昔―――俺が子供だった頃。

非力で何も知らなかったあの頃。

空は突き抜けるような青。

風は静かに、そして優しく流れる。

何の変哲のない日常。

そんな日常の中、俺は―――





―――ヌクモリヲナクシタ。










「だれか、助けてくれ!!」

「うぅ……く、暗い……あぁ、何も、見え……ない」

「うぁ〜〜〜ん!!おかあさぁ〜〜〜ん、どこ〜〜〜!!」

「こっちだ!!早くしろ!!」


赤い空、赤い雲。

全てが赤い世界。

全てが血のように朱い世界。

轟音と人の声しか届かない世界。


「ひっく……お母さん、お父さん、どこ?」


歩く。

只ひたすらに歩く。

どこに自分の探している人がいるのかなんて知らない。

只ひたすら――――










どれほど歩いただろうか。

そこは――――赤かった。


「ねぇ、お母さん、返事してよ」


紅い。


「お父さん、何か言ってよ」


朱い。


「ねぇ、ねぇったら」


赤い、紅い、朱い、あかい、アカイ――――

海だった。


「――――ウッ、
ウワァァァァァァァァァァァァァ!!!










その日、そう、その日もあの日と同じ赤い世界だった。


「セカンド、フォース、一時撤退しろ!

 その機体じゃあもう保たない!」

「いや、俺達がこの場を離れたらシャトルが落とされる!

 それだけは絶対にダメだ!!」

「それにもう基地にまで戻る燃料がないからね」


周りには瓦礫の山。

全て自分達人間が作り出した楽園の成れの果て。

それは――――夢の跡。


「いかせるかぁーーー!!」

「ぜぇーーーったいに守り抜くんだから!!」

「ふっとべーーーー!!」


未知の敵との戦闘。

そして――――


「!上空からなにか来るぞ!!」

「大丈夫だ、町にはこな……な!!」

「戦艦の体当たりで軌道が変わっただと!!何考えてるんだ!!!」

「衝突コースは……町の中心!!!」

「みんな!!一般市民を連れて急いでここから離れるんだ!!」

「ダメ!!そんな時間ないよ!!」


おれは――――





「――――クッソオォォォォォォォォォォォォ!!!」










タイセツナナカマヲウシナッタ。




















その日、火星はその名の通り、朱い星となった。

何もかもが朱く染まった。

それは新たな悲劇の始まりでもあった。




















ナゼオレハウシナウノダ――――


ナゼオレハカナシムノダ――――


オレハナゼ――――

























ナゼイキテイル――――

 

 

 

機動戦艦ナデシコ




夢視ぬ星々の創世曲

 

 

 

オレハ――――ナゼ――――















あとがき


どうも瑞白です。

これは200万HIT記念のSSです。

このSSは〇〇〇〇HIT記念に書いていくつもりなのでよろしくお願いします。

……こんな事書いて大丈夫だろうか。

ここはカウンターの周りが早いからなぁ(汗)

こんな物でも読んで貰って頂けたら幸いです。


それと遅れましたがBenさん、200万HIT達成おめでとう御座います。

これからもお身体に気をつけて頑張ってください。

……いや、ホントにですよ、Benさん(激爆)


 

 

代理人の感想

 

おお、なんか●姫(笑)。

 

それはともかく、非常に気になった事が一つ。

一体カウンタ幾つごとに続編をお書きになるつもりなのでしょうか?

読者の方全てが注視してらっしゃるんですから慎重に決めませんと(笑)。

なにせそれによって瑞白さんの「漢度」が決定するわけですから(核爆)。