・ ・ ・ カツゥン

「!!」

しまったっ背後!?

くそっエステバリスに気を取られていたとはいえ不覚っ

「動かないで、まっくろくろすけさん」

バッタじゃない ・ ・ ・ 侵入していたトレジャーハンターか?

首筋にナイフかなにか突きつけられている、か

「あなたいい腕しているわ、剣1本で飛蝗を倒すなんてね

 でもちょっと注意力が散漫だったかしら?」

口惜しいけど全くそのとおりだ、

 ・ ・ ・ しかし、どっかで聞いたことのある声だな。

「でも残念ね、この『魔神窟』に眠る魔神は私が倒すのよ!」

はぁ? 魔神?そんなものが居るのか!?

「『魔神窟』って言うくらいだものっ

 きっと魔神がこの奥に封印されているはずよっ!!」

「は ・ ・ ・ い?」

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ ファンタジーストーリー

『Welsh』

 

第4話『はじめまして?

      お久しぶり?』

 

 

 

 

 

魔神って ・ ・ ・ もしかして、ただの思い込み?

『魔神窟』と言うぐらいだから、そう言う事もあるかもしれないけど、

どう考えてもここは魔導文明と言うより科学文明の遺跡みたいだしな ・ ・ ・ 

「って事で、貴方には手を引いて

 と言いたいけどそっちは、村から依頼を受けている手前そう簡単に引き下がれないわよね。

 だ・か・ら、私を手伝ってくれるって言うのなら ・ ・ ・ エ?」

スキだらけだな、素早く腕を取って軽くねじり上げる。

「はいはい、話に夢中になりすぎだよ、お嬢さん」

「わぁ、あいだだだだだだっ」

そのまま背中を軽く突き飛ばす、

「わ、わっわっわっ、わぁぁあぁ〜〜」

よた、よたよた       ドテッ

あ、こけた。

「いったぁぁい、もうなにするのよぉ」

「いきなり人の首筋にナイフ突きつけるよりは穏やかなつもりだけど」

「ぶぅっ」

いきなりナイフを突きつけてきた割りに子供っぽい反応だな、

「はぁ、オレは此処の調査を依頼されただけだから、『魔神』とやらを倒したいなら邪魔をするつもりはないよ」

「え〜〜そんなぁ!!」

なんでそこで非難するんだよ、魔神(居るかどうか知らないけど)を倒すのは自分だって言ってたのに、

「手伝ってもらおうって思ってたのにぃ」

おいおいおいっ なんでそうなる?

取り敢えずランタンに火を燈して、(多分)女の子がこけてる方に向ける。

 ・ ・ ・ 巫女服?

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

「じろじろ〜 どうかしたの、いきなり黙り込んじゃって?」

「はっ」

いかん、脳味噌がフリーズするところだった。

「あっひょっとして、この格好に驚いた?

 この辺りじゃ木連の服着てる人なんていないもんね〜」

「!!」

木連だって!?

バッタ、エステバリスに続いて木連とは ・ ・ ・ 本当になにがどうなっているんだ、この世界は。

そのうちネルガルとかも出てくるんじゃないか?

「なになになぁに、黙り込んじゃったと思ったら今度はおばけでも見たような顔して、

 感じ悪いよぉ」

「ああ、ゴメンって ・ ・ ・ 

 

ユキナちゃん!?」

 

「ヘ!? なんで私の名前知ってるの?」

そ、そう言えば此処は異世界なんだ、ユキナちゃんがいる筈ない。

でも、だとするとこの娘はいったい?

「い、いやゴメン、オレの勘違いみたいだ」

「むむ、けど私の名前しって ・ ・ ・ 」

「偶然だ!(キッパリ)」

「そうなんだ」

納得してくれた、

 ・ ・ ・ なんでこれで納得するんだ?

まぁ、その方がありがたいけど。

ユキナちゃんそっくりで、名前もユキナ ・ ・ ・ それにさっきの話からして木連の出身。

 ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

この世界、本当は仮想現実世界じゃないのか?

 

 

 

 

 

いや、そんなはずない。

もしそうならオレはもう一週間以上何も食べないで仮想現実世界にアクセスしてる事になるんだから。

なら、どうして?

 

 ・ ・ ・ うぅ、イネスさん説明 ぷりーず。

リィン ・ ・ ・

 

 

「いい加減にしなさいよぉ!」

ブゥン!

「おわぁ!!」

はぁはぁ 少しで直撃だった。

「な、なにを?」

「なにを? じゃないでしょっ

 私が何か言うたびに、黙り込んじゃってっ話をする時は相手の目を見なさいって教えてもらわなかったのぉっ」

 ・ ・ ・ ユキナちゃん、君は後からナイフを突きつけてから話をするって教えてもらったのかい?

でもここは謝った方がいいかな、言ってる事はもっともだし、

「ゴメンナサイ」

「ゴメンですむんだったら警務隊はいらないわよっ

 いい、そもそも ・ ・ ・ 」

駄目だ、説教モードになってる ・ ・ ・ 

ん? あれは!!

「 ・ ・ ・ こらっ まっくろくろすけ!聞いてるの!?」

「危ないっ!!」

「え? キャァァァアアァァア!!」

ユキナちゃんを抱き上げて、身をかわす。

ゴガァァン!!

それまで立っていた場所に鋼鉄の拳が突き刺さっている。

「ワイヤードフィスト? そう言えばそんな装備がついてたっけ」

初めてエステバリスに乗ったときしか使わなかったから忘れてたぞ。

「な、な、な、な、なんなのよ? 今のは!?」

「あれだよ」

「え? ええええええええええええ!!

 あれって曼珠沙華!? なんでこんな所にあるのよ!!」

「いや、何でって聞かれても困るんだけど、

 曼珠沙華?」

「曼珠沙華は曼珠沙華よ、あの機械人形のことに決まってるじゃないっ キャァ!」

「おわぁっ!」

ゴガァァン!!

危なかった、ワイヤーフィストは両腕とも装備されていたの忘れてた。

「ああもうっ うっかりしてたぁ ここって『異跡』だったのよね?曼珠沙華があってもおかしくないか ・ ・ ・ 

 でも稼動可能な曼珠沙華がまだ残ってるなんて反則よぉ!」

ふむ、どうやらエステバリス自体はけっこうあるらしいな、動かない遺跡として、

しかし曼珠沙華か、確かエステバリスの和名だったな。

「あ」

ヒュィィィィ ・ ・ ・ 

埋まってた下半身が出てきた。

これで本格的に動き出すぞ ・ ・ ・ どうする?

「どうするも何も、逃げるしかない ・ ・ ・ か」

「あたりまえじゃないっ生身で曼珠沙華と戦うなんて、ムボーよっムボー!」

ふむ、エステバリスと戦うのは無謀でも魔神と戦うのは無謀じゃないのか、

魔神ってどんなんだろう?あとで聞いてみよう。

とにかく今は、

「よしっ 此処から脱出するからしっかり捕まってて」

「うんっ」

ぎゅぅぅっ

 ・ ・ ・ ユキナちゃん、けっこう胸あったんだ ってなに考えているんだ!オレ!!

「じとじと〜〜」

「な、何かな」

「今、邪な事考えていなかったかなぁ」

ぎくぅ ・ ・ ・ 流石巫女、邪気には敏感だ。

「!! 来るっ」

ゴガァァン!!

ガラガラガラ ・ ・ ・ ズズゥゥンッ

「きゃぁぁっ」

「痛っ くそっ出口が崩された!?」

「どうするの?これで逃げられなくなったじゃないっ」

崩れた土砂はすぐに除けられそうにないな ・ ・ ・ と言うことは答えは1つ、

 

 

「どうやら”ムボー”な事するしかないみたいだな」

「マジで?」

「大マジ」

 

 

 

 

 

第5話へ

 

 

 

代理人の感想

むう。ここでユキナ、ここで木連ですか。

まぁ巫女装束が誰の趣味かは置いておくとして(爆)

 

で、これが仮想現実でないとすれば考えられるのはパラレルワールドでしょうか?

ナデシコ世界とは別の進化を遂げた地球なり木星コロニーなりで

(その場合、周囲の景色は人工物かもしれません)

木連は別形態の組織として存在していると。

 

ま、根拠のない想像、もっと言えば妄想ですが。