Interlude......
「どうやら、あの実験は成功したみたいだね♪」
「……成功したとは言え、そのせいで『アレ』に逃げられては意味なかろうが」
「いやはや、まったく持ってその通りだけどなかなか手厳しいね〜。
そう言えば、『アレ』が『付属品』まで持って行っちゃったと聞いたけど……本当?」
「ああ。
誰も使えぬからと思って高をくくっていたのが、そもそもの間違いだったようだ」
「う〜ん……
まあデータは全部取ってあるから、それについては別に問題ないけど」
「して、研究の続きはどうするつもりだ?」
「『アレ』には色々とつぎ込んでいるから、逃げられて残念と言えば残念だけど……別に代わりがないわけじゃないしね。
もう一度作ろうと思えば、少し時間はかかるけどちゃんと同じものが用意できると思うし。
だから、それから研究しても遅くはないさ」
「ならば問題なし、か……
して、逃げた『アレ』はどうする?」
「まあ、どこに行ったかわかんないし、別に放っといていいんじゃないのかな?
この研究さえ完成すれば、『アレ』なんてどうでもよくなるしね」
「……確かに」
「別に、『アレ』だけで『あの方』の計画がどうにかなるものでもないと思うしね。
例え『付属品』があったとしても、どうせもう使い物にならないし。
それに、もしも僕らの邪魔になるようなことがあれば、そのときはあなたが処分してくれるのでしょう?」
「……ふっ。
なかなか気楽に言ってくれるな」
「別に、今のあなたなら問題ないでしょ?
例え『アレ』がもともとの力を持っていたとしても」
「……さてな。
例の『ヤツ』さえ貴様が完成させてくれれば、問題ないとは思うが……」
「あは、あはははは……
ま、まあ、『ヤツ』に関してはもう少し気長に待っててよ。
本来の僕のジャンルとは勝手が違うから、ちょっと手間取っているんだ」
「『人も機械も所詮玩具には変わりがない。
だから、玩具のことなら自分に任せておけ』と言った男の言葉とは思えんな」
「おやおや、よく覚えておられますな」
「その言葉に嘘偽りはないと、信じさせて欲しいものだが……」
「あはははは……
まあ、もう少し気長に待っててよ。
そうすれば、期待通りのものを仕上げて見せるから」
「……まあ、よかろう」
「でも、もともとと言えばあなたが無茶を言うからいけないんですよ?
あの大きさで、あのスペック……
普通なら無茶としか言い様がない代物ですよ?
しかも『アレ』の研究と並行しながらだから、眠る時間の確保すら難しいし」
「ふふふ……」
「もう、笑ってごまかさないでくださいよ〜」
「さてと、話はそれで終わりだ。
我はそろそろ戻ることにしよう」
「この後の予定は?」
「今まで通りだ。
『アレ』の代用品ができるまでは、今しばらく時間がかかるであろう?」
「そうだね。
どんなに無茶したところで、多少は時間がかかっちゃうし……
なんだったら『失敗作』でよければあるけど……使う?」
「いらぬ」
「なら、気長に待っててくださいね。
……そうそう。
ただ同じものを作るのもつまらないし、どうせなら少しくらいアレンジしてもいいかな?」
「………好きにしろ」
「うん、ぜひともそうさせてもらうね♪」
「では、何かあったらいつものように呼び出せ」
「はいはい、と……
それじゃ、僕もそろそろ研究室のほうに戻ろうかな〜………」
Chapter1:「もう一度、『はじめまして』」
Stage1に続く
あとがき、です。
とりあえず、ずばり悪巧みです(爆)。
(名前言ってない割に、誰がしゃべってるかばればれな気もするけど……(笑))
今のところアキト君たちとの行動には関わらないんだけど、裏で暗躍してる人たち。
今後の展開に微かな翳りを落とすために、作者本人にしかわけわからないであろうことをあえて文章にしてみました(核爆)。
これを読んだ人が、今後の展開にいろいろと妄想を膨らませてくれれば私の勝ちです(笑)。
まあ、ホントは別に誰も気にしないってわかってるんだけどね………(遠い目)
代理人の含み笑い
さぁどうでしょう。
案外こう言う何気ない所から展開を先読みされたりすることもあるんですよ(笑)?
まぁ、張った伏線にきちんとオチをつけられるなら、と言う条件付ですが(爆)。