逆行者+突破者
第四話「精神=二重」
アイツを殺した時、目の前にはミサイルが迫っていた。
ちょっち、引いたね。もう少しでやばかったし。
なんにせよ、久々の外だ。殺されないように頑張ろっと!
そう思ったのだが………。
「さてさて………テンカワさんとツバキさんの戦闘記録を今先程、ブリッジ全員で拝見させてもらいましたが」
只今僕はプロスペクターさんにお説教をもらっている。
僕の横には困った表情のアキトさんもいたりする。
「正直言って、信じられん程の腕前だ」
ゴートさんにはお墨付きをもらってしまった。
「はっきり言いますと、あなた達の実力を持ってすれば……装備が揃えば、単独でコロニーを落とす事も可能です」
それは無理ですよ。だってコロニーの殺し方知りませんから。
そう思っているとアキトさんが話し始めた。
うむむ、流石に両親の形見のトレーニング機で鍛えていたってのは苦しくないですか?
そんなわけでアキトさんはコック兼パイロットになった。
さて………。
「では、ツバキさん。あなたはどうなのですか?以前見せてもらった時はあそこまでの実力は無かったと思いますが」
「その前に一つ、話しておきたいことがあります。皆さん気づいていると思いますが、今の僕は皆さんが知っているツバキ アヤトではなくもう一つのツバキ アヤトなんです」
「それは二重人格ということですか?」
オペレーターのホシノさんが突然尋ねてきた。
「うん。半分正解で半分間違い。僕を構成する物が二重に在るのは確か。でもそれは人格ではなく精神とか魂みたいな物なんだ」
みんな、ついてこれてるかな?
「だから僕はアイツとは別人。アイツがツバキだから僕はアヤトって呼んでください」
「ふむ、あなたの現状は理解できました。ではアヤトさんはなぜあれほどの戦闘技術を身に付けたのですか?」
僕は薄く笑って答えた
「僕とアイツは絶えず外へ出るために戦っています。それもけっこうリアルな戦いなんですよ。だから自然と技術を身に付けていったんです。ちなみに僕の方が強く見える理由は、元々この体は僕の物でしたから僕の方が動かし慣れてるんです」
はてさて、考えようによってはアキトさんの言い訳よりひどいな。
けど嘘は言ってないんだよね、真実そのままじゃないけど。
「なるほど、あなたも苦労されたんですね」
ってプロスさん!なんで涙ぐんでるんですか!
ああっ!!なんか周りも同情ムードだし。
そんなこんなで、意外なほど簡単に僕はナデシコに馴染めた。
………まあ、変わり者が多そうだしね、ここ。
「うおおおおおお」
どこからか、雄叫びが聞こえてくる。
さっきサツキミドリが木星蜥蜴の奇襲にあって、避難した人達から新たなパイロットが来たみたいだからそれでかな。
後で僕も会っておいた方がいいかな。
そう考えていると、
カキンッ!!
音を立てて世界が凍った。
なんだっ?!何が起こった!?
皆固まっちゃって動かないぞ!!
後で聞いた話だとイズミさんって人の話が原因らしい。
しかしこの威力は………「世界」とか「白金の星」ぐらいの破壊力だな。
そして僕達はサツキミドリに残された0Gフレームの回収に向かった。
ちなみにヤマダさんはベッドの上。エンタイトルツーベース君の一撃がかなりいい所に入ったらしい。
やったのはアイツだから僕は責任持たないけど。
『ねえねえ、アヤト君って二重人格なんだよね?』
途中、ヒカルさんから通信が入ってきた。
「正確には違うんですけどまあ似たようなものです」
『………もう一人の方は出せないの?』
なぜか静かにイズミさんが入ってきた。
「今すぐはダメですけどそのうち会えますよ」
それに僕、アイツ嫌いですし。
『でもアキト君もアヤト君もすごいね!地球圏脱出の記録見たよ』
「アキトさんのほうが断然すごいですよ。僕はぎりぎり切り抜けたような物ですもん」
『………ぎりぎりでも切り抜けられたらすごいと思うわ』
そのアキトさんはリョーコさんと話してるみたいだ。
『リョーコはアキト君に興味があるみたいだし』
『………面白くなりそうね』
『『くっくっくっくっくっ…………』』
こわいっス!!この二人!!!
肝心のサツキミドリでの回収の件はデビルエステバリスなるものが出てきたが、情け容赦のないアキトさんの一撃で終わってしまった。
……まあ、僕も同じ事やるつもりでしたけど。
格納庫に戻ってみるとウリバタケさんが待っていた。
「どうしたんですか、ウリバタケさん?」
「なあ……アヤト、おまえあのなんとか調停装置持ってるか?」
「ああ、エンタイトルツーベース君ですか。けっこういい出来ですよね、あれ」
アイツにしてはいい物作ったなと思ったんですよね。
「あんな物が装置などとは認めーーーーーん!!!」
いきなりウリバタケさんは叫ぶと手に持ったスイッチを押し、
「歯車様の天罰と思え!!リリーちゃん、GO!!!!」
そこら辺にあった機械が合体して不思議な人型になる。
「ふっ!宣戦布告ですか、いいでしょう。このエンタイトルツーベース君改の威力。見せてあげます!!」
そう、すでにチューンナップは完了しています。
僕は背中からエンタイトルツーベース君改を出すとグリップのボタンを押した。
エンタイトルツーベース君改が淡く光りだし、
そこいらにあった機械を分解させて、
エンタイトルツーベース君改に三つの赤い突起物として再構成される。
「そっ、それはア○ター!!」
「元ネタがバージョンアップしたので初期バージョン追悼記念です!」
突起物の一つが壊れ、ブースターとなる。
僕は回転しながら突進していき、
「撲殺のファーストヒット!!!」
ドガズシャーーーン!!!!
ウリバタケさんとリリーちゃんを吹き飛ばした。
「くっ………、今回は負けだ。だがしかし!今度はそのスポーツ用品を歯車様の生贄に捧げてやる!!」
「いいでしょう。ウリバタケさん…いや、セイヤさん。その時は僕のエンタイトルツーベース君も更なる進化を遂げてるでしょう」
そして、僕らは再戦を誓い、別れていった…………
追伸、後でプロスさんにセイヤさん共々こっぴどく怒られました。
二重の心、二重の魂………
なにが二つに分かつのか………
ただ一つ言える事は………
……ノリの良さは同レベル………
後書き
無識:はっはっはっ!祝ギャグバトル勃発!
アヤト:もう壊しまくりだね。セイヤさんも可哀想に。
無:けどこの戦いは外せないからな。自分的に。
ア:ちなみに今回使った能力はエンタイトルツーベース君の機能です。
僕自身がパワーアップした訳ではありませんのであしからず。
無:次からはウリバタケさんも強くなります。
ア:ところでアキトさんたちの方ってどうなってるの?
無:今はお前達の事を片っ端から洗ってるぞ。
電子の妖精×2+1の力でな。
でもわからないんでお前達に積極的に近づけない訳だ。
ア:まあ、さしものマシンチャイルドもあの人達じゃ分が悪いよ。
無:………出そうかな、あいつら。
ア:やめなよ。パワーバランスぐちゃぐちゃになるから。
せめてコロンボのうちのかみさん程度にしときなよ。
無:まっ、そうするか。
んで次回はミニジェノサイド風味でお送りします。
代理人の感想
わはははは!初期バージョンで来ましたか!
なら次は、
粉砕のセカンドヒット!
ですか?(バットと言えば粉砕というのは大昔からの決まりごと(笑))
そしてとどめは
抹殺のサヨナラホームラン!
ですねっ(笑)!
・・・・・・なお、この欄は代理人による無責任な予想であり、作者および管理人代理人ともに
結果について何ら責任を負うものではない事を申し添えておきます(笑)。