サブロウタ、覚醒の日に・・・

 

 

 

 

 

「どうした、三郎太?」

 

「いえ、なんでもありません。」

 

咄嗟にそう答えたものの俺はさっぱり状況が分かっていなかった。

秋山源八郎少佐が怪訝そうな顔をして俺の顔を覗き込んでいる。

 

ちょっと待て!

秋山源八郎少佐!?

ばかな、閣下は連合宇宙軍少将のはず...

 

内心とてつもなく混乱しつつもポーカーフェイスを保ち、源八郎少佐に対し首を振る。

少佐は納得がいかないようだったが、これ以上俺がなにも言わないつもりなのを理解したのか

そのまま話を再開した。

 

だが、俺は源八郎少佐の話を右から左へ素通りさせつつ状況の把握に努めていた。

どうみてもここは旧木連の優人部隊だ。

だが、どういうことだ?

あの大戦後、優人部隊は解散になったはず...

そこで、俺は違和感に気づいた。

頭が軽い!?

スースーするな?

そっと頭に手をやるとさっぱりした手触りが返ってきた。

変だ、俺は大戦後髪をここまで短くしたことはない。こんなにさっぱりしているなんて、

まるで今が大戦中みたいじゃないか。

そこまで考えて、俺は内心ギクリとした!?

まるでじゃなくて、これは大戦中そのものじゃないか...

もういちど周囲をゆっくり見回してみる。

間違いない。ここは旧木連のかんなづき級戦艦の中だ。

するってえと、ここは過去の世界ってわけか!?

ばかばかしく感じるがそれ以外説明のしようがない。

俺は、自分自身にとりあえず合理的な説明がついたことで、陥っていた軽いパニック状態から脱した。

 

なるほど、あの時のランダムジャンプか...

 

落ち着いた俺は記憶のページを一枚づつめくっていき、すぐに原因らしきものを拾い出した。

ナデシコCとユーチャリスの追いかけっこ。

ナデシコCからユーチャリスに打ち込まれたビームアンカー。

そして、切迫したテンカワアキトの警告。

そこまで記憶をたどっていき、俺はため息をついた。

艦長の力ずくの行為が予期しない結果を生み出したということか...

 

それにしても.....

これからどうすべきか?

記憶をたどることを中止し、俺は自問自答する。

過去の俺は、この時点で木連の正義を全く疑っていなかった。

友を信じ、源八郎少佐を信じ、そして草壁中将を信じていた。

だが...

今、ここにいる俺は木連の正義を信じることはできない。

俺は草壁が何をしでかしたか知っている。

そのため、艦長がどれほど苦しみ悲しんだか知っている。

このまま、同じ歴史を繰り返して良いわけがない!

...だとすれば、すべきことはひとつだな。

 

未来を変える!

 

そう、あの悲惨な未来を俺の手で防ぐ。

それだけだ。

そんなふうに覚悟を決めると気が楽になった。

それに、むざむざと白鳥中佐を死なせるわけにもいかないしな。

俺は大戦終了間際に起きたあの謀殺事件を思い起こし決意を新たにした。

さて、ではまず何から始めるべきか?

俺はこれからすべきことを順に考え始めた。

まずは、軍内部に情報収集の網を広げる必要があるな。特に、草壁の動きには注意が必要だ。

それに草壁直属の四方天の情報も集めなければな。

うかつに動いて北辰でもを送り込まれでもしたらもともこもない。

そして、地球に対しなんとか交渉のパイプをつなぐ必要があるな。

だが、一体どこにパイプを通すべきか.....

 

そこまで、考えた時点で俺ははたと見過ごしていたことに気づいた。

 

過去の世界にきたのは俺だけか?

 

その考えは俺にとってまさしく天啓だった。

あの時のランダムジャンプが原因でこの過去の世界に跳ばされたとするならば、

他の人間もこちらの世界に来ている可能性がある。

そして、もっとも可能性が高いのはジャンパー体質の人間だ。

とすれば、艦長がこちらの世界に来ている可能性がもっとも高い。

ならば、地球へのパイプを通す先は決まったも同然だ。

そう考えて、俺は未来への展望が一気に開けた気がした。むろん、これは予想にすぎず、

誰もこちらに来ていない可能性はある。

だが、あの大戦の後、俺は楽天家になると決めたんだ。

だから、暗い未来よりも、明るい未来を夢見てまっすぐ進む方が今の俺らしい。

 

ということで、艦長もこちらにきていることに決定〜。

 

ついでにハーリーもこっちにきていることに決定〜。

 

よし、じゃあ初代ナデシコの情報を集めるとしますか。

 

...ところで、今日は何年の何月何日だ?

 

後日、ナデシコが出港するのは一ヶ月以上先だと知って三郎太ががっくりするのはまた別のお話...

 

 

 

独り言

 

木連の元大関スケコマシこと高杉三郎太登場!

まあ、登場といっても過去の世界に跳ばされた時点Onlyの話ですけど(苦笑)

これ以上妄想が続かなかった(笑)

どなたか続きを書いてくれませんか?と頼んだりして(爆)

本編は木連側のお話があまり見えてない...

だから、その気になれば好き勝手にサイドストーリーが書ける!

...ちなみに各々の階級はほとんど覚えていなかったので適当です(爆)

でも、私の場合妄想が浮かばないとだめなんだよな...

ここはやはり木連側の大家、鋼の城さんに期待しよう(笑)

#木連じゃなくて北斗の大家かもしれない(汗)

大作を書かれたばかりでお疲れかもしれないけど(爆散)

では、鋼の城さんのSS作成装置に木連のパラメータを入れて、スイッチオン!

#...ロボットじゃないんだから(爆)

 

じゃあ、管理人が乱入します(苦笑)

 

 

 

 

 

「どうしたと、三郎太少尉?」

 

「俺にも昔は理想があったんだ・・・あったんだよ。」

 

 誰かさんの名台詞を言いながら、遠い目をする三郎太。

 

「・・・で?」

 

 しかし、まるで相手にせず冷静に突っ込みをいれる三姫。

 

「初めは隠れて頑張ったさ。

 でも、俺の出来る事は限られていた。

 情報を公開して、目を付けられる訳にはいかなかった・・・」

 

「ふ〜ん、それがこの木連美人・美少女ファイルの言い訳?」

 

 顔中に汗を掻き、無言のままに口を開いたり閉じたりする三郎太。

 そんな三郎太を見る三姫の目は、絶対零度を思わせるモノだった。

 

「結構、詳しいデータが載ってるばい。

 ・・・まあ、流石に私達優華部隊のデータは。」

 

       ピタリ!!

 

 ファイルを捲っていた三姫の手が止まる。

 その目はある一点を捉えて放さなかった・・・

 

「更新日は・・・昨日。

 そして、このデータは・・・私達の体重からサイズまで、コンマ単位で書いてあるばい。

 ・・・三郎太少尉(ニッコリ)」

 

「ははははは・・・ダッシュ!!」

 

「待て〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

「仲が良いわね、あの二人。」

 

「本当ですね。」

 

「まあ、三姫が監視をしていれば私達に害は無いでしょう。」

 

「・・・結構言うわね、百華(汗)」

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

鳥井南斗さんから12回目の投稿です!!

いや〜、ついつい管理人も乱入してしまいました(苦笑)

鳥居さん、気に障ったら御免なさい(汗)

でも、三郎太は確かに活躍の場が少なかったですからね。

今後は活躍をして欲しいです(笑)

もちろん、誰かさんとペアで(爆)

さて、皆さんも鳥井南斗さんの企画に参入しませんか?

Benも楽しみに待ってます!!

 

それでは、鳥井南斗さん投稿有難うございました!!

 

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