逆行者+突破者

第八話「海+森」





 今回のナデシコの任務はテニシアン島に落ちてきた、

 新型チューリップの調査なんですけど………


「パラソル部隊急げ〜〜〜〜〜!!」


「お〜う!!」


 海だって事で皆さん調査そっちのけで遊んじゃってます。

 もちろん僕も遊ぶんですけどね。





「あっ、アヤトくんいい所に来た。ビーチバレーやらないかい?

 メンバーがちょっといなくてね」


「あれ?アキトさんとかリョーコさんはどうしたんですか?」


 無言でアカツキさんが指差した方を見ると、


「「「う〜〜〜〜〜〜!」」」


 ………まあ、ある意味予想通りの光景があるわけで。


「……わかりました。僕もやります。」




 それで僕とヒカルさん、アカツキさんとイズミさんに分かれました。


「手加減無用だよ!」


「わかりました」


 アカツキさんのサーブを僕がレシーブして、


「アヤトくん、トス!」


「でりゃあっ!!」


 シュバッッ!

 
ズバンッッ!!

 コートをえぐって僕のスパイクが決まった。

「「「……………………」」」


「よしっ。一点先取!」




 この後、試合はドローに終わった。

 ボールが壊れるとは思わなかったな〜。





「ちょっと!!わたしをどうする気よ!!」


 さて、僕の向かう先に首だけキノコとスイカが一個ずつ。


「さあさあ!スイカとキノコ、どちらに当たるかな?」


 セイヤさんたちがトトカルチョをやっていて、

 僕の手には目隠しとエンタイトルツーベース君。

 見ての通り、スイカ割りなのだ。

 ………標的は二つだけどね。(ニヤリ)


「ちょ、ちょっと!や、やめなさいって!!」


 目隠しした僕は声のした方に歩いていき、

 標的を気配で捉えるとエンタイトルツーベース君を振りかぶった。


「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




 ………割ったのはスイカでした。……チッ。





 ………森の方で誰かが戦ってる。

 気配でそう感じた僕は森の方に行ってみると、

 横からナイフを持った男が飛び出してきた。

 軽くかわしてナイフを蹴り飛ばすとそのまま踵落としで黙らせる。

 そして近くで驚いているアキトさんとゴートさんに問う。


「……どういう事ですか、これ?」




 ふう、クリムゾン・グループ会長の孫娘の島とはね。

 事情を聞いた僕もアキトさんたちと別れて敵を倒すことになった。


「ノルマは二人、………よっと」


 背後から近寄ってきた敵を

 振り向きざま掌打で倒すと気配を消して、移動した。


「なっ!?消え…」


「てないんだな、これが」


 近くから狙っていた敵の顔を掴み、足を引っ掛けて後頭部から倒した。


「あいにく、隠行の法は僕の得意技でして」


 ノルマ達成っと、アキトさんたちももう終わっているでしょう。




 案の定、合流してみるとアキトさんもゴートさんも終わっていた。


「アヤト、お前はこういう戦いは素人のようだな」


 ゴートさんがそんなことを聞いてきた。


「あっ、気づきました?こういう対多数戦は経験ありませんでしたから」


「ぶしつけな事を聞くがお前は、……人を殺したことがあるのか?」


 感情を殺して聞いてくる。


「………ありませんよ。人殺しは」


 ………そう、アイツはニンゲンじゃないから……





 その後、昼食を食べた僕たちは新型チューリップの調査を始めた。

 ……みなさん、覚えてたんですね。




 そして見つけたチューリップは、

 新しくバースト・モードを付けたアキトさんのDFSで真っ二つ。

 まっ、アキトさんとアイツ以外は使えないんでしょうがないですね。

 かくして跡形も無くチューリップは消えました。




 その夜……


「どうしてこんな事まで前と同じなんだ〜〜〜!!!!!!

 俺は悲劇の主人公になんて………なりたくなかったのに〜〜〜〜〜!!!」


 よく分からない事を言いながらアキトさんが艦長たちから逃げている。

 暗いオーラを発している某組織三人組の隣りでつぶやく。


「取り引き次第じゃ、助けないことも無いですけど………ね」





 のちの影を表すもの………

 その影は次第に道を阻んでいく………

 その時彼らは影を倒すのか………

 ……それとも影を殺すのか………





後書き

無識:考えてみればクリムゾンってここで初めて出てきたんだな。

アヤト:そんなことよりさ〜。久々の僕、ダークでない?

無:そんなことないぞ!これでダークと言ってたら、

  「時の流れに」はどうするんだよ!!

ア:いいの?そんな事言って……。そういえばアイツもDFS使えるの?

無:うむ、ここで二人の能力を比較してみよう!

  アヤトは、機動戦はアキト並でDFS使えず。

  ツバキは、機動戦は並の一流ってくらい、けどDFSは使える。

ア:ちなみに格闘戦の方だと、

  僕は奇襲、闇討ちでの一撃必殺が得意。

  アイツは単純な力押し、だけどポテンシャルがあるからそれなりに強い。

無:一応、理由もあるんですけど……、ネタバレなのでカットしやす。

ア:最後に、例のアレについては?

無:うっ、今回は自然に出せたかなーっと思うんですけど……。

  皆さん、いかがだったでしょうか?

  前のような使い方も、出番とネタがあれば出しますので。

 

 

代理人の感想

 

そう言えばDFSって「アキトと北斗にしか使えない」と言うことになっていますけど

「時の流れに」を読んでいると「刃を出す」だけなら他のパイロットでもできるような描写がありましたね。

集中力を必要とするから刃を出しながらの機動戦闘が行なえない、とかなんとか。

つまりアヤトが技量重視タイプで、ツバキが技量は並だけど基本能力が高い、と。

 

 

・・・・なるほど、イメージカラーはアヤトが白でツバキが赤な訳ですね(謎爆)?