ま、前回のことはおいといて・・・

ようやく完成したナデシコに乗り込んでくるのはやっぱりバカばっか。

アキトさんを巡っての闘いも本格化するけど

私とアキトさんの絆を絶とうとする人は私達の愛の深さに諦めるでしょうね。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

機動戦艦ナデシコ Re Try 第1話 『男らしく』で行こう

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

ナデシコの最終チェックが終わりブリッジクルーも続々と集まり始めました。

「ハルカ=ミナトよ、よろしくね。」

「メグミ=レイナードです。よろしくお願いします。」

ミナトさんとメグミさんがに挨拶しています。

「ホシノ=ルリ、オペレーター。11歳です。」

私は前回と同じように挨拶しました。

「よろしくね、ルリルリ。」

「はい、よろしくお願いします。ミナトさん。」

私のことをルリルリと呼んでくれたミナトさん。何だか、嬉しい。

「皆さんに紹介します。ナデシコの戦闘アドバイザーのフクベ提督です。」

プロスさんが白髪の老人を紹介する。

「フクベだ。よろしく頼む。」

と短い挨拶をするとさっさと自分の席に着いてしまった。

この頃の提督と言えばブリッジでじっとしているか自室でお茶を飲んでいるかのどちらかでしたね。

「私が副提督のムネタケよ。」

とキノコ頭が言うがみんな自分の席に着いてナデシコの発進準備を進める。

キィィィィ!!・・・ところで艦長はどうしたのよ?」

キノコが叫んでいる。そういえば前回も遅刻したんでしたっけ。

「艦長はまだ到着されていません。」

「まったく、どうなってんのよ。・・・」

と一方的にプロスさんを責めているキノコ。いい加減うるさいですね。少し絞めちゃいましょうか?

「ねぇねぇ、艦長ってどんな人なの?」

「一応連合大学の主席を取った人みたいですよ。」

ミナトさんの問いに私が答えます。

「その人かっこいいのかなぁ?」

「いえ、その人は女です。」

メグミさんもアキトさんを狙っている人ですから早めにチェックを入れておきましょう。

「そういえばまだ紹介していない人がいました。ルビィ?」

私が虚空に向かって呟くと赤い髪と赤い瞳を持った美女(やはり体のデータを変えちゃいましょうか?)が

スーっと現れました。なぜか緑色をベースとしたメイド服を着ています。

『呼びましたか?』

「ミナトさんとメグミさんに挨拶をして。」

『はい。ミナトさん、メグミさん、はじめまして。ルビィといいます。

ルリの変わりにオペレーターもこなすことができます。』

ミナトさんとメグミさんは少し驚いていますね。

「ルビィはオモイカネに自意識を持たせて自分で考えて行動できるようになっています。

もちろん、ナデシコのクルーを最優先で守るように設定されています。」

「へ〜、じゃあルビィはナデシコそのものなの?」

「いえ、少し違います。ナデシコを運営しているのはオモイカネですが運用するのは私やルビィです。

少し謎賭けみたいになってしまいましたが、オモイカネとルビィはまったくの別人といってもいいでしょう。」

「う〜ん、じゃあルビィはオモイカネの妹なんだ。」

「そうですね。ミナトさんの認識がほぼ正解です。」

「よろしくね。ルビィ。」

「よろしく。」

『こちらこそよろしくお願いします』

私の教育が良い為か中々礼儀正しく成長しましたね。

このままその服装どおりナデシコのメイドになってもらいましょうか?

「それにしても誰かに似ているような・・・」

メグミさんがルビィの姿を見て考えています。

「そういえば・・・そうか!ルリルリに似てるんだ!」

ミナトさんは相変わらず鋭いですね。さすが元社長秘書、人を見る目は確かです。

「その通りです。ルビィは私が成長した姿をシュミレートした姿です。

髪の毛と目の色は変えましたけれど。」

「そっかー、ルリルリの未来の姿か〜。」

「・・・私よりスタイルがいい・・・」

メグミさんがポツリとつぶやいています。

『それはルリの願望が・・・ゴメン、ルリ・・・」

私が物凄い目でルビィを見ているのが自分でもわかります。

まるで視線で人が殺せたら・・・と言った具合です。

「そ、それにしてもそのメイド服はルリルリが選んだの?」

「いえ、最初はナデシコの制服を着ていたはずなのですが・・・」

『ウリバタケ氏が戦艦のAIはメイド服が基本と言われていたので着てみましたけど・・・』

やはり・・・ウリバタケコレクションの中にメイド服がありましたからそのデータを使ったのですね。

何故ウリバタケコレクションの存在を知っているのかは秘密ですけれど・・・

「似合っていると思うんだけどな〜。」

「そうよねぇ・・・そうだ、今度いろんな服を着せてみようよ。」

「あ、それ良いですね。」

「そうそう、ルビィだったら服のデータを見るだけでその服装になれるんでしょう?」

ルビィでファッションショーをしようという事ですか・・・

「そうですね、ルビィでファッションショーを開くのも悪くありませんね。

ルビィ、いろいろとデータを集めておいて。」

『わかりました。ジャンルを問わず服飾に関してのデータを収集しておきます。』

ミナトさんもメグミさんもファッションショーを開く気でいます。

まぁ火星に行くまで等分、暇でしょうから悪くありません。

後でプロスさんに相談しておきましょう。

 

ズズン!!!

 

その時、ナデシコを軽い振動が襲いました。

「どうした?」

今まで存在感の薄かったゴートさんが尋ねてきます。私はすぐに艦内チェックをしました。

「原因判明、パイロットのヤマダさんがエステバリスの試運転中に事故を起こした模様。」

この辺は前回といっしょですね。

 

ズズン!!!

 

しばらくすると今度はさらに大きな振動と共にナデシコ艦内にアラームが鳴り響く。

「なに?避難訓練?」

メグミさんがボケボケの質問をしています。

「違います。今度は地上に対して木星蜥蜴の攻撃です。」

私が状況を伝えると共にみんな配置に就く。

「奴らめ、ここに気が付いたか!」

早くこの船を発進させるのよ!こんな所にいたんじゃぁやられてしまうわ!

とキノコが叫んでいます。

「しかし、マスターキーが無いとナデシコは発信できません。」

プロスさんが説明する。

「じゃあ、早くマスターキーを持ってきなさいよ。」

「それがマスターキーを使用できるのはネルガルの会長と艦長しか使えないんですよ。」

艦長!その艦長は何処にいるのよ!

なおもキノコがヒステリックに叫ぶ。

「それが・・・どうやらまだいらしていないみたいで・・・」

とプロスさんが汗を吹きながら説明していると

「ブリッジ、聞こえるか?」

ウリバタケさんが通信を入れてきました。

「どうしました?」

一応通信士のメグミさんが応答する。

「パイロットが負傷しちまった。右足の骨折だ。」

ブリッジが一瞬シーンとなる。

ど〜するのよ!パイロットがいないんじゃあこれから先どうやって戦うって言うの?

キノコの声がさらに高くなる。と、その時

「みなさ〜ん!私が艦長のミスマルユリカです!ブイ!

「「「「ぶい〜?」」」」

能天気な声と共に現れたのはユリカさん。みんな唖然としています。

やはりここは前回と一緒で呟いておきましょう。

「またバカァ?」

アキトさんに言わせると艦長はこうすることで皆の注目を集めたいだけなんだそうです。

当然、私はこの先の展開を知っているのでちゃっかりと耳栓を用意していますが・・・

「早くこの船を動かして反撃するのよ!」

「どうやって?」

キノコの叫びに冷静な口調で問い掛けるミナトさん。

「この船の対空砲火を上に向けて反撃するのよ。」

「それじゃあ・・・」

「上にいる軍人さんとかも死んじゃいますよ。」

ミナトさんとメグミさんが非難する。

「ど・・・どうせもう死んでるわよ。」

「それって・・・」

「非人道的ってやつですよね。」

ミナトさんとメグミさんがお互いに顔を見合わせて言いました。

「ぐ・・・」

さすがに言葉がなくなったキノコ。フクベ提督がユリカさんに声を掛けました。

「艦長は何か考えが有るのではないのかね。」

「はい、エステバリスで敵をひきつけその間にナデシコは海底ゲートを使って海上に浮上、

その後グラビティブラストで敵を一掃します。」

さすがにその作戦立案能力は秀でたものがあります。

「でもぉ、さっきパイロットが負傷したって・・・」

「へ?」

ミナトさんの言葉に間抜けな声を出すユリカさん。

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

「ちょっと!どうすんのよ!他にパイロットはいないの!?」

再びヒステリックになっているキノコ。

「ご心配なく、ちゃんと控えのパイロットがいますよ。ルリさん、彼に連絡してください。」

どうでもいい事なんですけれどプロスさん・・・

どうやってそのスポットライトを準備しているんですか?

はっ!まさか影の薄いゴートさんやジュンさんが黒子としてスポットライトを準備しているんじゃあ・・・

・・・今は仕事をするべきですね・・・この事はナデシコの七不思議に登録しておきましょう・・・

「もう出撃しています。現在エレベーターにて上昇中。」

「ほう、さすがですね。」

プロスさんが感心する。

「控えのパイロットって?もらってた資料には書いてなかったけど・・・」

と発言したのはアオイさん。影が薄いんだからもっと積極的に発言しないと

いずれ忘れ去られてしまうのは確実ですね。

「彼は最近雇いましたので皆さんに手渡した資料には掲載されていなかった次第でして・・・」

プロスさんが説明している。

「控えのパイロットってどんな人なんですか?」

ユリカさんが興味津津と言った顔で尋ねます。

「パイロットと通信繋がりました。正面に出します。」

メグミさんがエステバリスの中にいるアキトさんの顔をメインスクリーンに出しました。

「君は・・・」

フクベ提督が尋ねます。

「彼はテンカワアキト。このナデシコのコック兼パイロットとして雇いました。」

プロスさんが皆に説明しています。

ユリカさんはテンカワアキトという言葉に引っ掛かりを覚えているみたいで何やら考えています。

・・・耳栓はミナトさん達にも渡しておいたほうがいいのでしょうか?

私はアキトさんの為に作り上げたエステバリスのサポートシステムを起動しました。

「アキトさん、サポートシステムを起動しましたので後で感想を聞かせてください。」

『わかっている、ルリ。この程度の敵にわざわざサポートシステムを使う必要はないと思うのだが・・・』

「いいえ、これから先のことを考えると今からテストをしておきませんと・・・」

『了解した。これより敵機を撃滅する。』

私とアキトさんが会話をしているとユリカさんが

「あ〜!アキト!アキトじゃあない!」

・・・・・・・・・・・・・・・

間一髪で間に合いました。ミナトさん達に耳栓を渡しておいて正解でした。

プロスさんとゴートさんは耳をふさいで悶絶していますしフクベ提督は座ったまま気絶しています。

あ・・・キノコが倒れています。

私達は耳栓をしているから大丈夫でしたが被害は甚大ですね。

「誰だい?アキトってのは?」

ユリカさんの言葉に敏感に反応したのはアオイさん。

どうやら付き合いが長い為かユリカさんの音波兵器に対して抗体があるみたいです。

「アキトは私の王子さまなの。私がピンチの時にはいつも駆けつけてくれたの。」

『ユリカか・・・』

アキトさんがユリカさんに答えます。

「うん、ユリカだよ。でもアキト、敵を撃滅するんじゃあなくて引き付けておくだけでいいんだけど・・・」

「いえ、あの程度の敵であればアキトさんだけで十分です。」

私がユリカさんに言う。するとユリカさんは

「アキト一人危ない目にあわせるわけには行かないわ!ナデシコの発進を急いでください。」

ま、良いけどね。ナデシコが浮上するまでには戦闘が終わっているはずですし・・・

この間に・・・アキトさんのデビュー戦ですから記録をしっかりとっておきましょう。

私はありとあらゆる所のカメラを使いアキトさんの姿を記録します。

もちろんコックピット内の映像も最高画質で保存しています。

「ところで・・・私まだみんなの名前を知らないんだけど・・・」

そういえばユリカさんに対して私達は名前すら名乗っていません。

と言うより私達の資料をユリカさんは見ていないのでしょうか?

「ユリカ、前に資料を渡しただろう?あれはどうしたのさ?」

存在感を示す為なのかジュンさんがユリカさんに聞いています。

「そういえば・・・そんなのもあったかしら・・・」

「ユリカ・・・」

私達はため息をつきながら簡単に自己紹介をしていきました。

  

やがてナデシコが浮上する頃には戦闘があっさりと終わっていました。

今回はグラビティブラストを使用することもなく終わってしまいました。

当然アキトさんの戦闘シーンは余すところ無く全て記録しておきました。

私のプライベートフォルダに記録して後でゆっくりと鑑賞しましょう。

  

  

ナデシコの格納庫に帰ってきたアキトさんをブリッジ要員が総出で出迎えます。

「すごい!アキト!」

ひたすら感心した後アキトさんに抱きつこうとしたユリカさんですが

その前に私がアキトさんの側に寄っていきタオルを渡しました。

「如何でしたか?サポートシステムを使用したエステバリスは?」

「ああ、敵を察知してからの反応速度も今までより少しは上がっているからな。

だが、やはり物足りないな。」

「そうですか・・・では後でトレーニングに付き合いますよ。」

「ありがとう。助かるよ。」

とアキトさんが私に笑顔を見せました。そして、私とアキトさんはキスをしました。

「「「「・・・え?・・・」」」」

皆が固まっています。

事情を知っている整備員の人たちはやれやれ、といった顔で見ていますがユリカさんたちは目が点になっています。

「ああ、言い忘れてましたがアキトさんは私の恋人です。」

少し顔を赤くさせながら皆に宣言します。

「アキト君って・・・ロリ?」

ミナトさんが質問します。

「そう思うのならそう思ってもらっていい。俺はなんとも思わない、

だがルリに対しての誹謗中傷は許さない。」

アキトさんがそういうとミナトさんは

「素敵な彼氏だね、ルリルリ。」

と言ってくれました。何だか、嬉しい。

「・・・はい。」

「ちょっと待ってよ。アキトは私の王子様だよ?ルリちゃんばっかりずるい!」

ユリカさんが思い出したかのように声を上げます。

「私にもキスしてよ!」

はぁ、この人は大人なんだか子供なんだか・・・

「行きましょう、アキトさん。」

「ああ」

私とアキトさんが格納庫を後にしたためにその場は解散となった。

ただ一人、アキトさんからのキスを受けようとして目を閉じている艦長を残して・・・

  

  

  

  

  

  

  

  


  

ルリ:ふふふふふふふふふふふふ

作者:なんか気色悪いな・・・

ルリ:これです!これを待っていたんです!仕事帰りのにお帰りなさいのキス!

作者:またトリップか・・・

ルリ:あなた、食事にします?お風呂にします? それとも・・・きゃー

作者:今時そんなことする夫婦いるのかな?

ルリ:アキトさん、浮気も男の甲斐性なんて言うけれどもし浮気したら・・・

作者:お、おい!何でそこで俺を見るんだ〜!

ルリ:こんな風にお仕置きです!

作者:うわ〜ってなんだ?別になんともならないが・・・

ルリ:これは何でしょう?

作者:そ・・・そのピンセットにつままれた黒くテラテラと光る足の生えた生物は・・・

ルリ:あなたの体にこの子を呼び寄せるフェロモンを塗っておきました。

作者:と・・・言う事は・・・うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

   俺はお前らなんかだぁぁいっきらいなんだぁぁぁぁ!

ルリ:それでは機動戦艦ナデシコ Re Try 第2話 『緑の地球』はまかせとけ 

   ってこっちに来ないでくださぁぁぃ!!

  

  

  

通算戦績 作者の4戦0勝4敗1引き分け中・・・