「わかった。後で行っておく。お前もエリナに仕事を押し付けてばかりだとどうなっても知らんぞ?」
黒い王子の黄昏―或いは神々の平凡(?)な日常ー 五話
『アキト、もうすぐ月ドッグに付くよ』
「わかった」
料理を作っている途中だったのだが仕方ない。
よしこれをあと3日は煮込んでおかないと。
アキトは、五感が戻って以来料理を作っている。
最初はラピスとディアが居る為だったが、一週間の間に趣味になっていた。
アキト、君の知っているテンカワ・アキトは死んだと言った頃の君は何処にいったんだい?
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「あ、アキト兄!」
「アキト!」
俺がブリッジに入るとディアとラピスが抱き着いてくる。
ここでポイントなのは、ディアは足音がたったったでラピスはとてとてとてな所だ。
民間人はどうか知らんが俺にはわかる。もし外にこの差がわかる奴が居たら
そいつも俺と同じ真の漢なのだろう。
「アキト、どうしたの?」
「なんでもない」
二人を連れたまま艦長席に座る。
「アキト兄、そろそろ教えてよ。まだ補給しなくても一月以上もつのになんで戻ったの?」
「調味料の数が足りないからだ。それにブラックサレナにも手を加えたいしな」
「そうなんだ。じゃあ、今回は長く居るの?」
「場合によってはそうなる」
…外にも二人を降ろすとかアカツキを襲撃するとかエリナとイネスに会いに行くとか
色々とあるが、嘘は言ってないよな。
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ここは涼水夢殿。一見普通の日本家屋。というか長屋。
一歩足を踏み入れるとそこは怪しい研究所だった。
その前にも色々と肩書きがついたり別称があったりするが今は触れぬこととしましょう。
怪しい報告書を読んでいた涼水夢が入ってきた白い鉄に目を向ける。
なんだ、首領君の言っていた裏切り者とは君の事だったんだ。
涼水夢の目が、キランと光る。
_涼水夢殿、見逃してください!我々は同じ少数派として協力することを誓ったじゃないですか!
そうしたいのもやまやまなんだけど、それだと首領君が怒っちゃうじゃないか。
それにさあ、一つ忘れてない?
_?な、何がですか?
僕が一体何処に所属していて、どう呼ばれているかって事だよ。
_ま、まさか私も実験体になれと言うのですか?
実験体?君は何を言っているんだい?僕には君の言っている事がわからないよ。
単に新しい技術を実体験させてあげるだけだよ?もっと喜んでくれても良いじゃないか。
_そ、それを実験体といわずになんと言えと言うのですか!!
文句が多いなあ。それで、どっちが良い?
_どっちとは?
作ったばかりの『浪漫すとーん』を埋め込むのと
君の右わき腹にある『浪漫回路』を改造するのとだけど?
_……どっちもいやです!
わがままだなあ、それとも『漢石』の方が良いのかい?
人によっては『嫉妬マスク』に変身できるようになるよ。
もう少し君のレベルが高ければ、『嫉妬ライダーブラック』にもなれたんだけどね。
あ、『嫉妬マスク』がランクアップしたんだから白に赤かな?
_それもいやです!
ほんとに君はわがままだね。そんな君には、首領君の希望どおり
浪漫回路を改良してあげよう。真っ白にした後、萌えを理解したν白い鉄にしてあげるよ。
いや、まずはまーくつーかな?それともフルアーマーの方が好みかい?
プロトタイプになると逆に弱くなっちゃうし難しいなあ(ニヤリ)
涼水夢が手にいとのこと金づちを持ってじりじりと近寄っていく
_うう、近寄るなあ!大体その手に持っているノコギリと金づちは、なんだ!!
そんなに怖がらなくても良いよ?どうせ意識があるのは一瞬だけだからね。
ゴスッ
涼水夢殿から何かを鈍器で殴ったような音がした後、部屋の前の廊下は静まり返る。
白い鉄さんもかわいそうに。
おい、早くここから逃げようぜ。俺達まで巻き添えを食う事になる!
! そ、そうだな。
外の廊下を歩いていた者達は、全員素晴らしい速さでその場から逃げ出した。
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「今回は、早いね〜何か合ったのかい?」
ユーチャリスを降りた俺はまずアカツキに会いに行った。
俺が来た時は何時も会っているがお前、仕事はないのか?
「ブラックサレナを改良して欲しくてな」
「ブラックサレナを?あれ以上強くするのかい?」
アカツキが苦笑している。
「ああ、セイヤさんは?」
「格納庫にでもあとで行ってみると良いよ。それとラピスちゃん達を降ろすんだったら
できるかぎりの事はするつもりだけど、ほんとに降ろしちゃって良いのかい?」
アカツキは相変わらず笑ったまま、問うような目をしてくる。
「そのつもりだが……よくわかったな?」
「長い付き合いだからね」
確かにこいつとは長い付き合いだ。俺が復讐者になってからもこいつは今までどうりだった上
俺を統合軍から匿ってくれている。重役達も反対しているだろうに。
本当に、こいつには世話になってばかりいるな。
「どうしたんだいテンカワ君?」
アカツキが軽薄そうに笑ったまま聞いてくる。
「いや、お前には世話になってばかりいるな」
「おや?テンカワ君からそんな科白が聞けるとは思わなかった。
これもラピス君とディア君のお陰かな?」
おどけた口調でアカツキが言ってくる。
「さあな、それじゃあ格納庫に行ってくる」
薄く笑いながら席を立つ。
「そうかい?ああ、それと長くここに居るんならエリナ君やドクターにもちゃんと会って
行かないとダメだよ?あまり長く女性を待たせるのは失礼だからね」
「わかった。後で行っておく。お前もエリナに仕事を押し付けてばかりだとどうなっても知らんぞ?」
「はっはっは。たしかにそうだね。肝に命じておくよ」(汗)
アカツキのいくらか乾いた笑い声を聞きながら部屋を出た。
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後書き
巧くいかないなあ。特にアキトとアカツキの会話が。
さて白い鉄さんを今後どうするか。影の兄弟さんもまた出てもらわないとね
それでは、このような駄文を最後まで読んでくださってありがとうございました