─ 西暦????年?月?日 ???? ─

少女は夢を見ていた、自分が幼い頃の夢。


小さな布団にくるまれた自分の側にはママと大好きなおにいちゃんがいた。

2人は何をする訳でもなく、ただ寄り添い自分を見ている事だけは分かった。そのうちおにいちゃんがいなくなりママだけが残った。

ママはため息をつくとぽつりぽつりと言葉を漏らした。


「アタシは・・・自分勝手だね。自分の為に貴女たちを作りだし起動させた」


ママは寝ているアタシ・・・の髪を優しくなででてくれる。その暖かい手の平は心地良くアタシはあったかい気分になった。


「今のアタシは・・・貴女たちプリムローズと同じ、マスターリースの存在がないと自身の存在意義レーゾンデートルを保てない。アタシと貴女の差は心があるかどうかの違いってだけ。心を持つ事は素晴らしいことだけど・・・それ以上に辛い事もあるんだよ。心がなければ・・・こんな辛い思いはしなくて済んだ。心のないプリムローズの方がどれだけ幸せな事かとさえ思っていた」


悲しそうな顔をしたママの目からぽとりぽとりと水滴が落ちてくる。これが・・・涙というものらしい。


「アタシ、いま幸せだと思う。貴女がいて、明人君がいて家族の絆があってそれがとっても心地良いんだ。あの時、家族は殺されアタシは酷い傷を負い、ついには四補さんも消えて・・・あれほど無ければ良いと思っていた心なのにその存在がある事を今は感謝している───」


ママは泣き笑いの表情を浮かべじっとアタシを見ていた。涙に濡れたその表情はとても綺麗でアタシはママの事を羨ましく思った。ママの呟きはとっても小さくアタシには難しい言葉だったのでぜんぶ聞き取れなかったし、理解できなかった。


「───だから貴女に与えたの、“心”という名の概念を」


そして最後の方だけが聞こえた。


「リース、もしアタシがいなくなったら・・・貴女は自由に生きなさい。精一杯がんばって自分の思うとおりに生きて、嬉しい事も悲しい事も知るの。もしかしたら貴女もアタシと同じものを知るかもしれない。心をもって生きるという事がどれだけ辛いのかを。でも・・・負けないでね、リース」



連合海軍物語


外伝7「リース起動」


─ 西暦2120年12月25日 日本八王子 明人 ─

俺は教授に肩を貸し自分の車に乗せるべく移動していた。

伐折羅バサラ、と呼ばれた女から受けた傷で教授の足取りはおぼつかないが、意識ははっきりしているので大丈夫なようだ。


「教授、怪我は大丈夫ですか?」

「ああ、軽い傷はすでに回復している。さすがに胸は深く突かれたので簡単に回復できないがね」


そういって破片で切ったと思しき腕の傷を俺に見せる。

その傷口がぷくぷくと白い泡に包まれて覆い隠されていた。

しばらくして泡が消えた後には傷がすっかり消えていた。


「こ、これは・・・」


人間なら絶対にこんな事は起きないがリースにはこれと同じ事が出来た。

遊んでいて転び大泣きしている彼女をあやしていた時に見た光景、すりむいた膝の傷が白い泡に包まれ・・・泡が消えたあとには染み一つ無い真っ白な肌になっていた。

最初これを見た時、かなり驚いた。プリムローズが自己修復用のナノマシンを保持している、この事をナギさんに聞いてようやく納得できたのだった。何でも外傷で活動を支障をきたさないよう組み込まれた機能と言っていた。


なら教授は・・・まさか?

俺の疑問に気づいたのか教授は説明を続ける。


「私は人間だよ。ただし人間用に調整されたプリムローズの自己修復ナノマシンを入れているがね」


そう言って笑った。予想通りの答えに少しだけ安心する。


「さすがに首を切られたりしたら死ぬが、刺傷くらいなら普通の人間より早く回復する」


その言葉に呆気にとられ教授の顔をまじまじと見てしまう。首を切られたらって・・・そりゃ人間だけではなくプリムローズでも死ぬだろう。


「しかし・・・これでは思うように身体が動かせない、培養槽での治療が必要か」

「じゃあどうししますか?」

「とりあえず私の家に行ってくれないか? そこなら培養カプセルなどの機材が揃っている」


教授を車の助手席に乗せ、彼の指示に従って彼の家へ向かう。

ようやく安心できたのか教授が話しかけてきた。


「なんで君は・・・私を助けたんだね?」

「ナギさんに何かあったら貴方を訪ねろと言われました」

「そうなのか。まだ助けてくれた事に礼を言ってなかったな、ありがとう。新城君は元気なのか?」


懐かしそうな顔をして教授は呟いた。


「・・・亡くなりました」

「なっ!」


俺の言葉を聞き教授は項垂れた。


「そうか・・・すまなかった。しかしあれだけの逸材、惜しいことを・・・」

「教授に診ていただきたい人間・・がいるんです」


俺は教授の言葉を遮りここに来た目的を話す。


「私に診てもらいたい人間・・?」


教授は首を捻っているが俺は何も言わない、そのうち誰を指しているか思いついたようだ。


「まさか・・・プロトタイプ・アルファか?」

「はい」


それっきり車内に重い沈黙がおりた。


車は渋滞を抜けて薄闇の中を走っていく、そのうち雨が降り出した。この寒さならもしかしたら雪になるのかもしれない。そういえば今日はクリスマスだったのか。街を彩る赤と緑のイルミネーションに今更そんな事を思い出した。


去年の今頃はサンタの格好をしてリースにプレゼントを渡していたな。今年はみんなでねずみがモチーフになっている遊園地のナイトショーを見に行こうと計画していたのだ。リースやナギさんはとても楽しみにしていたっけ。リースに着せているコートのポケットには3枚のチケットが入っている。今となっては紙くず同然でなんの価値もないチケット。

そんな暖かい日常は無慈悲な暴力で消え失せ、ナギさんは亡くなり、リースはプリムローズとして覚醒した。


フロントグラスに当たる雨がみぞれになり、肌に感じた雪の冷たさを想像して背筋を震わせた俺はヒーターの温度を上げた。

あの暖かい日常から冷たい世界へとやってきたかのようにみぞれは雪に変わり真っ白に視界を染めていった。




─ 西暦2120年12月25日 日本三鷹 渡良瀬教授の家 ─

彼の指示に従いしばらく車を走らせ三鷹にある彼の家についた。

後部シートにはリースが寝ているので車のエンジンをかけたまま、まずは教授に肩を貸し家の中に運ぶ。雪のせいで運ぶには苦労したが何とか家の中に入れる事ができた。


「そこの階段裏の床にドアがある。その中に私を運んでくれないか?」


俺は教授に言われた通り階段裏の床にあったドアを開けると地下に続く階段がある。

肩を貸し中にゆっくり降りていくと驚くほど設備の整った研究室が現れた。俺の家にあったナギさんの個人施設と同じくらいの規模だろうか。

俺がその部屋を観察していると教授が説明をしてくれた。


「ここは私が一人でレプリスの研究していた頃のものだよ。研究所には及ばないがメンテナンスくらいならできる。すまんがそこにある培養槽に私を入れてくれ」

教授のその言葉に部屋の端を見ると襲撃した研究所にあったシリンダーが置いてあった。

蓋を開け彼をその中に入れる。


「これなら私の傷は半日程度で回復する。それまで少し待っていてくれないか? このままだと動く事もままならないんでね」


教授は自分の傷の具合を確かめるとそう言った。


「レプリスやプリムローズの研究者は医者も兼ねられるほどなんだヨ。じゃないと命を創り出すなんてできないでしょう?」


とナギさんが言っていたのを思い出した。

俺は頷く。今更焦ったところで急速に事態が変わるとは思えない。


「分かりました」

「そうしたら蓋を閉めて緑のボタンを押してくれ」


俺は言われた通りカプセルの蓋を閉めボタンを押す。

ゴボゴボという音と共に薄い緑色をした液体がカプセル内に満たされ始める。

教授はゆっくり目をつぶりその中で漂い始めた。

何事も起きないのを確認し、俺はようやく一息ついた。


(教授が回復するまであと半日、事態の進展はないか)


肌寒い部屋だったが暖房を見つけだしスイッチを入れると段々と暖かくなった。

その後にリースを運び出しこの部屋に連れてきた。取り合えず彼女に着せていた血塗れになっていた俺のコート脱がせ、上の部屋にあった毛布を勝手に拝借してリースをくるむと部屋にあったソファーに寝かせた。俺は立ち上がろうとして眩暈を覚えよろめいた。



(くっ! ───リースを救い出すまでロクに寝てなかったものな)



今までゆっくりと物を考える時間がなかった事を改めて思い出し、気が抜けたせいか急に疲れと睡魔が襲ってきた。


俺は美しく成長したリースの顔を覗き込む。

自分が知っているあの幼い顔ではなく、少女と大人の間の微妙な雰囲気になっていて少し戸惑う。

小さいリースが寝る時、いつもしていたようにサラサラした美しい銀髪をなでた。


「リース、もう少しだ。もう・・・すこ・・・しでお前・・・を・・・」


俺は耐え難いまでの睡魔に襲われ急激に意識が途絶えた。





─ 同日 日本三鷹 渡良瀬教授の家 ─

カタカタという物音で、目が覚めた。

ばっと飛び起き辺りを慌てて周りを確認する。俺の足元にばさりと毛布が落ちた。


「目が覚めたかね? 死んだように眠っていたよ。少し・・・過労だな、そこにある食事を食べたまえ、私も一緒にとるよ」


後ろから言葉をかけられ慌てて振り向くと教授が機材をいじっている。

すっかり傷は治ったようで行動にも支障がないようだ。

彼は俺を見た後、ソファーに寝かせているリースを見た。


「こうなった状況を説明してくれないか?」


俺たちは食事を取りながら先ほどの彼の問いかけにリースがさらわれプリムローズとして再調整されたこと、ナギさんの死顔を見た途端、絶叫して意識を失った事を話した。


「そうか、とりあえずは防御機構が働いてくれたようだね」


教授はそういうと食後の紅茶をすすり、ふむふむといった感じで頷いた。


「防御機構?」

「まず防御機構の前にプリムローズ自体の説明が必要だろう。君はプリムローズに関してどこまで知っている?」


今までナギさんから聞いた事を一つ一つ思い出していく。彼女たちが分子生物学の結晶であること、人間と同じ構造をもっており同じように成長すること、リースが高速演算型と呼ばれる存在であること、その他思い出せる限りのことを教授に話した。


「そうか・・・だな。新城君はマスターの事を伝えてないのか? プリムローズは自身の存在を維持するのに“マスター”という対象が絶対に必要なんだが」

「マスターですか? その事は初めて聞きますが。どういったものなんですか?」

使役者マスターとは言葉通り彼女たちの主、所有者の事だよ。プリムローズは軍用なのでイメージ的には総司令官が主マスター、直属指揮官が副マスターかな。彼女たちはマスターに絶対的に隷属し奉仕する事で自身の存在意義レーゾンデートルを見いだす」


教授の隷属という言葉に嫌な気分になった。


「あまり良い言葉じゃないですね、隷属というのは」

「そうだね、だが今は言葉遊びをしている暇はないので勘弁して欲しい。彼女たちは最先端技術の結晶だがマスターという存在が絶対に必要なのは今話した通りだ」

「ではマスターが死んだら?」

「そのマスターが死んだら・・・さっきも言ったようにマスターが彼女たちの存在意義であり生きる目的だ。プリムローズやレプリスが生きる意思や目的を失った場合、人としての形が保てない。彼女たちは身体の結合組織が脆い、負荷のかかる関節などから脱落し始め徐々に崩壊、最終的には死亡する」


「そ、そんな!!」


教授の衝撃を伴ったその言葉を聞いて慌ててリースをみる。今のところ崩壊といった兆候は見られなかった。


「大丈夫だ、試作型は予めそういった事態を想定して防御システムを組み込んである。強制的にシステムをシャットダウンさせ崩壊のステップを踏ませていない。もしそれがなかったら・・・アルファの身体は人としての形を維持できず死んでいただろうな。ただ精神的ダメージがどれほどのものかは・・・私も初めてのサンプルで想像がつかない」

「そんなこと・・・初めて聞きました」


ナギさんはそんな重大なことを一言も言わなかった。


「なぜ新城君が君に言わなかったのは分からない。プリムローズには避けて通れない事なんだが・・・彼女のことだ、何かしら考えがあったんだろう。プリムローズは分子生物学の最先端技術の結晶、それほどの技術で作られているのに、その存在は“心”という曖昧なものに左右されてしまう脆い生き物でもあるんだ」

「心・・・ですか」

「ああ、我々は“心”という概念を一応は電子化する事に成功した、私はその概念を“電子の海”と呼んでいるがね。だがそれは一応であって完璧なものではない、その不完全さがプリムローズやレプリスの脆さになっていると考えている」

「そうなんですか。回復は・・・リースは目覚める事ができるんでしょうか」

「ちょっと待ってくれ」


彼はリースを俯せに寝かせパソコンから延びたケーブルを首の後ろにあるコネクタに繋ぎステータスのチェックを始める。

画面には様々なグラフが描かれたウィンドウや文字を羅列したステータス画面が表示されており教授は一つ一つを確認しセッティングしていく。


「主マスターは・・・新城ナギになっているな。副マスターは未登録。だが彼女が死んだ今、このままだとシステムの起動もできない。新しいマスターが必要だ、君をマスター登録するか」

「俺が・・・リースの?」

「そうだ、このシステムもあまり長いこと維持はできない。システムをシャットダウンさせ、身体機能制御ドライバが代謝を最低限に抑えているだけになっている。使われない体は人間と同じように徐々に衰弱していくんだ」

「登録後の変更は?」

「可能だ」

「では・・・お願いします」


俺は自分の名前を告げると教授はキーボードを叩きマスター登録を行い始めたがそれほど時間がかからなかった。


「作業完了したよ。桜樹明人をマスターに任命した。これでシステムの起動もできるようになる」


俺が想像していたよりも簡単にリースのマスターとなったことに驚く。


「こんなに簡単なんですか?」

「もともとマスター権は口頭での委譲ができるように設定してある。軍隊の場合、状況によっては直属指揮官が急に変わる場合がある、そんな時にいちいちパソコンで書き換えていたら面倒だし不便だろう?」

「確かにそうですね」

「ではシステムを起動しようか」


キーボードを操りながらそう教授は言った。


(ようやく・・・リースが目を覚ましてくれるのか)


教授の目はモニタをじっと見つめキーを叩いた。それに伴い周囲にあった機材が低い唸りを上げ始めた。


「ブートファイル、ロードを確認。身体機能制御ドライバ、スリープモードからアクティブへ。記憶保持デバイス起動、強制シャットダウン時への記憶のリストアを開始。メインシステム起動開始。人格・学習・言語識別エンジンともに読み込みを確認・・・言語は日本語を設定。

ナノマシン稼働率90%まで上昇。身体コンディションはオールグリーン。よし、今のところ問題はない」


教授が一つ一つ状態を確認しながらチェックをしていく。

画面の中のグラフが徐々に増えていく、どうやらこのグラフがリースの身体を維持するナノマシンの稼働率のようだ。


「ナノマシン稼働率99%」


閉じられていたリースの瞼がぴくりと震えゆっくりと・・・目を開けた。

やはり瞳は・・・ルビーを思わせる深紅だった。

ぼんやりした顔で辺りを見回していたが俺の顔を確認してリースは安心したように微笑んだ。


「・・・っ!」


リースは何かを口にしようとしたがそのまま口を閉じてしまった。

どうしたんだ、まさか調子が悪いのか?


「リース?」


俺の呼びかけにリースは再度口を開き俺の名前を呼んだ。


「あ、あき・・・明・・・人さ・・・ま」

「・・・え?」


リースの第一声は違和感に満ちていた。

彼女は俺の事を“おにいちゃん”と呼んでいたのだ。

“おにいちゃん”ではなく、“明人さま・・”。

これもプリムローズとして覚醒した影響なのだろうか?

だがそんな些細な事よりリースの状態が心配だ。


「リース、大丈夫か?」


俺の声に軽く頷くとぱちぱちと目をしばたき再度辺りを見る。


「私は・・・。それにここは・・・?」

「渡良瀬教授の研究所だ。調子はどうだ?」

「そうですか・・・私は大丈夫です、身体コンディションはオールグリーン。活動に支障はありません」


ゆっくりと上半身を起こそうとする。

かけてあった毛布がずれ何も着ていない上半身が出てしまった。

大きくもなく小さくもなく張りのある形の整った乳房が露わになってしまう。

俺は慌ててそっぽを向きリースに警告する。


「おい、リース! 毛布が落ちたぞ、早く・・・隠せ」

「はい?」


俺の言葉にリースは顔を下に向け自分の身体を見た・・・一瞬の凝固の後、無表情のまま毛布を引き上げる。

気まずい・・・そんな雰囲気が流れた。


「申し訳ありません」


そう言ってリースは頭を下げた・・・やっぱりおかしい。

さらわれる前の彼女なら・・・。



「おにいちゃんのえっちッ! すけべ!! へんたーい!!」




などと言われ手近にあった物を投げつけられるのがオチだったろう。

そのくせ一緒にお風呂に入りたがったり一緒に寝たがったりするのだ。

小なりとは言え女性の心理は良くわからないんだが・・・。


俺はその光景を思い出し苦笑いする。

あの小さなリースは俺の前から姿を消し、2度目の成長プログラムですっかり女らしくなった彼女がいる。


ステータスをいろいろチェックしていた教授が訝しげに言葉を漏らした。


「しかし・・・このデータは、プリムローズとしては規格外だな。君は彼女から何か聞いてないのか?」

「規格外?」

「ああ、特に感情の部分とかだね。試作型プリムローズ“アルファ”“ガンマ”“ベータ”の3人はより人間に近い存在として造ったんだが・・・それでもここまで感情の幅はないはずなんだ」

「そうなんですか? 確かにリースは感情表現が人間と変わらなかったと思います」




─ 西暦2120年10月20日 東京葛西 水族館 ─

俺とリースは東京葛西にある水族館に来ていた。途中までナギさんも一緒だったが研究の為、なんでも新幕張に用があるとかで一緒に来られなかった。

新幕張にはアスカインダストリー本社ビルと、その系列会社、それと広大な敷地を持ち世界有数の超兵器用の巨大ドックを幾つも保有するアスカ海浜幕張造船工廠があるだけなんだが・・・。


そのような事情で俺とリースは2人で水槽を見て回っていたのだ。水槽内を泳ぐ色とりどりの魚にリースは目を奪われ、かなり長いこと見ていた。

俺はというと軍務や古流稽古の疲れ、リースのいつになく高いテンションにやられ、マグロ水槽前のベンチで寝てしまい、ほったらかしになっていたリースにむくれられてしまった。ほら、何となく眠くならないかな、ぐるぐる回っているマグロを見ていると。

そのせいなのか表にあるペンギンのところでリースは駄々をこねだした。


「ほ〜ら、リースもう帰るぞ」


「や!」




俺の言葉にリースは短い、たった一つで不賛同を意味する文字と頬を膨らませることで不平満々を表現していた。可愛らしくぷく〜っと膨れた頬を突付いてみたい気もするがそんなことをすれば彼女の怒りをより買うのは目に見えている。


「こら、ヤ! じゃない、駄々こねると置いていっちゃうぞ。ママももう戻ってくるんだし」

「いやいやぁ!! もっとペンギンさん見るの! おにいちゃんのイヂワル!!」


リースの長い睫に囲まれた大きめの黒い瞳が潤んでくる。あ、まずい・・・泣いてしまう。

おまけに可愛い妹をいぢめる兄という構図に見えるのか回りにいた人が冷ややかな目で俺を見ているし(汗)。ううっ、図書館でのトラウマが甦りそうだ(涙)


(はぁ〜、リース、おにいちゃんは胃が痛いよ)


内心で溜息を付き想像の中で胃の辺りをさすった俺はいつも通り根気良くリースを説得にかかった。


「別にイヂワルしている訳じゃない。日が暮れてきたろ? もうペンギンさんも寝る時間なんだよ」

「う〜う〜っ、そうなの?」


ペンギンたちがぞろぞろと岩場の奥へ歩いていくのを見た俺は適当な理由を作り上げ重々しく頷いた。


「ほら・・・お家に帰っていくだろう? あんなちっちゃ子供まで一緒に帰っているんだ、我侭言っているとペンギンさんに笑われるぞ」


それでもなお不満なのか、未練が残っているのかペンギンのいた岩場を見ていたリースだったがようやく諦めたようだ。


「わかった。うん、ペンギンさんもおうちにかえるんじゃしょうがないよね・・・じゃあ、かえる。おにいちゃん、だっこして」

「ハイハイ、分かった分かった」


ここでこの提案を拒否しようものなら大泣きが待っているのを知っている俺は苦笑をしつつリースを手招きした。10歳という設定外見より幼い反応だが、生まれてまだ4年しかたっていないのではしょうがないのかもしれない。

外見と同じ、時にはそれ以上の落ち着きぶりを見せる事はあったが、こういう時の彼女の反応は(俺と一緒にいる場合は特に)幼かった。


とてとてと歩いてきたリースを抱き上げる。一緒に暮らすようになって以来、こうやって何度も抱き上げてきたが段々と重たくなっていくのを感じると成長しているんだって実感する。本当に自然に成長しているのでプリムローズだという事を時々忘れてしまうくらいだった。


その事をリースに言おうものなら・・・


「おにいちゃん、でりかしーなさすぎ! おんなのこに“おもい”なんていっちゃだめなんだよ、まったく!」


・・・と言われかねないというか、言われた(鬱)。10歳の女の子の台詞とは思えないが、どうもTVで見ていたドラマの影響らしい。10歳の少女にレディの扱い方を教えられているような気がするのは・・・いや、やめよう、自分が鈍いなんて思いたくないし疲れる。

そんなことを考えているとは知らないリースは嬉しそうに俺の首にしがみついて猫のようにのどをならしている。


「ねえ、おにいちゃん。あおいさかなさんキレイだったんだよ〜」


今度は嬉しそうに満面の笑みを浮かべて今日見た魚たちの事を話かけてきた。今日はほったらかしにして悪いことをしまった。俺は彼女の言うあおいお魚さんのことを真面目に聞いて頷いた。


「リース、明人クン、こっちダヨ!」


ゲートを出たところで待っていたのかナギさんが声をかけてきた。


「ままー!!」


ぽん! という勢いで俺の腕から飛び出るとまっすぐにナギさんの方へ走っていき・・・



ぽてっ




「・・・あ゙」


途中で転んだのはやっぱり“お約束”なのだろうか。

リースはえぐえぐ言っていたが泣くこともなく目をゴシゴシこするとナギさんに抱きついた。

俺はナギさんとリースの元へ歩いていく。


「ゴメンね明人クン、大変だったでしょう?」

「いえ大した事ないですよ」

「おにいちゃんのうそつき! ひどいよね〜、りーすこんないいおんなをほうっておいてねてたんだよ、もう!」


またもやリースはぷーと膨れた顔をしている。おいリース、とても10歳の女の子の台詞じゃないぞ、ソレは。またドラマかなんかの影響だろうか。その台詞に俺は余計に疲れてしまった。精神的疲労が顔に出ていたのかナギさんがフォローしてくれた。


「こ〜ら、リース。明人クン疲れているんだからそんな事いっちゃ、めーなの」

「ううぅっ・・・ごめんなさい、おにいちゃん」


ナギさんに対しては妙に素直なリースだった。俺はその姿を見て苦笑するしかない。俺の時ももうちょっと素直になってくれれば良いんだけどなあ。


「明人クン、頑張ってくれたから今日は一杯美味しいご飯を作っちゃうよ」

「ホント?! わーい! おいしいごはん!!」

「そりゃ、楽しみですね。じゃあ帰りましょうか」

「「ウン!!」」


リースは俺とナギさんの間に挟まり2人の手とって繋ぐと嬉しそうに歩きだした。それに引っ張られるように歩く俺とナギさん。


ホント、手間のかかるお姫さまだけどこういう生活も悪くなかった。




─ 西暦2120年12月25日 日本三鷹 渡良瀬教授の家 ─

「そうか。アルファ・・・いやリースは人間として育てられたのか、彼女に任せて正解だったね」

「え? ナギさんは軍とのトラブルで研究所を辞めたんじゃないんですか?」


俺は教授の言葉を聞き疑問に思ったことを訊ねた。


「リースは起動実験に失敗、廃棄される予定だったのを新城君が連れていったんだ」

「廃棄?」


教授の意外な台詞に驚いた。リースが失敗作で廃棄だって?


「ま、廃棄は建前だがね。彼女にはこの研究で多大な協力があった、報酬代わりと言っては何だが彼女に可動・育成実験も兼ねて引き取ってもらい、委託勤務にしたんだよ。リースはプリムローズではあるがレプリスの試作機でもあるんだ。

それに研究所にいると軍の要求ばかりを詰め込まないといけなくなるからね。パトロンの軍に言い訳をしようとするとこういう風にするしかなかった」

「そうなんですか」


俺は教授の配慮に感謝した。そのおかげでリースは幸せな時間を、人間としてもつことができた。


「ただ起動実験中に重大なエラーが起きて暴走したのは本当だ。その時にシステムを強制遮断したせいで彼女のメインシステムにはバグがある」

「そのバグは潰せなかったんですか?」

「全てを消去してシステムの再インストールすれば問題はないんだが・・・。どうしても新城君がウンと言わなくてね。先ほどの理由もあったのでこういう処置にした」


ナギさんがウンと言わなかったのか。

そりゃそうだろうな、自分と彼の大事な子供だ。

彼女はリースを普通の人間として生きさせると言っていた。それまでの記憶や人格を消してまで新しい人格を造ろうとは思わなかったんだろう。


「そのせいなのかもしれんな、この感情の起伏の激しさは。それにログを見るとスキルインストールの最中にも強制遮断された後がある」

「それは救助した時だと思います」


俺はあの時の光景を思い出す。白衣の研究者たちが機材を撃ち抜き破壊していた。


「プリムローズの基本機能、繰艦処理や砲術情報処理はきちんとインストールできているが、追加スキルのハッキングや護身用格闘は中途半端になっているな、こういうのは更なるバグの元となる。残しておいても害にしかならないが・・・どうする?」


彼女はリースに人間としての生を望んでいた。

なら以前と同じように人間として必要な物以外は削除するべきなんだろうが・・・。

俺がそう考えていると隣のベッドで寝ていたリースが反応した。


「こちらで新しくインストールできる物は全てお願いします」


俺はその言葉に驚き慌ててリースを見る。


「おいリース、なに言っているんだ! お前はナギさんの気持ちを知っていて言っているのか?!」

「存じております。母さんを死なせ私の居場所を奪った彼らを許す事はできません。

明人さま、私は戦う力が欲しいのです。最低でも自分自身が守れないようでは明人さまの足手まといになってしまいます」


リースの言葉を聞き決意に満ちた表情を見た教授は愕然とした顔をする。


「リース、君は・・・本当にプリムローズなのか?・・・・・・・・・・

「はい、渡良瀬様がご存じ・・・の通りです」


そう言ってにっこりと微笑む。

その柔らかな物腰と大人びた微笑は人間の女性となんら変わりない。

リースの笑みと言葉を聞いた教授の狼狽と驚きぶりが不審になったので訊ねた。


「教授、どうしたんですか?」

「いや、彼女が自分で決めるというのはあり得ない・・・・・事なんだ」

「あり得ない? どういう事なんですか?」

「プリムローズや私が計画しているレプリスは基本的にマスターに与えられた指示を最大限に優先しその指示に不足している部分を自己判断でフォローする事はできる。それすらマスターの意思の範囲内でしかない。

だが・・・自分の生き方を決めるような、自身の存在意義を決める事はできない・・・・・・・・・・・・・・・・・んだ。そんなことをすれば彼女は存在できない。君はこれからの目的を話したのか?」

「いえ、まだ話していません。というかこれからどうするか決めようと思っていたところです。それに昔からリースはナギさんの言葉がなくても自分で決めて行動してきたんですが・・・」


リースの行動や思考は人工生命体なのに人間と区別が付かないほどで、リースを知るにつれプリムローズという存在とその技術力に驚嘆した。

だが教授の驚き具合からするとリースの存在は相当規格外の事のようだ。


リース以外のプリムローズを直接知っている訳じゃないので彼女が標準だと思っていた。

こんな時、開発者であったナギさんがいてくれたら何か意見をくれるのだろうが・・・。


「使用目的が軍用とは言え、プリムローズは人間を支えるという目的で造られた。その存在意義を自身で決める事が出来るというのは人間と同じ立場・・・・、いや人間になる・・・・・という事だ。

それにしても・・・昔から?」

「ええ」

「これは一体・・・どういう事なんだ? 彼女が私の求めた最終型のプリムローズ・・・いやレプリスという事なのか?」


教授の呆然とした呟きが部屋の中に木霊した。



─ 西暦2120年12月26日 日本三鷹 渡良瀬教授の家 ─

リースは目覚めたばかりで情緒不安定な上、拉致された時に新たなナノマシンを投与された可能性もあるとして培養カプセルに入ってナノマシンのチェックと一部の交換を行っていた。


「桜樹君、君はこれからどうする? 新城君の仇を取るつもりでいるのか」

「できればそうしたいと思っています。ですが・・・リースがこのまま静かに暮らせるなら俺は復讐を諦めます。ナギさんもリースをそういう目にあわせたくないと思っているんじゃないかと・・・」


俺は視線を伏せ自分の拳を握り締める。無慈悲な暴力により失われたナギさん、俺とリースにとってかけがえのない人間。俺自身は今すぐにでも彼女の復讐をはじめたかったが、リースの存在が踏みとどまらせている。

その前に今回の事件の裏側を知っておかなければならない、なぜプリムローズたちが誘拐され誰が何の為にこの計画をたてたのか。分かっている事は1つ“真紅の夜明けライジングサン”内にもネットワークを作れる【蜃気楼】という人間がプリムローズを集めていること。そしてその使い道は───軍用という事を考えれば一目瞭然だった。


ようやく終わった大戦、四補が自分の命をかけて終わらせた戦乱がまた起こる。きっかけはプリムローズ、その中には四補の遺伝子を受け継ぐリースがいて、彼女たちを創り出したのはナギさん。世界の平和を願っていた人々が原因で新たな戦乱が起こる───その皮肉に俺は憮然とするしかなかった。

四補がレジスタンスの会談で言っていた“行き過ぎた技術は独占を招き新たな戦乱を生むだろう”そのままの構図だった。アイツ・・・これが分かっていてそんな事を言ったんじゃないだろうな。俺は自分が思い浮かべた埒もない想像に内心で苦笑した。


「そうだな、それが本当は一番良いんだろうが・・・。

だが私が思うにそれは難しいんじゃないだろうか? リースは今や世界に3体しかいない試作型プリムローズの1体だ。

研究所のデータは奪取・施設は破壊され新たな個体を設計・育成するには時間がかかる。おまけに敵は日本海軍兵器省を襲い、出向していた“ベータ”“ガンマ”を手中にしている」


「なっ! ベータとガンマが!!」


教授の報告に俺はあのワンマンオペレート艦の実験を思い出した。たった2人の少女に操られた黒い戦艦の戦闘能力はずば抜けており、並の超兵器ではまったく相手にならなかった。俺が預かっていた旧式艦ナハト・シュトラール級〈プロミネンス〉では傷もつけられないだろう。


「設計データと実物を手に入れた以上、大した時間もかからずに実戦に投入できる。そのベータ・ガンマと対等に張り合い、彼女たちの操る艦を阻止できるのは同じ試作型のリースしかいない。向こうがリースを手中に出来なかった以上、当然破壊しようとするだろうな」

「もしそうなら・・・俺は火の粉を払うだけです、それで駄目なら積極的に打って出ます」


俺は教授の言葉に断固とした口調で言う。自分の誓いは未だに生きている、その為なら何でもする覚悟を決めていた。


「なら私と一緒にアスカインダストリーに行かないか? 私はアスカの庇護を受けようと思っているんだ、プリムローズの独占契約を結んだ縁もある。なにより研究所を破壊されてしまったしな、あそこなら安心して研究の再開ができるだろう。
それに・・・もし復讐する気があるなら私も力を貸そう。私の 息  子 きょうへい、きょうすけ 娘 るみ、あさみを殺したのは奴等だ」


俺は意外な言葉に教授の顔を見た。そこには自分の子供を殺された親の顔があった。そして目は暗い憎悪に燃えている。俺は・・・リースを救出する時、こんな目をしていたのかもしれない、そんなことを思い浮かべた。


「そうですか、少し考えさせてくれませんか? あまりにも色々な事が起きすぎて整理できてないんです」


カプセルに漂うリースを見る。俺は即断するのを避けた。教授の姿に過去の自分を見たというのもあったが、リースの未来も含まれており、自分一人では決めることはできないと思ったからだ。


「それは構わない、出来れば君とリースには一緒に来て欲しいと思っているんだ。特にリースは普通のプリムローズやレプリスから逸脱した存在だ、ぜひ調べてさせて欲しい。新城君が組み込んだ新たな技術を用いて新個体を作れば、唯一だったリースへの関与も和らぐだろう」


実際のところ教授の提案には魅力があった。ナギさんが死んでしまった今、リースのメンテナンスをできるのは渡良瀬教授しかいない。俺の考えはおおよそ決まっていたがもう少し考える時間が欲しかった。自分はリースを護りどう生きていけば良いのか───。



− あとがきという名の戯言 −

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ようやく100%書き下ろしの状態になりました(笑)。

さすがにこの辺りになると書き込み要素が一杯あって週三投稿は難しいですね、また1〜2週間で1本状態になりそうです。いや、外伝を開始したのは連合海軍〜の中盤、太平洋決戦執筆の為の時間稼ぎなのにいつの間にやら外伝に全力投球。まずい、まずすぎる、本編がちっとも進んでません(大汗)。

つーことで今回はだいぶマイメリ&メイビーネタを投入しています。ナギがリースに語りかける中で「だから君に与えよう、心という名の概念を」という台詞は思いっきりリースルートのキモだったりします。他に自己修復機能やら走ってくる途中でぽてっとコケるシーンはマイメリのレゥ関連から。

やっぱり好きなゲームのキャラなので余計に力が入ってしましますね。個人的にはちびリースと明人とのやりとりが書いていて一番楽しかったりするんですけど。


さて、ここで裏設定を一つ。

ナギに改良されたリースのデータを得て渡良瀬教授が作り出したのが第二世代プリムローズで、スペックだけなら徹底的にカスタマイズされたリースをも凌ぐ最強のプリムローズ“ラピス-ラズリ”。彼女が完成した時、すでに戦乱は去っており実戦に投入されることはなかった。

人工生命体が原因となったこの戦乱で、戦闘用であったプリムローズの開発はおろか汎用型レプリスを含む人工生命体の製造・保有を禁止する国際条約が締結された。この人工生命体禁止法により殺処分を恐れた教授がラピスを凍結・保存し隠すことに。教授は責任を追求され投獄、ラピスが隠された場所は誰にも知られないまま忘れ去られた。プリムローズとレプリスはこの世界から存在を抹消され時が流れた─ ─ ─。

75年後、木星蜥蜴と言われる謎の存在から攻撃を受ける地球連合軍。そんな折、偶然凍結されたラピス-ラズリが発見された事から更なる戦乱を呼び起こす。今の時代は遺伝子を操作されたMCが艦艇を制御する役目を負っていた。適正を検査されたラピスはMCと認識されネルガルの新造戦艦〈ナデシコ〉に搭載された【オモイカネ】のオペレータとして載せられることに。彼女は量産型として完成直後に凍結された為、かつての試作型プリムローズのように情緒教育が行われておらず、無表情の戦闘マシーンとして〈ナデシコ〉を操り木星蜥蜴に戦いを挑んでいく。

一方ようやくアスカインダストリーから独立できたネルガルはナデシコの奮闘中にラピスの能力をフルに使える専用のワンマンオペレート艦、ナデシコ級重打撃戦艦〈ユーチャリス〉を建造、ラピスの中にあったデータをベースにプリムローズの製造を開始、さらに昔のデータからプリムローズとの親和性の高かった【タケミカヅチ】を復活させ〈ユーチャリス〉に搭載、押されている地球連合にナデシコフリートとして売り込みシェアの拡大をしようと計画していた。

かくして木星蜥蜴艦隊VS古のワンマンオペレート構想を実現させたナデシコフリートが完成。その中心にはラピスと天河明人の駆る〈ユーチャリス〉の姿があった。

─ ─ ─連合海軍物語第3部「機動戦艦ナデシコ ─ 無垢なる刃 ─ ←(おい」

とまあ、ここまではデッチあげてます、ここまでいけばナデシコSSと言っても文句は出ないでしょう(爆)。ナデシコSSとして先に書いた短編“嘘”に出てくる真紅の瞳をしたラピスとはこのラピス-ラズリだったりします。続きを書いてみたい気はありますが、多分その頃には筆者の妄想ネタも尽きているだろうなあ(苦笑)。本編と外伝2本を終結まで持っていくのに幾らでもネタは必要ですしね。


次回ですがアスカに舞台を移す事になります。明人とリースはどういう決断をし一体どうなるのか? アスカ側は三田技師補のほかに新キャラが数人登場します。

 

 

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代理人の感想

んー。書き方が丁寧なのかな? ストーリーがすっと頭に入っていく感じです。

今回から完全オリジナルという事ですが、だとしたら瑞羽さんの腕が上がったんでしょう。

次回も期待してます。