北斗、戦神と羅刹の邂逅に・・・
「レーダーに反応!
方位026、仰角プラス12度より未確認反応接近中。」
「何?」
連合宇宙軍月面基地を出港し、想定宙域までの戦闘航海を実施していた第16任務部隊司令サワキトシカネ
少将はメインモニターにレーダー情報を映し出す。
そこには、艦隊に急速接近している黄色い点が示されていた。
「対機動兵器戦闘準備!
カウペンスとクレマンソーに搭載機の発進命令を出せ!!」
情報を読み取ったサワキはすぐさま戦闘態勢への移行を命令する。
だが、参謀の一人が異議を唱えた。
「司令、まだ敵と決まったわけではありません。戦闘準備は早すぎるのではないでしょうか?」
サワキはギロッとその参謀を睨み付けると大喝した。
「馬鹿者!
戦闘行動中の艦隊に急速接近する馬鹿がどこの世界におるか!!
味方ならとっくにIFFを受信しとるわ!!!
ぐだぐだいっとらんでさっさと働け!!!」
「りょ、了解しました!」
参謀達が大慌てで動き出す。
その様子に舌打ちしながらサワキは再度メインモニターに視線を戻す。
そこでは、サワキの命令に従い軽空母の電磁カタパルトから射出される戦闘機群と先程と変わらずに
艦隊に接近しつづける未確認機が映し出されていた。
機動兵器一機で何をするつもりだ?
サワキの胸中を不安がよぎる。
先程参謀を怒鳴りつけたのは彼の演技に過ぎない。
第16任務部隊は新兵が大半を占める練度の極めて低い艦隊である。
司令部付きの参謀もまだ成り立てのほやほやが大半であった。
そのため、この偶発事をを利用して格好の訓練を行うつもりであったが、こちらの戦闘展開を全く気にする
様子もなく接近を続ける未確認機にサワキの不安は拡大していた。
そして、サワキの不安は最悪の形で的中する。
カッ
真空の宇宙空間を巨大な爆炎が彩る。
「何事だ!状況報告!!」
サワキの怒声に参謀の動転した声が答える。
「重巡シドニー撃沈されました!?
未確認機からの重力波を検知!グラビティブラストです!!!」
報告の声は最後の方で悲鳴とかしていた。
ばかな...
サワキの脳裏にはその言葉しかなかった。
第16任務部隊は新兵訓練のために編成された臨時の艦隊である。
当然のことながら最新鋭艦など配備されているはずがない。
ネルガルが建造したというディストンションフィールド装備の艦など一隻も存在していないのだ。
それどころか、旗艦をのぞく艦隊を構成するほとんどの艦が退役寸前のおんぼろ艦といっても過言では
なかった。
だが、状況はそんなサワキにかまわず進んでいた。
カカァッ
再び真空の宇宙空間を爆炎が彩る。
今度は先程よりもちいさいが連続した爆炎であった。
「駆逐艦睦月、五月撃沈されました!敵グラビティブラストです!!」
先程の参謀の声が旗艦の艦橋に響き渡る。
「主砲正射!
当たらなくてもかまわん。
牽制がわりにはなる!」
「了解!」
意識を取り戻したサワキの指示に参謀が答える。
「主砲交互射撃用意!
対機動兵器戦だ、収束率は落とせよ!」
参謀の命令によって旗艦の主砲が閃光を放つ。
その様子に以降の砲撃指示を参謀に任せたサワキは戦闘機隊の展開状況を確認する。
「こちらの戦闘機隊は何をやっている!」
「まもなく戦闘可能宙域に突入します!」
グラビティブラストを搭載するような機動兵器ならば小回りは利かないはず、そう考え一安心するサワキ。
だが、それが新たな惨劇の幕開けでしかなかったことに気づくにはわずかな時間しか掛らなかった。
「もろい、もろすぎる...」
くだんの機動兵器の中で吐き捨てるようにつぶやく女性がひとり...
「この程度の敵では前菜にもならん。」
宇宙空間に屹立する真紅の機体。
その機体はブラックサレナとうりふたつであった。
「慣らし運転代わりもできんとはな。」
さらに吐き捨てるようにつぶやく彼女。
そして、その彼女の搭乗する機体の周りでは、つい数分前まで第16任務部隊と呼ばれた艦隊の残骸が
漂っていた。
彼女が艦隊に接近を始めてから10分とたっていないだろう。
グラビティキャノンで重巡一隻と駆逐艦二隻を沈めた彼は、その直後戦闘機隊との交戦に入った。
軽空母二隻に搭載されていた戦闘機は一隻あたり20機、合計して40機。
如何に旧式とはいえ、通常であれば、たった一機の機体の側に勝ち目はない。
しかし、実際は戦闘とよぶことすらおこがましい結果でしかなかった。
戦闘機40機が全滅するまでに要した時間はわずか数十秒。
それから残りの艦が彼女によって全て沈められるまで3分とかかっていない。
そのことが余計彼女を苛立たせていた。
しかし、その苛立ちも接近警報によって雲散霧消する。
急接近する機影をレーダーモニター上に表示し、その接近速度から待っていた相手の到着を知った彼女は
嬉しげにささやく。
「主賓の到着か...
思った通り、こいつらみたいな雑魚とは動きが違うな。
くっくっく、やはりお前が、俺のこの渇きを癒してくれるのか...
なあ?
そうだろう?テンカワアキト...」
彼女、北斗はこれから始まるであろう戦いに胸を躍らせていた。
生まれて始めて、この飢餓感を埋めてくれる敵の登場にほとんど歓喜に近い感情を覚えながら...
そして、想像を絶する戦いの火蓋は切って落とされる.....
独り言
北斗SS.....とはいえんな、これじゃ(汗)
なぜか、北斗が妙に書きにくかった....
なぜだろう?
...そうか!
北斗SSは鋼の城さんやもものきの犬さん達に任せなさいという神のお達しか!!!
それじゃあ、今後は北斗SSは全てお任せしようっと(核爆)
それはともかく.....
週間投稿を始めてはや2ヵ月半。
好きでやってきたこととはいえ、さすがに少々疲れました(^^;
まあ、たいした量じゃないじゃないかといわれるとつらいものが
あるのですが。
で、これからしばらくはもっぱら読むほうに専念しようかな〜
なんて考えています(笑)
そんなわけで、しばらくの間私の部屋に「NEW」はつかないでしょう(爆)
でも、「休むのは認めない。とっとと次回作を書け!」という催促メールが
5通以上着たら、次回作をすぐに書きます。
#普段の感想メールの数がしれるな(苦笑)
それでは皆さん、しばらくの間さようなら〜(^^)/~~~
#しばらくというあたりが我ながら狡猾だと思う(爆)
管理人の感想
鳥井南斗さんから13回目の投稿です!!
北斗できましたか(苦笑)
う〜ん、確かにこの時の戦闘シーンは書いてませんね。
アキトは月面で戦ってましたし。
まだ正体不明の存在でしたから、北斗は。
でも、これで鳥井南斗さんは暫くお休みですか?
それならBenも休もうかな(爆)
それでは、鳥井南斗さん投稿有難うございました!!
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