逆行者+突破者

 

 

 

 あの、忌々しい戦争が和平という奇跡の幕を閉じ、

 激戦を戦い抜いたナデシコの面々も、今は平和な世界へと溶け込もうとしていた。

 

 しかし、その平和を享受できぬ不幸な男が一人……。

 

 そんな、その男の愛と戦いの話がある。

 

 

 

 

 まあ、俺には関係ないんだけど。

 

 

 

 今日も俺は平穏な朝を迎える。

 三人暮らしにしては広いマンション。

 そこが現在の俺の住まいになっている。

 

「おはようございます、ツバキさん」

 

 銀髪を短くそろえた少女がそう挨拶してくる。

 同居人A兼全自動家事マシーンのエリカだ。

 

「おーう、とりあえず茶を出してくれ」

 

「はあ、たまには自分で煎れてください」

 

 そう言っても俺の命令には逆らえず台所に行く。

 俺はテーブルに置いてあった朝刊を見る。

 

 

 そう、朝はいつだって平穏なのだ。

 そしてその平穏は突如として破られる。

 

 

 

 バタバタバタ、バターンッ!!

 

 慌てた足音と共に知人がドアを開けて駆け込んでくる。

 ちなみに………まれにボソンジャンプで来る事もある。

 

「ツバキ!すまん、匿ってくれ!!」

 

 知人その1テンカワアキトだ。

 また性懲りも無く墓穴を掘って同盟に追われているのだろう。

 平和になった為、アキトの女性問題は一気に表面化したのだ。

 

「わかったから、もう少し静かにしろ。

 仮にもここは集合住宅だぞ」

 

 うちの家は同盟も組織も手出しできない為、

 アキトにとっての緊急避難所と化している。

 まあ、あくまでも避難所だがな。

 

「そうですよ〜、こんな気持ちのいい朝なんですから、

 もっとリラックスしなきゃ」

 

「………そうやってさも当然のように上がりこむな、深雪!」

 

 いつの間に入ってきたのか、隣には知人その2の天狼深雪がいた。

 

「頼むよ〜、僕も匿ってくれよ〜」

 

 涙ながらに深雪が頼んでくる。

 深雪もアキト同様女性問題でよく逃げ込んでくるのだ。

 もっとも、こっちの追っ手は一人だが。

 

「そうは言ってもな、あの人は俺だって止めるのは無理だぞ」

 

「そ・の・と・お・り♪」

 

 またまたどっから現れたのか、そこには知人その3にして深雪の追っ手、

 ファル クレア ヴァイアンスさんがいた。

 

「ふっふっふっふっふっ、未来が読める私から逃げようなんて、

 無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁぁ!!」

 

 そう言うとファルさんは深雪の首根っこを掴む。

 

「いぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ、

 大体僕はあなたが嫌いだってはっきり言ってるじゃないですかぁ!!」

 

「だいじょーぶ、だいじょーぶ。

 私はあなたの分まで自分が好きだから。

 ほら、大丈夫でしょ」

 

 迷いも抜け、すっかり略奪愛モードのファルさんにかなう人無し。

 

「何だその理屈はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 至極もっともな悲鳴を最後に、

 深雪はファルさんに引きずられて消えていった。

 

 

 

「……………アキト、

 今のままだと確実にあんな末路が待ってるぞ」

 

「……………明日は我が身か………」

 

 

 

 

「まったく、騒がしい方達でしたね」

 

 タイミングよくエリカが茶を持ってやってくる。

 湯飲みを二つ持ってきてるのはさすがだ。

 

「ああ、ありがとうエリカちゃん」

 

「いえいえ、なんと言っても生みの親ですから」

 

 

 戸籍上は俺の妹となっているこのツバキエリカは元はヒースというAI。

 遺跡の技術を流用して人型のボディで現在は生活している。

 このボディ、トールの遺体をリサイクルで使ってたりする。

 ………女って……たくましいな。

 

 ちなみにいまだ寝ている同居人Bことボケ娘一号、

 遺跡にいたあいつはツバキアヤメという名でやはり俺の妹という事になっている。

 

 

「はあ…………、

 どこか、平穏に過ごせる場所は無いのかな………」

 

 疲れたように、そして達観したように呟くアキト。

 疑問形ですらないのが重症だというのをあらわしているな。

 

「そういやアカツキに呼ばれてただろ、

 もしかしたら打開策でも教えてくれるんじゃないか?」

 

「………そーだな、とりあえず行って見るか」

 

 そう言って、アキトは重い足取りで家を出て行った。

 もちろん周囲の警戒も怠らず、一瞬で姿を消してしまった。

 

 

 

「……………ふむ、

 これで少しは新しい展開になるかな?」

 

「…………ツバキさん、アキトさんで思いっきり遊んでますね」

 

 エリカが呆れたように言う。

 

「当たり前だ、せっかく安全な特等席で観戦できるんだからな、

 少しぐらい引っ掻き回さなくては面白くないだろう」

 

 人の不幸が蜜の味、というわけではないが、

 アキト達のそばにいるだけで今時マンガでもありえないような修羅場が見れるのだ。

 退屈しないという事に関しては絶筆に値する友達といえよう。

 存分に楽しまなくては損というものだ。

 

 

 

 おそらく彼らはこれからも変わらないだろう。

 いや、彼ららしく変わっていくのだろう。

 

 

 

 なら後七十年は退屈せずにすごせる。

 

 それまでは、この世界にとどまるのも、

 

 

 

 

 ―――――――悪くないな。

 

 

 

 

 

 

 エピローグ Tルート「ナデシコ+ツバキ」

 

 GOOD END  And  Next Story?

 

 

 

 

 

後書きのファイナルブリット

殺(アヤメ):祝・完結おめでとー!

選迦(エリカ):おめでとー。(棒読み)

殺:作者は現在アヤトルートの方に行っているので、

  私達がここの後書きを担当する事になりました。

選:シリアスな後書きがお読みになりたければそちらに行かれる事をお奨めします。

  ………それにしても何故私達が?

殺:それはっ!私達が真のヒロインと影のヒロインという設定だったのに、

  あまりにも目立ってなかったから私が直訴したのよ!!

選:………………ああ、初期の裏設定からそんな事書いてありましたね。

殺:それがエピローグですらそこの所まったく語られず、

  挙句の果てに「俺のSSに女っ気はいらんっ!!」と開き直る始末!!

選:まあ、初恋以降は三次元で恋をした事は無いと、

  今ここで豪語してしまう痛い作者ですから。

  ちなみに補足ですが、ここのアキトさんはおおむね平和に生きています(修羅場除く)

  人に疎まれるのは可哀相だから、という作者の激甘なわがままの為です。

殺:地球と木星の確執も知らん!もっと平和に生きろ!!

  せめて、女キャラぐらいは幸せにしてくれぇぇぇ!!、などとも言っています。

  ……某SSの救いの無さに対する素直というか子供っぽい意見ね。

選:余談ですが、この場の善人ぶった発言の反動がアヤトルートに出ています。

  興味があればそちらもどうぞ(宣伝)

殺:それでは、最後になりましたが、

  このSSを投稿する機会を与えてくれた管理人のBenさん、代理人の鋼の城さん、

  並びに色々な影響を与えてくれたActionHPに住まう皆様方、

  本当にありがとうございました。

選:特に代理人さんには初投稿から感想を書いて頂き真に感謝しています。

  辛口だろうが甘口だろうが書いた物に反応が返ってくるのは嬉しかったです。

  もちろん、精神的に弱い作者は投稿のたびに、

  厳しい事書かれないかと、びくびくしていましたが。

殺:そして今このSSを読んでくれている………そう、あなた!

  何がきっかけで読まれているかはわかりません。

  もしかしたらクリックミスで偶然見ている、なんていう方も……。

  オッケーです、ありがとうざいます!

  今現在読まれている、それが一番大切な事ですから。

  読んでいただき、本当にありがとうございました!!

 

 

 

 

選:ねえ、こんだけ後書きを気合入れて書いて、

  読んでいる人いなかったらどうする?

殺:………………やめて、リアルだからすっごく嫌。

選:………………………。

殺:………………………。

選:…………………それでは、

殺&選:さよーならーーーーー!!!

 

 

 

 

代理人の感想

関係ないって・・・思いっきり楽しんどるやん(笑)。

 

ま、それはそれとして!(And Now,For Something Completely Different!)

 

 

 

深雪、覚醒!(爆笑)

 

 

まさかこう言う末路を迎えるとは思っても見ませんでしたが…

やはり打ち所が悪かったんでしょうかね〜(笑)。

ま、笑えるからよしとしましょう(爆)

 

 

>厳しい事書かれないかとびくびくしてましたが

あっはっはっはっは(汗)。

ま〜、精神衛生を優先なさりたいのでしたら感想逆指名制度の御利用をお勧めします(爆)。

それじゃ、また。

 

 

 

 

 

 

・・・なに、あっちの感想とえらく違うって?

ちっちっち、そいつぁ野暮ってモンだぜ兄さん。(笑)