連合海軍物語
第18話
インターミッション 久遠 愛
私は久遠 愛、連合海軍に所属するナーウィシア共和国の軍艦〈金剛〉の医務室長をしているわ。
今日は以前担当した患者さんの様子を見に病院へやって来た。
私が沖田中将の直接の依頼で委託の軍医になってからずっと続けてきた事。
寄港した港に私が担当した事がある患者がいたら必ず様子を見に行っている。
一時的とはいえ命を預かった事だし、その後の経過も気にかかるからだ。
今訪れている病室は半年前に戦禍で重傷を負い担ぎ込まれた患者さん。
「こんにちは。佐久間さん、元気そうね」
「あ、久遠先生、久しぶり。おかげさまで今週中には退院できるよ」
彼は嬉しそうに私に笑いかけてくれた。
見舞いにきていた彼の家族は私に頭を下げる。
「そう、それは良かったわ」
私もベッドに横たわる男性に笑いかけ家族の人たちに頭を下げる。
彼の顔色も良いし、この様子なら安心みたいね。
元気になった患者の笑顔を見る、医者をやっていて一番嬉しい時だ。
半年前、この街・伊那沙は超兵器〈始祖鳥〉に攻撃され、軍施設を始めとする施設や街に甚大な被害を受けた。
私が乗っている艦〈金剛〉がその〈始祖鳥〉を攻撃して追い払い、真っ先に街の救助活動を始めた。
佐久間さんはその時に運び込まれて来た患者さんだ。
接岸し上陸して見て私は暗澹たる思いになった。
敵が無差別に攻撃した結果、予想通り大半の病院が破壊されており、
きちんとした設備のある病院が少なかったからだ。
私たちは急遽埠頭に野戦病院を作り救助された人々を救護し、
軍が派遣してくる救援部隊が着くまでずっと救助活動を続けた。
人員を交替しながら不眠不休で救助作業し、その結果かなりの人数を救う事ができたと思う。
3日後、大規模な救援艦隊が着き、ようやく私たちは一息つく事ができた。
その間不眠不休で活動をしていた艦隊乗組員は過労で倒れる人が出始めるくらいだった。
特に艦隊の指揮官、隼人君は責任を感じたのか頑として指揮権を手放さず、
短い仮眠を取りながら必死に現場指揮を、場合によっては自ら救助活動に参加していた。
私たちだけでは手や物資が足りず途方に暮れかけた直後、
ネルガルやアスカ、マーベリックなどの民間企業や国民が供出してくれた人員や義援物資が届いた。
その資材を使い仮設に近い病院だがきちんとした治療ができるようになると救援・復興活動はかなり楽になった。
その状態を見届けた私たちは取り逃した〈始祖鳥〉への対策をとる為、一時的にこの街を離れ風雅島へ帰還した。
「あ、女医先生」
私は次の患者さんのお見舞いに行こうと佐久間さんの部屋を出た所で呼び止められた。
「私ですか?」
「ああ、呼び止めてすまねえ、ちょっと聞きたい事があるんだ」
彼の態度はおどおどし、どこか落ち着きない。
「私で分かる事でしたら」
「アンタ、あの艦の軍医さんだろ?」
そう言った彼の視線を追っていくと私の乗っている〈金剛〉に行き着いた。
「ええ、そうよ」
「じゃあ、艦長さんは当然知っているよな」
「もちろんよ」
いやに念を押すし、どうしたというのだろう、彼は。
「す、すまねえ!!」
「は、はい?」
いきなり土下座をせんばかりの勢いで頭を下げた彼の行動に私は驚いた。
「あの、一体どういう事なの?」
この場だと周りの人の目も気になるし、この男性も落ち着かない。
私はそう判断して病院の中庭に彼を伴って出てきた。
連れている娘さんをベンチに座わらせ実は・・・とこの男性が事情を話してくれた。
どうやらあの救助活動中、怒りにまかせて隼人君を殴ろうとしたらしい。
まわりにいた人間に止められ殴った訳ではないみたいだけど。
あの超兵器の攻撃で娘さんを亡くし、やり場のない怒りをこの街を守り切れなかった軍人、
一番偉そうだった隼人君を見た瞬間殴りかかってしまったという。
確かに彼の気持ちは痛いほど良くわかる。
街を守る義務がありながら守れず、おめおめと自分の目の前に立つ軍人。
仮に私が同じ立場だったらとしたら彼と同じように殴るか手ひどく罵るかしていたかもしれない。
知り合いに諭されとりあえずあの場を去ってからも
機会があれば殴ってやろうと思って隼人君を遠くから見ていたそうだ。
そんな彼なのになぜ私に頭を下げるのだろうか。
「なんで謝るんです? 私たちは貴方たちの“日常”を守れなかった」
「ああ、確かにそうかもしれねえ。
でもよ・・・その後、あの艦長さんは生き残った俺たちの命を守ろうと必死になっていた。
たぶん過労だろうがフラフラになりながらも必死に指揮・救助活動をしていた。
俺はそれを見て自分が何をやっているのか分からなくなったんだよ」
彼はその時の自分を思い出したのかちょっと嫌そうな顔をした後、話を続ける。
「艦長さんはこの街を守れなかったかもしれねえ、でも俺も家族を守れなかった。
なのに生き残った家族をほっぽり出して俺はあの人の事を狙っていた。
情けネエよな、艦長さんは最後まで自分の責任を全うしようとしているのによ。
同じような立場の俺は生き残った家族を守ろうともせずにな。
それに気づいた時、あまりの情けなさに涙が出ちまったよ」
隼人君―――貴方の想いは市民にもちゃんと伝わっているわよ。
私はこの言葉を聞き自分の事ではないにも関わらずとても嬉しくなった。
そして心の中で隼人君に報告する。
震える様な声でその思いを告白した彼。
その口調を心配したのか一緒にいた女の子が彼の顔を見上げた。
彼は自分と手をつないでいた女の子を安心させるように頭を撫でる。
「大丈夫だ、まなみ」
「まなみ?」
私の視線を見て何が言いたいのか分かったのか隣にいる娘さんの説明をする。
「次女の“まなみ”だ」
まなみ・・・私と同じ名前。
「まなみちゃんって言うんだ。私の名前も“まなみ”よ」
「えー、おねえちゃんも“まなみ”なの?」
「ええ」
私はちいさな“まなみ”ちゃんに微笑む。
「へえ、アンタも“まなみ”だったのか、不思議な縁だな」
その偶然に彼も驚く。
彼の手をぎゅっと握り嬉しそうに頭を撫でられる少女―――
私はその姿を見て自分が昔、得られなかった事を
この小さな“まなみ”ちゃんは当たり前のように受けているのを見て羨ましく思った。
ここにいる大きな“まなみ”はそんな事をほとんどしてもらった事はなかったから。
私は自分の育った街が、家が、退屈で繰り返し続く“日常”が嫌いだった。
この小さな“まなみ”ちゃんのように親に優しく頭を撫でてもらった事などない。
私にとってあの街と繰り返し続く“日常”は無味乾燥しきった嫌な思い出しかない。
それでもあの街にいたのは親友とも言える“白鳥ミナト”がいたから。
私は〈金剛〉の前の艦、駆逐艦〈汐海〉に乗る事になった数ヶ月前を事を思い出していた。
− ニホン国サセボシティ −
「・・・暇ねぇ」
2092年初春、少し寒いが晴れ渡った青空の下、
私は紅茶を片手に抜けるように青い空を見上げ、そう呟いた。
気分はすっかり有閑マダムだ。
「ねえ、愛?」
その呟きを聞いた友人の白鳥ミナトが呆れたように声をかけてくる。
私は今、彼女とカフェテラスで軽めの昼食を食べ終わり、
大好きな紅茶を飲みながら食後の余韻に浸っていたところだった。
繰り返しやってくる退屈な“日常”、その現実に対する気持ちが私の口から出てしまったようだ。
「なに?」
「あなたのソレ、倦怠期なオバさんが昼下がりに言う台詞じゃないの?」
「・・・失礼な」
私の短い台詞には少しばかり怒りが含まれていたけど、ミナトは大して気にしていない。
半分以上マトを得ているかもと内心で苦笑していたのが分かっているのだ。
そういうミナトの感性は面白いと思いながらも、
そんな発想に行き着かない自分の堅さに苦笑してしまう。
彼女がきちんと結婚して幸せな家庭を築いている事にほんの少しだけ悔しい思いを持っていた。
私と白鳥ミナトとは彼女の旦那さん、九十九さんがきっかけで友人になった。
彼は当時連合海軍というかニホン海軍大尉で艦隊司令補佐をしていた。
ハワイ王国からの要請を受けたニホンはハワイへ駐留艦隊を送った。
彼はそのハワイ艦隊に勤務していたが、
ウィルシアが仕掛けたハワイ攻略戦で艦が被弾して負傷、
その時左腕を無くすほどの大怪我を負った。
ミッドウェイの海軍基地で応急処置をしたあと輸送機でニホンに戻り、
治療にあたったのが臨時で軍医をしていた私だった。
その縁もあり彼女と九十九さん、その妹の雪奈ちゃんを含む、
白鳥一家と懇意にしている。
旦那の九十九さんは一旦は怪我で予備役に編入されたけど、
自ら志願して連合兵科大の教官になっている。
司令官付きをやっていたくらいの人なのでもともと優秀なのだ。
その優秀さは軍でも分かっていた事なので逆に請われる形で教官職についたという次第。
その連合兵科大では“鬼教官”と言われているらしいが家に帰れば実は違う事を私は知っている。
家に帰った九十九さんはミナトにベタ惚れで思いっきり尻にしかれている。
まあ本人が幸せなら私は何も言う事はないんだけど・・・
彼女や九十九さんの惚気を聞かされる方としては時々呆れる時がある。
周囲からはとても仲の良いオシドリ夫婦、
私流のやっかみを込めた言い方をすれば“万年新婚バカ”となる。
まあ、ミナトの大きなお尻に敷かれれば・・・いえ違ったわ、
大きな包容力に包まれれば大概の男は幸せなんだろうけど。
こんなミナトだけど辛い事もあったみたい。聞いた話で恐縮だけど。
九十九さんとお付き合いする事になったきっかけは一目惚れとか。
でもその前に付き合っていた“後藤さん”と別れたばかりで寂しかったというのもあるんじゃないかしら。
その後藤さんとやらは性格が軽くてすぐに女の子にちょっかいを出したがる人だそうで。
彼は押しも強くミナトは押し切られて付き合う事になった。
ミナト自身外見はイケイケ(死語)に見えるけど中身は正反対でお堅いから
そこらへんで合わなかったのかもしれないわね。
それに彼女が言うには彼は秘密主義な人だったらしい。
やましい事をしてないってのは信じているけど、
自分が心底心配してそれとなく聞いても、愚痴を漏らす事もなく曖昧に答えるだけの彼に
自分が支えになっていないというのが分かってショックで別れたと言ってた。
ミナトはお節介なくらいの世話焼きだし、自分をいつでも必要としてくれる、
年下の男の子のような男性が合っているみたいね。
親友の精神分析はこのあたりにして。
このまま言われっぱなしではシャクなので私は得意攻撃で報復する事にした。
「言ってくれるわね、ミナト。倦怠期っていうのをちゃんと分かっている?
倦怠期というのはね貴女たちの・・・」
− 30分経過 −
「・・・という訳なのよ? って寝てないでよッ!!」
私は説明を終えミナトを見ると肘をテーブルについて気持ち良さそうに寝ていた。
まったく、私がきちんと説明しているのに!
「あー、おはよう愛ィ。説明は終わったァ?」
ミナトは大きく欠伸をし目をこすって私を見る。
「・・・(怒)」
「・・・あ、ゴメン。お腹一杯で急に眠たくなっちゃって(汗)」
私のムッとした顔を見て慌てて謝罪してくる。
「・・・もういいわ」
ぷいと横を向きすっかり冷めてしまった紅茶を飲む。
「だからゴメンって、あとでケーキ奢ってあげるから。
でも・・・愛、頭の良い貴女の事だから説明って端的に短くできるんでしょ?」
「もちろん出来るわよ」
「じゃあ、何で説明が長いのよ」
「決まっているじゃない、説明は私の自身の存在を証明し生きているって実感できるからよ。
ま、簡単に言えば“趣味”ってヤツね」
「・・・(汗)」
ミナトは溜息をつき私を見る。
「真面目な話しなんだけど・・・愛、さっきの独り言、最近多くなったよ」
彼女の言葉に今度は驚かされた。
私はそんなに言っていただろうか?
来る日も来る日も患者を診察し診断書を書き一日が終わる。
そんな在り来たりな“日常”にうんざりしている事は確かだった。
「ねえ、本当に結婚、する気はないの?」
「ごめんこうむるわ、私は」
私は肩をすくめてミナトに向けそう言った。
別に自分を変えてまで結婚に価値があるとは思えないし。
− カフェテラス ミナト −
「ごめんこうむるわ、私は」
やっぱり愛はそう答えるんだね。
私は愛の思考を大体は読めるけどこの事に関してだけは全然分からない。
彼女が何を考えているのか。
彼女はモテない訳じゃない。
はっきり言って愛は女の私から見ても美人なのだ。
綺麗な巻き毛の金髪は常に手入れされ、女性としては背が高いけど出るトコはきちんと出ているし。
まあ・・・私ほどではないけどね(苦笑)
一般市民の私と違い実家も代々医者をやっているのでお金持ち、
頭も良くというか若い身空で飛び進級をし博士号を取ってしまったあたり天才だと思うんだけど。
逆にその天才さに何か問題があるのか彼女の発想は凄い突飛だったりする。
おまけに他人に対してもそうだけど自分自身に対してはドライすぎるくらいなのよね。
度を行き過ぎればナルシストとか言われるんだろうけど、
彼女の場合、ドライってのが当たり前というか自分自身を虐めている節がある、
私としてはもうちょっと自分を大事にして欲しいけど。
なので私は彼女が凄い心配なんだ、お節介なのは分かっているけど。
九十九さんも怪我の折りお世話になった事だし。
愛も早く良い夫を見つけて結婚でもすれば多少は変わるかもしれないと思っているんだけど、
頑としてそういう風にならないのよね、愛って。
− カフェテラス 愛 −
私は耳の痛い自分の話題から話を逸らすべく、
意図的にミナトを混乱に陥れようと主語を入れない会話をする。
「別に私の事はどうでも良いわ、それより貴方たちの方は大丈夫なの?」
「大丈夫って何が?」
ミナトは思い当たる節がないようで頭を捻っている。
そりゃそうよね、幸せ一杯って感じの白鳥家だもの。
心配ごとと言えば九十九さんが海軍に忠誠を捧げていてミナトより海軍を優先する事と、
いい歳こいてゲキガンガーにハマっている、この事くらいかな。
ミナトの方も少し不満があるみたいだけど、おおよそ納得しているみたいだし。
九十九さんは一緒に居られる時はミナトにべったりだから不満という不満ではないのかもしれない。
さ、仕上げといきましょうか。
「皆まで言わせないでよ、私の薬でも処方してあげましょうか?」
「いやァ! 私や九十九さんに変な薬を飲ませないでッ!」
上手くひっかかってくれたのは良いんだけど・・・ちょっと傷つくわね、変な薬って。
「あのねえ、なによ変な薬って。
私は仮にも医者よ、患者を死なせるような薬は作らないわ。
そうね・・・失敗したとしても1週間くらい麻痺が取れないとか、
三日三晩盛っちゃう増精剤程度よ」
「・・・・・・だから本当に大丈夫なの? それって(大汗)
それに三日三晩盛るってナニよ・・・」
その光景を想像したのかそう言って顔が赤くなる。
バカねえ、ナニに決まっているじゃない、あ、良い子は気にしなくても良いわよ?(笑)
それはともかく・・・ふむ、三日三晩サカっちゃうねェ・・・そうだわ!
この薬を使えばミナトも子供が出来るかもしれないわね。
結婚して5年、子供が出来ても良い頃なのに。
今度九十九さんが来たらビタミン薬と偽って飲ませてみましょうか。
「・・・愛。今、とーっても何か良からぬ事を考えていなかった?」
「え? 別に良からぬ事は考えてないわよ?」
「嘘、凄い楽しそうだし、説明をしている時と同じ顔してるもの」
「・・・」
私、顔に出やすいのかしら?
「まったく。愛が心配してくれるのは嬉しいんだけどね。
大丈夫よ、そのうち出来ると思うから」
「そお、残念だわ」
せっかくのプランがなくなってしまった事は残念だけど無理する事はないものね。
そんなことを考えつつミナトを見ると相変わらず頬が赤いままだ。
なぜだか分からないが少しの間、思案顔をしていたミナトだったけど急に辺りを見回す。
ん、どうしたんだろう、変な娘ねえ。
「でも・・・もしもの時はお願いね(赤)」
ミナトはさらに顔を真っ赤にして俯き、ボソボソと私にだけ聞こえるように言った。
「まかせてちょうだい」
私は大きく頷いた。
親友の頼みですもの、3日どころか1週間でも続く薬を作ってあげるわ。
でも・・・その前に九十九さんが過労死しないように強力な栄養剤を作った方が良さそうね。
− ニホンサセボシティ自宅 愛 −
久しぶりのオフはミナトと過ごして楽しかった。
九十九さんの夕食を作るから一緒にどう? という彼女の誘いを断り自分の部屋へ帰ってきた。
部屋に入り電気を点ける。
飾り気のほとんどない、下手をすると生活臭のほとんどしない部屋。
この部屋で唯一のアクセサリーとも言える観葉植物の鉢が無機質な部屋の中で存在感を主張している。
それと分厚い本がたくさん詰まった本棚。
中にあるのは医学書や研究書ばかりで普通の女の子が読みそうな恋愛小説や文学書といった物は一冊もない。
ベッドに横になり大して疲れた訳でもないのに溜息をつく。
私は何をやっているんだろう・・・。
今まで人生を思い返してみる。
私の実家・久遠家は現在ナーウィシア第二の都市、新浅葱市で医者をやっている。
ニホンという国に見切りをつけナーウィシア建国の初期、開拓時代にこの国に来て
開拓を進める人たちを診て来た。
父だけではなく祖父も元々住んでいた日本でも曽祖父は医者だった。
久遠の家にとって“医者”は、いわゆる先祖代々からずっと続けてきた家業だ。
そんな医者になるのが当たり前の家だったので私は自然に医者を目指していたし、
親も当然のように期待していた。
幸い頭の方は悪くなかったので勉強などで特に苦労する事はなかったし、
貧乏でもなかったので米国(この頃はウィルシアではなく極普通の国だったけど)
の学校に留学して飛び石進級をして医者の資格を得、
何を血迷ったのか博士号まで取ってしまい20代中盤で医者になるという最終目的を達してしまった。
他人から見たらまさに順風満帆、なんの不満もない人生と言えるだろう。
だが外側の華々しい経歴とは裏腹に私の内面は寂しかった。
両親とも医者をしていたので忙しく、小さい頃からいつも一人ぼっちだった。
お手伝いさんもいたが最低限の事はしてくれるがそれ以上の事は何もしない。
親に連れられた遊園地など片手でも充分余るくらいの回数しかなかった。
趣味も読書なのでせびる小遣いなどたかがしれているし、
親からみたら本当に手のかからない良い子だったと思う。
親は私が勉強をしていれば何も文句は言わないし、
私自身、女の子として興味をもつのが当たり前なお洒落やアイドルや漫画などに全く興味がなかった。
私にとっては目の前にあるものが全てだし真実だったから、
手の届かないアイドルや現実味のない荒唐無稽な漫画にのめり込む級友たちを冷ややかに見ているだけだった。
そんな私だから友達も少なく、私自身子供の時から一人でいる事に慣れている
こともあり積極的に作る気もおきなかった。
男性との付き合いもそう、嫌いじゃないから付き合った、そんな程度。
私の冷め切った態度とその程度の思いだから付き合いは長くは続く訳がない。
医者になり多少なりとも人付き合いをするようになって少しは改善したけど、
昔から長い時間をかけて作られていた私の性格は完全に変わる事はなかった。
患者を診て診断書を書く、繰り返しやってくる退屈な“日常”、
そんな毎日に嫌気が差し、死んでみようかとさえ思った事もある。
そんな事をしても現実逃避をしているだけだし、
私が死んだところでこの世界は何一つ変わらない。
そんな時に私の患者だった白鳥九十九さんの奥さんのミナトに逢った。
彼女は何を思ったのか私に積極的に関わってきた。
彼女に引っ張りまわされ、惚気を聞かされ私は戸惑った。
――――なに、この女は?
正直最初はこう思い、すごく疎ましかった。
彼女の家は兄弟が多く長女だったミナトが小さな弟たちの面倒を見ていたそうだ。
寂しそうな弟たちの顔を見たらすぐに構ってあげる――――
そのせいなのか彼女は寂しそうにしている人間を見ると世話焼きしたがる。
あの時の私もそんな目をしていたと後にミナトに教えられた。
やれやれ、あのお節介焼きは今頃―――。
ようやく現実に戻った私は何気なく留守番電話を見ると録音ありとなっていた。
珍しい―――普通ならミナトか病院からの呼び出ししかないはず。
ミナトとはさっきまで一緒だったし、病院からだろうか?
またミナトの惚気の電話だったら―――どうしてくれよう。
そんな思いで留守電を再生してみて驚いた。
ナーウィシア海軍中将・沖田十五という人からだった。
どうやら私に診てもらいたい患者がいるそうだ。
きちんと官姓名を名乗っているし別にストーカーって訳でもなさそうね。
臨時で軍医をしていた関係で軍には何人か知り合いもいる。
まず彼の裏を取る事にした。幾ら海軍中将でも知りもしない人間と逢うのは気持ち悪い。
知り合いにかけて沖田なる中将の事を聞いてみた。
ナーウィシアが所属する連合海軍の中将待遇でもあり、
軍の中でも様々な装備開発に関わるVIP。
性格はいたって温厚・頭も切れるという返事が返ってきた。
へえ、こんな人もいるんだ。
でもこの人間と依頼された患者、どこに接点があるんだろう。
私は興味を持ったので録音されていた彼のオフィスにかけてみる。
簡単なやり取りの後、彼が私の勤める病院近くの喫茶店まで出向く事になった。
− 喫茶店 愛 −
休憩時間の合間に会う事になっていたので喫茶店に先に来ていた。
椅子に座ったところですぐに扉が開き、私の待ち人が現れた。
約束時間の5分前。さすが海軍さんね、何事も5分前か。
私は手を上げ彼に来ていることを教える。
さすがに海軍の制服で来る訳にはいかないので私服できたようだ。
綺麗な銀髪をオールバックにし、落ち着いた色のスーツで長身痩躯を包んでいる。
両手に白い手袋をしているのが気になったが怪我でもしているのだろう。
傷痍軍人の中でもそういう事を気にして手袋をはめている人がいるのを何人も知っている。
私と同じテーブルに座り、やってきたウェイトレスに注文をした後、
「君に診てもらうのは私の息子だよ」
開口一番彼はそう言った。
この切れ者の中将から飛び出した台詞を意外に思う。
そんな事と言ってはなんだけど、その為に私を呼び出したのだろうか?
普通に診るなら病院に来てもらって私を指定してくれれば良い。
それに息子? この中将は結婚暦もないのを軍の知り合いから聞いている。
「中将の息子さんですか? 貴方は結婚されてなかったはずですが」
「ふむ、その様子だと私の事を調べたみたいだね」
一瞬鋭さを増した中将の目に若干気おされたが言うべき事は言わないと。
「ええ、中将といえど見知らぬ人間と会う訳ですからね。気に障りましたか?」
「いや、構わんよ。今の時代、女性ならそのくらい用心した方が良いだろう。
でだ、息子と言っても養子だよ。戦場で大怪我をしていたのを助けた縁でな」
「物好きですね、中将も」
私は感情を込めず中将のとった行動を評価する。
世の中にはミナトも含め物好きな人間が多すぎる。
「ああ、そうかもしれんな。でもその時はそれが一番良い事だと思ったからそうした。
その事に関して後悔はしていない」
「そうですか、では息子さんですがどのような?」
「その大怪我をした時の影響か記憶障害が残っている」
彼は懐から写真を取り出し私の前に滑らせる。
その写真には20代と思しき若干幼さを残した黒髪の青年が写っていた。
普段の生活の中で撮ったのか表情は柔らかく、とても優しそうな顔をしている。
「この写真を見る限りでは私が診る必要があるとは思えませんが?」
「今は・・・診る必要はないが、これから診る可能性が高い」
「どうしてそんな事が言えるの?」
「・・・」
沖田中将は黙り込み私を見る。
「・・・私も昔そうだったからな」
「彼にも同じ事が起きる、貴方はそう言いたい訳ですね?
では聞きますが私は何をすれば良いのですか? 普通に診察でしょうか」
「いつ障害が出るか分からないんでな、
まず息子が艦長をしている駆逐艦の軍医をして欲しい」
その突然過ぎる依頼に私はまじまじと彼を見る。
彼は私の視線に気づきながら話を続ける。
普通の医者ならそんな依頼は即断るというのを想像していないのだろうか?
誰も好き好んで戦場に飛び込む人間はいない。
「そして彼のメンタル面でのサポートをして欲しいんだ。
君は民間人だ、私が中将だからと言って強制する事はできないのは承知している。
もちろん嫌なら拒否してもらっても構わない、拒否しても君の“日常”は今までと変わらない。
これは私の個人的なお願いだからな」
そう言って沖田中将はにやりと笑う。
ふん、沖田中将って狸、いやこの容貌だと狐だわね。
まだ何かしら隠しているし、今の依頼だと彼の記憶障害の治療を指示してない。
あくまで息子の精神的な支えをして欲しいと言っているだけに過ぎない。
どういう事? 彼は何を目的に狙っているのだろうか。
− 喫茶店 沖田 −
彼女のような頭の良い人間は会話や行動裏を読みたがる。
おそらく私のこの依頼の裏を読もうとしてさぞ困惑しているだろう。
彼女が私の事を調べたように私も彼女の事を調べてある。
得てして彼女のような頭の良すぎる人間は単純すぎる事には気づかない。
私が彼女に求めているもの。
母のように時には厳しく叱り、時には優しく精神的に隼人を支える。
そんな単純な願いだ。
記憶の再発掘や治療などはあいつがそれを望まぬ限り私が口を出す事じゃない。
あとは人材面から見て隼人の乗り込む軍艦に優秀な軍医が欲しいという事だ。
長年戦場に出ていると敵の心理を読もうとする癖がつく。
敵の指揮官の思惑を読み、敵の戦力を計算し上回る戦力を整える。
―――彼女の性格を知った時、彼女は必ず私の事を調べ自分が優位にたてるようにすると予測がついた。
そして切り札は多ければ多いほど万が一の時に役に立つ。
―――私が用意した彼女に対する切り札、それは“日常”という単語。
現在、私が準備しているナーウィシア海軍司令部の心理戦チームを使った結果がこの単語だった。
はっきり言って情報収集が容易な自国の民間人1人を操れないようではこの組織が存在する意味はない。
この組織が必要とする敵の司令官クラスの情報は得がたく、
その少ない情報で彼らの心理を読みきり、作戦の裏をかく事が彼らの仕事なのだから。
まあこのあたりは彼女は知らなくても良い事なので言う気はさらさらないが。
彼女は自覚はないが、プライドが高い。
自分が操られているという事を知れば絶対に受けはしないだろうしな。
軍内で私の情報を漏らした人間がいるか。
防諜上の問題もある、その人間を見つけ出して少しばかり注意しておいた方が良いかもしれん。
それにしても・・・こうやって彼女と直接話した限りだと自身にいろいろと問題があるようだ。
アイツと一緒にいる事でお互いに良い影響が出ればなお良いからな。
− 喫茶店 愛 −
「どうだね?」
「分かりました、その依頼をお受けします」
「そうか、ありがとう」
そう言って彼は深々と頭を下げた。
結局、色々と思考してみたが彼の性格や能力を考えるとどれも当てはまらない。
この切れ者の中将が親馬鹿、そんな事の為に私を徴用するとは思えない。
なら医者としての私の能力?
私はこの提案に乗って中将の思惑を調べてみるのも良いかと思った。
それに彼の言った“君の“日常”は今までと変わらない”という言葉が気になった。
これからも続く同じ事の繰り返し、退屈な“日常”。
その繰り返しから逃げられるなら別に軍艦に乗る事は構わない、
一時は死んでも構わないとさえ思っていたのだから。
沖田中将と別れ自宅への道を歩く。
この事を話したらきっとミナトは激怒するだろう、でもきっと私の事を分かってくれる。
私の事を真剣に心配してくれるであろう彼女をどうやって説得しようか、
そんな事を考えつつ家路についた。
− 駆逐艦〈汐海〉甲板 愛 −
2092年4月5日。
私は駆逐艦〈汐海〉の上に立っていた。
沖田提督の依頼を受けた私は数日後、勤めていた病院に退職願いを出した。
私が病院を辞め軍艦に乗ると知った彼らは真剣に止めてくれた。
だけど私自身がこの平凡な“日常”を捨てようと決めたのだ。
彼らには申し訳ないけど変える気は全くなかった。
そして一番の問題になりそうなミナトは・・・あっさり受け入れた。
それはもう私が拍子抜けするほど、あっさりと。
理由を聞くと「貴女が決めた事を私が駄々こねたくらいで撤回するの?」と聞かれ何も言い返せなかった。
結局、私も九十九さんと同じようにミナトの“でっかいお尻”に敷かれていたのかもしれない。
悔しい、悔しいわよ、ミナト! いつか見返してあげるんだから。
そんな事を思いつつ甲板を歩いていると怒号が聞こえた。
「こら、御劔少尉なにやってんだッ!!」
「ああっ! すみません、すみません、今行きますッ!」
そう返事が聞こえ艦内から慌てて栗色の髪をショートカットにした女性士官が飛び出してきて
・・・何もない甲板でコケた。
ハァ、いまどきこんなお約束をやる娘もいるのね。
私はそんな風に思いつつ、コケた女の子に手を貸す。
「大丈夫?」
「ああっ、スミマセン、大丈夫デス。」
「気をつけないとね」
「ハイ、ありがとうございます。って、こんな事している場合じゃ」
彼女はバタバタと新兵が集まっている場所に駆けて行き、思いっきり先任士官に怒られていた。
ちょっと要領が悪いようね、あの子。
その様子に苦笑し私はこの艦の責任者である艦長、
そして私の患者でもある双岳隼人中尉に赴任の挨拶をすべく、
近くにいた水兵に場所を聞き艦橋に向かった。
そう、神ならぬ私は想像もできなかった。
若すぎる艦長とこのドジな少尉さんがミナトと同じ私を変える事になる人間と知らず。
− 駆逐艦〈汐海〉 愛 −
私が艦に乗り込んで数年たった。
〈汐海〉は軍艦とは思えないほど不思議な雰囲気になっていた。
艦長の隼人君とあのドジな少尉、瑞葉ちゃん。
この二人の存在は〈汐海〉艦内の雰囲気を様々に変えていった。
瑞葉ちゃんはともかく、隼人君も意図的にかどうかは分からないけど
艦の雰囲気を変えようとしている気がしていた。
その影響は恐るべきものであのお堅い特務軍曹だった暁副長まで変わりつつあった。
隼人君が少しだけ話してくれた、夢の中で乗った戦艦の雰囲気は今の〈汐海〉と大差ないらしい。
最初は孤高を保っていた私だが狭い艦内ではいつまでもそんな事はできやしない。
いつの間にか巻き込まれ、私も徐々に首を突っ込むようになった。
彼らはミナトと同じ種類の人間だというのが分かり興味をもったからだ。
隼人君が瑞葉ちゃんに巻き込まれ、いやたまには私が巻き込み騒ぎが起こる。
それを暁副長、時には私がたしなめる。
他人が見たら生ぬるい家族ごっこかもしれない、でも私にとっては幼い頃得られなかった家族の雰囲気。
暁副長が父親で私が母親、隼人君が息子で瑞葉ちゃんは騒がしい娘。
(ナンデ私だけ騒がしいと付くんデスか? とか言いそうだけどね)
そんなことを考えるようになった私が一番影響を受けたのかもしれないわね。
軍医の他にメンタルアドバイザーでもあった私は彼の相談役になり、時には彼が私の相談に乗ってくれた。
身近で彼の考えこんだり怒ったり笑ったり、そして優しい笑顔を見るようになり段々気になりはじめた。
相談を受けている時、彼は一体なにを考えているのだろう?
そんな事を思いつつ彼の顔に笑顔があると嬉しくなった。
そしてその笑顔はなぜだか分からないけど私をほっとさせる。
―――こんな時、ミナトならなんと言うのだろうか? 少し聞いてみたい気がした。
− 病院中庭 愛 −
彼との話が続いていた。
「艦長に言わず私にこんな話を言うの?」
「えーっとだな、アンタの艦長さん、あの連合海軍の英雄、双岳少佐だろ?」
「時々そんな呼ばれ方をする事もあるみたいね、本人は全然そんな気ないみたいだけど」
「そうなのか? まァ、そんな人間に手を上げちまったんだ、恐れおおくてなあ」
そう言って彼は苦笑しながらぽりぽりと頭を掻く。
「分かったわ、私の方から言うから」
「すまねえ、手間をかけて。でもよ、本当にこの街を救ってくれた事は感謝しているんだ」
「貴方はこの街が好きなのね」
「当たり前だろ、自分の生まれ育った街だぜ。
自分の生まれた街が嫌いなんて余程の事じゃあねえのかな。
俺は生まれてからこの方、ずっとここで漁師をやってきた。
口うるせえがカカァがいて可愛い娘がいる、今のここが俺の大事な、アンタの言う大切な“日常”だよ。
アンタは今の“日常”が嫌いなのかい?」
「とんでもない、あの場所こそ私の大切な“日常”だもの」
私は満面の笑顔を彼と“まなみ”ちゃんに向ける。
そう、あの艦が今の私の大事な“日常”。
気になる男性がいて、相変わらず騒がしい家族たちがいる。
「そうか、あの場所は大変だろうが頑張ってくれよ。
じゃあ艦長さんによろしく言っておいてくれ。
海軍の英雄を殴ろうとした罰だ、食いてえ魚がいたら言ってくれ。
どんな事でもしてでも捕まえてやる。
もし時間が取れればそれを肴に一緒に飲もうってよ」
「分かったわ、必ず伝えるから」
彼は私に頭を下げ、小さな“まなみ”ちゃんは手を振って去っていった。
さあ、早く艦に帰って隼人君にこの事を話してあげよう。
そうすれば全部でないにしろ少しは彼の気持ちも楽になると思うし。
―――何よりこの事を話して浮かべるであろう彼の笑顔を私は見たい。
私は病院を出て私の家、〈金剛〉に戻る。
あの男性が言ったようにいろいろ大変だけど今の私にとって、とても大切な“日常”に戻るために。
2096年2月18日、
この後、私が砲塔の上で彼の話を聞いた日。
そして超兵器〈始祖鳥〉との決戦の一週間前のことだった。
− あとがきという名の戯言 −
愛:最後まで読んでくださってありがとうございます。
隼人:ようやくインターミッションシリーズの2話目、愛さん編だったけど。
愛:本編の中じゃ私は出番が少ないし、印象薄いわね。何しろ説明する機会が少ないんだから。
隼人:え? なんでですか?
愛:隼人君は自分の仕事を忘れてない? 造船技術官でもあるでしょう。
隼人:あ、そうですね。
愛:その方面の説明は君がやっちゃうし。それに私の元になっている“何でもできる”イネスと違って私は基本的に“唯の”医者よ?
隼人:ま、そうなんですけどね(一週間もパラライズするような薬を作れる人が唯のとは思えないんだけど)
愛:隼人君・・・良からぬ事を考えていない?
隼人:いえいえ、まったく、全然考えてないっスよ!(汗)
愛:・・・まあ良いわ。この話の途中で瑞葉ちゃんの話とリンクしている部分があったわね。
隼人:シーンだと瑞葉クンの回想の最後に出てきた、集合に遅れて先任士官に怒鳴られた場面でしたね。
それとサブキャラでは白鳥教官ですか、その奥さんがやっぱりミナトさんで愛さんの親友とは。
でもちょっとミナトさんにページを取られすぎたって感じもしないじゃないんですが。
愛:そうかな、まあお遊びに近い裏設定っていう事で良いじゃないのかしら(笑)。
あ、それとね雪奈ちゃんから伝言を頼まれているわ。
“おにいちゃんとミナトさんが出ているのに何であたしは出てないの? 断固として待遇改善を要求するッ!”って。
隼人:いや、改善を要求すると言われたって、出せそうなお話があるかどうか(汗)。
愛:確かに私は伝えたから、あとは作者と相談してね。
隼人:そ、相談って(汗)。
愛:で、この後のインターミッションシリーズはどうなるの?
この後は、暁副長、瑠璃ちゃん、ヒロインのあの女性、彩ちゃんで一通りは終わりですね。
沖田提督と僚艦3人衆、敵側のムネタケとヤマダも考慮中、明人は外伝でやっているんで特には。
個人的にはリースちゃんの日常とかやりたいけど・・・どうかな。
愛:まだそんなにあるの? 本当に先は長そうね(笑)。
外伝と言えば代理人さんから時間軸が分からないとか書かれてたわね。
隼人:ぎくッ!!(大汗)。
えーとですね、あんまり書くとバレになるんで。
第5話で葛城博士が話している通り、黒い戦艦マレ・ブラッタや米国が始めて手に入れた超兵器ヴォルケンクラッツァー
(ナーウィシアではツヴァイと誤認されてますが実は蜃気楼)は“転移艦”として認識されているんですね。
この世界に転移してきたって事は当然、転移する前の世界があるって事です。
隼人たちの世界を上回る技術の数々を考えると時間軸はどれくらいかは・・・今はこれで勘弁してください(汗)
それと飛び飛びの外伝は読みづらいので本編をある程度まとめたら連続投稿にします。
愛:実は隠しておきたかったんでしょう? 作者は。
隼人:色々練っているようですけど、いささか無理が。特に機動兵器で無茶してますからねえ。
愛:しょうがないわ、私認定のバカだから、作者は。
隼人:不憫ですね。
愛:あ、そろそろ時間ね。次の話はどうなるの?
隼人:引き続き〈金剛〉を主役にしますけどミッションは選定中ですね。鋼鉄2のミッション順はほとんど無視同然ですし(苦笑)。
愛:じゃあタイトル未定って事で良いわね? では次回の連合海軍物語の戯言でお会いしましょう。
代理人の感想
ふむ。まぁ、元がイネスさんだからこんなもんなのかな。
あちらは記憶喪失ゆえにそう言った感情や情動が稀薄な人だったわけですが。
>時間軸
色々理由はありますが、平たく言えば時間軸がわからないと読んでて面白くありません。
つまり書いても意味がありません。以上。