ビルの屋上に一人の青年が立っていた。

青年の目の前に、大きな機動兵器が見える。

機動兵器の顔がこちらを向いている。どうやら、こちらに気が付いたようだ。

青年は、キッと機動兵器を睨みつけると、手に持ったアタッシュケースを機動兵器に思いっきり投げつけた。

同時に、アタッシュケースの蓋が開き、中にあった青い光を放つクリスタルがバラバラになる。

そして、そのクリスタルはさらに光を放ち始める。

アタッシュケースを投げつけた青年もまた、光を放ち始めた。

その光は青年の顔面と言わず、全身の血管をポウッと光が映し出す。

やがて、大きな機動兵器の上空に、幾何学模様をした円形の光が現れ機動兵器を吸い込んでいく。

同時に、青年も吸い込まれた後、辺りに静寂が戻った。

戦闘後の惨劇を残したまま・・・

 

 

2195年、クリスマスの出来事であった・・・

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ

〜Blank Of 2Weeks〜

 

 

 

 

月面にあるネルガルドック・・・

ここでは、ナデシコ級戦艦『シャクヤク』が、現在急ピッチで建造されていた。

作業員達は、給料に見合うだけの働きをしており、

作業主任である緑川は部下達の働きを細かくチェックし、問題点を素早く処理していた。

長身、痩躯とやや細めの印象を受けるが、無駄な脂肪は一切無く

重たい機器も難なく持ち上げられると言う、見た目と力のギャップが、かなりある人物である。

元々はネルガル系列の自動車修理工場で働いていたが、

その能力が認められ、各部署を転々と渡り歩き32歳と言う若さで

ナデシコシリーズ建造の作業主任に抜擢された優秀な人材である。

そんな緑川に、横からコーヒーの入った紙コップが差し出される。

「主任、ようやくここまでこぎつけましたね。」

緑川の部下で中肉中背、人懐っこい顔をした森村が言う。

森村は、コンピューター関連の技術者で博士号を持っている秀才である。

しかし、戦争で家族を失い、行く当ても無く日雇い生活をしていた時、

緑川が直接ナデシコシリーズ建造プロジェクトに誘ったのだった。

「ああ・・・だが、こいつが出来あがるまでは現状維持ってとこかな。」

「俺達、休む暇もないんですかねぇ。」

「どうした、辞めたいのか?」

緑川は、笑いながら言う。

「冗談言わないで下さいよ。今のご時世、

主任に拾ってもらってなかったら、今頃どっかで野垂れ死にですよ。」

「そうだな、お前は生活能力ゼロだからな。」

日雇い暮らしをしていた頃の森村を知っている緑川は、

ゴミに埋もれた森村の部屋を思い出し、笑いながら言う。

「あ、ひどいですよ・・・まぁ、事実なんですけどね・・・

それにしても、主任は生活能力ありすぎなんですよ。」

現在は、緑川と相部屋で生活している森村は

家事全般をこなす緑川を尊敬の眼差しで見る。

「ま、それなりに経験って奴が付いてきてるからな。」

「でも、この前のカレー地獄は勘弁してほしかったです・・・

カレー魔人じゃあるまいし・・・」

森村はブツブツと文句を言う。

「しょうがないだろう?つい調子に乗って作りすぎたんだから・・・」

「俺、しばらくカレーが嫌いになりそうですよ。」

「俺だって、カレーうどんからドライカレー、カレーパンと

3食続けてカレーだったから、しばらく気持ち悪かったんだからな。」

「・・・それが一週間も続いたら、青汁だっておいしく飲めますよ・・・」

サメザメと泣きながら森村が言う。

「まぁ、ボーナスも出たし・・・外食と行くか?」

「・・・どうせ、主任のおじさんが経営している食堂でしょう?」

「・・・よく判ったな・・・」

「主任の考えそうなことですから・・・」

その時、緑川達の足元が揺れた。そして、ガラガラと資材が落下する。

「っと、地震か?」

「月で自身なんて起きるんでしょうか?警報鳴ってますし敵襲では?」

工場全体に警報が鳴り響いていた。

「そうだな、敵襲かも知れんな。直ぐに、各所の被害チェックと・・・」

緑川は、周囲に散乱した資材の中に一人の青年が倒れているのを発見した。

「おい、あれは・・・」

「誰・・・でしょうねぇ・・・」

「ともかく、助けよう。もしかしたら、産業スパイかもしれんが

放っておくわけにはいかんだろう。」

緑川は、そう言うと青年を助け起こす。

足元の揺れは、何時の間にか収まっていた。

 

 

 

 

『月面第3ステーション付近で大規模な爆発が起こった事件の続報です。

先日、謎の爆発を起こした第3ステーションでは、

宇宙軍による復旧作業が急ピッチで進んでいますが

木星蜥蜴の動きが活発化している為、思うように進んでいない模様です。

また、爆発の影響で地球との通信施設に被害が出ており、

現時点では、地球との通信が取れない為、物資の補給に深刻な影響を与えそうです。

当局筋の情報によりますと、人工プラントの稼働は今までどおりなので、問題は無いとしていますが

万が一に備え・・・』

どの局も、月面で起きた大規模な爆発を報じており

ある局では、爆発した第3ステーションの廃墟部分が大きく映し出されていた。

「もう一度聞こう・・・君の仕業か?」

背広を着た男が、机を叩きながら青年に詰問する。

部屋の中には、3人の刑事がいた。青年の正面に一人。

両脇に一人づついた。

「だから、俺じゃないッス。」

「・・・もう一度、尋ねるが君の住所、氏名、IDナンバーを言いたまえ。」

「・・・テンカワ=アキト・・・住所不定って言うか、ナデシコを追い出されて

住む所はこれから決めるところッス。IDは・・・って、そんな番号覚えてる奴っているんですか?」

テンカワ=アキトと名乗った東洋系で黒髪をツンツンにし、少し頼りなさげな青年は

ウンザリしたように言う。この3日間、ずっとこんな感じで取調べを受けていた。

当初、ネルガルのドックに現れた事から、産業スパイの容疑で逮捕された。

やがて、緑川らの証言により、月面第3ステーション辺りで爆発が起こった直後に

アキトが現れた事が判明、現在アキトは大規模テロの実行犯の容疑を掛けられて

取り調べを受けている。

「だがなぁ、住所不定、無職、身分証明すら持っていない。

おまけに関係者以外は厳重なセキュリティに守られていて、ねずみ一匹入り込めないと言われる

ネルガルの工場内に入り込んだ事自体が怪しいじゃないか。」

「確かに、そうッスけど・・・でも、気が付いたら・・・あそこにいたんだ。」

アキトは、肩を落として言う。実際、取調べは難航していた。

DNA検査の結果、本人であることは間違いないと判断されたが、

ナデシコに乗って、さらにパイロットをしていたと言うアキトに対し、

知能テストから精神分析、さらには体力測定に健康診断と

あらゆるテストを行なった結果・・・

世間一般の人間と同レベル程度と言う平凡な人間像になってしまった。

ただし、戦争に対しては非常に嫌悪感を示しているという精神分析の結果が出たが

実際に戦争被害にあった人たちは、同じような傾向が出ていると言う

カウンセラーの説明で捜査員達は余計に混乱するのであった。

ネルガルの作り出した新型の戦艦ナデシコの名前は捜査員達も知っていた。

そして、その乗組員達は能力が一級であると言う噂も・・・

もし、捜査員達がナデシコに集められた人材が、能力は一級でも

性格に問題ありと言う事を知っていればアキトの事も、もう少し理解できていたかもしれない。

「まったく・・・もうすぐクリスマスだってのに、

あの大爆発のお陰で地球と通信が出来なくなっちまった。

単身赴任の身にもなってみろ。家族と通信できない辛さが、お前にわかるか?」

それは、何気ない捜査員の愚痴だった。しかし・・・

「え?クリスマスって・・・」

アキトは捜査員の一言にビックリする。

―確か、自分があの巨人兵器とボソンジャンプしたのはクリスマスだった。

メグミちゃんと一緒にナデシコを降りて、イネスさんとエリナさんに連れられて

実験場に行った後、巨人兵器が現れて街を滅茶苦茶にした挙句

自爆しようとした巨人兵器に、チューリップクリスタルを投げつけて

それから・・・

「おい、どうしたんだ?」

突然、ブツブツと独り言を言い始めたアキトを不審な目で見ながら

捜査員はタバコに火をつけて一服する。

「どう言う事なんだ・・・俺は・・・確かにクリスマスの・・・」

アキトの頭は、さらに混乱した。

―こんな時、イネスさんがいれば説明してくれるかも・・・

そう言えば、火星のクロッカスの時はイネスさんが

ボソンジャンプは時間移動とか言ってたような・・・

そう思い立ったとき、目の前にいた捜査員につかみ掛かる。

「おい、ナデシコに連絡させろ!じゃないと!!!」

アキトの脳裏に、破壊された街やエステバリスが浮かび上がる。

「おい!やめろ!」

突然、暴れだしたアキトは

周りにいた捜査員達に取り押さえられ

そのまま机に押しつぶされる。

「地球との通信が回復して、君の身分が明らかになるまでは、ココにいてもらうよ。」

捜査員は、タバコを灰皿に押し付けながら言う。

そして、アキトは別室に連れて行かれる。

具体的に、犯罪行為を現行犯で犯していないし、ネルガルの関係者らしいとなれば

牢獄へ入れるわけにもいかず、警察の宿直室で軟禁状態となっていた。

アキトは部屋に入ると、先程捜査員が言った一言を思い出していた。

「もうじきクリスマスって・・・確かにそう言ってたよな・・・

ひょっとして、月って時間がずれてるのかな?」

アキトが部屋の中を見ると、カレンダーが掛けられていた。

「2195年・・・12月のカレンダーか・・・でも、今日は何日なんだ?」

部屋の中は、外部からの情報を一切遮断する為、窓には鉄格子。

テレビも無ければ、時計すら無かった。

「もし・・・ホントに過去ってのなら・・・助ける事が出来るかもしれない・・・」

だが、今のアキトは完全に犯罪者扱いである。

明確な証拠が無い上、ボソンジャンプの事はトップシークレット扱いであった為

いかにアキトが地球から来たと言い張っても、入出国管理局にデータが無い上

ネルガルの工場に入り込んでいた為、不法浸入どころかスパイ容疑すらあるのだ。

それどころか、ボソンジャンプをして月まできたと言うのは、

世間一般では荒唐無稽な話なので、詳しい精神鑑定まで行なわれる始末であった。

 

 

 

こうして、アキトが月へとジャンプしてから、すでに一週間が過ぎようとしていた。

この日は、何時ものように取り調べを受けた後、

軟禁されている宿直室へ送り届けられるところを、

どう言う訳か、ネルガルの工場へと案内された。

工場の応接室で、捜査員3人とアキトが座っていると、一人の男が入ってきた。

「どうも、お待たせしました。」

「こちらは、緑川さんだ。お前の第一発見者だ。」

捜査員が緑川を紹介する。

「あ・・・ども、テンカワ=アキトっす。」

緑川が右手を差し出したので、慌てて握手をしながらアキトは挨拶をした。

「緑川 幸太だ、お前さんの身元引受人になった。」

緑川は、捜査員の要請を受け、アキトの事をネルガル月ドックで調べた。

ナデシコの実戦経験データは、次世代艦へのフォローアップに有効であった為

逐一データの更新がなされていた。

その中には当然、乗組員の事もデータが入っている。

アキトの事は、臨時雇いとして確かにナデシコ乗組員の一人に登録されていた。

また、緑川はナデシコの航海日誌をみた。

内容は、コレで本当に火星まで行って来たのかと呆れた。

なにせ、航海日誌を書いていたのは、艦長ではなく11歳のオペレーターだからだ。

その中には、確かにアキトの名前があり、コック兼パイロットとして

働いていた事が明記されており、アキトの証言内容と一致していた。

ネルガルとしては、企業秘密のカタマリであるナデシコに乗っていた人間を

そのまま放置するわけにも行かないが、本社と連絡が取れない今、

どうするか連日のように会議が繰り広げられ結局、第一発見者である

緑川が代表して引き取る事になった。

「では、緑川さん・・・後の事はよろしくお願いします。」

「ご苦労様でした。」

捜査員達はアキトを引き渡すと、応接室から退室していった。

緑川は、捜査員達を見送るとアキトに向き直す。

「と、言っても俺の部屋は二人部屋で狭いし、何よりネルガルのドック内にあるから

ドックの近くにある食堂に、住み込みで働いてもらえるよう話しておいたから。

コックなんだし、その方が良いだろう?」

緑川は、親戚のおじさんが経営しているんだと話した。

「・・・俺・・・ナデシコと連絡を取りたいんスけど・・・」

「今は無理だ。少なくとも、後一週間は修理に時間が掛かる。」

「非常用の回線とか、地球行きの便でも良いんだ。

何とかして、ナデシコと連絡を取らないと・・・」

緑川は、アキトの肩を掴み、落ち着かせる。

「まぁ、落ち着け。通信施設は俺達も必死になって修理してるから。

それに、爆発の影響でシャトルは現在運行を見合わせている。」

よく見ると、緑川は徹夜明けなのだろうか、目の下にクマを作っていた。

爆発の原因は、アキトの証言により木星蜥蜴の機動兵器が爆発した為だとネルガルでは判断した。

しかし、地球との通信施設崩壊が関係者の関心を一手に集めた。

なにせ、地球との通信が回復しないと、医薬品などの補給や

人員の補充、壊れた街の建築資材等、あらゆる補給、補充物資が不足するため

月面に住む人達の生活に深刻な影響が出るためだ。

事実、緑川達も通信施設の復旧を最優先事項とし、修理を行っている。

足りない部品は、シャクヤクから流用してまで修理をしているが

そんなレベルでは追いつかないほど、通信施設に影響が出ていた。

「・・・スンマセン・・・興奮しちゃって・・・」

アキトはガックリとうなだれる。

「まぁ、とりあえず待つ事だ。それにしても、一体どうやって月まで?」

「・・・前にも同じ事があったんです。

火星から地球に・・・イネスさんの話じゃぁボソンジャンプって言ってましたけど・・・」

アキトは、緑川に自身が体験した事を話す。

「・・・ふぅん・・・しかし、その力はあまり多用しない方が良いな・・・」

「え?」

「今回はたまたま俺達のいる所・・・つまり、人の住んでいる場所に

来る事が出来たが、まかり間違えば宇宙空間に生身で放り出される・・・

そんな事になってたかも知れんぞ・・・」

緑川の一言にアキトは背筋が凍る思いをした。

確かに、その可能性は否定できなかった。

生身で宇宙空間に放り出されていたら、今頃こうしていなかっただろう。

「・・・まぁ、何にせよ助かったんだから良いじゃないか。

それより、早く行こうか。おじさんたちが待ってるから。」

緑川は、そう言うとアキトを親戚の経営する大衆食堂へと案内した。

 

 

 

 

アキトと緑川は、ネルガル月ドック近くにある大衆食堂へとやってきた。

夕食時ともあり、店内は活気に満ちていた。

「こんにちわ、おじさん。」

「おう、コータ!待ってたぜ。」

厨房からヒョコリと丸顔の男性が顔を出す。

手には中華鍋を持っており、せわしなく動いている。

店内には、中年の女性と若い女性が働いており

めまぐるしく働いている。

「話は聞いている。厨房で働いた事は?」

アキトはコクリとうなずく。

「ご覧の通りのありさまだ。手伝えるんなら手伝ってくれ。」

「は、はい。」

アキトは厨房に入り、料理を手伝い始める。

「ほう、中々筋が良いな。」

「ありがとうございます。えっと・・・」

「桜井 修吾だ。あそこで料理を運んでるのが女房の霧子、

んでもってレジにいるのが娘の久美子だ。」

修吾はアキトに家族を紹介する。

食堂は、相変わらずにぎわっており、簡単に紹介しあうだけで

その日は一日中、食堂での仕事に没頭したのだった。

 

 

 

緑川の紹介により食堂で働くアキトは、久々に家族のぬくもりを感じていた。

幼い頃に両親を事故で亡くしてからというもの、

両親の面影すら思い出せなくなっていた。

ナデシコは、家族というより仲間や友達、親友のいる

学校の延長みたいな感じを持っていた。

「アキトさん、お疲れ様。」

仕事を終えた後、久美子がアキトに話しかけてきた。

「ああ、久美子ちゃん・・・ちょっと待っててね、もう少しで

皿洗いが終わるから・・・」

アキトはガチャガチャと皿を洗いながら言う。

「ご飯できてるから、終わったら来てね。」

アキトが、この食堂に来てからというもの、真面目に働くアキトを

桜井の一家は好意的に見ていた。

何かと気を使う久美子に、仕事に対しては厳しく接するが

それ以外では、人生の先輩らしく色々とアドバイスをしてくれる修吾や

普段は何も言わないが、的確な意見を言う霧子と言った桜井の人々だった。

「久美子ちゃん、こっちはもう少しで終わるから。」

「じゃあ、先に食べてるね。」

久美子は、そう言うと奥へと消えていく。

「・・・ナデシコ・・・か・・・」

アキトはカレンダーをふと見る。

クリスマスは着実に近づいていた。

「何とか守らなきゃ・・・」

アキトは、自分の交代要員として入ったイツキ=カザマを思い出す。

『後の事は、お任せください・・・今までご苦労様でした』

そう言って、握手をしたきりであった・・・

そして、ボソンジャンプに巻き込まれて、死んでしまった・・・

もし、救うことが出来たら・・・

アキトが暗い考えに陥っていると・・・

「お〜い、アキト!何トロトロやってんだ!早く来ねぇと、メシ無くなっちまうぞ!」

奥から修吾が声を上げる。

「お父さんがアキトさんにお願いしたんでしょう?」

「そうだよ、たまにはあんたも皿洗いしたらどうだい。」

「う、うるせぇ・・・大体、皿洗いってのは新入りがやることになってんだよ!」

家族の他愛も無い会話が聞こえてくる。

ナデシコと同じく、ここでも女性が実権を握っているようだった。

「は〜い!今行きま〜す!」

アキトは、クスリと笑い暗い考えを振り払い返事をし、

大急ぎで皿洗いを終わらせるのであった。

今や桜井の人達は、アキトにとって精神安定剤的な役割になっていたのであった。

 

 

 

 

アキトは桜井が経営する食堂に、住み込みで働き始めて

すでに一週間が過ぎようとしていた。相変わらず、店は繁盛していた。

食堂の近くにネルガル月ドックと連合宇宙軍の基地があった為

ネルガルの社員と連合宇宙軍の軍人が、客層の大半を占めていた。

「よう、アキト。元気にやってるか?」

アキトが注文を取っていると、店に緑川がやってきた。

「あ、いらっしゃい。」

緑川はアキトに日替わり定食を注文する。

「それにしても、お前さんみたいなのがパイロットやってたとはなぁ・・・」

アキトの姿をマジマジと見る。右手の甲には、IFSのタトゥーが見える。

「俺だって、パイロットなんてやりたくなかったですよ。でも・・・」

アキトは、初めてエステバリスを動かした時を思い出す。

あの時は、これ以上犠牲者を増やしたくないと言う思いが強かった。

そして、ヤマダと一緒に地球を出る時に戦い、そして・・・

その後は、リョーコ達やアカツキがパイロットに加わったが

成り行きでそのままパイロットをやっていた。

「ま、人には色々あるって事だな。

俺だって元々は自動車整備工だ。

それが今じゃ月なんかに来て戦艦作ってる。

人殺しの機械なんか作りたくないってのにな。」

「でも木星蜥蜴は、ただの機械ですよ。」

アキトはバッタやジョロを思い浮かべる。

「今は・・・な。だが、どうせこの戦争が終わったら

今度は人間同士で戦うようになる・・・

人類の敵は人類だって事だな。」

「そんなもんッスかね?」

「ああ、人間の歴史は戦争の歴史だ。

今は共通の敵が居るから人類は団結している。

でも、その共通の敵が居なくなれば人は争い始める。」

緑川は水を少し飲んだ。

「・・・俺は、人を信じたいッス。」

「そうだな・・・だが、現実は厳しいさ。

武器を持つって事は、戦争をする準備があるって事だ。

民族、宗教、イデオロギー、土地、利権・・・

争う元はいくらでもあるってことだ。」

「なんか・・・イヤッスね・・・」

アキトは辟易しながら言う。

「そうだな。だがアキト・・・お前に人間が殺せるか?」

緑川の言葉にアキトはハッと息を呑む。

オモイカネが暴走したとき、連合軍に向けて誤射した事がある。

そのときは、コントロールが効かないエステバリスを何とかしようと必死で

人に向かってミサイルを発射しているイメージは無かった。

また、撃墜された連合軍兵士たちも脱出したため、

怪我人は出たが、戦死者はゼロであった事もアキトの気持ちを楽にさせていた。

だが、緑川は自分の意思で人が殺せるかと

ストレートに聞いてきたのだった。

「俺は・・・わかりません・・・」

「だよなぁ・・・戦艦に乗ってミサイル発射のボタンを押してるだけだと

人殺しをしている感覚なんて無いし、エステバリスに乗って

無人兵器を相手にしてたら、妖怪退治でもしてる気分だろう。」

「・・・」

アキトは地球脱出の時にデルフィニウム部隊と戦った時を思い出す。

あの時は、ガイの救出にのみ意識が向いていたが

ひょっとしたら、デルフィニウムに乗っていたパイロットを殺していたかもしれない。

アキトの表情は、暗く陰るのだった。

「ところで、仕事は良いのか?」

そんなアキトを見て、緑川は努めて明るく言う。

「あ、そだ・・・」

アキトは、頭を軽く振り嫌な考えを頭の隅に追いやり、慌てて仕事に戻る。

やっぱりアキトに戦争なんて向いていない・・・

アキトの後姿を見ながら、緑川は思うのであった。

「主任・・・やっぱりココに居たんですね・・・」

部下の森村が、横から声をかけながら緑川の向かい側に座る。

「良いだろう?今は休憩時間中なんだから。」

「そんな事言って・・・大体、主任はいつも遊んでるように見えちゃうんですから

休憩時間は皆と一緒に詰め所にいてくださいよ。」

森村は注文を取りに来た久美子にカツ丼を注文する。

「良いんだよ、俺は孤独が好きなんだから。」

「食堂のほうが人・・・多いですよ。」

森村はジト目で緑川を見る。

「お前ねぇ・・・皮肉を言いに来たのか?」

「あ、そだ・・・地球との通信が回復しました。」

「何?それを早く言わないか!!おい!アキト!」

緑川は慌ててアキトを呼ぶ。緑川も一応、通信施設の復旧チームになっていたのだが

他の設備も同様に被害を受けているため、通信施設の復旧は部下に任せていたのだった。

当初は、自分で修理の陣頭指揮に立っていたのだが、

通信施設に森村などの優秀な人材を振り分けたため、

他の施設復旧を担当する人間の能力が不足し、

右往左往する場面が何度か出てきたため、

緑川を総合的な復旧プロジェクトリーダーにして、各施設の復旧状態管理、人員配置

被害状況確認など多忙を極めていた。緑川の判断は正確で

復旧状況は、当初の予想より短く全施設が使用可能になろうとしていた。

「日替わり定食ならもう少しで出来ますよ。」

厨房から顔をのぞかせてアキトは言う。

「そんな事より、地球との通信が回復したそうだ!

俺は今から通信施設に行くが、付いて来るか?」

アキトは大きくうなずく。そこに、久美子からオカモチを渡される。

「はい、ついでだから出前もお願いね。これ、注文先の住所。」

久美子は住所の書かれたメモをアキトに渡す。

「でも・・・」

「こうでもしないと、お店・・・抜けられないでしょ?」

久美子は笑いながら言う。

「ありがとう、久美子ちゃん。」

アキトは、久美子に礼を言うと緑川たちと一緒に店を飛び出した。

「行ってらっしゃい。」

「・・・行ったのかい?」

霧子はテーブルを拭きながら言う。

「ええ。」

「あの子・・・死に急がなきゃ良いんだけどね・・・」

初めて食堂にアキトがやって来た時、パイロットをやっていたとアキトから聞いた霧子は

物憂げな表情で言う。彼女の弟が、軍でパイロットをやっていたからだ。

その弟も、戦争が始まってすぐ戦死したのだった。

「大丈夫だよ。アキトさんは・・・」

久美子は、アキトの優しい笑顔を知っていた。

食堂に来る連合宇宙軍の兵士とは違う、

人の命を、仲間を、友人を大切に思っている表情だった。

「おや、久美子・・・あんた、まさか・・・」

「えっ・・・その・・・嫌だ、何考えてるのよ母さん!」

「ふぅ〜ん・・・」

霧子はニヤニヤしながら娘を見る。

「もう!アキトさんの事は何とも思ってないんだからね!」

久美子は真っ赤になって霧子に言う。

「あたしゃ、何もアキトの事を言った覚えは無いよ。」

「なっ!:お母さん!」

「あんたも恋する歳になったんだねぇ・・・」

霧子はフッと微笑む。

「おい、どうでも良いが仕事してくれよ。」

手にフライパンを持った修吾が、妻と娘を注意する。

「おや、いけない。久美子、頑張るんだよ!」

カラカラと笑いながら霧子は仕事に戻る。

「お前も、ボウっと突っ立ってないで、4番のテーブルにから揚げ定食持っていけ。」

「あ、うん。」

久美子も一回ほっぺたを自分で叩き、仕事に戻る。

「まったく・・・所詮、アキトは渡り鳥だって言うのに・・・」

修吾は娘の恋が実らないであろう事を予感していた。

アキトがココに来たのだって、一時的な休息のためだ。

いずれは、飛び立っていってしまうだろう。

だが、娘の為を思えば、こんな失恋も良いかもしれない。

修吾は、中華なべを振りながら、そう思うのであった。

 

 

 

 

 

「予想はしていたが、かなり待つようになるなぁ。」

緑川はため息をつきながら言う。

通信施設の一部が回復したとは言え、地球との通信施設は宇宙軍の管轄下にあり

軍の人間が優先的に通信をしていた。

アキト達が、通信施設へ到着してから、すでに1時間が経過しようとしていた。

「こんな事してる場合じゃないのに・・・」

アキトは、チラリと時計を見る。

確か、戦闘が始まった時間だったとアキトは焦りを感じていた。

「アキト、こっちだ。」

緑川はアキトを裏口に誘う。

「ここは?」

「職員専門の出入り口だ。」

普段は閉じられているが、緑川達は修理の為、ココから出入りしていたのだと言う。

「森村が一時的に通信をサブルームに移管する。

そのスキに、お前はナデシコと連絡を取れ。」

「でも、そんな事したら・・・」

「軍のやり方に不満をもってるのは、お前だけじゃないさ。

俺の女房と子供は、この戦争が始まる前、実家のある火星に居たんだ。

俺は単身赴任で月に居たからなぁ。」

その言葉にアキトは衝撃を受ける。

もしかしたら、あの時シェルターで一緒になっていたかもしれない。

「どこの・・・コロニーに居たんですか?」

「ん?ユートピアコロニーだ。」

アキトは、ひょっとしたら救えていたかもしれない人たちを思い出す。

火星に再びたどりつき、ユートピアコロニーで生き延びていた人たちを

ナデシコは見殺しにしたのだ。しかも、ディストーションフィールドを展開して

シェルターにいた人々を、大量の土砂で埋めて・・・

「俺・・・あの・・・」

「・・・いいか、アキト・・・戦争で死んでいくのは民衆だ。

その事さえ忘れなければ、お前さんは生き残る事が出来るさ。

女房と子供は俺の中で生き続けてる。もっとも、俺の方ばっか老けていくけどな。」

緑川は、自らの左胸を指した。

「さぁ、行って来い。お前の仲間が待ってる。」

「・・・はい・・・」

アキトは、森村が用意した通信機でナデシコと通信を始めた。

2週間ぶりではあったが、アキトにとっては懐かしい顔ぶれだ。

ユリカは泣いていた。メグミも泣いていた。

ミナトは喜んでくれた。ルリは何時もと変わらないように見えた。

ナデシコは、やっぱりナデシコだった。

 

 

 

この後、木星蜥蜴の機動兵器が月ドックを襲い、

許可も無しに月面フレームをアキトに使用させた事と

ナデシコに通信をする為、不法に通信を妨害したとして、

緑川と森村はネルガルをクビになった。

この事は、アキトには伝えていない。

責任感の強い彼に真実は知らせない方が幸せだろうと緑川が配慮した為だ。

また、木星蜥蜴が襲撃した時に亡くなった霧子の弔いが済んだら、

森村と一緒に桜井の店を手伝うつもりでいた。

「早く戦争終わると良いっスね。」

森村は、木星蜥蜴襲撃の時に半壊した食堂の瓦礫を片付けながら言う。

「ああ、そうだな・・・」

緑川は壊れたレジを直している手を止め言う。

「それより森村、ちょっと休憩にしようか?」

「そうですね、お嬢さんが焼いてくれたクッキーがあるんでいただきましょう。」

森村はカウンターの上に置いてあるクッキーを持ってくる。

「しかし・・・久美子ちゃんは強いな・・・」

緑川は、この数日間の久美子を見ていた。

母親が亡くなった事をしっかり受け止め、やる気をすっかり無くしていた父親を叱咤し

手伝いに来た自分達のためにクッキーを焼いて振舞ってくれていた。

何でも、クッキーの作り方を母親から教わったらしい。

「そうっすね・・・俺なんか、家族がやられた時、しばらく立ち直れませんでしたから・・・」

「俺も、火星の事を聞いたときはショックだったさ・・・」

そう言いながら、緑川は一枚の写真を取り出す。

「・・・生きていれば、もう小学生・・・か。」

「しかし・・・よくこんな美人が主任の所に来ましたよね。」

「・・・何が言いたい?」

緑川はギロリと森村をにらむ。

「え・・・っと・・・その・・・洗剤買ってきま〜す!」

「待ちやがれ!」

身の危険を察知して逃げ出した森村を、緑川が追いかける。

「森村さ〜ん、食堂の掃除が終わったら次は屋根の補修ね。」

久美子が食堂へと入ってくる。

「って、誰もいないじゃない・・・」

久美子は直しかけのレジを見て、あきれ果てる。

「もう、二人とも何してるのかしら・・・お給料から引いとかないと・・・あら?」

床に落ちていた写真を久美子は拾い上げる。

「これ・・・あの時の・・・」

戦争が起きる前に、緑川を訪ねて月までやって来たとき、

月の展望室で、久美子が緑川たちの写真を撮ったものであった。

緑川の子供は、目がクリクリっとしていて、笑顔が本当に良く似合う少女だった。

久美子は、もう二度と見れない少女の笑顔をジッと見つめていた。

「・・・ったく・・・森村の奴め・・・一度締め上げてやらんとな。」

そこに文句を言いながら、緑川が食堂に戻ってくる。

「はい、これ・・・大切なものでしょう?」

久美子は、うつむきながら緑川に写真を手渡す。

「・・・ありがとう、久美子ちゃん。」

緑川は微笑みながら写真を受け取る。

「忘れ・・・られないんだね・・・」

「忘れちゃいけないさ・・・俺が忘れてしまったら、

あいつらは本当に死んでしまうからな・・・」

久美子は、自然に涙が出てきた。

「・・・お母さん・・・」

泣き出した久美子の肩を緑川はそっと手を置くのだった。

「久美子ちゃん、良ければ・・・

あいつらが月に来た時に撮った写真・・・見せてくれないかな?

女房がその辺のところを全部持ってたから、俺にはこの一枚しかないんだ。」

久美子は、手で涙をぬぐうと大きくうなずくのだった。

 

 

 

その日・・・久美子のアルバムには、緑川の持っていた写真が加わるのだった。

 

 

 

題名は『家族』・・・

 

 

その隣には・・・

 

 

久美子と緑川の子供が一緒に写っている写真が一枚・・・

 

 

 

その写真の題名は・・・

 

 

『アイちゃんと一緒・・・』と書かれていた。

 

 

 


〜作者の言い訳〜

Action1000万HIT達成おめでとうございます。記念SSを提供いたしました。

 

アキトが何故2週間もナデシコと通信できなかったか・・・

お約束だからと言いたかったのですが、重要施設に無断で入って

その罪で拘束されていたんじゃないか?原作でも、取調べを受けているシーンがありましたから

単純に、その方向で話を作ってみました。

 

アキトの戦争に対する考え・・・

それまでのアキトは、最初のナデシコ出航時から成り行きでパイロットをやっていた・・・

そんな感じがします。だから、コックであると言い続けたのかなぁって思いました。

中途半端な気持ちでナデシコに乗っていて、人を相手に殺し合いをしているイメージが

薄かったんじゃないかなって思います。

サツキミドリの時は、ガイが死んだ事の方が大きかったし

火星の時はユリカを非難するつもりが、ユリカの涙に負けたのと

フクベ提督に対する憎悪が強くなった事という衝撃が民間人の被害に

鈍感になっていたのでは無いか?

月臣との戦闘が終わって、近しい人間・・・この場合、久美子の母親が死んで

悲しみの中で戦争を意識しはじめたのだと思いました。

だから、今回は戦争に対する意識を少し見直すだけにしました。

 

 

最後のアイちゃんは、あの説明好きな人かも知れませんし、違う人かもしれない

でも、限りなく本人ではないかな程度に思っていただければ幸いです。

書いた本人としては・・・あの人のつもりです。

 

 

 

 

最後に、文法上おかしいところ、見苦しいところ、矛盾しているところ等

多々あるのでは無いかと思いますが、私の作った駄文を最後まで読んでいただいた皆様に感謝します。

 

また、このHPを支えている管理人様、代理人様、感想代理人の皆様・・・

1000万HITの偉業も、皆様の作られた素晴らしいSSがあってこそだと思います。

この先、色々あると思いますが、これからも頑張ってください。

皆様の書かれるSSを、いち読者として楽しみにしています。

それでは、次は2000万HIT記念SSが提供できる日を願って・・・

 

 

 


管理人の感想

MHKさんからの投稿です。

最後の一文でかなり驚かされました。

このようなオチに繋げるとは、なかなか上手い締め括りかたですね。

久美子ちゃんの強さとか、緑川さんの強さなども良い味を出していたと思います。

 


代理人の感想

楽しませていただきました。

やっぱりこう言うストレートな話はいいですね。

ただ直球を投げてるだけだと芸のない話になるんですが、緑川と彼の娘を絡めることによって上手くひねりがはいったと思います。



ただご自分でおっしゃってるように文法、特に係り受けがおかしい部分が々見受けられました。

例えば後書きのこの部分ですが。

>お約束だからと言いたかったのですが、重要施設に無断で入ってその罪で拘束されていたんじゃないか?

「言いたかったのですが」からだと「〜〜されていたんじゃないかと思いまして」などとつなげないと不自然なわけです。

この手の修正はやはり声に出して読んでみるのが一番いいので、

面倒臭がらずやってみることをお勧めいたします。



後ひとつ。

>書いた本人としては・・・あの人のつもりです。

読者の想像に任せるならこの一言は余計だったかなと。

作者が何か言うとそれが真実になってしまうものですからね。

 


別人28号さんの感想

やっぱり、アキトが二週間連絡撮らなかったあたりには人それぞれの解釈があるんですね

一番気になるのは緑川さんが説明おば・・・もとい、お姉さんに出会ったら
どういう反応をするかですね





・・・泣き上戸で飲んだくれるような気がしないでもない(苦笑



知らない方が幸せって事もありますよね(爆

 


ゴールドアームさんの感想

ラストでことんと落ちました。これは盲点だった!
B2W的なネタとしては半分ずれてますが、面白いからよし、っていう感じです。
これからも頑張ってください。

 


龍志さんの感想

工場長いい味出してますねぇ。というかカレー魔人という、どこぞの先輩が反応しそうなワードに反応しました(笑)
と、浸った所で感想です。第1印象は纏まっている作品だと思いました。
実際抜けてる期間の事も書かれてますし、展開の方も多少無理はありますが納得も出来ます。
しかし、だからこそ残念だったのは「何処かで見た事のある展開」の枠を超えられていない事ですかね。
酷いいい方をするならばどこかのHPを探せばあるであろう作品ってのが最終的な印象でした。
プロットも上手いですし、キャラも魅力的に動いています。
後は、新しい展開が欲しかったです。そこだけが残念でした。

次回作期待しています。

 


プロフェッサー圧縮inカーネギー・ホール(嘘)の日曜SS解説・特別版

はいどーも、プロフェッサー圧縮でございます(・・)
今回はAction1000万ヒット記念企画と言うことで、解説役にゲストをお招きしておりマス。
圧縮教授「儂じゃ」
ハイ、では作品の方を見てみましょう( ・・)/

「ふむ、ランダムジャンプは何処に出るか解らんからのう」
そーですねー、少なくとも遺跡にとっては重要施設かどうかなんて知ったこっちゃありませんし。
「まぁ、それでも縁(えにし)は出来る。ひとが其処にいるならば」
ええ、『世界中が敵でも独りぼっちより百倍マシ』と申します。
「とはいえ、縁はあればあっただけ良い、と言う訳にもいかんか。この作品を見るにつけ」
そうですねえ。
「全ては比較論であるが、比較するのも己。ただ流されるだけでは比べる事すら叶わぬものよ」
左様ですねー。

はい、では次の方どうぞー( ・・)/

 


日和見さんの感想


>書いた本人としては・・・あの人のつもりです。


 な、なんだってー!?(AA略)


 と、お約束の反応をしておいて。

 全体的に2つほど気になる点がありました。
 1つ目は、人称がしっかりしていないせいで視点がごちゃまぜに感じる点、2つ目は文章の繋がりがおかしいところがところどころ見られて、読みにくかったです。
 よろしければ次回作にはそれらの点を考慮してみてはどうでしょうか。

 


皐月さんの感想

最後のアイちゃんが『彼女』だと言う事にして、それで現在の彼女を見てみると――鷹がシャンタク鳥を産んだ、という感じでしょうか?(爆)

まあ、そう言うマニアック(?)なネタは置いといて。

ネタ的には好きなんですが、もう少し心理描写が欲しかったかなあ、と思いました。