ようやくアキトさんと一緒にナデシコに乗ることになった私たち、  

ナデシコは私にとって思い出の場所。  

アキトさんにとってはその後の復讐の始まりとなった船・・・  

でもそんな未来を変えるために私とアキトさんは闘いを始めることにしました。  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

機動戦艦ナデシコ Re Try プロローグ第3話 大『歓迎』!

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

ナデシコ艦内をプロスさんの案内で歩いている私達ですが私とアキトさんにとってこのナデシコは思い出のたくさん詰まった船です。  

私とアキトさんは自然と手をつなぎ歩いていました。プロスさんは少ししかめっ面をしたのですが私の年相応の振る舞いだと思ったのか  

小言ひとつ言いません。ブリッジ、居住区、格納庫、バーチャルルーム、展望台、機関室などナデシコの中を一通り歩き回った後最後に食堂へとつきました。  

他の区画はまだ最終調整中らしく作業員が忙しそうに動いていましたがさすがに食堂は  

最初に完成したらしくホウメイさん達が厨房で働いています。プロスさんはホウメイさん達を呼びアキトさんを紹介しました。  

「ホウメイさん、今度こちらで働く事になった・・・」  

「テンカワアキトです。よろしくお願いします。」  

「そうかい、さっきプロスさんから聞いた奴だね。とりあえず炒飯を作ってもらおうか。」  

早速ホウメイさんのテストが始まりました。アキトさんは少し緊張した面持ちです。  

「アキトさん。」  

私が声を掛けるとアキトさんは大丈夫と言った顔をして厨房へ入っていきました。  

厨房ではホウメイさんやホウメイガールズの面々がアキトさんの一挙手一投足に注目しています。  

やがて、炒飯が出来るとホウメイさんの前に差し出し  

「お願いします。」  

と頭を下げる。やはりかつての師匠に腕試しをしてもらうためか、かなり緊張していますね。  

「見た目は悪くないね・・・ふむ、味のほうもそこら辺でいきがってる料理人よりずっとましだね。」  

「ありがとうございます。」  

「合格だ、明日から早速厨房へ入ってもらうよ。その前にプロスさん、アキトの道具一式そろえてやってくれないかね。  

私が後でリストを作っとくから。いい道具にいい環境で仕事をすればおのずと美味しい料理ができるからねぇ。」  

ホウメイさんはアキトさんが包丁一本しかもっていないことを見抜き言いました。  

「道具ってのは愛情込めて使ってやれば必ず答えてくれる。道具はその人の性格を直接伝えてくれる。  

私からの就職祝いだ大事に使いな。」  

そう言ってホウメイさんは厨房へ入っていきました。アキトさんの周りにはホウメイガールズが群がっています。  

アキトさんを狙う人たちですね、職場恋愛も結構ですがもうすでに私とアキトさんは固い絆で繋がっているんですから・・・  

「さて、テンカワさん。私の部屋で契約書にサインして頂きますのでついて来てください。  

あ・・・ルリさんも一緒にお願いしますね。」  

私とアキトさんはプロスさんの後を追いかけるように食堂を後にした。  

  

  

「さて、これが契約書です。よく読んだ後にサインしてください。」  

私は契約書の内容を一読して例の社内恋愛云々と言った項目を赤ペンで削除し、  

後の項目に関してはそんなに大差ありませんから私は契約書にサインをしました。  

アキトさんの方は・・・  

「この契約だとパイロットとして出撃した場合は食堂の勤務から24時間外れるとあるが・・・」  

「ええ、あくまでもテンカワさんは予備のパイロットとしても雇っているわけですから当然です。  

パイロットの健康管理には十分注意しております。」  

「あと、食堂の勤務に関してはホウメイさんと相談してと言う事だな?」  

「ええ、食堂は彼女の管轄です。彼女の意見に従ってください。」  

「了解した。ただし俺はあくまでも予備のパイロットという事だからあまり期待しないでくれ。」  

「ええ、ですから1日一回2時間のシュミレーション訓練をしていただこうと思うのですが・・・」  

「了解した。」  

そう言ってアキトさんは契約書にサインをした。もちろん前回は契約する前に出撃した分の損害を請求されたとあったので  

保険等の内容にチェックを入れプロスさんと詳細を詰めた上でサインしたのであった。当然アキトさんも例の項目はしっかり削除していましたが・・・  

「ではルリさん、早速オモイカネを立ち上げてください。ルリさんなら夜までには終わるでしょう。その間にお二人の部屋を用意させていただきます。」  

「はい、アキトさんはどうするのですか?」  

「パイロットとして契約したのだからシュミレーションをしておかないといけないんだろう?」  

プロスさんに尋ねるとプロスさんがうなずきました。  

「そうですか、後でお邪魔してもいいですか?」  

「ああ、構わない。」  

私達はそれぞれの場所に向かうためにプロスさんの部屋をあとにしました。  

  

  

私はブリッジに着くと早速オモイカネをセットアップしました。前回はなれない作業であったためとオモイカネを理解してあげるのに時間が掛かったのですが  

今回は最初からオモイカネのことを理解しているのでセットアップは1時間で終了しました。  

いきなりやる事がなくなってしまったのでオモイカネにいろいろと教育していくうちにひとつの結論に達しました。  

「私がいなくてもナデシコのオペレーションが出来る人が欲しい。」  

ナデシコCにはハーリー君(下僕2号)がいましたから良かったのですがこれから先の闘いでは私の代わりになる人が必要です。

もちろんアキトさんと一緒にいる時間を作る為に・・・  

でも普通の人にナデシコのオペレーションが勤まるわけありません。そこでオモイカネに擬似人格を持たせて  

私の代わりも出来るようにしましょう。ナデシコ出航までには何とか出来上がるでしょう。  

今日はもうここまでにしてアキトさんの様子を見にブリッジを後にしました。  

  

  

  

シュミレーションルームではアキトさんがパイロット用のシュミレーターで訓練しています。  

アキトさんにとってシュミレーターなんて子供の玩具みたいな物です。今は最高ランクのシュミレーションをこなしていますがまったく被弾していません。  

「アキトさん、調子はどうですか?」  

「ああ、ルリか。少し物足りないな。」  

「我慢してください。アキトさんの能力にエステバリスが追いついていないみたいですね。  

オモイカネのバックアップを受ければある程度は向上しますがそれでもソフトによる改良には限界があります・・・」  

「そうだな、ウリバタケさんにお願いして改造してもらうか・・・」  

「エステバリスカスタム・・・でもアキトさん、あれを持ってきた方が良いんじゃないですか?」  

「そうだな、でもあれを使うのはまだ後だ。北辰達と戦うときには必要になるかもしれないが・・・まだ当分先の話だしな。」  

「そうですね。」  

「そろそろ行こうか。プロスさん達が歓迎会を開いてくれるそうだ。」  

「ええ」  

  

  

  

歓迎会は食堂で開かれました。会場にはプロスさんやホウメイさん達の他ウリバタケさんを筆頭に整備班全員が参加していました。  

「ホシノルリ。オペレーター、11歳です」  

「テンカワアキトです。コック兼パイロットです。皆さんにはご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします。」  

私達の挨拶が終わると盛大な拍手が起こりました。  

「お二人に紹介しておきましょう、整備班班長のウリバタケセイヤさんです。」  

「よろしくな。」  

ウリバタケさんの目が怪しく光ったのを私は見逃しませんでした。  

前回は私と艦長のフィギアを作っていましたから今回も作るつもりなのでしょう。  

ホウメイさんの料理が久々に食べれて味わうことになるアキトさんはもっぱら料理を味わっています。  

歓迎会は整備班のかくし芸やホウメイガールズの歌で盛り上がってきています。  

そのうち私は整備班の人たちに囲まれて質問攻めにあっています。  

「ルリちゃんは好きな人がいるのかな?」  

「はい、いますよ。」  

それはごく自然に会話されていた。  

「へぇ、どんな人が好きなの?」  

アキトさんが好きです。」  

とアキトさんを見て少し顔を赤らめながら言う。  

すると整備班の面々はアキトさんに詰め寄り  

「ルリちゃんに何をしたんだ!」  

「まさかもう毒牙にかけたのか?」  

等等・・・アキトさんを整備班が囲みますがアキトさんは何食わぬ顔でホウメイさんの料理を食べています。そんなアキトさんの態度に腹を立てたのか  

整備班一同に殺気がみなぎってきました。ホウメイガールズやプロスさん等は心配そうに見ていますが私は整備班の面々が心配になりました。  

復讐者となったアキトさんは月臣さんにありとあらゆる格闘技を叩き込まれたそうですから一般の人がかなう訳ありません。  

ここで整備班の皆さんが全員入院と言うことになっても困るだけなので整備班を助けることにしました。  

「アキトさん」  

私が声をかけると整備班は一斉に振り向きアキトさんと私の間に道を作りました。  

私はゆっくりとアキトさんのほうに歩み寄りアキトさんの手を握りアキトさんの顔を引き寄せるとほっぺたにキスをしました。  

それを見ていた整備班の面々は涙を流していました。ホウメイさんはニコニコと私たちを見て  

「テンカワ!ルリ坊を泣かすんじゃあないよ!」  

と声をかけてきました。これで私の味方その1誕生です。  

アキトさんは私の頭を軽くなでています。私は幸福感で満たされました。  

整備班とホウメイガールズは・・・あ、自棄酒を飲んでる・・・  

「ホウメイさん、この料理明日教えてくれませんか?」  

「ああ、いいよ。」  

  

  

  

  

とまあ一部は平穏そのものだったんですが・・・  

「おう、アキト!おまえも飲め!」  

セイヤさんがお酒の入ったコップを持ってきました。  

「いや、俺まだ未成年だし・・・」  

「チョッとだけだから・・・まあ飲めや」  

「じゃあ、一口だけ・・・」  

アキトさんがセイヤさんの持ってきたお酒を一口飲みました。するとアキトさんの顔がいきなり真っ赤になりやがてコップの中身をすべて飲み干してしまいました。  

アキトさんの目が据わってます・・・  

「おう、良い飲みっぷりだねぇ!もう一杯どうだ?」  

「もらおう。」  

アキトさん・・・雰囲気が変わっています。  

「ところで・・・ルリちゃんとはどういった関係なんだ?」  

「恋人だ。」  

アキトさん・・・即答しちゃいました。私の顔は嬉しさで一杯となりました。他の皆さんはすでにお酒をラッパ飲みしています。  

「ルリちゃんはアキトのことを・・・」  

「大好きですよ。」

「でも年齢が・・・」  

「はい、6歳違います。でも何だというのですか?私はアキトさんを愛しています。アキトさんも私を愛しています。それで良いじゃないですか。」  

皆さん絶句しちゃっています。  

「ルリちゃん。」  

ホウメイガールズの一人サユリさんが近づいてきました。少し顔が引きつっているみたいですね。  

「ジュースのおかわりよ。」  

「ありがとうございます・・・」  

そういって先程の熱弁で少し喉が渇いていたのでコップの中身を勢い良く飲み干しました。  

なんだか変です・・・私の目で見るもの全てがぐるぐる回ってきました。  

「あ、これチューハイだわ・・・」  

サユリさんが何か言っていますがすでに私の体は言うことを聞かなくなり始めています。  

私はアキトさんに体を預けそのまま眠りについてしまいました・・・  

  

  

  

  

  

  

  

次の日の朝・・・私はアキトさんと一緒のベットに寝ていました。  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  


  

ルリ:あぁ!とうとう一線を超えてしまいましたね!!これはもうアキトさんに責任を取ってもらわないと!!  

作者:あの〜。  

ルリ:式はやっぱり教会で身内だけ集めて・・・  

作者:もしも〜し。  

ルリ:それでもって身内だけのパーティ、もちろん料理を作るのはアキトさん。  

作者:だめだ、聞いちゃいない。  

ルリ:私はアキトさんの横で新妻振りを皆に見せつけるのよ!  

作者:はぁ、一度トリップしたらずっと続くからな〜。  

ルリ:新婚旅行はやっぱり火星かしら、でもなんてのも良いわよね。なんたってハネムーンて言うぐらいだから。  

作者:このままだと一生続くな・・・  

ルリ:と言うわけで次回、ルリとアキトの新をお楽しみに!  

作者:だぁぁぁ!違う!!次回機動戦艦ナデシコ Re TRY プロローグ最終話 そしてすべては『始まった』です。

ルリ:違うの?  

作者:え?  

ルリ:違うのね?  

作者:な、何かな?その手にもっている物は・・・  

ルリ:なに疑ってるんですか?日ごろの苦労を気遣って栄養ドリンクを用意しました。  

作者:な、何故か栄養ドリンクのラベルに『メグミ印』って書いてあるんだけれど・・・  

ルリ:気のせいです。さぁ、これを飲んでさっさと続きを書きなさい!  

作者:い、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

  

  

  

  

作者意識不明の昏睡状態となりましたのでここらへんで・・・