「くそっ!

 間に合えぇぇぇぇっ!!」

 

ドガァアアァアァァァアァッッッ!!!

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ ファンタジーストーリー

『Welsh』

 

第8話『力』

 

 

 

 

 

 ・ ・ ・ くっ

「 こ こ は ? 」

気がつくと薄闇に包まれた空間にオレは漂っていた。

「オレは ・ ・ ・ いったい?」

 ・ ・ ・ 

「そうか、オレはユキナちゃんを庇って」

バッタのミサイルの直撃を受けたんだ。

「オレ ・ ・ ・ 死んだのか?」

多分、そうなんだろうな。

個人用ディストーション・フィールドじゃ防ぎきれない、

「ユキナちゃんとイネスさん、無事かな」

多分、無理だろう。

あの爆発から助かってもバッタの群とエステバリスが居るんだ、ただじゃすまないか ・ ・ ・ 

「また ・ ・ ・ オレは護れなかった」

護る、助けると約束した訳じゃない、それでもっ

ギリッ

「オレの力なんてこんなものなのかっ」

女の子1人すら助ける事も出来ないのかっ!

 

 ・ ・ ・ 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 

「結局、オレには何も護る事は出来ないのか ・ ・ ・ 」

中途半端な期待を抱かせる程度の力など無いに等しい、

いつまでたっても ・ ・ ・ 

どこへ行っても ・ ・ ・ 

 

 

 

 

 

オレは無力なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『力が欲しいか?』

 

「!? 誰か居るのかっ」

『力が欲しいか?』

「どこに居る!」

『力が欲しいか?』

「力だと」

『そう、力。

 あらゆるものに対抗できる力』

「あらゆる ・ ・ ・ 」

『汝の意にそぐわない者達に裁きを下す力』

「意にそぐわない ・ ・ ・ 裁きの ・ ・ ・ 」

『汝に逆らうものを粛清する力』

 

力、

 

他者を屈服させる事のできる力 ・ ・ ・ 

 

何者も逆らう事を許さない絶対なる力 ・ ・ ・ 

 

『そうだ、

 その力が  欲しくないか?』

「チカラ ・ ・ ・ 」

オレは、

「絶対なるチカラ ・ ・ ・ 」

そんな力が、

「オレはそんなチカラが ・ ・ ・ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレは ・ ・ ・ そんな力が欲しかったんじゃない」

 

 

「オレはみんなが、

オレの周りに居る人たちが笑顔でいられる場所が欲しかった」

 

 

「笑顔を護れるだけの力が欲しかった」

 

 

「ただそれだけだったんだ ・ ・ ・ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああっそうだ!!」

「今でもそうだ!!」

「絶対なる力なんていらない!!」

 

 

 

 

 

「オレが欲しいのは笑顔を護る力だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ならば、その力を貸そう』

『我が名は魔神剣【黒百合】』

『我が力を使い汝の望、かなえるがよい』

 

 

 

 

 

 

 

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代理人の感想

つー訳で、大方の予想通り今回は「AR○S」な話でした(笑)。

次回、いよいよアキト大暴れ・・・・か?