 だが彼らは悪魔の力を手に入れすでに人間とはいえなかったのだ。

 しかし普通の人間を殺したのは今日が初めてだった。

 立ち止まり虚空を見ながらシンは力なく呟く。

「人を殺しても何も思わない……か」

 どこか寂しげな表情を浮かべながら歩き出した。

 

 

 

 

 

「シン、ラピスはどうだ?」

 全ての警備員の始末を終えアキトとシンは研究所より脱出していた。

 アキトはラピスを起こそうとしたが起きなかったためシンが背負っていた。

「眠ってるよ……しかしラピスって名前でいいのか?」

「ん? どういう意味だ?」

「だからこの子には名前は無かったのか?」

「……ナンバーならあったがな」

「そうか……」

 二人の間に重い空気が生じそれっきり会話が途絶える。

 その時後方の研究所で爆音が響き渡る。

 アキトが機械を操作し機密保持のための自爆コードを作動させたのだ。

 爆音を聞いても振り返ることなく、二人は暗い森の中ただ黙って走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでアキト、お前が立てた綿密な作戦ってどういうのだったんだ?」

 機体が隠してある洞窟近くまで来たシンは思い出したかのようにアキトに問いかけた。

「ん? 何、潜入後は片っ端から部屋を調べていくんだ。 運が良かったら一発で当たるだごほぉ!?

「何処が綿密だ! おもっくそザル作戦じゃねぇか!!」

 アキトの作戦(?)を聞き跳躍してアキトを蹴り飛ばす。

 シンの突っ込みの腕は着々と上がっているようだ。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ルリ:ようやくシンさんが悪魔であるということが出ましたね。

作者:ここで言わなきゃ次にいえるのは多分火星だからなぁ。

ルリ:遅いですね……

作者:仕方ないだろーが、ナデシコ内で悪魔を出せと?

ルリ:それは……

作者:まぁ方法が無いわけではないんだがその部分を書くのがめんどい。

ルリ:手抜きですね。

作者:やかまし!

ルリ:さて……もう一つ聞きたい事があるんですが。

作者:ん? 質問によっては答えられんぞ。

ルリ:そんなこと言わないでください(ハート)

作者:……オーケー、わかったからその手に持ってるハンマーを振り回すのはやめろ。

ルリ:なんで私があんなふうになってるんですか! 

    飲み物に睡眠薬を入れるなんてイネスさんじゃないですか!

作者:……いや……まぁなんていうか……勢い?

ルリ:……ふっ、逝きなさい!

作者:わー! 待て! 振りかぶるな! 最後に一言!

ルリ:……いいでしょう、時世の句でも言い残しなさい。

 

 

 

作者:………………や〜い、貧乳〜〜〜〜

 

 

 

ぷちっ

 

 

 

ルリ:死になさい! このどぐされ野郎がぁ!

 

 

ズゴガァァァァァン!!!

 

 

 

 

 

ルリ:はぁ〜〜、はぁ〜〜、地獄で反省してきなさい!

 

 

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

うーむ。

私も結構誤字を直してきましたが「 少しずつ空が白じんできた。」はさすがにちょっとくらっときました。

「しらじらと」と「空が白んできた」とを混同してるんだと思いますが、なんつーかこの、

言葉として妙なツボと言うか秘孔を突かれたような感触が(爆)。

 

後「見たことのないリョウトとシンは驚愕した表情を浮かべていた。」のところも

「驚愕の表情を浮かべていた」ですね。

「驚愕した」は動詞ですから「表情」という名詞にはかからないのです。

同様に「いぶかしんだ表情」も「いぶかしげな表情」「いぶかしむような表情」ですね。