クリスマス。それは私にとって思い出深いもの。
あの時、アキトさんとのファーストキス・・・
あの時・・・アキトさんに渡した手編みのセーターは、ジャンプの影響でなくなっていました。
そして・・・
私は今、食堂にきています。
現在ネルガル主催のクリスマスパーティの準備中。
ジュンさんが何やらパーティの準備をしています。
すると、突然ジュンさんが叫び出しました。
「ユ〜ゲットバ〜ニング!」
ジュンさんの魂の叫びですね。
機動戦艦ナデシコ Re Try 第13話 『真実』はひとつじゃない
私達は今、ヨコスカシティに向かっています。
クリスマス休暇・・・プロスさんが、額に冷や汗を流しながら説明していました。
何でも今年から、ネルガル会長の名前で急に決定したそうです。
「クリスマス休暇中は半舷上陸を許可します。
あと、ネルガル主催のクリスマスパーティを、ナデシコの食堂で開きます。」
ユリカさんがナデシコ中にその事を伝えると、その後はクリスマスの話題で持ちきりでした。
「メグちゃんはどうするの?」
「え、私ですか?やっぱりクリスマスは、好きな人と過ごしたいじゃないですか。」
「あ、私も〜」
ユリカさんとメグミさんが密談?と言う割には大きな声で話をしています。
ただ、お互いを牽制しあっている感じがするのは私だけでしょうか?
「クリスマス休暇なんて、会長もどう言うつもりなんでしょうか?」
プルセルさんがエリナさんに尋ねています。
「プル・・・知らないほうが幸せと言う事もあるのよ。」
エリナさんは私のほうをちらりと向き言います。
「そうです、まぁ私としては皆さんが休暇を取ってくれると、それだけ経費が掛からないわけでして・・・」
プロスさんは新しい電卓を叩いています。・・・結局、電卓は自腹を切ったそうです。
「ねぇ、リョーコはどうするの?」
「あ?俺はパーティとか苦手でよ。」
「アキト君はどうするのかな?」
リョーコさんとヒカルさんが話をしています。
「ルリルリはどうするの?」
ミナトさんが聞いてきます。
「アキトさんとデートです。」
その言葉に皆が一斉に私のほうを向きます。
「何?それ、私聞いてないよ!」
ユリカさん・・・当然です、言っていないんですから。
「やられた・・・」
メグミさんが凄い目でこちらを見ています。
メグミさん・・・ファンの皆さんに逃げられちゃいますよ。
「お、俺はテンカワが何をしようが関係ない。」
・・・そう言いながらリョーコさんは顔を赤らめています。
全然、説得力ありませんね。
「そう、良かったわね、ルリルリ。」
ミナトさんは、極力皆のほうを見ないようにしています。
ミナトさんの笑顔は若干、引きつっているように見えるのは気のせいでしょうか?
「はい、この間のテニシアン島では、苦労して手に入れたデート券を
どこかの誰かによって無効にされてしまいましたから。」
そう言いながら私はアカツキさんを見ます。
アカツキさんは冷や汗を流しながら
「ほ、ほら。その埋め合わせって事で・・・」
「何?アカツキさんが一枚かんでたの?」
「い、いや・・・その・・・」
ユリカさんたちは、一斉にアカツキさんを攻め立てます。
「それで、ルリルリ。プレゼントは何にするの?」
「はい、思い出の品です。」
「思い出?」
「私とアキトさんの、大切な思い出です。」
私はクスリと笑います。
皆さんがクリスマスパーティの準備に終われている頃、私はオペレーター席に座って皆の様子を見ています。
ラピスは、クリスマスなんて初めてなので、はしゃいでいます。今は、アキトさんにクリスマスプレゼントをねだっているようです。
メグミさんは元声優と言う事もあって、パーティなどでは司会進行を任されているので、バーチャルルームで練習中。
ユリカさんは一応艦長なので行事全般の責任者。ジュンさんはそのフォロー・・・と言うより、ジュンさんが主に動き回っています。
プロスさんも会計担当なので大忙し。エリナさんも、次の寄港での補給をアカツキさんに押し付けられて大忙し。
キノコはこの空気に付いて行けないのか自室におこもり中。
私の隣ではプルセルさんが、クリスマスプレゼントのカタログを見ています。
「ねぇ、ルリちゃん。アキトさんへのクリスマスプレゼントって何にするの?」
最近はプルセルさんも、私とよく話をするようになりました。
ナデシコに乗り込んだ当初は、あまり話をしなかったのですが・・・
今はアキトさんの事とか、二人で話しています。
「実は・・・」
私が答えようとしたその時です。
プシュ
あれ?誰か入ってきました。
「ミナト、受け取ってくれ。」
「なぁに?これ。」
どうやら、ゴートさんとミナトさんのようですね。
見ると、ゴートさんが封筒らしきものを、ミナトさんに渡しています。
「本社勤務の辞令だ。」
「まさか、同じ職場に居られるのが嫌だなんて言わないわよね。」
「勘違いするな、ナデシコはこれからより危険になる。」
ミナトさんはふうっとため息を付き
「今でも十分、危険だと思うんだけどなぁ。」
「今度、ナデシコは軍により正式に編入される。そうなればもう降りる事は出来ない。そうなれば俺は・・・」
ミナトさんはゴートさんを見上げ
「ふ〜ん、私の事、心配してくれるんだぁ。」
・・・前回と同じです。プルセルさんもそっと見ています。
『全艦異常なし』
あ・・・オモイカネの定期報告・・・規則では声に出して復唱するのですが・・・
せっかく良い所なのですが・・・やっぱり規則ですから・・・
「全艦異常なし。」
ミナトさんがビックリして、私達の方を向きます。
「ル、ルリルリにプル・・・い、いつからそこに?」
ミナトさんは思いっきり困った顔をしています。
「最初から居ました。」
「そ、そうですよ。声をかけるタイミングを失ったって奴で・・・」
私はそっけなく、プルセルさんは少し慌てた感じで言います。
「わ、私はこれで・・・この話はまた今度。」
ミナトさんはそう言うと、慌ててブリッジから出て行きました。
「なんだ、もう終わりかよ。」
「せっかく良いところだったのにねぇ。」
「・・・石の上にも・・・ざんねん・・・ククッ・・・」
リョーコさん達も姿を現します。
ゴートさんはとてもビックリした顔で
「お、お前ら・・・いつから・・・」
「最初からいたんだよね、リョーコちゃん。」
「お、俺は邪魔しちゃ悪いと思って出ようとしたんだが・・・」
「リョーコが一番興味を持っていた・・・」
イズミさんの一言でリョーコさんは真っ赤になります。
ま、こんなところで逢引するなんて、ゴートさんも意外に迂闊ですよね。
ヨコスカ港に入港すると、どこかの平和団体の皆さんが抗議活動を行っていました。
最近はラピスがいるおかげで、私にも随分余裕が出来たので
今はアキトさんに会いに、シミュレーションルームにやってきています。
「なんや?アレ?」
「さぁ、状況を理解したくない人たちじゃないの?」
カズマさんとアヤさんが言います。
「俺達は木星蜥蜴をやっつけてるのに・・・」
「まぁ、何時の時代も強力な軍事力を持つと嫌われるものだよ。
それに、2週間前に月都市の近くで謎の大爆発があったらしいから
その所為でみんな不安なんだよ。」
ヤマダさんの言葉を受けてアカツキさんも言います。
「ところで・・・今度の寄港で新入りが入るって話だけど?」
リョーコさんが言います。
「ああ、今度から僕達は軍に編入される事になったんだ。」
アカツキさんがしれっと言います。そう言えば、まだ正式に通告されていませんでしたね。
「じゃあ、私たちは軍人さんって事?」
「そうなの?」
ヒカルさんとシリアスモードのイズミさんがアカツキさんに尋ねます。
「はい、前回のルビィの反乱が決定的だったようです。」
私がそう言うと、アキトさんが優しくフォローしてくれます。
「何もルビィが原因って訳じゃない。
彼らも理由が欲しかっただけだ。ナデシコを自分達の戦力として扱うためにな。」
そう言うとアキトさんは、私の頭をなでてくれます。
「だけど、その新しいパイロットって軍人さんなんでしょう?」
ミサキさんが言います。
「ああ、そうなるね。ええっと・・・カザマ=イツキ・・・連合宇宙軍所属だ。
容姿は・・・」
そう言うとアカツキさんはアキトさんのほうを向き
「テンカワ君、これ以上愛人を作るのはやめてくれよ。」
そう、アキトさんの肩を叩きながら言います。
確かに私の記憶でも、イツキさんは美人でしたから・・・
皆がアキトさんを見ています。
「な、何だよ・・・みんなそんな目で見て・・・
俺が一体何をしたんだ?」
そう言いますが
「アキト、こんな可愛い彼女がいるというのに、他の女性にまで手を伸ばしてる現状を理解しろ。」
ヤマダさんが、あきれた目でアキトさんを見ています。確かに、他人から見るとそう見えるのでしょうね。
「せや、アキト。ワイなら、こんなうらやましい現実突きつけられたら、喜んで全員の相手をするで。」
そう言ったのはカズマさん。でも、すぐにアヤさんとミサキさんに殴られています。
「どうだい、テンカワ君。君の立場は現在『大関スケコマシ』から『横綱スケコマシ』に昇格しているんだよ。」
いつの間にそんな称号を作ったんですか?アカツキさん。それに、その次があるとすればなんでしょう?
横綱より上となると・・・親方?理事会?なんか変です。
「まぁ、新入りが来たらゆっくりとナデシコの流儀を教えてやるよ。」
リョーコさんが言います。
・・・ナデシコの流儀・・・料理が作れなかったり、漫画を書いていたり、意味不明の駄洒落を言う事でしょうか?
この三人を見ていると、ちょっと不安です。
「でも、軍人か〜。正直言って命令とかされるのって苦手だよな。」
ヤマダさんが言います。まぁ、好き勝手やってこれたのもナデシコだからですから
息苦しくなるのは勘弁して欲しいです。
「ああ、その事だけどね。我々は連合宇宙軍第13独立艦隊となる。
でも実態はナデシコ一隻だけの、まぁ独立愚連隊ってところかな。」
アカツキさんが言います。
「じゃあ、今までとあんまり変わらないって事?」
「ああ、しかも給料はネルガルと軍の両方から支給されるそうだ。」
それは・・・かなり美味しい話ですね。
正直言って私達が貰っている給料は、かなりの額になります。
ま、戦艦に乗っているのだから、当然と言えば当然ですが・・・
「なんや、仕事がのうて、カップラーメンすすっとったのが懐かしいな。」
「ええ、あんたの借金もナデシコに乗って一ヶ月で返済できたからね。」
カズマさんとアヤさんが、しみじみと言います。まぁ、ナデシコに乗っている限り
お金を使うこともありませんし、危険手当だってパイロットですから、かなり高額です。
「ま、今までとあまり変わらないんだったら、何時も通りに、していればいいってことね。」
ミサキさんも言います。
「ところで皆は今日の上陸、どうするんだ?」
アキトさんが言います。
「ワイらは一度事務所に行って来るわ。長い事留守にしとったさかい、掃除でもしたらんとな。」
「カズマ一人だと心配だから。」
「私もアヤと一緒に行くわ。久しぶりに、皆に会っておきたいから。」
ミサキさんもカズマさん達に付いていくようですね。
「何や、アヤ。いくらワイの事好きでも、血の繋がった兄妹や。それに二人同時やなんて・・・」
ゲシィ!ボコォ!
ま、この3人の漫才は何時もどおりでしょう。カズマさん・・・しばらく再起不能ですね。
「ガイはどうするんだ?」
「ん?俺はヒカルの奴が買い出しに行くから、その手伝いだ。」
「そうなの、久しぶりに馴染みの店にでも行ってみようと思って。」
同じ趣味を持っていますからね。それにしても、何時の間にこんなに仲良くなったんでしょうか?
「俺達は待機組みだ。」
「じゃんけん・・・負けたからねぇ。」
リョーコさんとイズミさんが言います。イズミさん・・・ウクレレを掻き鳴らしています。
「テンカワ君たちはこれから上陸だろう?」
「ああ、ルリと一緒に買物に行く。」
「どこかの会長の御陰で、クリスマス休暇が取れましたからね。」
アカツキさんが冷汗を書いています。
司法取引・・・とでも言うのでしょうか?
アカツキさんがエリナさんから渡された仕事の半分を終わらせる代償に
クリスマス休暇を承認させましたから・・・
「でも、パーティは来るんでしょう?」
イズミさんが言います。
「ええ、そのつもりです。ナデシコのパーティは楽しいですから。」
「そうだな、パーティが始まるまでなら戻れるだろう。」
私たちが言うと、皆さんもパーティには参加するとのことです。
このお祭り好きな性格は、ナデシコに乗るための基本的な能力でしょう。
イズミさんは、宴会芸を用意しておくと言ってましたが・・・想像するのは止めましょう・・・
「じゃぁ、パーティが始まるのは18時からだ。それまでゆっくりして行ってくれ。
準備は僕達のほうでしておくから。」
そうアカツキさんが言うと私たちはそれぞれ町へと出かけていきました。
街に出た私達は、いろんな所に行きました。
街はクリスマスでにぎわっています。とても戦争中とは思えません。
アキトさんは何時もの黒いマントにバイザーではなく
ジーンズに白いトレーナー、上には革のジャンバーを羽織っています。
私は、この前ミナトさんに選んでもらったデニムのロングスカートに水色のセーターを着ています。
アキトさんと二人っきりで過ごす時間はとても幸せでした。
・・・ユリカさんとメグミさんの監視が無ければ・・・
気付かないとでも思っているんでしょうか?
黒い帽子にサングラス、双眼鏡を手に持って
真っ黒のトレンチコートを着込んで・・・怪しさ大爆発って感じです。
それに、素人でも気付くほど尾行が下手です。
「あの姿は、他人から見れば十分怪しいんだな・・・」
「そうですね、でもアキトさんも人の事言えませんよ。」
黒いマントにバイザー・・・
「いや、アレは・・・その・・・癖になっているから・・・」
今日も出かけようとしたら、何時もの格好だったので
ミナトさんに怒られて、普通の服を着たそうです。
ありがとうございます、ミナトさん。・・・それにしても・・・
先程から、ユリカさんたちの瘴気がこちらにまで伝わってくるようです。
「アキトさん・・・巻きますか?」
「いや、いい。・・・どんな事があっても追いかけてくるだろうからな・・・」
アキトさんは、げんなりとしながら言います。
確かにあの二人であれば・・・特にユリカさんの第六感に掛かれば、オモイカネの検索システムなんて子供だましです。
まぁ、アキトさん限定でしょうけれど・・・女の執念・・・
はっ、北辰の台詞でしたね。これは・・・
「ところでアキトさん・・・前回は、ここで有人ボソンジャンプに成功した木連が、襲撃したんでしたよね。」
「ああ、ネルガル地下ジャンプ実験ドームから出て来た筈だ。」
今の所、ネルガルはボソンジャンプの実験を中止しています。
ですから、白鳥さん達がジャンプしてくる可能性はほとんど無いのでしょうけれど・・・
「今のナデシコは、前回と同じように戦争と言う認識は無いだろうからな。」
「ええ、そうですね。正義の戦い、地球を木星蜥蜴から守るための戦い。
そう思っているんでしょうね。」
私達はカフェテラスのテーブルで休み、そんな会話をしています。
「だが、そろそろ皆に真実を伝えたほうがいいと思うな。」
「そう・・・ですね。そろそろ、ボソンジャンプの事を皆さんに話しておくのも良いでしょう。」
「ああ、イネスもそう言っていたな。」
「イネスさんの場合、ただ説明がしたいだけなんじゃないですか?」
私は笑いながらそういいます。アキトさんもその一言で笑います。
「た、確かに・・・イネスは説明の為に命を掛けているからな。」
「そうですね。」
私とアキトさんはお互い笑っています。
「・・・ところで、今度来たパイロットですが・・・」
そう言うとアキトさんは、途端に暗い顔になりました。
「イツキ=カザマ・・・か。」
「はい、前回の歴史ではボソンジャンプに巻き込まれた犠牲者です。」
「助けたいな。」
アキトさんは、クリスマスであふれ返る人通りを見ながら言います。
「アキトさん、今回はアカツキさんにも、ボソンジャンプのデータを渡しているんですから
無茶な事はさせないはずです。」
「そうだな。」
「そうですよ。」
私は、テーブルの上に置かれていた紅茶を一口飲むと、一回深呼吸をして、ナデシコから持ってきたアキトさんへのプレゼントを取り出します。
「アキトさん、これ・・・」
そう言うと私は、きちんとラッピングされたアキトさんへのプレゼントを、アキトさんに渡します。
「俺に?・・・ありがとう。開けてもいいかな?」
私はコクリと頷きます。
アキトさんが丁寧に、包装紙を取っていくと中から現れたのは
白い毛糸で作られた、手編みのマフラーです。
「・・・これは・・・」
「はい、本当は手編みのセーターにしたかったんですけれど、あまり時間が無くて・・・
この前から少しずつ編んでいたのですが、クリスマスに間に合ってよかったです。」
「・・・ありがとう。」
そう言うとアキトさんはそのままマフラーを首に巻きます。
「暖かいよ。」
アキトさんは優しい笑みを私に向けてくれます。
この笑顔が私には一番の贈り物です。
・・・ユリカさんたちの歯軋りが聞こえてきそうですけれどね。
私とアキトさんはネルガルのジャンプ実験施設の近くにきています。
ここを知られるのは、さすがにまずかったので、ユリカさん達は途中で撒きました。
まぁ、怪しい人がいるって警察に連絡しただけなんですけれどね。
どうやら二人は職務質問を受けたようですね。
「人の気配は無いな。」
「ええ、アカツキさん達、本当にジャンプ実験は止めたみたいですね。」
私は固く閉ざされた門を見ながら言います。
「あるいは規模を縮小したか・・・だな。」
「ええ、いくら私達がボソンジャンプの事を知っているからと言っても
全てを理解しているわけではありませんから。」
そんな会話をしている時でした。
ど〜ん
突然、チューリップがヨコスカシティに落下してきました。
「なに!」
ナデシコは今、動けない状態です。
「ラピス!状況を教えてください!」
私はすぐにナデシコに通信を入れました。
ちなみに今までは、コミュニケを受信拒否にしていましたから、皆からの通信は一切出来ませんでした。
『ルリ姉、チューリップがヨコスカシティ中央部に落下。
中から大型の機動兵器が2機出てきた。』
私とアキトさんは顔を見合わせます。
「ラピス、誰が迎撃に出た?」
アキトさんがラピスに問い掛けます。
『ナデシコに残っていたアカツキとリョーコとイズミとイツキだよ。
全員、迎撃に出た。いま、ユリカとメグミとヒカルとヤマダがナデシコに乗り込んだところ。』
・・・まずいですね。前回とほぼ同じ面子が迎撃に出たようです。
「ラピス、この通信をアカツキさんのほうにつなげる事が出来ますか?」
『ちょっと待って。プル、出来る?』
『・・・色々混乱してて・・・』
私達は、イライラしながらアカツキさんの応答を待ちます。
『なんだい?テンカワ君。』
「アカツキ、説明しているヒマは無い。その機動兵器は短距離のボソンジャンプを使う。
ジャンプに巻き込まれたら死ぬぞ!」
アカツキさんは驚きの表情を見せます。
そして、少し悲しい顔をして
『テンカワ君・・・少し遅かったようだ・・・』
まさか・・・私とアキトさんはお互いを見ます。
「どうした、誰か巻き込まれたのか!」
『いや、僕達は大丈夫だが、最初に出撃した軍のエステバリスが一機ジャンプに巻き込まれて・・・』
・・・歴史は繰り返す・・・と言ったところでしょうか。
若干の変更点はあるようですが・・・
「とにかく、ジャンプに巻き込まれないよう接近戦は避けてくれ。」
アキトさんがそう言うとアカツキさんは、他のエステバリスに指示を送ります。
「アカツキさん、その機動兵器のジャンプには一定のパターンがあります。
ジャンプアウトの瞬間を連携して叩けば、倒せるはずです。」
私はそう言うとラピスにも通信を送り、オモイカネの能力を使ってパターンを分析するように言います。
「アキトさん、もしかしてアレに・・・」
私は一つの可能性を示します。
「ああ、恐らく乗っているだろうな。」
アキトさんも同じ結論に達したようです。
「と、なると月臣さんの自爆攻撃が・・・」
「あるな。」
アキトさんは決心したように言います。
やはり、同じ事をするつもりですね。
「ルリ、後の事は頼む。」
「はい、早めに月の方に向かいます。」
そう言うと私とアキトさんは、アカツキさん達が奮闘している戦場に向かい駆け出していきました。
そこはすでに地獄でした。崩壊したビル群、なぎ倒された高架・・・
幼い子供が母親の姿を求めて、さ迷い歩いています。
「ルリ、あの子を保護しておいてくれ。」
「はい、ですが他の人も・・・」
「ここにはもう、あの子しか居ない。」
アキトさんは険しい表情で言います。
避難が遅れたのは、手痛い失敗です。
ジンタイプは、小型のグラビティブラストで主要な交通手段を破壊していったため
付近にいた住民の避難が遅れ、軍も初めて相手をする敵に対応するだけで手一杯の状態となっており
私たちはまったく油断していました。
「・・・ルリ・・・その子を連れて早くナデシコに行け・・・」
アキトさんの体から神気があふれています。アキトさん・・・戦闘体勢をとっています。
「アキトさん?」
「そこにいるのは判っている。出てきたらどうだ?」
アキトさんが崩れた瓦礫に向かって言います。
「・・・よく判ったな。」
そ、そんな・・・気配は何も感じませんでした・・・
「この状況で俺の気配をたどるとは・・・さすが、テンカワ=アキトだな。」
そう言いながら出て来たのは、ざんばらの髪で整った顔立ち、背広を着て一見、サラリーマン風の姿をした男ですが
その目には明らかに一般人と違う光を灯しています。
「俺の名前を知っているとは・・・何物だ?」
「知る必要はない・・・と言いたいところだが、挨拶も無しなんて礼儀に反するな。
俺の名はスメラギ=トオル・・・クリムゾンに勤めている。」
・・・クリムゾン・・・こんな所に・・・しかも、この人・・・相当強いです。
「アキトさん。」
「ルリ、早くその子を連れてナデシコに行くんだ。この惨劇を作ったのはこいつだ!」
私は、スメラギ=トオルと名乗った男に向き直ります。
「よく判ったな。」
「瓦礫は確かに機動兵器が作り出したものだが、
倒れている人は全員殺された後がある。」
私はスメラギの動きに注意しながら、先程の子供を保護します。
「心配するな、用があるのはテンカワ=アキトだけだ。君には手を出さない。
なにしろ、君のことが好きになりそうだからね。」
私を見ながらスメラギが言います。
「何?」
アキトさんは私を庇うように私とスメラギの間に入ります。
「ふふふふ・・・その金色の瞳・・・奪われた実験体と同じ・・・
他の実験体と違い意思も強そうだし・・・楽しませてくれそうだ・・・」
私はその瞳に灯している光の正体が判りました・・・
・・・狂気・・・
ちらりと子供が揺すっていた母親を見ると、心臓を突かれて絶命しています。
私は、これ以上この子の心に、傷を負わせない為にも当身で気絶させます。
「アキトさん、保護しました。」
「スメラギ・・と言ったな。目的はなんだ?」
「へへっ、俺は上から命令された事しかやらねぇ。たとえ、それが殺しでもな。
まぁ、今日は挨拶代わりってところだ。」
そう言うとスメラギはアキトさんに攻撃を仕掛けます。
「ルリ、早く行け!巻き込まれるぞ!」
アキトさんはスメラギの攻撃を受け流しながら言います。
「アキトさん・・・気を付けて・・・」
私はそう、アキトさんに声をかけると、ナデシコに向かい走り出しました。
これ以上、私がこの場所に居ると、明らかにアキトさんの足手まといになる・・・
悔しいです。アキトさんの役に立てないなんて・・・
助け出した子供は私の当身で気絶しています。年は4才位でしょうか?
身分を示すIDが無いのが痛いです。
後でプロスさんに調査してもらいましょう。
私がナデシコにたどり着くと、丁度カズマさん達もナデシコに到着していました。
「ルリちゃん、アキトはどうしたの?」
アヤさんが私に話し掛けます。
「アキトさんはクリムゾンの諜報員と思われる人と戦っています。
私はこの子を保護して・・・それよりアヤさん・・・後ろの二人・・・死んでます。」
見るとカズマさんとミサキさんがぐったりとしています。
「ア・・・アヤの運転は・・・」
「せや・・・二度と乗らんと誓うとったのに・・・」
二人の目の焦点はあっていません。
「その子・・・どうしたの?」
二人を無視してアヤさんが私に聞いてきます。
「色々とありまして・・・私が当身で気絶させています。」
「医務室に連れて行ったほうが良いみたいね。」
「はい、怪我はしていませんが心の傷が心配です。」
私は、私の腕の中で眠る子供を見て言います。
「じゃぁ、私が医務室に連れて行くから、ルリちゃんはブリッジに急いで。」
「はい、お願いします。」
アヤさんは、私から子供を受け取ると医務室に向かっていきました。
私は未だに精神崩壊している二人に近寄り
「アヤさんの運転ってそんなに凄いんですか?」
私はミサキさんに尋ねます。
「・・・乗ってみればわかるわ・・・」
ミサキさん・・・相当参っています。
いつも煩いくらい元気なカズマさんも、同じようにぐったりしているとは・・・
「・・・乗らないほうが正解みたいですね。」
「・・・せや・・・」
カズマさんの力の無い答えが、全てを物語っているようですね。
私は、二人がエステバリスに向かいフラフラと歩き出すのを確認すると、ブリッジに急ぎました。
ブリッジに到着するとオモイカネのウィンドウが『おかえり』と出迎えてくれました。
「ルリちゃん、急いで!」
ユリカさんの一言で、私はすぐにオペレーター席に座ります。
「ラピス、戦況は?」
「ヤマダ機、ヒカル機が現在チューリップを。アカツキ機以下3名は、引き続き敵ゲキガンタイプに攻撃中。」
私はすぐに状況を投影したウィンドウで確認します。
アカツキさん達はボソンジャンプに翻弄されながらも何とか距離を保ち攻撃を加えています。
『クサナギ=カズマ、出るで〜!』
『同じく、クサナギ=アヤ、出ます。』
『ナグモ=ミサキ、発進します。』
あの三人もようやく出撃します。
「3人はヤマダ機の支援を!」
ジュンさんが指示を送ります。
ヤマダさんたちは、二人でチューリップとチューリップから出てくるバッタを相手にしていますから
相当の負担が掛かっています。
「ミナトさん、ナデシコは発進できそうですか?」
「ちょっと待って、もう少し掛かるわ。」
ミナトさんも忙しそうにしています。
私はラピスに引き続きゲキガンタイプの行動パターンを解析してもらっています。
「アカツキさん、次はポイントB−4です。」
『了解、イズミ君にイツキ君、援護してくれ。リョーコ君は僕と一緒に突撃をかける。』
『了解!新入り!遅れるなよ!』
『わかっています!』
あれ?イツキさんの目から涙が一筋流れたような・・・
一瞬だったので皆は気が付かなかったみたいですね・・・
アカツキさんの指示の元、イズミさんとイツキさんがゲキガンタイプに攻撃を仕掛けます。
ゲキガンタイプはイズミさん達の攻撃が当たる瞬間、ジャンプをしますが
待ち受けていたアカツキさんとリョーコさんにより、ジェネレーターを破壊され、行動不能になりました。
「エンジン、良いわよ。」
ミナトさんの報告でようやくナデシコは発進する事が出来ました。
「アカツキ機、敵ゲキガンタイプ撃破。・・・もう一機の様子が変。」
ラピスが報告します。
「敵ゲキガンタイプ内部にエネルギー係数上昇を確認。
このままだとあいつ、自爆する。」
ラピスのあせった声がブリッジに響きます。
アキトさんは敵と戦っているし、残るはイネスさん・・・そう考えていたときでした。
『ルリ、状況を知らせてくれ。』
アキトさんからの通信が入ります。
「アキトさん、無事だったんですね!」
『結局、逃がしてしまったがな。』
アキトさんの額からは血が流れています。
「だ、大丈夫だったんですか?」
『ああ、少しダメージを受けたが、神威の拳があったから、かろうじて退けた・・・と言ったところだな。』
無事・・・だった・・・
『ルリ、アイツは自爆しそうなんだな?』
そうです、今はそっちのほうが大切です。
「はい、残り時間は、もうほとんどありません。」
「まさか、アイツをジャンプさせるつもりなの?」
エリナさんが言います。流石にその方法を知っているだけあります。
「ええ、もうこれしか方法がありません。」
私はエリナさんに言うとアキトさんに
「アキトさん、必ず迎えに行きます。」
『わかった。』
アキトさんは短くそう言うと、持っていたCCをゲキガンタイプに投げつけます。
そして、ジャンプフィールドを作り出し、ゲキガンタイプをジャンプさせ、自らもジャンプしました。
ブリッジはし〜んと静まり返っていました。アキトさんがジャンプしてからと言うもの、皆不安で一杯と言った所でしょうか。
「ルリちゃん、一体どういう事?」
ユリカさんが私に尋ねてきます。どうやら、ボソンジャンプの事を話す時が来たようですね。
「判りました・・・せ「説明しましょう!」」
出ましたね、説明大好き人間・・・
「イネスさん、説明に命掛けてますね。」
「私は内なる要請に従っているだけよ。説明を求める声があれば、たとえ木星であろうと飛んでいくわ。」
「それよりどういう事なんですか!」
メグミさんが言います。少し涙目になっています。
「いいわ、明瞭かつ簡単に説明しましょう。
お兄ちゃんはCCを使ってジャンプする事が出来る。
そして、それは私と艦長も同じ。」
A級ジャンパー・・・かつて、この言葉に私達は振り回されました。
アキトさん、イネスさん、ユリカさんの人生を大きく狂わせた・・・
「その証拠に以前、お兄ちゃんは火星から地球までジャンプしたわ。
そして、私達も火星から月まで跳んだわ。」
「質問があるんだけど?」
ミナトさんが手を上げます。
「火星でクロッカスを見たときには、内部に生体反応は無かったわ。
でも、私達は生きている・・・艦長達がジャンプできるからって言っても、私達はどうして生きているの?」
「それは、「ディストーションフィールドのおかげです。」」
私はイネスさんが言おうとした言葉を奪い取りました。
・・・先程のお返しです。
イネスさんはセリフを盗られていじけています。
「高出力のディストーションフィールドがあれば、普通の人でもジャンプする事が可能ですよ、戦艦とか。
それに、非人道的なのでしょうが遺伝子を少し操作すればジャンプする事は出来ます。」
皆がシンとなります。
「私が・・・アキトと同じ・・・」
「ええ、考えてみて。お兄ちゃんと艦長、私に共通する事・・・」
「火星生まれってことね?」
エリナさんが言います。
「そう、ある一定時期に火星で生まれた人はジャンプをナビゲートする事が出来る。
自分が思ったところにジャンプも出来るわ。A級ジャンパーってところね。
そして、さっきルリちゃんが言っていた遺伝子操作を受けた人・・・
これは、チューリップからチューリップまでの決められたルートしか通れないから
B級ジャンパーと呼ぶわ。」
「そして、私はその遺伝子操作を受けていますからB級ジャンパーです。」
そう、かつての私はB級ジャンパーとしてナデシコBの艦長となりました。
電子の妖精、史上最年少の美少女艦長・・・でも、火星の後継者からは魔女と呼ばれましたけどね。
以前、イネスさんを火星で救出した時に、遺伝子操作をイネスさんにしてもらっています。
「じゃぁ、火星でアキトが残るって言った時は、ルリちゃんもイネスさんも大丈夫って、わかっていたの?」
ユリカさんが少し怒ったように言います。
「結果的に、皆をだました事は誤るわ。でも、ジャンプ技術は諸刃の剣よ。
いかに私達がA級ジャンパーと言っても失敗することもあるかもしれない。
それこそ、太陽の中にジャンプアウトする事だって考えられるわ。
それに、ジャンプによる人体への影響は、まだ研究段階だから
再々ジャンプすることは出来ないわ。」
「だからこそ、慎重にならなければならなかったんです。」
皆が再び静まります。
「じゃあ、どうしてその技術をルリちゃんやイネスさんが知っているの?」
プルセルさんが問い掛けてきます。私は以前よりアキトさんとイネスさんに相談して用意しておいた答えを言います。
「それは・・・アキトさんのご両親がボソンジャンプの研究をなさっていたからです。
アキトさんのご両親はテロ事件に巻き込まれて亡くなったそうですが
イネスさんはそのレポートを火星で見つけたそうですし、私はアキトさんから直接聞いています。」
「じゃあ、私もその遺伝子操作を受ければジャンプできるってことかしら?」
エリナさんがイネスさんに問い掛けてきます。
しかし、イネスさんは首を横に振り
「いいえ、今の研究段階ではルリちゃんのように遺伝子強化体質になっている人しか遺伝子操作は出来ないわ。
普通の人に遺伝子操作をして、どんな影響が出るかあまり判っていないんですから・・・
それに、幾ら遺伝子強化体質だからって、ラピスちゃんに遺伝子操作をする事をお兄ちゃんは望んでいないわ。」
イネスさんはラピスのほうを向き言います。ラピスはうつむいています。
少なくとも、まだジャンプ技術を公にすることは出来ない。
全てが終わるまで・・・
「どうして、今まで黙っていたんだ?」
「ジュンさん、あなたはモルモットになる辛さを想像出来ますか?少なくとも、あまり良い気分じゃ有りませんよ。」
私がジュンさんに言うと、全てを察したのかジュンさんは一言、すまないと言いました。
私とイネスさんが皆に説明していると、待望のアキトさんから通信が入りました。
『みんな、無事か?』
「アキト!今何処にいるの?」
『月だ。ちょっと色々あったけれど今は月にいる。
ところで、もうボソンジャンプの事は?』
色々?まぁ、いいでしょう。後でゆっくり聞くとしましょうか。
「ええ、今説明したばかりです。」
『そうか、こっちは手持ちのCCを全部使ったからそっちに帰れない。
すまないが迎えに来てもらえないだろうか?』
アキトさんがすまなそうに言います。
「ユリカさん、行きましょう。」
「ええ、アキトのためですもの。ミナトさん、月に向かって発進!」
「了〜解〜。」
『おっと、皆に言い忘れていた。メリークリスマス。』
「「「「メリークリスマス」」」」
私達は同時にアキトさんに言いました。
おまけ
そう言えば、白鳥さんは・・・確か・・・格納庫で・・・
『おっしゃー、スーパーロボットだぜ!どんな合金で出来てるんだ?』
セイヤさん、はしゃいでいます。周りの整備員もゲキガンタイプに集まっています。
『コックピットハッチは・・・これか。』
私はその様子をモニターで見ています。
『あ〜ん?誰だ?ゲキガンガーの音楽流している奴は?又、ヤマダの奴か?』
『班長、ヤマダさんなら部屋に戻っていますが・・・』
セイヤさんがコックピットを覗き込むとゲキガンガーのレコードとぬいぐるみが一体、置いてありました。
どうやら、上手く潜り込んだようですね。
ルリ:とうとう、前半部分最後のお話になりましたね。
作者:まぁ、まだ折り返し地点だし先は長いしね。
ルリ:さて、無謀にも新キャラを出しましたね。
作者:イツキの事?
ルリ:あの危ない人の事です。
作者:スメラギの事か。当初は予定に無かったキャラを急遽作り出したんだ。
ルリ:この先の展開のためですか?
作者:いや・・・その場のノリで・・・
ルリ:それに、スメラギって某CLAMP作品の有名作品に出て来る人ですか?
作者:いや、全然関係ない。名前は適当に探していたら、うちの会社の社長がそう言う名前だったから・・・
ルリ:何考えてるんですか。
作者:名前が考えつかなかったから・・・
ルリ:しかも、せっかくでてきたイツキさんの台詞は一箇所だけ・・・ちょっと意味深ですけれど・・・
作者:本当はジャンプに巻き込まれて・・・と言うのを考えていたんだけれど、ボソンジャンプの事をある程度知っているアカツキが居るから・・・
ルリ:イツキさんも、どっちがよかったんでしょうね?史実どおりジャンプに巻き込まれるか、生き続けて作者の気まぐれで台詞がもらえるか・・・
作者:だって、喋らせにくいキャラだから・・・
ルリ:それに、私が助けた子供の名前・・・考えているんですか?
作者:・・・どうしよう・・・
ルリ:考えていないんですね?
作者:はっきり言ってそんなにたいした役割を考えていなかったから・・・
ルリ:可哀想に・・・名無しなんて・・・
作者:だいたい、スメラギを登場させたのだってその場のノリなんだから、子供の名前なんて考えているわけ無いだろう?
ルリ:居直りですか・・・
作者:・・・次回までに考えておこう・・・
ルリ:さて、次回は・・・ちょっと・・・何これ・・・
作者:機動戦艦ナデシコ Re Try 第14話 『熱血アニメ』でいこう のプロット。
ルリ:・・・私の出番が・・・
作者:ま、まぁそんな事もあったりして・・・
ルリ:また、アキトさんに浮気をさせるつもりなんですか?
作者:・・・そ、そんな事・・・
ルリ:あるんですね
作者:じゃあ、そういう事で・・・
ルリ:待ちなさい!
・・・助けた子供の名前、本当にどうしよう?このままやみに葬り去るって手も・・・
代理人の感想
テツヤMk2!?(核爆)
あるいはプロト強化人間なのかもしれませんが(笑)。
>このまま闇に葬り去る
………なんつー邪悪な(爆)