「おーい、ぞっさんいるかい?」

「おうっジョージじゃねぇか、今時分にどしたい?」

「休んでるとこ済まねぇが、ちょいと大事な話があってよ。」

「何だぁ?箱ポリ(交番警察)のアンタがウチのガサ入れ相談でもしよってのかい?」

「あ〜・・まぁ実はその通りってやつだ(汗)」

「お・おいおいっ、俺は冗談で言ってんだが・・(汗)」

「それがな、少々厄介な事にお前ぇさんの店、今訴えが出されてんだ。」

「んだとっ!ウチから食中毒者が出たってのか!?」

「違うちがうっ料理の事じゃなくて・・」

「まさか・・横島のナンパ絡みかっ!?」

「半分、当たりだ(汗)。」

「半分?・・ど〜言う意味だよ!?」

「まぁ聞けってぞっさん、ほら、ここ数ヶ月で常連になった4・5人のOLグループがいるだろ?」

「お?おう、あのOL姉ちゃんズがどした?」

「先週、その内の一人が往来で横島とばったり会ったんだと。その際、ナンパされたらしいんだが・・」

「おいおいまさか、その子に襲い掛かって怪我させたんじゃあるまいな!?」

「それなんたがぞっさん、聞いて驚け!彼女、OK出したんだと!」

「ぶはっっ!?」

「うわ汚ぇなっオイ・・」

「ゲホッげほっいや済まねぇ(汗)・・じゃなくてっ!横島がナンパに成功したぁ!?・・おいジョージ、今日はエイプリルフールじゃね〜んだぞ?」

「はは(汗)、まぁ俺も耳を疑ったけどよ、どうもマジらしい。以前から横島がお気に入りだったんだとよ。」

「はぁ〜・・・(溜息)、他で喰う虫も好き好きたぁよく言ったもんだ・・で?」

「問題は、その場に明乃ちゃんもいたって事さ(汗)」

「うわっ公衆の面前で血達磨かよっ!?」

「いや、2人の面前で公共物を粉砕したんだと。」

 

「あん?それが店のガサ入れとど〜繋がる?」

「証明しちまったんだよ、明乃ちゃんのパワーが本物だって事!」

「??」

「分らんか?食堂名物:ドツキ漫才が、実はヤラセじゃなくリンチだったってな。」

「おいっ!?そりゃねぇだろジョージ!!」

「分ってるよ、俺達ぁ伊達に1年間2人のじゃれ合いを見て来た訳じゃね〜んだぞ?」

「けどな・・その子にすりゃよ、店のヤラセだと信じてたのに実はリアルバウトだったわけだ。」

「そ・それは・・」

「気になる年下の男の子(汗)が毎日血だらけで見世物にされてるとなりゃ・・分るだろ?」

「不味いなそりゃ(汗)。始めこそ笑ってられるレベルだったが、この一年で本物の達人級になっちまってるし・・」

「おまけに姉ちゃん仲間で証拠集めまでやらかしてるらしい・・・・なぁぞっさん、
暫く2人を店から離してみちゃぁどうだい?このままだと、店そのものの存亡に係わっちまうぞ?」

「其処まで追い詰められてんのか!?・・けどよ、そいつぁ出来ねぇ相談だ。
あいつ等ぁ2人共身寄りがねぇと来てるし、こっちの都合でそう簡単に放り出す訳にゃあ行かねぇんだよ!」

「・・言いたい事ぁ分るよ。俺だって、いや常連の皆があいつ等を気に入ってんだ!
このまま店を盛り立ててくれりゃ、それが一番だってな。」

「ならよっ・・!」

「けどなぞっさん、俺達ぁお前ぇさんの店の味が大好きなんだ!
万が一にも失いたくねぇんだよ・・例え、あの2人を手放す事になってもな。」

「ジョージ・・・・!!」

「第一、お前ぇさんの事だからいずれは2人に店をもたせてやるか、もっと大きな処に送り出すつもりでいたんだろ?」

「馬鹿野郎、そいつぁ何年もみっちりと仕込んでからの話だ!今の半端な腕前で他所様へ放り出せるもんかい!」

「相変わらず厳しいネェ(汗)。そ〜は言うけど、あいつ等もそろそろ下地は出来上がってるんだろ?」

「恥ずかしくねぇ程度にはな・・けどなぁ、・・いや、そうか。そうだな・・他所で修行させるのも一つの手か(溜息)。」

「そ〜言うこった!」

「済まねぇなジョージ、店の事で随分気を遣わせちまって。」

「いいって事よ!それに、こいつぁ皆の総意だ。俺達常連の皆が承知してやってる事だよ。」

「おいおひ、当人そっち除けでいつの間に・・(汗)」

「なぁに。2人の行く先決めたら盛大に見送ってやろうってな、そう言う分けだ。」

「そうかい、・・そいつぁ本当に、有難うよ。」

「それじゃ、2人の事宜しく頼んだぜぞっさん。」

「おおさっ!パーティやる時ァ腕によりを掛けてやるって、皆に伝えておいてくれ!」

「よっしゃ!楽しみにしとるぜ〜(♪)」

 

・・・ったく、あの馬鹿野郎共!客の皆に迷惑掛けやがってよ・・本当、幸せ者だな。

一日も早く腕を上げてご恩返しさせなきゃ俺もあいつ等も立つ瀬がねぇってもんだ、

しっかりした修行先探してやんなきゃな・・。

それにしても、横島のナンパ成功が天変地異ならぬ店の存亡を招くたぁな(汗)

やっぱりあいつぁ{誰か}の元で括り付けとかなきゃよ・・本当、はた迷惑な奴だ(苦笑)

 

 

――それは、横島と明乃の運命を激しく変えるちょび髭の赤ベストと厳ついSPもどきが雪谷食堂を来訪する、2日前の定休日であった。――

 

 


 

Hi!みなさん、いつも拙い作品をご覧頂いてとっても感謝のMr.JOEです。

今回の作品は、「ナデシコ大作戦!」の第3話で雪谷食堂の才蔵さんが横島と明乃を

あっさりとネルガルに手放した理由を、K−999さんご本人の説明と承諾の下、

少し掘り下げてみた次第であります。

さらにもう一つ、横島の飽くなきナンパ活動がもし成功したらどう言う事態を招くか!?

を主軸に据えてショート・ショートをでっち上げてみました。ちょっちシリアス(?)入ってますが、

ご理解頂ければ幸いです〜(汗)

 

 

代理人の感想

う〜ん、マンダム。(笑)※

 

いやマンダムはどうでもいいんですが、「らしい」なぁとw

しかし本気で強いのな、明乃(爆)

 

 

 

(※)先日物故しましたチャールズ・ブロンソン氏に慎んで哀悼の意を表し心よりご冥福をお祈り致します。