漆黒の闇の中を一隻の戦艦が漂っている。

そしてその戦艦のある一室では二人の人間が正面を向き合って座っている。

 

「・・・本当にお受けになるのですか?」

 二人の内まだ少し幼さが残る少女が驚き半分呆れ半分で聞き返した。

「そうよ、何か不都合でも?」

 対して大人の女性の風格を持っている方は至って真面目な顔をしていた。

「はい、今は双方とも危ういバランスの上で今の状態が続いています。

 そんな中では些か軽率なのでは無いかと。」

「・・・たしかに軽率なのは分かります。しかし、どちらかが動かねばならないのは事実。」

「それは分かりますが・・・。」

 少女は困った顔をしていた。

「大丈夫ですよ、双方目指すのは和平の道なのですから相手も無茶な事はしませんよ。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「それにこの席が成功すれば私たちの距離はずっと近くなるのですよ。」

 少女は困った顔から諦めた顔になると。

「・・・最後に一つだけ聞かせてください。」

「なにかしら?」

「・・・舞歌様、楽しんでいませんか?」

「あら、楽しんでなんかいないわよ、楽しみにしているだけだから♪」

 少女・・・千紗は疲れ切った表情をしていた。

 それは優華部隊の総指揮官、東 舞歌の部屋での出来事だった。

 

 


宇宙で一番危険で騒がしいお花見

前 編 始まりは・・・


 

 

「お花見に行くわよ。」

「「「「「「・・・・・・はぁ?」」」」」」

 優華部隊の面々は、舞歌から自分たちが集められた理由を聞いてみんな固まっていた。

 ・・・いや、その中の一人、千紗だけは疲れた顔をしていた。

 その6人を固まらせる発言をした張本人は至って真面目な顔をしていた。

「・・・舞歌様、それでは意味が分かりません、もう少し具体的に仰ってください。」

 一早く復活した京子は舞歌に聞き返した。

「そうだったわね・・・お花見と言うのはみんな知っているわね?

 春に咲く桜の木の下で、お料理などを食べることを言うわ。

 まぁ、少し違うかもしれないけど大体それで合ってると思うわ。

 それをみんなでやろうと言うことよ。」

 木星にも花は一様あるが桜みたいな大きな物は無いのでデータでしか見たことが無いのだった。

「そ、それは分かりますがなぜお花見をするんですか?」

「そうですよ、私たちは遊んでいる暇は無いんですよ。」

 ほかの優華部隊の面々は困惑の表情をして舞歌の方を見た。

「たしかに今はそんなことをしている場合ではないわ。」

「だったらなぜ・・・。」

 零夜が聞き返した。

「それはね・・・お花見の主催者がナデシコだからよ。」

「「「「「「・・・・・・・・・・。」」」」」」

 どうやらショックが強すぎて言葉が出ないようだ。

 千紗だけは何故か疲れた表情をしていた。

「・・・・・・な、なぜ敵であるナデシコのお花見にいくのですか?」

 一番速く復活した京子が自分が思った疑問、と言うかみんなの疑問を口にした。

「招待状が来たからよ。」

 と言って舞歌はウィンドウを開き招待状を表示した。

「た、たしかに・・・。」

 そこにはお花見をする時刻、場所などが書かれていた。

「たぶんこのお花見の席を使って私たちとの関係を深めようとするのが目的だと思うわ。

 と、言うわけでお花見にいきます。

 ちなみに参加拒否は認めません。」

「・・・わかりました。」

 みんながみんな呆れたような疲れたような顔をしていた。

 そこへ追い打ちを掛けるようにしてグラビティーブラストを超えるほどの威力のある一言を放った。

「あっ、そうそう北斗も連れて行くからそのつもりで。」

「・・・・・・ええ〜〜〜〜〜〜〜!!!」×7

 後日確認してみると、その声は艦内中に響き渡ったという。

 なお、その声に驚いてお気に入りのカップを落としでしまって、涙ぐんでいるとある清掃班の女の子が

 いたというのは完全なる余談です(笑)

「・・・貴女たち、やけに息が合っているわね。」

「そんなことはどうでもいいです!なぜ北斗様を連れて行くのですか!」

「そうです!北斗様はこうゆう席は些か無理があると思いますが。」

 興奮しているせいか、万葉が北斗が聞いていたら危ないことを口にしていた。

「あら、北斗だって私たち優華部隊の一員よ。

連れて行くのは当たり前じゃない。」

「・・・・・・・・・・。」

みんなは舞歌の言葉に声が出なかった。

「・・・舞歌様。」

「なにかしら、千紗。」

「私は北斗様を連れて行くとは聞いていませんだしたが・・・。」

「当たり前よ、言ってないもの。」

当然のように舞歌は言った。

「なぜ教えてくださらなかったのですか?」

「だって、今決めたこただから教えようが無いじゃない。」

後に千紗はこのときの事をこう言った。

「舞歌様の言葉は信用しない事にしよう。」と。

そんなこんなで時間は過ぎていった。

 

 

一方こちらは少し前のナデシコ。

 

「何かいい手は無いかな〜。」

 ブリッジでは艦長であるユリカが考え事をしていた。

「どうしたんですか、艦長?」

「うん、この戦争を速く終わらせるのにはどうしたらいいのかなって思って。」

 通信士であるメグミの言葉にユリカは考えている事を話した。

「そうですね・・・地球と木連との間には深い溝がありますからね・・・。

 まずはそれをどうにかしないといけないと思いますよ。」

「そうだよね。

 う〜ん、どうしたらいいんだろう・・・。」

 またもや思考の海に入ってしまったユリカ。

「いっそのことパァ〜っとみんなで騒いでみませんか?」

「いくらなんでもそれはムリよ、メグミちゃん。」

 メグミの提案を速巧却下したミナト。

「今は戦争中だからいくらな「それです!!」

 ユリカがいきなり大きな声を出したので、ブリッジにいたみんなは何事かとユリカの方を見ている。

「どっ、どうしたんですか、ユリカさん。」

 みんなの意見を代表してサラが話しかけた。

「みなさん、お花見をしましょう。」

 しかし帰ってきた言葉は余計分からなくする物だった。

「・・・艦長、それではよく分からないのですが。」

 ブロスが少し呆れた顔をしながら訪ねた。

「私たちは木連、すなわち相手の事を余り知りません。

 そこで、相手との親睦を深めるために席を設けよう、と言うわけです。

 親睦を深めるなら楽しい席が良いじゃないですか。

 今は春ですから、ちょうどお花見ができるのでお花見なんです。」

「お花見ったって本当にできるんですか。」

「大丈夫です、この話は木連にだって悪い話では無いですから、きっと受けてくれますよ。」

 自信満々で答えるユリカ。

 こうして宇宙で一番危険で、騒がしいお花見が始まる。

 

 続く

 


おまけ

 

ある一室にて

「ぐすっ・・・すっごくお気に入りのカップだったのに・・・。」

 カチャ、カチャ、カチャ。

「ぐすっ・・・どうして私っていつもこうなんだろう・・・。」

 カチャ、カチャ、カチャ。

「こんな風だから間が抜けてるとか、トロイとか、オッチョコチョイって呼ばれるのに・・・。」

 カチャ、カチャ、カチャ。

「やっぱり私にはこの仕事、向いてないのかな・・・ひっく・・・。」

「・・・ううん、ダメダメ弱気になっちゃ。

 自分で選んだんだから最後までやらなくちゃ。」 カチャ・・・カチャ。

「・・・よし、片づいた。

 後はこれを捨ててっと・・・。」

 ・・・ガタン!

「あっ!」

 パリーーーン!

「・・・気に入ってたお皿だったのに・・・ぐすっ・・・ひっく・・・もうやだぁ・・・。」

 ・・・この後彼女は、同僚に可愛いティーセットを貰ってすっかりその事を忘れたと言う。

 

 


あとがき

 

双:始めまして、双樹と申す者です。

  今回はこんな物でも読んで下さってありがとうございます。

  自分はこの作品が初めての作品になります。

  至らない所がありましたら教えて下さるとうれしいです。

?:あの〜もしもし。

双:おや、君はおまけで出てきた子じゃないか、どうした?

?:何で私がここにいるのでしょうか?

双:ああ、その事か、それは・・・。

?:それは・・・。

双:特に理由は無い。

?:・・・は?

双:いや、理由を挙げるとすれば自分が気に入ったからかな・・・たぶん。

?:・・・最後のたぶんは何ですか。

双:ま、まぁいいじゃないか!

  おまけとあとがきに出られたんだから。

?:だけど、名前がありませんよ。

双:ぎくぅ!

?:それになんだか不幸ですし。

双:・・・・・・。

?:やっぱり私は間抜けで、トロくて、オッチョコチョイでドジな駄目な子なんですね・・・ぐすっ。

双:いっ、いやそこまでは言われてないと思うが・・・。

  それにこの話は連載物だからその内きっといいことがあるぞ。

?:・・・本当ですか?

双:ああ・・・たぶん。

?:またたぶんって・・・。

双:・・・それではまた次回お会いしましょう。  

?:まだお話が終わってません!

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

双樹さんからの初投稿です!!

このメンバーでお花見ですか?

・・・何処に桜が咲いてるんだろう?

もしかして、展望台か?(爆)

う〜ん、会場が凄く気になりますね〜

 

では双樹さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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