お前の趣味だけは俺にも理解できん。ルリちゃんとかラピスもああなるのか?


 ……ま、まあ、ラピスはもうすぐ降ろすし、大丈夫だよな。









黒い王子の黄昏―或いは神々の平凡(?)な日常― 4話





 あれから一週間、何時もよりかなり早いがそろそろ月ドッグにもどるか。


 リハビリも順調に進んでいるし、やはり過去に行った俺の回りにいた女性が


 普通とかそう言った事からあらゆる意味で違っただけだったようだ。


 過去に戻った俺よ。どうやってあんなに嫉妬深いのばかり集めたんだ?


 お前の趣味だけは俺にも理解できん。ルリちゃんとかラピスもああなるのか?


 ……ま、まあ、ラピスはもうすぐ降ろすし、大丈夫だよな。


「アキト、どうしたの?」


 夕食の用意を手伝ってくれていたラピスが手を止めてこちらを見上げてくる。


 俺への一片の疑いもなく少しだけ心配そうにこちらを見てくるラピス。


 最近のディアとの掛け合いで表情豊かになった事もあり、


 その瞳を見つめてみるとバイザーをしたままでも見られている事がわかるのか少し赤くなる。 


 ……過去に戻った俺よ。やはりラピスの教育をあのジュン二号とダッシュなどに任せたのは


 お前の最大のミスの一つだぞ?こうやって手元に置いておけば良かったのに。

 
「なんでもない。早く作ってしまおう。早くしないとブリッジにいるディアが文句を言いに来るぞ」


「そ、そうだね。アキト、こっちはもう良いよ」


 そういう恥ずかしがる所がいい。こういう所は残しておかないと。(ニヤリ)


「?わ、私の顔に何かついてるの?」


「いや、ラピスがかわいい事を再認識しただけだ」(ニヤリ)

  
 そう言われてまた赤くなるラピスを見て、

 ……やっぱり、降ろすのやめようかな?

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_潜伏を始めてから、一週間。潜伏するのも大変だなあ。

 大体あんなのの何処が良いんだか。あんなのあの方に比べれば、月とすっぽん、

 ハーリーとブロス、先行者とAIBOだろうに。

 N○○TOの奴等の考える事はわからん。

 

 おい、白い鉄。



_!?なんだよ、おどかすなよ。何のようだい。

 (よかった。さっきのは聞こえていなかったようだな)



 これからいつもの集会だろうが。



_ああ、そうだった。教えてくれてありがとう。危うく遅れる所だったよ。



??そのことなら、安心したまえ。



_あ、首領。一体どう言う事です?



??もちろんこれから集会に遅れるかもなんて心配する必要無いって事さ。



_?



 その時、首領は、これでもかと言うくらい爽やかだった。



??残念だよ。君がまさか、大魔王派の草だったなんて。



_!?何の事です。



??君のような人材を失うのはとても心苦しい事だけど。


 首領が手をあげると何処からか現れた○○○カーの戦闘員に両脇から掴まれる。



_首領!これは誤解です!私は大魔王派の草などではありません!



??しらを切ってももう調べはついているんだよ。



_そんな!私は純粋なN○○○O派!大魔王派に組した事など一度もありません!



??では、さっきの発言は何かな?



_何かの聞き違いでしょう?



??ほう?そこまで言うのなら、大魔王の潜伏先を教えてもらおうか。


_チッもう切り捨てる時が来たか!)ネルガルの戦艦です!



??へえ、大魔王も今回は変な場所に隠れたね。

  じゃあ、次に、○○○君の事を我々の前で罵ってみたまえ。



_そ、それは。



??なんだやっぱり、大魔王派の草だったようだね。

  さあ、その裏切り者を涼水夢殿へ引き渡して来い!



 !?あ、あの涼水夢殿にですか?



??そうだよ。裏切り者にはそのくらいがちょうど良い。

  それとも君達も行ってみる?



 い、いえ。それでは、涼水夢殿に引き渡してきます。



_待ってくれ!涼水夢殿だけは、涼水夢殿だけはやめてくれ!!



 我々も涼水夢殿に引き渡すのは心苦しいのです!諦めてください!



_は、離せ!離してくれ!!



 白い鉄は、戦闘員二人に連れて行かれた。

 それを見届けた後、首領が言う。



??これで粛清は完了だ。それにしても流石は奴等の情報網だね。

  他集団からの情報と言うのが気に入らないけどはずれる事がほとんど無い事はたしかだし。

  白い鉄君もこれで我等の崇高な萌えの精神を理解し純粋なN○○○Oの一員になるだろうし。

  少し貸しを作る価値はあるよね。

  

 あの涼水夢殿に連れて行くとは相変わらず、貴方は恐ろしい人ですね。



??ん?影の兄弟、居たの?



 貴方が呼んだんでしょうが?



??そうだったね。そういえば、大魔王に手伝いを頼まれたんだって?



 ええ、でもそれを何処で?



??ああ、昨日君がお酒飲みながらどうしようかって相談しにきたからだよ。



 ……だから、頭が痛いんですね。



??で、どうするんだい?代魔王達には黙っておいてあげるよ。



 一度行ってみることにします。それでは。

 
 影の兄弟が去っていく。



??今から行けば、もう抜けられないと思うけど。影の兄弟、君の犠牲は忘れないよ。

  ほんとは私が行くはずだったけど、酔っていたとはいえ行くって言ってくれた

  君の好意を無にするわけにもいかないよね?…………ニヤリ……


 首領は、そう言って邪悪な笑みを浮かべた。




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 夕食を終えた俺は、自動食器洗い機に使った食器等を入れておく。

 三人しかいないのだから食器洗いに時間を掛けていられない。

 俺には、ラピスやディアと遊んだりトレーニングやユーチャリスの操艦等の仕事があるんだ。

 なぜナデシコ食堂にはこういった機械が無かったのだろう?

 さてとトレーニングでもしてくるか。
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 後書き 

 なぜか話が違う意味で進んでしまった。一応4話もアキトが主だったはずなのに

 なぜだろう?ほとんどの場所が書き始めて30分で終わってしまった

 白い鉄さん、涼水夢さん、すいません

 影の兄弟さんは……まだまだこれからです

 首領は、名前とかまだありません。

 それと集団ですが、基本的には代魔王派と首領派、

 少数集団の為大魔王を御輿にする少数派同盟となっています

 次は、アキト達の部分を多くしたいと思います